皆さんはバレエにどのようなイメージをお持ちですか?
優雅、美しい姿勢、レオタード、妖精……。憧れの気持ちとともに「子どもの頃に習いたかった」と今でもあきらめきれない思いを持ち続けている方もいらっしゃると思います。
「さすがに大人になってからバレエを始めるなんて無理」とあきらめてしまっている方、今からでも決して遅くありません。近年、大人向けのバレエ教室が人気を集めていて、多くのバレエ教室が大人のための初級バレエクラスを開講しています。スタジオに行って大勢の前で踊るのはハードルが高いという方には、オンラインレッスンも充実しています。あきらめる前に、大人バレエへの扉を開けてみませんか。
- 日本のバレエ事情
- 私が数十年ぶりにバレエを再開したワケ
- 大人バレエをはじめるとうれしい効果も
- ・柔軟性としなやかな筋肉がつく
- ・脳トレ効果、達成感やうっとり感で前向きになる
- ・他の種類のダンスの基礎が身につく
- オンラインバレエレッスンのメリット・デメリット
- オンラインバレエレッスンの受講方法
- オンラインバレエレッスンのメリット・デメリット
- オンラインバレエレッスンの実際
- 受講者の中心は40~50代の女性、その 8割が初心者
- オンラインバレエレッスンは、自分のペースで自分のために楽しむもの
- 流れと実際のレッスン
- オンラインレッスンの流れ
- オンラインでバレエレッスンを実際に受けてみた
- オンラインバレエレッスンに必要なもの
- ・バレエのレッスンスペースは畳2畳分で十分
- ・バレエのレッスン中につかまるところを確保する
- ・バレエシューズは必須ではない
- ・オンラインバレエ、受講するならパソコン・タブレット端末がおすすめ
- ・水分補給を忘れずに
- オンラインバレエに慣れてきたら、こんな工夫でモチベーションアップ
- いつからでも始められるオンラインバレエレッスン
日本のバレエ事情
バレエには、大きく分けて伝統や様式美を重んじる「クラッシックバレエ」と、自由で個性的な様式を持つ「モダンバレエ」の2種類があります。多くの方がバレエに対して持つ「クラシック」、「チュチュ」、「トゥシューズ」というイメージは、クラッシックバレエのものです。
2016年の「バレエ教育に関する全国調査」によると、スポーツクラブやカルチャーセンターなどを含めると全国のバレエ教室の数は推定4,500前後。バレエ人口は約40万人で、2009年頃までは増加していましたが、その後は東日本大震災や経済状況の変化などによりやや減少傾向になっています。習っている年齢層は4歳~12歳、30~50代が中心で、60~80代もいます。ちなみに大人がバレエを始める動機は、「健康のため」「子どもの頃憧れていた」がトップです。
私が数十年ぶりにバレエを再開したワケ
私自身は、テレビで見た「白鳥の湖」に憧れ、5~10歳の間、地方のカルチャーセンターで週1~2回バレエを習っていました。小学3年生の頃が、バレエレッスンを最も楽しいと感じていた時です。先生の言葉を身をもって理解することができ、身体をコントロールする感覚を獲得したからです。その後は、体型変化や先生の産休、受験勉強によりバレエをあきらめ、鑑賞する側として楽しんできました。
もう二度と踊ることはないと心に決めていたのですが、コロナ禍に見舞われていた2年の間にバレエの公演も次々と中止になり、舞台芸術の危機を目の当たりにしました。そうした状況もあって自ら「もう一度踊りたい」と心の底から感じ、バレエを本格的に再開しました。
数十年ぶりのバレエ再開は、体が動かず、筋肉痛や挫折感との闘い。子ども時代に比べると脚は上がらず覚えも悪いのですが、毎週のレッスンの積み重ねにより、確実な進歩を実感しています。これは、年齢とともに体の衰えや喪失感を感じることが増える大人世代にとっては、貴重な経験になるかもしれません。
大人バレエをはじめるとうれしい効果も
実は、バレエで得られる効果はたくさんあるのです。
・柔軟性としなやかな筋肉がつく
入念なストレッチを行うことで柔軟性がアップし、動きの練習により筋肉や体幹が鍛えられ、良い姿勢や体型維持にも役立ちます。バレエは優雅に見えますが、想像以上に筋肉を使う踊りです。年齢とともに筋力が落ちやすい大人世代にとっては、「しなやかな筋肉をつける筋トレ」といえるかもしれません。
・脳トレ効果、達成感やうっとり感で前向きになる
複雑な動きもありますが、繰り返すことにより少しずつ身に付きます。動きを覚える過程は、脳トレにもなります。さらに作品の世界に入ってうっとりし、踊りによる達成感を得られると、前向きな気持ちにつながります。周囲で大人バレエを始めた人たちは、美意識が高まり、きれいになっていく方が多い気がします。
・他の種類のダンスの基礎が身につく
バレエは、多くの西洋舞踊の基礎です。コンテンポラリーダンス、ジャズダンスなどにも非常に役立ちます。私の場合は、ジャズダンスのためにバレエを基礎から学び直しています。
オンラインバレエレッスンのメリット・デメリット
これだけメリットがあっても、大人になってバレエを始めるのはハードルが高いと考える方も多いかもしれません。ですが、コロナによりバレエもオンライン化が進んだことで、お試し感覚で始める方も増えているようです。対面のスタジオレッスンに比べ、周囲に気を遣う必要がないことも、大人が始めやすい理由かと思います。そこで今回は、人気の大人バレエを始めるきっかけとして、オンラインでのバレエレッスンをご紹介していきましょう。
オンラインバレエレッスンは、1.オンラインレッスンに特化したもの(オンライン受講のみ)、2.対面レッスンをオンライン配信するもの(対面・オンライン受講併用)に分けられます。今回は、このうち1.のオンラインレッスンに特化したものを取り上げていきます。
オンラインバレエレッスンの受講方法
オンラインレッスンには、対面でレッスンを提供しているスタジオが提供するもの、または個人の先生が行うものがあります。「オンラインバレエレッスン」と検索するとさまざまなサービスがリストアップされます。教室やスクールに直接申し込む方法のほか、多彩なレッスンをWEB上で紹介、仲介してくれるサイトもありますのでこういったサービスから申し込みをする方法もあります。
オンラインバレエレッスンのメリット・デメリット
気軽に始めやすいイメージのオンラインレッスンですが、人によっては不便だと感じる点もあるかもしれません。
【メリット】
・レッスン費用は、対面教室の3分の1~半額程度、入会金は低めか、不要の場合もある
・基本的には発表会参加はない
・自分の都合にあわせて受講可能
・地域に限定されず、相性のよい先生を探すことができる
【デメリット】
・講師とのコミュニケーションがとりづらい
・自宅の環境に左右される
・人前で踊る経験を積みにくい
しかし、これらのデメリットも講師と受講者双方の工夫次第でカバーできるようになっています。
オンラインバレエレッスンの実際
今回、私は教えたい人と学びたい人をWEB上でマッチングさせるサービス「ストアカ®」を利用して、実際にオンラインバレエを受講してみました。先生は、週に5日オンラインでバレエを教えるNAMI先生です。
NAMI先生は、4歳からクラッシックバレエを始め、各種コンクールで入賞。2020年よりオンラインバレエレッスンをスタートし、2021年には「ストアカ」でオンライン開催バレエ教室ランキング全国1位を獲得する人気バレエ講師です。
受講者の中心は40~50代の女性、その 8割が初心者
私の体験内容や感想は後ほどお伝えするとして、最初にNAMI先生に最近のオンラインバレエ事情についてお話を伺いました。
まずは、オンラインバレエレッスンの参加者ですが、メインは40~50代の女性。リモートワークの合間に運動したいという人が多く、こういう方を対象にランチタイム向けのレッスンも開講。子育て中の方や対面のバレエ教室に通いづらい方にも人気を集めているとのことです。
受講者のバレエ経験の有無が気になるところですが、幼少期にバレエを習ったことのある人もいるものの、レッスン参加者の8割が初心者。内訳は最初からオンラインレッスンを選ぶ人、対面レッスンから移ってきた人などさまざまとのことです。
オンラインバレエレッスンは、自分のペースで自分のために楽しむもの
「教室に通う対面レッスンに行ってはみたけれど、厳しい指摘を受けて落ち込んだ」、「うまく踊れない姿を周囲に見られたくない」と悩みを打ち明ける参加者も。先生によると「特にクラッシックバレエは型が決まっているので、その通りに踊れないと『格好悪い』、『できない』と感じる方が多いのでしょう」とのこと。
4歳からバレエを始めた先生は、プロを目指すも、無理な開脚や厳しい指導で辛くなり、バレエから一旦離れます、20歳の頃、テーマパークダンサーを目指してバレエを再開した時、「どうすれば自由に踊れるか?」と理由を説明しながら、自分の頭で考えることを教えてくれた先生と出会い、バレエを心底楽しめるようになったといいます。先生からは「周囲の目を気にする必要はありません。オンラインレッスンは、自分のペースで自分のためにバレエを楽しむことができますから」とオンラインバレエレッスンの魅力を教えていただきました。
流れと実際のレッスン
バレエはつらい開脚やストイックに基本の動きを練習するイメージがありますが、大人向けレッスンでは関節に無理な負荷をかける動きは行いません。
オンラインレッスンの流れ
私が受けたレッスンのざっとした流れは、
1)最初にしっかりストレッチ。身体の柔軟性は各自異なるため、様子を見ながら進めます。
2)基本のバーレッスンに進みます。椅子や壁などを支えにしてシンプルな流れで行います。このバーレッス
ンで練習する動きが、後の振付の中で生きます。
3)1時間のレッスンのうち最後の15分間は、先生が大人向けにアレンジした振付を練習。有名なバ
レエ作品の一部分を1ヶ月かけて学びます。無理に脚を上げたり、ジャンプする振付は行わず、オリジナルの振付を生かしながら、作品の世界に浸れる工夫を心掛けているとのこと。
レッスンは参加者が同じ動きを真似しやすいように、画面越しに鏡のように向き合うかたちで行います。
この他、ストレッチ、バーレッスン、振付それぞれ特化したレッスンや、超・初心者向けのレッスンも行われています。
オンラインでバレエレッスンを実際に受けてみた
私も、この1時間のオンラインレッスンに参加しました。他2名の参加者は、自宅でバレエ用のバーを使用していました。私はパソコンを通しての参加です。
初めてオンラインレッスンを受ける参加者は、「画面の見え方」、「音量の調整」、「どこにつかまってバーレッスンするか」などを事前に先生と確認します。
レッスン中、床に座ってストレッチ、いすを使ったバーレッスン、振付けと内容が変わるたびに、パソコンのカメラの角度を変えました。先生の全身の動きを把握するには、パソコン画面から1.5m以内にいたいところですが、その距離だと私の上半身しか映し出せず、困りました。バーレッスンには、食卓の椅子を使いました。絨毯の部屋で、靴下をはいて参加しましたが滑らずに踊れました。
振付は、1.5m四方あれば十分な動き。バーレッスンだけだと飽きてしまうので、1時間で振付まで体験できるのは魅力的です。少し汗ばむくらいの運動量で、主に上半身を美しく使い、うっとりとした気分で踊れました。この日の振付は「グラン・パ・クラシック」の女性バリエーションでした。振付は、畳2畳分くらいのスペースで踊れる内容で構成されており、1ヶ月かけて仕上げます。
オンラインバレエレッスンに必要なもの
ここまで読んで来られて、「自分もオンラインでバレエレッスンを受けてみたい」と思われた方もいらっしゃることでしょう。ここからはオンラインでバレエレッスンを受けるために必要な場所、物、用具などについてご紹介していきましょう。
【レッスンスペース編】
・バレエのレッスンスペースは畳2畳分で十分
バレエのレッスンというと、かなり広いスペースが必要になるイメージがありますが、実際は畳2畳分ほどあれば十分に踊れます。床は、フローリングでも畳でも大丈夫です。
・バレエのレッスン中につかまるところを確保する
片足でバランスをとる動きを練習する際に、バレエスタジオではバーを使います。家庭にはこのようなバーがありませんので、いすや壁、キッチンのシンクなどの縁などで代用する方がほとんど。ご自身のひじの高さや持ちやすさに合わせた物、場所を確保しましょう。
【用具編】
・バレエシューズは必須ではない
自宅の部屋で練習する際に、バレエシューズは最初は特に必須ではありません。足先の滑りが多少感じられるほうが動きやすいですが、靴下や素足など好みに応じてでいいと思います。
・オンラインバレエ、受講するならパソコン・タブレット端末がおすすめ
レッスン中の講師の動きを確認するためには、大きい画面の方が見やすいです。スマートフォンは手軽ですが、できればパソコンやタブレット端末での受講をお勧めします。
・水分補給を忘れずに
オンラインであっても、かなりの運動量です。途中、水分補給の時間は設けられますが、自宅の条件やその日の体調にあわせて早めに休憩・水分補給しましょう。
オンラインバレエに慣れてきたら、こんな工夫でモチベーションアップ
オンラインのバレエレッスンを始めて数ヶ月が経ち、練習にも慣れてきたら環境をブラッシュアップして、よりリアルなバレエレッスンに近づけていくというのもモチベーションアップにつながります。
タブレットやパソコンで映していた講師の姿を、さらに大きく映すためにプロジェクターや大画面のモニターに変える、広角レンズを使って自分の全身を講師に見てもらい臨場感あふれるレッスンに。さらに衣装に凝ったり、個人用のバー(1万円~)を用意してみるのも楽しいです。
いつからでも始められるオンラインバレエレッスン
オンラインレッスンを実際に体験するまで、ほとんどのオンラインレッスン参加者が「本当はスタジオで対面レッスンを受けたい」はずだと思っていました。しかし、「対面レッスンよりもオンラインが一番」という受講生の方が多くいることが分かりました。これは、オンラインレッスンが、大人バレエを始める際にハードルとなる “恥ずかしさ”や“不安”を取り除く役目を果たしているともいえます。
今回は、そんなオンラインバレエレッスンの魅力と快適にスタートするためのコツをご紹介しました。バレエに興味はあるけれど、今まではじめられなかった方こそオンラインで一歩を踏み出してみませんか?新しい自分と出会えるかもしれません。
オンラインバレエなど、おうちでできる運動を楽しむならこんな住まい
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記事トップ画像提供:NAMI氏