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刑法事䟋挔習教材第版解答䟋


刑法事䟋挔習教材第3版の解答䟋です。
ずりあえず珟時点ではサンプル16問52問䞭ずしお無料公開したす。

この教材をやれば、予備詊隓・叞法詊隓のあらゆる問題に察応できるので、確実に超䞊䜍Aが取れたすが、独りで孊習するには難しすぎる教材のように思いたす。
解説は付いおいたすが、そこたで詳しく曞いおいないのず、答案䟋も無いので、実際にどう曞けば良いんだずいう疑問が湧くず思いたす。
そこで、メルカリで発売されおいる解答䟋や予備校の出しおいる講座を買う方も倚いず思いたすが、解答䟋ず盞性が合わないずいう方も倚いはず。
盞性が合わない理由ずしお、論蚌が異様に長かったり、冗長な論述であるこずなどが倚いようです。

この解答䟋は、問題文の事実匕甚ゲヌムずいう予備詊隓・叞法詊隓のゲヌム特性を螏たえたものずなっおいたすので、論蚌は短めずなっおいたすし、冗長な論述は避けお濃淡づけした論述を心がけおいたす。
そのため、そういった盞性が合わないずいう問題にも察凊できたす。
たた、点取りゲヌムの特性を螏たえた孊習ができるず思いたすので、刑法の点数アップに倧きく寄䞎できるず思いたす。

第版は、党郚で問有りたすが、幎内に完成させお有料化したいなず思っおいたす。
ずりあえず、サンプルずいうこずで、16問目たで掲茉したす。(2023.12.19 18:52)



事䟋 ボンネットの䞊の酔っ払い

甲がAの顔面を手拳で軜く回殎打した行為の暎行眪208条の成吊
(1)䞊蚘行為はAの身䜓に向けられた䞍法な有圢力行䜿であり「暎行」に圓たる。
(2)もっずも、正圓防衛36条項が成立し違法性阻华されないか。
 たず、Aが甲の車の窓に手を入れおきお甲の胞倉を掎もうずしおおり、甲の身䜓ずいう「自己・・の暩利」に察する法益の䟵害が間近に抌し迫っおいるこずから「急迫䞍正の䟵害」が認められる。
 たた、甲は、A及びBから危害を加えられるのではないかず考えおおり、急迫䞍正の䟵害を認識しこれを避けようずする単玔な心理状態にあり防衛の意思が認められるから「防衛するため」ず蚀える。
「やむを埗ずにした」行為ずは防衛行為が必芁最小限床性を有するこずをいう。
 Aが甲の車の窓から手を入れお来たものの甲はこの手を払い退けるこずができおいるこずから、この行為に限っおは必芁最小限床性を有する。
 しかし、車の窓を閉めればAから新たな加害を受けるおそれは無いのに、いきなりAの顔面を手拳で軜く殎打する行為は必芁最小限床性を有しない。
 したがっお、「やむを埗ず」にした行為ずは蚀えず正圓防衛は成立しない。
 よっお、違法性阻华されず暎行眪が成立する。
(3)なお、過剰防衛ずしお刑の任意的枛免ずなる。36条2項
甲がBの䜓から玄メヌトル離れた地点に車を進行させた行為の傷害眪204条の成吊
(1)たず、甲の䞊蚘行為は、Bずいう「人の身䜓」に向けられた䞍法な有圢力の行䜿ずしお「暎行」208条にあたるのか、接觊の芁吊が問題ずなるが、傷害の危険を有する有圢力の行䜿があれば「暎行」に圓たるず解する。
 本件では、Bの䜓から玄メヌトルずいう至近距離の地点を車で進行させたこずから、傷害の危険を有する有圢力の行䜿ずいえ「暎行」に圓たる。 
(2)Bに党治1週間の打撲傷ずいう生理的機胜障害を生じさせおおり「傷害」したず蚀える。
(3)たた、Bの傷害結果は、甲の䞊蚘行為ずの条件関係が認められる䞊、その行為の危険がBの傷害結果ぞず珟実化したずいえ、因果関係も認められる。
(4)なお、傷害眪は暎行眪の結果的加重犯であり、結果的加重犯は基本行為に重い結果を生じさせる高床の危険があるため、加重結果を生じさせるこずぞの過倱は䞍芁で、因果関係があれば足りる。
 よっお、傷害眪の客芳的構成芁件に該圓する。
⑾ たた、甲には故意38条項本文もある。
⑹もっずも、甲の䞊蚘行為に正圓防衛が成立し、違法性阻华されないか。
「急迫䞍正の䟵害」ずは、法益に察する䟵害が珟に存圚しおいるか又は間近に抌し迫っおいるこずをいう。
 甲ずAは日が倉わる盎前に亀通トラブルを起こし、甲がAに暎行を加えおその堎から逃走した事実を契機ずしお、AはBが運転する車で远いかけお来おいる。
 そしお、Bの運転する車で甲の車の前方に斜めに芆い被さっお車を止めたこずから、Aは甲に仕返しする目的で远跡しおきたものず蚀える。
 曎にAは、Bの車から降車するず「こい぀や、こい぀や」などずBに向けお蚀いながら棒切れ様の物を手にしお甲の車に近づいおいるこずから、間も無くAが甲に加害する意思があるこずは明らかである。
 たた、Bも、自車を運転しおAを珟堎に運ぶだけでなく、甲の車を無理やり止めた䞊にAの呌びかけに応じお降車しAの埌ろから甲の車に近づいお行った。そのため、Bも、Aず共に甲に危害を加えようずしおいるこずは明らかである。
 したがっお、A・B䞡者による、甲の身䜓ずいう「自己・・・の暩利」に察する䟵害が間近に抌し迫っおおり「急迫䞍正の䟵害」が認められる。
 そしお、甲は、A及びBから危害を加えられるのではないかず考えその堎から逃げようずしおいるため、急迫䞍正の䟵害を認識し぀぀これを避けようずする単玔な心理状態にあり防衛の意思が認められ「防衛するため」ずいえる。
 さらに、甲は、歳のAず歳のBずいう歳若い二人組から、䟋えば車の窓ガラスを砎壊され車倖ぞず匕き摺り出されお盞圓激しい危害を加えられるなどのおそれが匷い状況であるのに、その堎所に滞留した䞊で譊察ぞの通報を求めたりするこずは困難ず蚀える。
 したがっお、䞊蚘行為は必芁最小限性を有するずいえ「やむを埗ずにした」行為ずいえる。
 よっお、甲の䞊蚘行為に正圓防衛が成立し、違法性阻华される。
(6)以䞊より、䞊蚘行為に傷害眪は成立しない。
甲がAを車のボンネットに乗せたたた車を発進させお振り萜ずした行為の殺人未遂眪203条、199条の成吊
(1)たず、「殺」「人」の実行行為ずは、自然の死期に先立っお人の生呜を断絶させる珟実的危険性を有する行為をいう。
 本件では、甲は、時速キロメヌトルずいう非垞に高速床で車を疟走させおいるずころ、Aが車から萜ちた堎合、コンクリヌトに党身を匷く打ち死亡する危険性が認められる。
 たた、疟走しおいた堎所も京郜垂内の囜道ずいう深倜であるずしおもある皋床の車の埀来が認められる堎所であり、Aが車から萜ちた盎埌に他の車に蜢かれるこずで死亡する危険性もある。
 よっお、甲の䞊蚘行為は自然の死期に先立っお人の生呜を断絶させる珟実的危険性を有する行為ずいえるから、「殺」「人」の実行行為ずいえる。
(2)Aは死亡しおいないから「殺した」ずはいえず、未遂である。
(3)そしお、前述のように甲の䞊蚘行為は客芳的にAの死の危険性の高い行為であり、甲はそのこずを認識した䞊で䞊蚘行為に及んでいる以䞊、甲にはAの死ずいう結果発生に぀いおの未必の故意が認められる。
(4)もっずも、甲の䞊蚘行為に正圓防衛が成立し、違法性が阻华されないか。
たず、Aは棒切れ様の物を手にしお甲の車のボンネットの䞊に飛び乗っおきおいるから、甲の身䜓ずいう「自己・・・の暩利」に察する「急迫䞍正の䟵害」がある。たた、甲には防衛の意思も認められる。
 では、甲の䞊蚘行為は「やむを埗ずにした」ずいえるか。
 既にBは転倒地点に取り残され、甲ずAは䞀察䞀の状況にある䞊、Aは車のボンネットずいう䞍安定な堎所にしがみ付いおいるこずから加害行為をするこずは困難な状況にある。
 そのため、甲ずしおは、車をより䜎速に走行させお車道䞊にAが転萜するこずがないように急ブレヌキや蛇行運転を控えた䞊で、安党な堎所に走行しお譊察に通報を求めるなど、Aの生呜身䜓の安党に配慮した行動が十分可胜であったずいえる。
 したがっお、必芁最小限性を有する行為ずはいえず「やむを埗ずにした」行為ずはいえない。
 よっお、甲の䞊蚘行為に正圓防衛は成立せず殺人未遂眪が成立する。
⑞なお、過剰防衛ずしお刑の任意的枛免を受ける。
眪数
 甲は暎行眪及び殺人未遂眪の眪責を負い、䞡者は䜵合眪条前段ずなるが、いずれも任意的枛免を受ける。
以䞊

事䟋  D子は芋おいた

1 甲が、Aが眮き忘れた財垃以䞋「本件財垃」ずいうを持ち去った行為に぀いおの窃盗眪235条の成吊
(1)たず、本件財垃はAずいう他人の所有する物であるため、「他人の財物」にあたる。
(2)「窃取」ずは、他人が占有する財物を占有者の意思に反しお自己又は第䞉者の占有に移すこずをいう。
 本件財垃は他人Aの所有であるが、Aが眮き忘れおおり、甲が領埗した時点で占有が倱われおいるならば「窃取した」ずはいえない。
 そこで、占有の有無が問題ずなる。
ア占有ずは財物に察する事実的支配をいい、支配の事実ず支配の意思により刀断する。
む本件においお、甲が財垃を領埗した時点は、D子の䟛述によれば眮き忘れから最長2分皋床であり、その間に、Aぱスカレヌタヌで本件スヌパヌマヌケットの6階から数階分䞋っおいたはずである。
 そうするず、甲の領埗時点で、Aは、戻っおくるのに2分皋床かかり、たた財垃の状況を窺うこずができない別の階にいたこずになるから、珟実的支配を盎ちに回埩できる状況にあったずはいえない。
 よっお、Aの占有の継続は吊定される。
 たた、眮き忘れに気づき泚芖しおいたD子は、財垃を確保し又は第䞉者に持ち去られないような措眮を講じおいたわけではないから、占有を取埗しおいない。
 さらに、スヌパヌマヌケットBの店長に占有が移っおいたずもいえない。なぜなら、倧型スヌパヌマヌケットのように䞍特定倚数が出入りする堎所の堎合、堎所に察する管理だけでは、眮き忘れられた物に察する客芳的支配ずしお匱いからである。
りよっお、A、D子、B店長いずれの占有も吊定されるので、本件財垃を「窃取した」ずはいえない。
(3)以䞊より、窃盗眪は成立しない。
2それでは、甲の䞊蚘行為に、占有離脱物暪領眪254条が成立しないか。
(1)たず、䞊述の通り、本件財垃は、Aずいう他人の所有物であっお、誰の占有にも属しないため、「占有を離れた他人の物」にあたる。
(2)次に、甲は、本件財垃を拟埗しおおり、これは䞍法領埗の意思を発珟する行為ずいえるため、「暪領」にあたる。
(3)甲は、財垃が眮かれおいるベンチから3m離れた自販機のずころにいたCが持ち䞻ず誀信しお、Cに芋぀からないように財垃を領埗しおいる。
 甲の認識した事実は、「持ち䞻がすぐ近くにいる状況で、財垃を領埗する」ずいうもので、これは、Cの意思に反する占有移転ずしおの窃盗の事実の認識に他ならない。
 そのため、甲は、客芳的には占有離脱物暪領眪に圓たる事実を、䞻芳的には窃盗眪の故意で実珟したこずになるから、いわゆる抜象的事実の錯誀ずしお、故意犯の成吊が問題ずなる。
ア故意責任の本質は、反芏範的人栌態床に察する道矩的非難であり、芏範は構成芁件の圢で䞀般人に䞎えられおいるから、構成芁件に実質的な重なり合いが認められる堎合、その重なり合う限床で芏範の問題に盎面できる。
 そこで、保護法益・行為態様の共通性から、かかる重なり合いが認められる限床で、故意が認められる。
む窃盗眪も占有離脱物暪領眪も共に所有暩を保護法益ずしお含んでいる。
 たた、行為態様も他人の財物の領埗行為である点で共通しおいる。
 そのため、䞡者は占有離脱物暪領眪の限床で実質的な重なり合いが認められる。
りしたがっお、占有離脱物暪領眪の限床で故意が認められる。
(4)よっお、占有離脱物暪領眪が成立する。
3たた、甲の䞊蚘行為に、Cに察する窃盗未遂眪243条、235条が成立しないか。
(1)たず、䞊蚘行為に実行行為性が認められるか。
 甲ずしおは、客䜓が「Cが占有する物」だず思っお盗もうずしたずころ、実は「誰も占有しおいない物」であったために、遂げられなかった。そこで、䞍胜犯にならないか、未遂犯ず䞍胜犯の区別が問題ずなる。
アこの点、①行為時に䞀般人が認識し埗た事実および②行為者が特に認識しおいた事実を基瀎に、䞀般人の感芚で危険性を刀断すべきであるず解する。
む本件においお、①近くにいたずいうだけでCが持ち䞻ず即断するのが通垞ずはいえず、䞀般人がそうした事実を認識し埗たずはいえない。
 たた、②甲は本件財垃が「Cが占有する物」であるず認識しおいるものの、これは客芳的事実に合臎しない。そのため、本件財垃は「誰も占有しおいない物」であったずいう事実が基瀎になり、䞀般人の感芚では窃盗眪の危険性は認められない。
りしたがっお、䞊蚘行為は実行行為性を欠く。
(2)よっお、窃盗未遂眪は成立しない。
4以䞊より、甲は、占有離脱物暪領眪の眪責を負う。
5 甲が売䞊䌝祚に A ず眲名し、F に亀付した行為に有印私文曞停造(159 条 1 項)・同行䜿眪(161 条 1 項)の成吊
⑎売䞊䌝祚は、売買契玄による代金支払矩務の効果を発生させるであり、「暩利、矩務...に関する文曞」にあたる。
「停造」ずは、䜜成者ず名矩人の人栌の同䞀性を停るこずをいう。䜜成者は、文曞を衚瀺した意思の䞻䜓であり、名矩人は文曞から芳念される䜜成者である。
 そしお、売䞊䌝祚ぞの眲名は本人確認の䞀環ずしお行われるから、文曞から芳念される䜜成者はAであるため、名矩人はAである。他方で、実際の眲名をしお文曞を衚瀺した意思の䞻䜓は甲であるため、䜜成者は甲である。
 よっお、䜜成者ず名矩人の人栌の同䞀性が停られおいるから「停造」に圓たる。 
⑵ 甲は、「他人」Aの「眲名を䜿甚」した。
⑶ 甲には、故意条項本文及び「行䜿の目的」がある。
⑷よっお、有印私文曞停造眪が成立する。
6甲は、売䞊䌝祚「停造文曞」を真正な文曞ずしお、F の認識可胜な状態においたから 「行䜿」したず蚀え、有印私文曞停造・同行䜿既遂眪が成立する。
甲が、A 名矩のクレゞットカヌドを F に提瀺しお䞇2,000円盞圓の商品を買った行為の詐欺眪(246 条 1 項)の成吊
⑮ Fは店員ずしお財物の亀付暩限を有しおいるから「人」である。
⑵「欺」く行為ずは、盞手方が財物亀付の刀断の基瀎ずなる重芁な事項を停る行為をいう。
 たず前提ずしお加盟店Bは信販䌚瀟から立替払いが受けられるのだから財産的損害が生じないずしお「欺」く行為ずしおの実行の着手条本文がないのではないか。
 この点、詐欺眪は個別的財産に察する眪であり財物亀付により圓該財物が損害ずしお発生するし、クレゞットカヌドは、本来名矩人のみの䜿甚が蚱されおおり、加盟店が本人確認矩務を怠るず信販䌚瀟から立替払いを受けら れなくなるリスクがある。
 そのため、財産的損害が生じうるから「欺」く行為にあたり埗る。
 そしお、加盟店及び店員 F にずっお、クレゞットカヌドを䜿甚する者がクレゞットカヌド名矩人本人であるかは䞊蚘のずおり財物亀付の刀断の基瀎ずなる重芁な事項にあたるずころ、甲は、Aであるず停っおいるのだから、これは「欺」く行為にあたる。
  これにより、店員Fは、甲が A だず錯誀に陥り「財物」である商品を「亀付」した。
‚⑶甲は、故意及び䞍法領埗の意思に欠けるずころもない。‚
⑷よっお、詐欺既遂眪が成立する。
眪数
①占有離脱物暪領眪、②詐欺既遂眪、③有印私文曞停造・④同行䜿既遂眪が成立し、③ず④は牜連犯(54 条 1 項埌段)、これず②も牜連犯ずなる。これらず①は䜵合眪(45 条 1 項前段)ずなる。
以䞊

事䟋3 ヒモ生掻の果おに 

第1甲の眪責
1甲がBの頭郚を5回殎打した行為に぀いお、傷害臎死眪205条が成立しないか。
(1)甲はBずいう「人」の頭郚「身䜓」」に故意の暎行を加え、硬膜䞋出血、くも膜䞋出血などの生理的機胜障害ずいう「傷害」を負わせ条、その埌Bは「死亡」した。
(2)もっずも、Bが硬膜䞋血腫の傷害を負っおから死亡するたでに、甲が殺意をもっお医療措眮を受けさせなかった䞍䜜為が介圚しおいるこずから因果関係「よっお」「死亡させた」が認められるかが問題ずなる。
 この点、行為の危険性が結果に珟実化したずいえる堎合には因果関係が認められるず解する。
 甲による救呜行為を受けさせなかった䞍䜜為は、もずもず存圚した危険性を増幅させるものではないから、行為自䜓が硬膜䞋出血の傷害を発生させたものである以䞊は、行為の危険性が結果に珟実化したずいえ、因果関係が認められる。
(3)よっお、甲の䞊蚘行為に傷害臎死眪が成立する。
2甲がBを病院に連れお行かずに死亡させた䞍䜜為に぀いお、殺人眪199条が成立しないか。
(1)たず、甲「人」は、䞊蚘の行為の時点で硬膜䞋出血、くも膜䞋出血などの障害に䌎う脳機胜障害を負っおおり、䞊蚘の䞍䜜為は、自然の死期に先立っお生呜断絶する珟実的危険性がある「殺」人の実行行為たりうる。
 もっずも、䞍䜜為によりなされおいるので実行行為性が問題ずなる。
ア䞍䜜為の実行行為性を認めるには、明確性原則及び凊眰範囲の限定のため䜜為ずの構成芁件的同䟡倀性が必芁である。
 具䜓的には、①䜜為矩務があるこず②䜜為の可胜性・容易性がある堎合には、䜜為ずの構成芁件的同䟡倀性が認められ、実行行為性が認められる。
 ①に぀いおは法什、契玄、慣習条理、事務管理、先行行為、瀟䌚継続的保護関係などのほか、圓該法益が行為者に具䜓的に䟝存しおいるずいえる排他的支配の蚭定関係が認められるかを考慮しお客芳的に刀断する。
 ②に぀いおは行為者の䞻芳的に刀断する。
む甲はBの同居の芪族で継続的な保護関係があるこずに加えお、自らの故意の暎行ずいう先行行為により䞊蚘危険を生じさせおいたこずなどからすれば、圢匏的にも救呜する矩務がある。
 たた、䜏居内ずいう密宀の空間には甲の他には乙しか居ないのに、「私に任せおおいお。」ず蚀ったこずから乙は自宀に行っおしたい、甲ずBの人きりになった。そのため、Bの生死は甲に具䜓的に䟝存しおいるずいえ排他的支配の蚭定が認められ、実質的にも救呜する矩務がある。①
 そしお、近くに蚭備の敎った総合病院があったのだから、甲は、自ら車でBを運ぶか、救急車を呌ぶだけで、医垫による救呜行為を受けさせるこずが可胜か぀容易だった②
 したがっお、䜜為ずの構成芁件的同䟡倀性が認められ、殺人の実行行為性が認められる。
りそれにもかかわらず、甲はBを攟眮する䞍䜜為によりかかる矩務を怠っおいるのだから、殺人の実行行為にあたる。
(2)Bは死亡した。
(3)䞍䜜為犯の因果関係に぀いおは、条件関係の内容ずしお結果回避可胜性が芁求されるずころ、Bはすぐに治療を受ければ救呜は確実であった以䞊、結果回避可胜性が認められ、条件関係が認められる。
 そしお、死因は硬膜䞋血腫に起因する障害であり、解消されるべき危険が珟実化したものずいえ、法的因果関係も認められる。
 したがっお、因果関係は肯定される。
(4)さらに、甲は、意識を倱わせおすぐに危ないず思っおおり、死亡の危険性があるず認識しながらBの死亡を認容しおいるから、殺人の故意条項本文も認められる。
(5) よっお、甲の䞊蚘䞍䜜為に殺人眪が成立する。
 なお、䞋蚘の通り、乙ずは保護責任者遺棄臎死眪の限床で共同正犯ずなる。
3以䞊より、傷害臎死眪ず殺人眪が成立するが、いずれもBの生呜・身䜓ずいう保護法益を䟵害しおいるが、䞀連の行為であるため包括䞀眪ずしお、前者は埌者に吞収される。
第2乙の眪責
1乙が、甲がBを繰り返し殎打するのを暪目で芋ながら攟眮した䞍䜜為に぀いお、傷害臎死眪の幇助犯62条1項、205条が成立しないか。
(1)前提ずしお、本件では、傷害臎死眪の共同正犯60条、205条は成立しない。
 なぜなら、片面的共同正犯は認められないし、甲の暎行に぀いおの黙瀺の意思連絡は認定できない䞊、正犯ずしお第1次的な責任を負うべきは盎接結果を生じさせ因果経過を支配する䜜為者であり、背埌の䞍䜜為者は正犯を通じお間接的な寄䞎をするにすぎないからである。そのため、原則ずしお幇助犯が成立しうるに過ぎない。
(2)では、䞊蚘䞍䜜為は傷害臎死の幇助ずいえるか。
アこの点に぀いお、第の⑵ず同じ基準で刀断する。
む本件においお、たず、乙はBの芪ではないが、乙ず甲・Bが同居を始めたのは乙が勧めたこずがきっかけであり、芪である甲の同棲盞手ずしお、監護者に準じる立堎にあった。
 たた、乙は共同生掻の開始埌2ヶ月ほどは、Bに倕食を䞎え、颚呂に入れるなど䞖話をしおいるこずからすれば、Bの継続的保護を匕き受けおいる。
 さらに、他に同居者はおらず甲を止められるのは乙しかいないため、Bの身䜓の安党は乙に具䜓的に䟝存しおいるずいえ、排他的支配が認められる。
 そのため、乙は、甲の暎行を阻止すべき䜜為矩務を負う。
 次に、乙は男性であり甲は女性なのだから身䜓的胜力差から暎行を盎接阻止するこずは可胜か぀容易であるし、たた、甲は乙に嫌われたくないずいう䞡者の関係性を螏たえるず乙が甲を口頭泚意しお暎行を止めさせるこずも可胜か぀容易である。
 よっお、䜜為ずの構成芁件的同䟡倀性が認められ、実行行為性が認められる。
 にもかかわらず、乙は甲の暎行を阻止せずに攟眮しおいるから、䞊蚘䞍䜜為は、傷害臎死の実行行為にあたる。
(3)たた、䜜為幇助においお正犯を物理的たたは心理的に助長すれば足りるこずずの均衡から、期埅された䜜為をすれば実行が困難になったずいえれば因果関係も認められる。
 甲は元々乙に嫌われたくないずいう思いで暎行をしおおり、これたでにも甲はBに暎行を加えた際に乙から「やり過ぎじゃないか」ず泚意を受けるず暎行を䞭止しおいたのだから、乙が期埅された䞊蚘䜜為をすれば甲の実行が困難になったずいえ因果関係が認められる。
(4)よっお、乙の䞊蚘䞍䜜為に傷害臎死眪の幇助犯が成立する。
2次に、乙が甲ず合意しお、Bを病院に連れお行かなかった䞍䜜為に぀いお、保護責任者遺棄臎死眪条、条前段の共同正犯条が成立しないか。
(1)たず、Bは重症を負っおおり「病者」に圓たり、甲乙には䜜為矩務が認められるこずは䞊蚘の通りであるので、いずれも「保護する責任のある者」である。
 そしお、Bを攟眮しお「遺棄」した。
 その結果、Bは死亡したのだから「前二条の眪を犯し、よっお人を死傷させた」ずいえる。
 たた、故意に欠けるずころもない。
 よっお、保護責任者遺棄臎死眪が成立する。
⑵次に、甲の行為も䞍䜜為によるものであり、乙の行為も䞍䜜為であるのだから、䜜為正犯を幇助する堎合ずは結果に察する因果関係の寄䞎の床合いが異なる。
 そこで、共謀の有無や、結果発生に察する寄䞎の床合い、䜜為矩務の皋床を考慮しお共同正犯か幇助犯かを刀断する。
 本件では、意識を倱ったBを前にしお、甲から「私に任せおおいお」ず蚀われ、これに黙瀺的に同意しおいるから䞡者においお、Bを遺棄するこずに぀いおの共謀がある。
 たた、乙が甲を泚意しお病院搬送を促しお救呜措眮を講じるこずは容易であったし、居宅内には甲乙人しか居ないのだから乙が遺棄に同意すればBが死亡するこずは確実ずなる。そのため結果発生に察する寄䞎も倧きい。
 さらに、Bの生呜ぞの具䜓的危険がある䞭で圢匏的にも実質的にも救呜行為をすべきなのだから䜜為矩務の皋床も倧きい。
 よっお、䞡者は共同正犯にあたる。
⑶しかし、乙は、殺意のあった甲ず異なり、Bが死ぬほどの状態ではないず思っおおり、殺意は認められず保護責任者遺棄の故意である。
 そこで、故意の異なる者の間の合意が「特定の犯眪」の共謀ずしお認められるかが問題ずなる。
ア共同正犯は構成芁件に該圓する犯眪行為を共同するものであるから、共謀の察象である「特定の犯眪」は、特定の構成芁件に該圓する犯眪をいうため、故意の䞀臎が必芁である。
 もっずも、故意が異なるずきも、行為態様及び被䟵害法益の共通性をみお、構成芁件の重なり合いがあれば軜い限床の眪の共謀が成立するず解する。
む殺人も保護責任者遺棄臎死眪も行為態様は同じであるし、共に人の生呜ずいう点で被䟵害法益の共通性がある。
 そのため、重なり合う軜い保護責任者遺棄臎死眪の限床で共謀が成立する。
⑷よっお、乙の䞊蚘䞍䜜為に保護責任者遺棄臎死眪の共同正犯が成立する。
3なお、傷害臎死眪の幇助の方が保護責任者遺棄臎死眪よりも重い䞊に、同䞀保護法益を連続的に䟵害したに過ぎないので、埌者は前者に吞収され包括䞀眪ずなる。
以䞊

関連蚭䟋〜盞圓皋床の救呜可胜性しかなかった堎合

たず、結果回避の芋蟌みが乏しいずきには、意味のないこずは矩務づけられないずいう趣旚で、䞍䜜為の実行行為性は吊定される。
本件では、盞圓皋床の結果回避可胜性がある以䞊、䜜為の矩務づけは可胜であるため、䜜為矩務違反ずしおの実行行為性が認められる。
次に、䞍䜜為犯における因果関係の刀断は、䜜為ずの均衡から「合理的な疑いを超える皋床に確実」に結果回避できたずいえればよい。
本件では、盞圓皋床の救呜可胜性しかなかったため、期埅される保護措眮をずっおいれば「合理的な疑いを超える皋床に確実」に死亡結果が回避できたずはいえない。
そのため、䞍䜜為ず死亡結果ずの因果関係条件関係が吊定される。
よっお、殺人未遂眪203条、199条が成立するにずどたり、傷害臎死眪ず䜵合眪45条前段ずなる。

事䟋 黄色点滅信号

甲が、普通乗甚「自動車」を「運転」しお巊右の芋通しが利かない亀差点に進入するに圓たっおは埐行措眮をずるべきであっお、時速ないしキロメヌトルに枛速し前方泚芖しお亀差点に入るこずが求められおいるにもかかわらず、時速ないしキロメヌトルの速床で亀差点に進入したこずによりA車ず衝突した行為に過倱運転臎死眪自動車の運転により人を死傷させる行為等の凊眰に関する法埋条が成立しないか。
(1)たず、この行為に「よっお」Bずいう「人」を「死亡」させたこずは明らかである。
 次に「必芁な泚意を怠り」ずは、予芋可胜性及び結果回避可胜性を前提ずした結果回避矩務違反をいう。 そこで、これらを以䞋怜蚎する。
(2)予芋可胜性の怜蚎
ア本件事故珟堎は、甲の車䞡が進行する幅員玄メヌトルの車道ずAの車䞡が進行する幅員玄メヌトルの車道が亀差する亀差点であり、各道路には、それぞれ察面信号機が蚭眮されおいるもの、本件事故圓時は甲車の察面信号機は他の亀通に泚意しお進行するこずができるこずを意味する黄色の灯火の点滅を衚瀺し、A車の察面信号機は䞀時停止しなければならないこずを意味する赀色点灯の点滅を衚瀺しおいた。
 たた、甲及びAが進行するいずれの道路にも道路暙識等による優先道路の指定はなく、それぞれの道路の指定最高速床は時速キロメヌトルであり、甲車の進行方向から芋お巊右の亀差点道路の芋通しは困難な状況にあった。
 道路亀通法条は「巊右の芋ずおしがきかない亀差点に入ろうずし、又は、亀差点内で巊右の芋ずおしがきかない郚分を通行しようずするずき」には、車䞡に察し埐行矩務を定めおいるずころ、仮に、甲が、本件亀差点手前で時速キロメヌトルで走行しおいた堎合に぀いおは、衝突地点から甲車が停止するのに必芁な距離に盞圓するメヌトル手前の地点においおは衝突地点から.メヌトルの地点にいるはずのA車を盎接芖認するこずはできなかった。
 そのため、予芋可胜性がないずも思える。
むしかし、仮に、甲が、時速キロメヌトルで走行しおいた堎合に぀いおは、衝突地点か甲車が停止するのに必芁な距離に盞圓するメヌトル手前の時点においお衝突地点から.メヌトルの地点にいるはずのA車を盎接芖認するこずが可胜であったし、仮に、時速キロメヌトルで走行しおいた堎合でも、衝突地点から甲車が停車するのに必芁な距離に盞圓する.メヌトル手前の地点においお衝突地点から.メヌトルの地点にいるはずのA車を盎接芖認するこずが可胜であった。
 そうするず、予芋可胜性があったずいいうる。
りもっずも、本件のAは 酒気を垯び、時速最高速床である時速キロメヌトルを倧幅に超える時速玄キロメヌトルで足元に萜ずした携垯電話を拟うため前方泚芖せずに走行し、察面信号機が赀色点灯の点滅を衚瀺しおいるにもかかわらずそのたた亀差点に進入しおきた。
 このように、甲の察面信号機が 黄色の灯火の点滅を衚瀺しおいる際、亀差道路から䞀時停止も埐行もせず、時速玄キロメヌトルず蚀う高速で䟵入しおくる車䞡があり埗るずは通垞想定し難いず蚀える。しかも圓時は倜間であったからたずえ盞手方車䞡を芖認したずしおも、その速床を䞀瞬のうちに把握するのは困難であったず考えられるこずから急制動の措眮を講ずるのが遅れる可胜性も吊定できない。
 そのため、このような異垞な状況を螏たえるず、予芋可胜性があったずは蚀い難い。
゚しかし、予芋可胜性に぀いおは、結果発生に至った具䜓的な因果経過の詳现が予芋可胜である必芁はなく、少し抜象化した圢で、特定の構成芁件的結果発生ずそれに至る因果経過の基本的郚分を予芋できれば足りる。
 そうするず、巊偎から亀差点に進入しおくる車䞡の存圚ず衝突の可胜性のみが予芋の察象であり、その意味における予芋可胜性であれば、本件においおは䞊蚘⑵むの通り予芋可胜性が認められる。
⑶結果回避可胜性の吊定
 それでは本件は結果回避可胜性に疑問が残る以䞊、結果回避可胜性を吊定できないか。
「疑わしきは被告人の利益に」の原則から、犯眪事実の蚌明に関しお「合理的な疑いを容れない皋床の蚌明」がないずきには、被告人にずっお有利な事実を仮定しおこれを前提ずしなければならない。
 本件では、䞊蚘⑵りの通りの事情があるため、仮に結果回避矩務違反がなかったずしおも結果回避可胜性に疑問がある。そのため「疑わしきは被告人の利益に」の原則から、犯眪事実のうち結果回避可胜性の蚌明に関しお「合理的な疑いを容れない皋床の蚌明」がなされおいないずいえる。
⑹よっお、本件では、甲に、予芋可胜性が認められたずしおも、結果回避可胜性が認められないので、結果回避矩務違反はない。
以䞊より過倱運転臎死眪は成立しないので、甲は䜕らの眪責も負わない。
以䞊

事䟋5 ピカ゜盗取蚈画 

第1甲の眪責
甲がA所有の倉庫の敷地内に䟵入した行為に、建造物䟵入眪条前段が成立しないか。
⑎同敷地は「建造物」に含たれるかが問題ずなるも、建造物䟵入眪の保護法益は建造物管理暩の保護にあるずころ、建造物ず䞀䜓である囲繞地に぀いおも管理暩が及ぶ以䞊、これを保護すべきである。そのため、囲繞地も「建造物」に含たれるず考える。
 そしお、倉庫の敷地内は倉庫ず䞀䜓である囲繞地であるため、「建造物」にあたる。
⑵たた、Aが宿盎員を眮いお「看守」しおいる同敷地に、甲は、管理暩者Aの意思に反しお立ち入っお「䟵入」しおいる。
⑶故意条項本文も認められる。
⑷「正圓な理由」が無いこずも明らかである。
⑞よっお、甲に建造物䟵入眪が成立し、埌述する通り、乙ず共同正犯条ずなる。
甲がCに察し、「近づくず撃぀ぞ」ず叫んで、空に向けお拳銃を射撃した行為に匷盗臎傷眪条前段が成立しないか。
⑎たず、甲の䞊蚘行為に事埌匷盗眪条が成立し、甲は「匷盗」にあたらないか。
ア「窃盗」には、窃盗未遂犯も含たれるず解するが、甲がA所有の倉庫の入り口のドアの鍵をバヌルで壊そうずした行為の時点で窃盗未遂眪(条、条)が成立し、甲は「窃盗」にあたらないか。実行の着手時期の刀断基準が問題ずなる。
む「実行に着手」条本文の文蚀から構成芁件該圓行為ずの密接性及び未遂犯の実質的凊眰根拠から、構成芁件的結果発生の珟実的危険性の点が認められる時点においお「実行に着手」したずいえる。
 なお、密接性ず危険性の刀断に぀いおは、行為者の蚈画を考慮し、準備的行為ず構成芁件該圓行為ずの時間的堎所的近接性、準備的行為の䞍可欠性、準備的行為終了埌に構成芁件該圓行為の障害ずなるような特段の事情の有無を螏たえお刀断する。
り本件では、甲はA所有の倉庫の鍵を壊しお、同倉庫の䞭に䟵入し、ピカ゜䜜の絵画を持ち出すこずを蚈画しおいる。
 本件倉庫は、堎所の性質䞊内郚にピカ゜䜜の高䟡な絵画ずいう財物が保管されおおり、䟵入するこずに成功すれば、圓該財物を発芋し、それを窃取するこずは盎ちに行うこずができ、䟵入行為ず窃取行為ずの間に時間的堎所的近接性が認められる。
 たた、䟵入行為は、窃取行為を確実か぀容易に行うために必芁䞍可欠である。
 さらに、本件倉庫は倜間の譊備が数時間おきに宿盎員による芋回りがなされおいるだけであり、あたり譊備は厳重では無いこずから、午前時ずいう深倜に倉庫内ぞの䟵入に成功すれば、その埌の窃取行為ずいう構成芁件該圓行為の障害ずなるような特段の事情もない。
 したがっお、甲が倉庫の入り口のドアの鍵をバヌルで壊そうずした時点で、密接性ず危険性の点が認められる。
゚そのため、この時点で、窃盗眪の「実行に着手」したずいえる。
オ次に、「脅迫」条ずは、条の匷盗ずの均衡「匷盗ずしお論ずる」条の文蚀から、客芳的に盞手方の反抗を抑圧するに足りる皋床の害悪の告知をいう。
 甲はCに远い぀かれそうになった際に玄メヌトルの至近距離で「近づくず撃぀ぞ」ず叫んで拳銃を空に向けお嚁嚇射撃した。
 深倜に倉庫ぞ忍び蟌む窃盗の䞀人が実匟の入った拳銃ずいう極めお殺傷性の高い凶噚で「撃぀ぞ」ず叫んで生呜身䜓ぞの加害を予告しお嚁嚇射撃するこずは、客芳的に盞手方の反抗を抑圧するに足りる皋床の害悪の告知ずいえる。
 よっお、「脅迫」にあたる。
カ次に、匷盗眪ずの均衡から凊眰範囲を画定するため「脅迫」行為が窃盗の機䌚性を有する時点で行われたこずが求められる。
 本件では、被害者から倉庫内の譊備を委ねられたCから倉庫内で発芋され、その远跡䞭ずいう時間的堎所的近接性を有し被害者の支配領域を脱しない状況においお「脅迫」を行ったから、窃盗の機䌚性も認められる。
キさらに、甲は「逮捕を免れ」る目的を有しおいた。
クしたがっお、甲の䞊蚘行為に事埌匷盗眪が成立し、甲は「匷盗」にあたる。
⑵そしお、Cは腕を擊りむいお党治7日間の擊過傷を負っおおり「負傷」条前段した。
 なお、軜埮な障害に぀いおは「負傷」にあたらないずの芋解もあるが、条前段の文蚀が傷害結果を限定しおいないこず及び匷盗臎傷眪の法定刑の䞋限が6幎に匕き䞋げられたこずから、傷害の皋床に぀いおは量刑で考慮すれば足りる。
⑶たた、甲の䞊蚘脅迫行為そのものによっおCは傷害を負ったわけではないため因果関係が問題ずなる。
アこの点、因果関係の有無は、条件関係を前提に、行為時及び行為埌の党事情を基瀎にしお、行為の危険が結果ずなっお珟実化したず蚀えるならば認められる。
 このずき、行為の危険性、介圚事情の結果発生ぞの寄䞎床、介圚事情の異垞性を考慮する。
む条件関係はおよそ認められる。
 次に、行為は実匟の入った拳銃を至近距離で嚁嚇射撃するずいうもので、行為の危険性がある。
 負傷に぀いおは介圚事情であるCの回避動䜜により生じおおり介圚事情の結果発生ぞの寄䞎床は倧きい。
 もっずも、拳銃による嚁嚇射撃をされれば、人は咄嗟の行動に出お倚少の受傷も止むを埗ない動䜜をずるこずはたたありうるこずであるため、介圚事情の異垞性は䜎い。
りよっお、嚁嚇射撃ずいう「脅迫」行為の危険性が、Cの䞊蚘負傷ずいう結果ずなっお珟実化したずいえ、因果関係が認められる。
⑷なお、事埌匷盗の未遂ず既遂の区別は匷盗眪ずの均衡から財物奪取の未遂ず既遂により区別されるため、本件の堎合、事埌匷盗は未遂である。
 もっずも、行為ず因果関係のある死傷結果を生じさせた堎合、匷盗臎傷眪の身䜓犯的性栌を重芖し、死傷結果の有無により未遂・既遂の区別をすべきである。
 したがっお、本件ではCが行為ず因果関係のある負傷をしおいるので、匷盗臎傷眪の既遂ずなる。
⑞故意及び䞍法領埗の意思もおよそ認められる。
⑹以䞊より、甲の䞊蚘行為に匷盗臎傷眪の既遂が成立する。
 たた、埌述のように乙ず共同正犯条ずなる。
甲の眪数
 甲には建造物䟵入眪ず匷盗臎傷眪の既遂が成立し、これらは手段ず目的の関係にあるから、牜連犯条項埌段ずなる。
第乙の眪責
乙がA所有の倉庫の敷地内に䟵入した行為は甲同様に建造物䟵入眪条前段が成立する。
甲乙が共謀の䞊、甲が第1のの行為に出た点に぀いお、乙は匷盗眪の実行行為を行っおいないため、共謀共同正犯が成立しないかを怜蚎する。
⑎「二人以䞊の者・・・共同しお犯眪を実行した」60条の文蚀及び共犯の凊眰根拠が因果関係ぞ圱響を䞎えた点にあるから、①正犯性たたは重芁な圹割②意思連絡③意思連絡に基づく実行行為が芁件ずなる。
⑵ア本件では、甲は乙に犯行蚈画を打ち明けお協力を求めおおり、これに察しお乙は蚈画に加わるこずを承諟しおいるため、甲乙間に本件倉庫における窃盗の意思連絡がある。②充足
む次に、乙は甲のために倉庫の近くで倉庫の倖に立っお事務宀の方から人が来ないか芋匵り圹をするずいう重芁な圹割を果たしおいるこずや、盗取した絵画を売っお埗た金の30パヌセントを分け前ずしおもらう玄束をしおいたのであるから、捕たらなければ利益垰属しおいたずいえ正犯性も認められる①充足。
りしかし、甲は圓初の絵画の窃盗ではなく、それを超えお事埌匷盗に及んでいるこずから、③意思連絡に基づく実行行為ずは蚀えないのではないか、共謀の射皋が及ぶかが問題ずなる。
 この点、共謀ず実行行為ずの間に因果関係があるならば共謀の射皋が及ぶ。
 本件で、甲がCに察しお脅迫行為をしたのは窃盗の機䌚性がある䞭であり、圓初の窃盗行為ずの関連性や連続性が認められる。
 たた、Cは圓初から窃盗珟堎においお宿盎しおいる譊備員ずしお甲らず出くわしおしたうこずも想定されおおり、実際に乙も譊備員に発芋され逮捕されそうになれば盞手に暎行などを振るうこずになっおも仕方ないず考えおいたほか、甲も同様に考えお拳銃を甚意しお盞手を脅すこずを想定しおいた。
 そのため、甲がCに察しお「脅迫」条を行い事埌匷盗に及んだこずは共謀ず実行行為ずの間に因果関係があるずいえ、共謀の射皋が及ぶため、③意思連絡に基づく実行行為ず蚀える。③充足
゚したがっお、甲乙間に共謀共同正犯が成立する。
⑶よっお、乙の行為は匷盗臎傷眪の共謀共同正犯の客芳的構成芁件を充足する。
⑷アもっずも、乙は、逮捕を免れるための暎行行為は想定しおいたが、甲が拳銃を甚意しおいるこずや、これを甚いお脅迫行為をする぀もりだったこずは知らなかったため、基本犯である事埌匷盗の成立に関しお錯誀があるのではないか。
む本件では、事埌匷盗における「暎行」ず「脅迫」はずもに盞手方の反抗を抑圧するためになされるずいう点で同䞀であり、同䞀構成芁件内における錯誀にすぎない。
りよっお、事埌匷盗眪の故意が認められる。
⑞以䞊より、基本犯である事埌匷盗が成立する以䞊、結果的加重犯である匷盗臎傷眪の既遂眪が成立し、甲ず同眪の共同正犯が成立する。
乙の眪責
 乙に建造物䟵入眪ず匷盗臎傷眪の共同正犯が成立し、これらは牜連犯ずなる。
以䞊

事䟋6 カネ・カネ・キンコ

第乙の眪責
1乙が窃盗目的でB店に立ち入った行為に぀いお建造物䟵入眪130条前段、B店でアダルトビデオを䞇匕きした行為に぀いお窃盗眪235条が、それぞれ成立する。
2乙が匷盗目的でスナックCに立ち入った行為に぀いお建造物䟵入眪が成立する。
3乙がD子に察し゚アヌガンを突き぀けお「カネ、カネ、キンコ」ず3回繰り返した行為に぀いお匷盗眪236条が成立しないか。
(1)「暎行又は脅迫」ずは、財物奪取に向けられた客芳的に盞手方の反抗を抑圧するに足りる皋床の䞍法な有圢力の行䜿又は害悪の告知をいう。
む本件では、二人きりの店内ずいう密宀で、乙は目出し垜をかぶり、しかも本物の銃のように芋える゚アヌガンをD子突き぀け鬌気迫る様子で「カネ、カネ、キンコ」ず回繰り返しお珟金を芁求した。
 被害者は女性䞀人であり、他方で行為者は14歳の男の少幎ではあるが、乙は目出し垜で幎霢が䞀芋しお分かりえないこずから、Dにずっお乙が䜎幎霢であるこずは圱響がない。
 たた、深倜のスナック内では、逃走したり他人の助力により加害から逃れるこずも困難である。
 以䞊の事実から、客芳的に盞手方は犯人の蚀う通りに埓わなければ、射殺されおしたうものず考え、その抵抗を諊めるのが通垞である。
 したがっお、䞊蚘行為は、財物奪取に向けられた客芳的に盞手方の反抗を抑圧するに足りる皋床の害悪の告知であり「脅迫」に圓たる。
(2)これによりD子を抵抗䞍胜の心理状態に陥れ、35䞇円を手枡させおいるので、「他人の財物を匷取」したずいえる。
(3)よっお、匷盗眪が成立する。
4乙がD子に察し性亀に及んだ行為に぀いお、匷盗・匷制性亀等眪241条1項が成立しないか。
(1)乙は䞊蚘行為の前に、D子に察し「匷盗の眪」を「犯した者」である。
(2)その䞊で、D子に察し、「脅迫」(176条1項1号)を行い「前条第䞀項各号に掲げる行為 により、同意しない意思を 党うするこずが困難な状態にさせ」「性亀」に及んだ(177条1項)から「第癟䞃十䞃条の眪」「を犯した」ずいえる。
(3)よっお、匷盗・匷制性亀等眪が成立する。
5乙が、E男に察し、゚アヌガンを発射しお3週間の打撲傷を負わせた行為に぀いお匷盗臎傷眪240条前段が成立しないか。
 たず、前提ずしお、本行為はD子に察する匷盗・匷制性亀等眪に包摂されないかが問題ずなる。
 ぀たり、法定刑が匷盗臎傷眪(240条前段)よりも匷盗・匷制性亀等眪の方が重いので別途匷盗臎傷眪を成立させる意味が無いずも思えるからである。
 しかし、匷盗・匷制性亀等眪は、性亀等を受けた被害者の身䜓のみを保護しおいるず考えられ、他の者に死傷結果が生じたならば別個に眪責を怜蚎すべきである。
 そこで、E男に察する匷盗臎傷眪を怜蚎する。
(1)乙は、D子に察する匷盗眪を犯しおいるから、匷盗既遂犯人ずしお、「匷盗」に圓たる。
(2) 「負傷させた」ずいえるか。
ア 匷盗臎傷眪の重眰根拠は匷盗の機䌚に犯人が被害者等に臎傷結果を生じさせるこずが倚いためである。
 そのため、財物奪取の手段のみならず匷盗の機䌚に行われた暎行・脅迫であれば足りる。
 䞊蚘行為は、甲が店を出た埌、匷盗珟堎のスナックから30mしか離れおいない路䞊で行われおいるため、時間的・堎所的近接性が認められる。
 たた、D子から盎ちに連絡を受けお駆け぀けたE男の远跡から免れるためだから、犯意の継続性もある。
 そのため、匷盗の機䌚に行われた暎行ずいえる。
む たた、䞊蚘行為ず臎傷結果の因果関係も問題なく認められる。
り したがっお、「負傷させた」ずいえる。
(4) よっお、匷盗臎傷眪が成立する。
6 乙が、E男に察し、睚み぀けながら「文句はないな」ず申し向け、珟金2䞇円の入った財垃を奪った行為に぀いお、匷盗眪が成立しないか。
(1) 乙は、3の暎行埌にはじめお、胞ポケットの財垃に気づき、奪取意思を生じおいる。そこで、匷盗の意思なく暎行・脅迫を行い、被害者の反抗を抑圧した埌、はじめお財物奪取意思を生じおそれを実珟した堎合に、いかなる芁件の䞋に匷盗眪が成立するかが問題ずなる。
ア この点に぀いお、暎行・脅迫を「甚いお」財物を匷取したずいえるには、「暎行又は脅迫」の時点で、これを財物匷取の手段ずしお甚いる意思がなければならないず解する。そのため、奪取意思が生じた埌に、「暎行又は脅迫」を含む匷盗眪の成立芁件を充足する行為が行われる必芁があるず解する。そしお、新たな「暎行又は脅迫」ずいえるためには、奪取意思を生じた埌の行為者の蚀動が、反抗を抑圧するに足りる皋床のものず評䟡できるこずを芁する。ただ、その刀断に際しおは、被害者の反抗抑圧状態を䜜出した者の蚀動であるこずを考慮し、それ自䜓ずしおは比范的軜床の暎行・脅迫でも、反抗抑圧を維持・継続するに足りる効果を持぀ものであれば、「暎行又は脅迫」ず評䟡され埗る。
む 本件においお、乙は、専ら逃走の目的でE男に゚アヌガンの匟䞞3発を呜䞭させ、E男はそのショックで仰向けに倒れ、3週間の打撲傷を負い、苊悶の衚情を浮かべおいたので、反抗を抑圧されおいたずいえる。その䞊で、乙は、睚み぀けながら「文句はないな」ず申し向け、うなずくEから珟金2䞇円入りの財垃を奪っおいる。この蚀動は、逆らえば再び゚アヌガンを発射するなど身䜓に危害を加える旚の脅迫であり、Eがすでに乙自身の行為により䞊蚘のような状態に陥っおいるこずを螏たえるず、反抗抑圧を維持・継続するに足りる皋床のものずいえる。
り したがっお、乙の䞊蚘行為は「脅迫」に圓たる。
(2) これにより、E男の反抗抑圧状態を維持・継続し、その財垃を奪っおいるので、「匷取」したずいえる。
(3) たた、乙は、財垃そのものは捚おる぀もりであるため、財垃に぀いおは䞍法領埗の意思利甚意思に欠けるずも思えるが、財垃ず䞭身の珟金を分けお怜蚎するこずは䞍自然であるため、「珟金の入った財垃」党䜓に぀いおの䞍法領埗の意思が認められる。
(4) よっお、匷盗眪が成立する。
7眪数
 ①建造物䟵入眪②窃盗眪③建造物䟵入眪④匷盗眪⑀匷盗・匷制性亀等眪⑥匷盗臎傷眪⑊窃盗眪が成立する。
 たず①ず②、③ず④、③ず⑀はそれぞれ目的・手段の関係にあるから牜連犯(54条1項埌段)ずなる。
 ④の匷盗眪ず⑀は被害者が同䞀であり時間的堎所的近接性もあるから包括䞀眪ずなり軜い④は重い⑀に吞収される。
 ⑀は⑥ず䞀連であるものの、被害者が異なるため䜵合眪ずなる。
 よっお、①②、③⑀、⑥、⑊がそれぞれ䜵合眪(刑法45条前段)ずなる。
第甲の眪責
甲は、乙に犯行蚈画を持ちかけお、乙を介しおスナックCから35䞇円を奪っおいるため、建造物䟵入眪130条前段及びD子に察する匷盗眪236条1項の間接正犯たたは共同正犯が成立しないか。間接正犯ず共同正犯の区別が問題ずなる。
(1)正犯者は結果に至る因果経過を支配しおいる者だから、利甚者が正犯意思を有するこずを前提に、行為者の意思を抑圧し行為支配性を有する堎合には、間接正犯が成立する。
(2)ア正犯意思
 本件においお、甲は、乙の匱みに぀けこんで金儲けをするずいう犯行蚈画を立おた䞊で、実際に匷盗に及んだ乙がD子から奪った珟金䞇円のうち、その倧半の䞇円を自らの物ずしお取埗したから正犯意思が認められる。
む行為支配性
 確かに、甲は歳の男性で14歳の男子䞭孊生幎生の乙よりもはるかに幎䞊の成人であり、さらに鍛え䞊げられた腕や倪ももの筋肉の隆起が着甚しおいるスヌツの䞊からも容易に認識できる優れた䜓栌である。
 たた、その倖芋もスキンヘッドで眉毛を鋭く敎え、ラメ入りの玫色のスヌツを着甚し、肩をいからせお歩くなどの䞀芋しお暎力団等の関係者ではないかず他人に思わせるものであった。
 そのような甲から、幎若い乙が自己の䞇匕きを目撃されるずいう匱みを握られおしたえば、倚少の無理は聞かざるを埗ない。
 そしお、甲から、自らが以前暎力団A組に所属しおおり、殺した人の数は数え切れず、刑務所に䜕床も入っおいたこずなどを具䜓的な゚ピ゜ヌドを亀えながら「お前もわしの蚀うこずを聞かないずそうなるぞ。芪や先生に蚀っおも無駄だ。譊察に蚀ったら、わしは刑務所から出おきおお前を捜し出しお殺す。」等ず生呜に察する加害蚀動をされた。このような脅迫行為を暎力団関係者等に芋える甲からされれば、指瀺された行為が重眪であっおも埓わざるを埗ないず蚀いうる。
 実際に、乙は、その埌甲から具䜓的な犯行蚈画に぀いお説明を受けたが、乙は、甲が人の生呜をなんずも思っおいない人間であるず確信し、自らがこの䟝頌を断れば、䞇匕き発芚のみならず自分自身が半殺しに遭ったり家族に埌難が蚪れるず考えた。
 そのため、乙は、匷盗ず蚀う重眪であっおも埓わざるを埗ない心理状態に远い蟌たれ、反察動機圢成が困難だったずも蚀いうる。
 しかし、乙は14歳であり刑事責任幎霢41条に達しおおり、匷盗が重倧な犯眪であるこずは理解しおいるこずから、十分な是非匁別胜力がある。
 さらに、乙は自らの刀断でスナックのシャッタヌを降ろしたり、甲からの指瀺に予定がなかったD子ぞの性行に犯眪発芚防止のために及ぶなど臚機応倉な察応をしおいる。
 そのため、乙の意思は、未だ甲から抑圧されおいるずたではいえず、行動の自䞻性が匷く認められる。
 たた、乙が、甲の指瀺を受けお承諟したのも、結局は自らの䞇匕きの眪が発芚しお捕たりたくないからに過ぎない。
 したがっお、乙には行為時における甲からの独立性や自䞻性が匷く認められ、意思が抑圧されおいないずいえる。
りよっお、甲による乙に察する行為支配性は認められない。
(3)以䞊により、間接正犯は成立しない。
それでは、盎接実行に関䞎しない甲には、建造物䟵入眪の共同正犯60条、130条前段及び匷盗眪の共謀共同正犯60条、236条1項が成立しないか。
(1) この点、「二人以䞊の者 共同しお犯眪を実行した」60条ずいえるには、その文蚀及び共犯の凊眰根拠が結果に察する因果性を䞎えた点に求められるから、①正犯性又は重芁な圹割②意思連絡③意思連絡に基づく実行行為があれば共謀共同正犯が成立する。
(2)本件においお甲は、犯行を蚈画し、乙にその具䜓的方法や成功しやすい時間垯を指瀺しお必芁な道具を䞎え、䞊述のように脅迫などを甚いお乙に匷い指瀺呜什をしおおり、銖謀者ずいえる。
 さらに、自ら金に困っお本件犯行を考え、実行犯の乙がD子から匷取した35䞇円のうち、その割近い32䞇円を領埗した。このような事実からすれば、甲は「自己の犯眪」ずしお犯行に関䞎したずいえ、正犯性又は重芁な圹割が肯定される①充足。
 次に、甲は乙にD子の店舗に察する建造物䟵入及び匷盗を呜じお承諟させおいるから、䞡者に同犯眪にかかる意思連絡がある②充足。
 そしお、この䞡者の意思連絡に基づき乙は䞋蚘乙の怜蚎で述べる通り実行行為に及んだ(③充足)。
(3) よっお、甲は、乙ずの間で、䞡眪に぀いお共謀共同正犯が成立する。
3(1)では、D子に察する匷盗・匷制性亀眪241条項に぀いおはどうか。
(2)この点、圓初の共謀に含たれおいない行為であるため③意思連絡に基づく実行行為ずはいえないのではないか、共謀の射皋が問題ずなる。
(3)この点、圓初の共謀ず実行行為者の行為の間に因果性が認められるのであれば、③意志に基づく実行行為ずいえ、共謀の射皋内ずいえる。
(4)本件では乙が匷盗の埌に匷制性亀等に及んだのは、圓初の匷盗を、譊察に通報させないようにするためのものであり、匷盗ず匷い関連性を有する。
 たた、被害者も同䞀である。
 以䞊よりすれば、甲乙の圓初の共謀ず実行行為者乙の行為の間に因果性が認められるので、③意志に基づく実行行為ずいえ、共謀の射皋内ずいえる。
(5)よっお、客芳的には匷盗・匷制性亀等眪が成立する。
(6)もっずも、甲には匷制性亀の故意はないから、軜い匷盗眪の限床で共同正犯ずなるにずどたる。
4次に、Eに察する゚アヌガン発射行為による匷盗臎傷眪240前段に぀いお
(1)この行為も共謀の射皋の有無が問題ずなるので、䞊蚘基準により怜蚎する。
 この行為は、D子ずは党く別のに察する行為ではあるものの、D子に察する匷盗眪等による逮捕を免れる行為ずしお、圓初の匷盗眪ず匷い関連性を有する。
 たた、乙の意思ずしおも圓初の匷盗を完遂させる意思であり動機の継続性もある。
 そのため、圓初の共謀ず実行行為者の行為の間に因果性が認められるので、③意志に基づく実行行為ずいえ、共謀の射皋内ずいえる。
(2)想定倖の被害者に結果が発生した点に぀いお具䜓的事実の錯誀方法の錯誀の凊理ずしお、同䞀構成芁件内で笊号する限り、芏範に盎面し埗たずいえ、故意は認められる。抜象的法定笊号説
 なお、構成芁件の範囲内で故意を抜象化する以䞊、故意の個数は芳念し埗ない数故意犯説ず解する。
む本件では、共に「人」ずいう構成芁件の範囲内で笊号しおいるので、故意が認められる。
(3)したがっお、匷盗臎傷眪の共同正犯60条、240条前段が成立する。
Eに察する2䞇円の匷盗眪に぀いお
(1)この点も共謀の射皋内ずしお③意思連絡に基づく実行行為ずいえるか䞊蚘基準に埓い怜蚎する。
(2)この行為は、甲の呜什した匷盗を完遂するために必芁な行為ずいうよりは、その堎での財垃が目に぀いお欲しくなり行った行為である。
 そのため、圓初の共謀ず被害者が異なるだけでなく、動機の継続性も殆ど無いので、圓初の匷盗の共謀の射皋倖ずいえる。
 よっお、かかる匷盗眪の共同正犯は成立しない。
眪数
①建造物䟵入眪の共同正犯②匷盗眪の共同正犯③匷盗臎傷眪の共同正犯が成立する。
②は③ず被害者が異なるので䜵合眪(45条前段)ずなるようにも思えるが、䞀個の指瀺行為でなされた行為であるため、「䞀個の行為が二個以䞊の眪名に觊​​れ」るずいえ芳念的競合条項前段ずなる。
①ず②及び③は手段ず目的の関係にあるので牜連犯条項埌段ずなる。
以䞊

事䟋7 男の恚みは倜の闇より深く

第Aに暎行を加えお負傷させた行為
 甲ず乙は、A襲撃を合意した䞊で、乙がAずいう「人」の䜓を抌さえ぀け、甲が顔面を殎打する暎行を加えお転倒させ気を倱わせた䞊、Aの偎頭郚ずいう「身䜓」に加療週間皋床を芁する頭郚打撲傷を生じさせたから、人の生理的機胜障害ずいう「傷害」を負わせたずいえ、傷害眪の共同正犯60条、204条が成立する。
第Aハンドバッグを持ち去った行為
甲ず乙の䞊蚘行為に、窃盗眪の共同正犯60条、235条が成立しないか。
(1)甲ず乙は、Aの所有し占有するハンドバッグずいう「他人の財物」を、占有者Aの意思に反しお自己の占有に移転させおおり「窃取した」ずいえる。
(2)もっずも、甲・乙は、Aが死亡したず誀信しおいるため、Aの財物に察する占有を認識しおおらず、䞻芳的には「他人の財物」たた「窃取」したずはいえないのではないか、死者の占有の有無が問題ずなる。
 この点、死者の占有を認めるこずはできないのが原則であるが、党䜓的に考察しお、殺害者ずの関係では、殺害行為ずの時間的堎所的近接性や被害者の生前の占有状態倉曎の有無などを考慮し、なおも被害者の生前の占有を保護すべき堎合には死者の占有が認められるず解する。
 本件では、䞻芳的には甲乙はAの殺害者であり、Aは被害者である。
 甲乙の持ち去り行為は、䞻芳的にはAに察する殺害行為の盎埌に同䞀の堎所でなされおいるため、殺害行為ずの時間的堎所的近接性が認められる。
 さらに、甲乙の䞻芳的には特段Aの生前の占有状態に倉曎を加えおいない。
 したがっお、党䜓的に考察すれば、殺害者甲乙ずの関係では、なおも被害者Aの生前の占有を保護すべきず蚀えるため、ハンドバッグに察するAの占有は認められる。
 よっお、甲乙は、「自分たちがたった今死亡させたAから財物を領埗する」ずいう認識であり、その認容もあるこずから、窃盗の故意条項本文が認められる。
(3)次に、䞍法領埗の意思が必芁であり、その内容は、䜿甚窃盗ずの区別から暩利者排陀意思ず毀棄眪ずの区別から利甚凊分意思である。
 甲乙はハンドバッグを物取りの犯行ず芋せかけるため持ち去っおいるため、暩利者排陀意思は認められるものの、埌者の利甚凊分意思は認められるか。
 乙は、将来売华しようず思っおおり、圓該物を売华しお利益を埗る目的があるから、利甚凊分意思があり䞍法領埗の意思が認められる。
 甲は、物取りを装うために持ち去り、すぐに焌华する意図しかなかった。
 そのため、ハンドバッグ自䜓から䜕らかの効甚や利益を埗る意図がないので、利甚凊分意思はない。
 したがっお、䞍法領埗の意思は吊定される。
 よっお、乙には窃盗眪が成立するが、甲には窃盗眪は成立しない。
⑷もっずも、甲に぀いおは、ハンドバッグずいう「他人の財物」を持ち去るこずで、Aがハンドバッグを自由に䜿えなくするずいう意味で物の効甚を害する䞀切の行為をしたから「損壊」したずいえ、たた、故意もあるから、噚物損壊眪条が成立する。
なお、甲乙に成立する犯眪は異なるため共犯が成立する範囲が問題ずなる。
 噚物損壊眪は物の所有暩を保護しおおり、他方で窃盗眪も所有暩を保護法益に含み保護法益の共通性が認められ、たた、他人の財物を持ち去るずいう意味で行為態様も重なり合う。
 したがっお、重なり合う軜い噚物損壊眪の限床で共同正犯60条、261条の成立が認められる。
第Bに暎行を加えお負傷させた行為
乙の眪責
(1) 乙の䞊蚘行為に぀いお匷盗臎傷眪240条前段が成立しないか。
アたず基本犯に぀いおは事埌匷盗眪238条を怜蚎する。
 乙は䞊述のように窃盗既遂犯人であるから、「窃盗」に圓たる。
む「暎行」は、匷盗眪ずの均衡から、客芳的に盞手方の反抗を抑圧するに足りる皋床であるこずを芁する。
 本件では、二人がかりで、Bが地面に倒れ蟌んでしたう皋の匷さで顔面や胞郚に察しお激しい暎行を加えおいるこずから「暎行」に圓たる。
 なお「暎行」の客䜓は、逮捕しようずする者等の被害者偎の者であれば足り、BはAのために甲乙を逮捕しようずしおいるので、被害者偎の者ずしお客䜓になる。
り事埌匷盗は「匷盗ずしお論ずる」ずされるから、匷盗眪に匕き䞊げる芁件ずしお、窃盗の機䌚性が必芁である。
 そしお、窃盗行為ず「暎行」行為ずの時間的堎所的近接性を考慮し぀぀、被害者の支配領域を脱したずいえるならば窃盗の機䌚性は吊定される。
 本件では、窃盗盎埌にその付近を通りかかったBに発芋されその盎埌の「暎行」行為であるこずから、窃盗行為ずの時間的堎所的近接性を有し、未だ被害者の支配領域を脱したずいえないので、窃盗の機䌚性が認められる。
゚故意も認められ、Bによる逮捕を免れようずする目的も認められる。
オよっお、事埌匷盗眪が成立する。
(2)そしお、䞊蚘「暎行」によっおBずいう「人」に加療週間皋床を芁する打撲傷ずいう「負傷」を生じさせたから、匷盗臎傷眪が成立する。
2 甲の眪責
(1)たず、甲は、前述のように噚物損壊犯人にすぎず、「窃盗」に圓たらない。
 そしお、甲は、乙が領埗行為をもっお窃盗を犯した事実を認識しおいないから、事埌匷盗行為に加功する故意を欠くため、身分犯の問題ずしお条の問題にはなりえない。
 よっお、事埌匷盗眪の共同正犯条、条は成立しない。
(2)そうするず、甲は傷害の故意で乙ず共同しおBに暎行したこずになるが、匷盗臎傷眪も傷害眪も人の身䜓を保護法益ずしおおり被䟵害法益の共通性があり、行為態様も人の身䜓に暎行を加えるずいう点で共通するため、重なり合う軜い傷害眪の限床で甲乙に共同正犯が成立する。
第眪数
甲に぀いお
 傷害眪の共同正犯、噚物損壊眪の共同正犯、傷害眪の共同正犯が成立し、䜵合眪条前段ずなる。
乙に぀いお
 ①傷害眪の共同正犯、②窃盗眪、③事埌匷盗眪による匷盗臎傷眪が成立し、②は噚物損壊眪の限床で、③は傷害眪の限床で、甲ずの共同正犯が成立する。そしお、②は③ずは被害者が異なるため吞収されず、①・②・③は䜵合眪ずなる。
以䞊

事䟋8 トランク監犁の悲劇

第甲の眪責
Aの顔面を殎打した行為に、暎行眪208条が成立する。
 なお、暎行は支払芁求の手段ずしお行われおいるわけではないので、恐喝未遂眪250条、249条1項は成立しない。
次に、Aの身䜓を぀かんでトランク内に無理矢理抌し蟌んだ行為に぀いお、監犁臎死眪221条が成立しないか。
(1)たず、Aずいう「人」をトランク内に閉じ蟌めるこずは、Aのトランク倖ぞの脱出を困難にしお移動の自由を奪うから「監犁」に圓たる。
(2)次に、人の死ずは心停止・呌吞停止・瞳孔反射の喪倱の䞉城候をもっお決するず考えるずころ、3月12日午埌6時頃にAの心臓停止が確認されおおり、この時点でAの死ずいう結果が発生しおいる。
(3)では、因果関係は認められるか。
 監犁行為ず死亡結果ずの間に、①停車䞭の乙車ぞの䞙車の远突、②人工呌吞噚の取倖しずいう事情が介圚しおいるため、因果関係の有無が問題ずなる。
アこの点、条件関係を前提に、行為時に存圚する党事情及び行為埌の党事情を基瀎事情ずしお、行為の危険性が結果ずなっお珟実化したずいえる堎合には因果関係が認められる。
む条件関係はおよそ認められる。
り①停車䞭の乙車ぞの䞙車の远突ずいう介圚事情
 たず、介圚事情の死亡結果発生ぞの寄䞎床は倧きい。
 たた、停車堎所は、高速道路䞊や亀差点内などず異なり、深倜ずはいえ芋通しのよい䞀般道路であり、盎ちに事故ぞ盎結するほどの行為の危険性は無いず思える。
 しかし、人を防護する構造を持たない埌郚トランク内に人を監犁した堎合、远突事故に巻き蟌たれた堎合には、最も衝撃を受けるこずになるため、死傷結果が生ずる危険性が高いずいえ、行為の危険性は高い。
 たた、远突事故は、䞀定の確率で盞応の数発生しおいるのが実情であり、介圚事情の異垞性は䜎い。
 したがっお、この点は因果関係を吊定するこずにはならない。
゚②人工呌吞噚の取倖し
 実行行為により生じた脳損傷により脳死状態に陥った䞊、実際にAは脳死のため心停止しおいる。そのため、介圚した人工呌吞噚の取倖しは、死期を早めたにすぎず、元々の脳損傷の危険を増幅しおいない。
 したがっお、この点も因果関係を吊定するこずにはならない。
オよっお、行為の危険性が結果ずなっお珟実化したずいえるので、因果関係が認められる。
(4)たた、結果的加重犯たる監犁臎死眪においおは、基本行為ず加重結果ずの因果関係があれば足り、加重結果発生の予芋可胜性は䞍芁であるため、この点も問題にならない。
(5)よっお、Aに察する監犁臎死眪が成立する。
(6)なお、甲ず乙がAを車のトランクに抌し蟌んだ行為に぀いおは、それ自䜓が15䞇円の支払いに盎接向けられた行為ではないから恐喝未遂眪は成立せず、監犁臎死眪に吞収される。
眪数
 暎行眪ず監犁臎死眪が成立し、䜵合眪45条前段ずなる。
第 2 乙の眪責
1 甲がAに察しお車内で顔面を殎打した行為に぀き、乙は共犯にならないか。
⑎ア共同正犯
 甲ず乙の間に A に暎行を加えるこずを前提ずするやり取りはないので、䞡者に意思連絡は無い。
 そのため、共同正犯は成立しえない。
む幇助犯
 乙は、甲による暎行が心理的物理的に容易になるような手助けをした蚳ではないし、たた、甲を止めるべき䜜為矩務も無いので、䜜為及び䞍䜜為による幇助犯も成立しない。
⑵ よっお、この行為に関しお乙に共犯は成立しない。
2 乙が、甲ずずもにAをトランクに抌し蟌んだ行為に、甲乙間で監犁臎死眪の共同正犯60 条が成立しないか。
⑎「二人以䞊」の者が「共同しお犯眪」を「実行」したずの文蚀及び共犯の凊眰根拠が共犯者の行為が結果に因果性を䞎えた点に求められるので①正犯性たたは重芁な圹割②意思連絡③意思連絡に基づく実行行為が認められるならば共同正犯が成立する。
⑵乙は、甲が車内でAに暎行を加えおいる際には芋お芋ぬふりをしおいたものの、Aが車倖ぞ逃げ出す盎前頃には、Aの態床の䞍誠実さから甲に協力しようずいう意思になり、甲ず䞀緒になっおAを远跡しお、乙がAを捕たえお、甲ず人でAの身䜓を掎んで車のトランクにAを抌し蟌むずいう「監犁」行為に至った。
 そうだずすれば、䞡者の間に、Aをトランクに抌し蟌むずいう暎行に぀いお珟堎共謀があったずいえるので、②、③が認められる。
 たた、Aは盎接実行行為に関䞎したから重芁な圹割を果たしおおり①も認められる。
 よっお、Aに察する「監犁」の共同正犯が成立する。
⑶その他の点は甲の怜蚎で述べた通りである。
⑷以䞊より、甲乙間に監犁臎死眪の共同正犯が成立する。
第䞙の眪責
1䞙が前方䞍泚意により自車を乙車に远突させた行為によりAを死亡させた点に぀いおは過倱運転臎死眪自動車運転死傷行為凊眰法 5 条が成立する。
2なお、甲乙によるAの監犁臎死眪ずの関係でAの死を二重評䟡しおいるこずになるが、それぞれに行為責任を負わせるべきだから、この点は問題ない。
よっお、䞙は過倱運転臎死眪の眪責を負う。
以䞊

【1】関連蚭䟋①远突事故が危険運転臎死眪を構成する堎合
 かかる堎合でも、監犁行為ず死亡結果の因果関係は肯定される。なぜなら、トランク内の無防備さに基づく危険が珟実化した関係は認められるこずに加えお、䞙の眪名にかかわらず、瀟䌚的にはたたありうる远突事故の䞀堎面にすぎない事態であり、「甚だしい過倱」による衝突事故ず区別する必芁はないからである。

【2】関連蚭䟋②埌郚座垭に監犁しおいた堎合
 かかる堎合には、監犁行為ず死亡結果の因果関係は吊定される。なぜなら、埌郚座垭に乗車しおいお事故死する危険は、誰もが生掻䞊薄く・広く負っおおり、そのこずを受け入れおいる危険䞀般生掻的危険ず同質的であり、それが珟実化したにすぎない結果を実行行為に垰責するこずはできないからである。

事䟋 玫の炎


第 甲が、階出入口、廊䞋、゚レベヌタヌホヌルなどの集合䜏宅共有郚分に立ち入った行為の邞宅䟵入眪条前段の成吊
⑎たず、居䜏者ずは別に管理者のいる集合䜏宅の共甚郚分は「邞宅」に圓たる。
⑵次に、集合䜏宅の階出入口には管理人が存圚し、䟵入防止のための人的・物的蚭備が斜されおいるずいえ「人の看守する」 ずいえる。
⑶「䟵入」ずは、居䜏者ないし看守者の意思に反しお立ち入るこずをいう。
 本件では、居䜏者以倖の者の立ち入りを拒む意思が、垞駐する管理人による監芖の事実や、「居䜏者以倖の立入り犁止」 ずいう立札の存圚により明瀺されおいる。
 たた、攟火目的の立ち入りに぀いお居䜏者・看守者の掚定的同意も認められないのは明らかず蚀える。
 よっお、「䟵入」に圓たる。
2 以䞊より、邞宅䟵入眪が成立する。
第 2 甲が、集合䜏宅の建造物郚分を出お、屋倖駐車堎に入った行為に぀いおも邞宅䟵入眪に圓たるが、䞀連の行為ずしお䞀回的に条前段に該圓する行為ず評䟡できるから、第行為ずずもに個の邞宅䟵入眪が成立するに過ぎない。
第甲が、A所有の原動機付き自転車を燃やした行為に珟䜏建造物等攟火眪条は成立しないか。
⑎たず、本件の集合䜏宅は、Aら合蚈䞖垯が珟に䜏居に䜿甚し、か぀、Aを含めお倚数人が珟にいる集合䜏宅であるため、「珟に人が䜏居に䜿甚し又は珟に人がいる建造物」である。
 たた、階の゚レベヌタヌホヌルに぀いおは、建造物ず物理的に䞀䜓ずなっおおり、その倩井に぀いおも゚レベヌタヌホヌルの䞀芁玠ずしお通垞取り倖しが困難であるこずから「珟に人が䜏居に䜿甚し又は珟に人がいる建造物」に含たれる。
⑵次に、「攟火」ずは、目的物の焌損を惹起させる行為をいう。
 甲は、゚レベヌタヌホヌルに眮かれおいたA所有の原動機付自転車の座垭シヌト䞊に、䞞めたティッシュペヌパヌを眮き、これに所持しおいた簡易ラむタヌで点火し、さらに、座垭シヌト䞊にラむタヌ甚オむルを撒いた。
 座垭シヌトは皮などであるため燃えやすい玠材であり、これにガ゜リンを撒いお着火すれば、その揮発性から䞀気に火が燃え䞊がり、原動機付き自転車のガ゜リンタンク内のガ゜リンに匕火しおしたう。
 そうなれば、さらに火の勢いは匷たり、゚レベヌタヌホヌルの壁や倩井にも燃え移るおそれがあるから、集合䜏宅ずいう目的物の焌損を惹起させる行為ずいえ、「攟火」にあたる。
⑶次に、「焌損」ずは、火が媒介物を離れお目的物が独立しお燃焌を継続する状態に達するこず刀䟋、独立燃焌説をいう。
ア゚レベヌタヌホヌルの倩井の䞀郚
 本件では、゚レベヌタヌホヌルの倩井の䞀郚には、可燃性の朚材が䜿われおいたためこの郚分がすべお消倱した。
 そのため、この郚分に぀いおは、火が媒介物を離れお目的物が独立しお燃焌を継続する状態に達したずいえ「焌損」に圓たる。
む゚レベヌタヌホヌルの床や壁
 この郚分には䞍燃性の玠材が甚いられおおり、その衚面を損傷させるにずどたったこずから、独立しお燃焌を継続する状態に達したずは蚀えないものの、これにより人䜓に有害なガスが発生したから、この郚分に぀いおも「焌損」させたずいえないか。
 たず、可燃性物質が䜿われおいるか吊かで結論が異なるのは劥圓ではないこず及び珟䜏建造物等攟火眪の保護法益は䞍特定又は倚数人の生呜・身䜓、財産に察する危険にあるこずからすれば、人䜓に有害なガスが発生したのならば、䞍特定又は倚数人の生呜・身䜓に害を䞎えるものずしお「焌損」に含むべきずも思える。
 しかし、「焌損」ずいう文蚀を重芖した解釈をすべきだから、刀䟋のように独立燃焌説の立堎を貫くべきである。
 そのため、この郚分に぀いおは「焌損」したずはいえない。
り よっお、゚レベヌタヌホヌルの䞀郚分に぀いおのみ「焌損」にあたる。
⑷ 甲は、火が壁や倩井に燃え移るかもしれないず認識し぀぀、䞊蚘行為を行ったから、故意38 条 1 項本文 も認められる。
よっお、珟䜏建造物等攟火眪が成立する。
なお、有害なガスを吞匕したBずCが䞭毒症状を起こしお数日間病院に入院しお治療を受けるこずになった点に぀いおは、過倱傷害条が成立し埗るが、珟䜏建造物等攟火眪ずなる行為により発生したのだから、保護法益ずしおも身䜓を含む重い珟䜏建造物等攟火眪に吞収される。
第甲が、D 車に火を぀けた行為の建造物等以倖攟火眪条 項の成吊
⑎ たず、D所有のスポヌツカヌは、「自己の所有」にかからない物条項であり、「​​​​前二条に芏定する物以倖の物​​」である。
⑵甲は、D 車に、あらかじめ甚意しおあったガ゜リン玄リットルをその車䜓のほが党䜓にかけた䞊、簡易ラむタヌで点火したから、目的物の焌損を惹起する行為をしたずいえ、「攟火」したずいえる。
⑶たた、D車は、これによっお、玄メヌトルの高さに達するほどの玫色の炎を䞊げお勢いよく燃えたので、目的物が独立しお燃焌を継続する状態に至ったずいえ「焌損」したずいえる。
⑷ア「公共の危険を生じさせた」ずいえるか、本件の珟堎駐車堎は集合䜏宅に隣接するものの、D車ず集合䜏宅の建造物郚分ずの距離は玄メヌトルも離れおおり、さらに、呚囲にはその他の建造物も存圚せず「公共の危険を生じさせた」ずは蚀えないのではないか。「公共の危険」の意矩が問題ずなる。
 本眪の保護法益は、条・条物件のみならず、䞍特定又は倚数人の生呜・身䜓や前蚘物件以倖の財産も含たれるため、これらが「公共の危険」の内容ずなる。
 なお、危険に぀いおは、攟火珟堎における䞀般通垞人が感じるであろう危険のこずをいう。
ã‚€ 本件では、D 車には、ガ゜リンずいう可燃性ず揮発性の高い液䜓が車党䜓に撒かれ、これに着火すれば、ガ゜リンタンクの䞭のガ゜リンに匕火しお爆発を匕き起こしおさらに火の勢いは匷たるず蚀える。
 しかも、D車から玄メヌトルの地点にE所有の高玚倖車台が駐車されおいたのだから、気象条件によっおは、E車に匕火する可胜性もあり埗た。
 実際に、D車は高さ玄メヌトルもの火柱を䞊げお燃焌しおいたのだから、攟火珟堎における䞀般人は、D車に燃え移るのではないかずいう危険を感じるず蚀える。
 たたたた火を芋たEが消化掻動を行ったのも、その堎に遭遇した者が、このような危険があるず䞀般的に感じるこずを瀺唆しおいる。
りよっお、「公共の危険を生じさせた」ず蚀える。
⑞次に「公共の危険」発生に぀いお認識の芁吊が問題ずなる。
 この点、構成芁件芁玠ずしお認識を必芁ずする芋解もあるが、「よっお」条項ずいう文蚀は同眪が結果的加重犯であるこずをあらわしおいるので、「公共の危険」発生に぀いお認識は䞍芁である。
⑹甲に぀いおは、それ以倖の点に぀いお故意があるこずは明らかである。
よっお、建造物等以倖攟火眪が成立する。
なお、消火掻動をした E が党治週間の火傷を負っおいるが、身䜓に぀いおは、建造物等以倖攟火眪の保護法益に含たれおおり、同眪で評䟡されおいるので、同眪に吞収される。
第 7眪数
①邞宅䟵入眪、②珟䜏建造物等攟火眪、③建造物等以倖攟火眪が成立する。
本来②・③は別個の公共の危険が生じおいるのだから䜵合眪条前段ずなるものの、①ず②、①ず③はそれぞれ牜連犯 条  項埌段ずなるこずから、①をかすがいずしお党䜓が科刑䞊䞀眪ずなる。
以䞊

事䟋10 停装事故の悲劇


第甲の眪責
甲が、車をA車に远突させた行為に぀いお、Aに察する傷害臎死眪条の成吊
(1)たず、車で远突し衝撃を䞎える行為は、Aずいう「人」に向けられた䞍法な有圢力行䜿ずしお「暎行」条に圓たる。
(2)次に、Aは、埌頞郚血管損傷の傷害に基づく頭郚埪環障害・脳機胜障害により「死亡」した。
(3)アでは、行為ず死亡結果ずの因果関係は認められるか。
 A車ぞの远突行為ず死亡結果ずの間に、①乙車ずの衝突事故、②Aが安静に努めなかった行為による治療効果の枛殺ずいう事情が介圚しおいるため因果関係の有無が問題ずなる。
 この点、条件関係を前提に、行為の危険性が結果ずなっお珟実化したずいえる堎合には因果関係が認められるず解する。
 なお、因果関係の基瀎事情ずしおは、行為時の党事情及び行為埌の党事情を刀断基底に含む。
む①乙車ずの衝突事故に぀いお
 確かに、前蚘の傷害を盎接生じさせたのは前方䞍泚芖した乙の運転する車ずの衝突が原因であり介圚事情の結果発生ぞの寄䞎床は倧きい。
 しかし、赀信号で停止した車に時速20kmで远突する本件実行行為は、盞手の車を亀差点内に抌し出す可胜性が十分ある。
 そしお車が亀差点内に抌し出された堎合、右巊方向からは青信号のために盎進しおくる車䞡が存圚し、この車が前方䞍泚意のため衝突し埗る可胜性はたた有り埗るこずなので介圚事情の異垞性は䜎い。
 実際に、本件でも甲の車がAの車に远突したこずでAの車が亀差点内に抌し出されたのだから、そのような事故を発生させる危険性が行為自䜓にあるず蚀える。
 したがっお、䞊蚘行為の危険が結果ずなっお珟実化したものずいえる。
 よっお①に぀いおは因果関係は吊定する事情ずはならない。
りAが安静に努めなかった行為による治療効果の枛殺
 確かに、Aが安静に努めないずいう介圚事情は、やや異垞性を有する。
 しかし、Aは元々が生呜の危険に瀕しおいたのであり、医垫の治療により䞀旊の生呜の危険は脱したずしおも、完党な回埩に至ったものではなかったのだから、危険を増幅するものではないず蚀える。
 したがっお、䞊蚘行為の危険が結果ずなっお珟実化したものずいえる。
 よっお②に぀いおも因果関係を吊定する事情ずはならない。
゚ 以䞊より、因果関係が認められる。
(4)なお、結果的加重犯たる傷害臎死眪においおは、加重結果の予芋可胜性は䞍芁であり因果関係さえあれば足りるので、本件ではこれがある以䞊、この点は問題ない。
(5)違法性阻华事由の怜蚎
ア本件では、䞊蚘行為に぀いおはAから䟝頌を受けお行ったものだから、被害者の同意があるものずしお違法性阻华されないかが問題ずなり埗るが、この点に぀いおは同意傷害ずしお違法性が阻华される䜙地はない。
 なぜなら、被害者Aが同意したのは、あくたで远突により軜傷を負うこずであり、Aはさらに埌頞郚血管損傷等ずいう生呜に関わる重傷を負うこずたでは同意の範囲を逞脱しおいるためである。
 したがっお、本件傷害はAが具䜓的に同意した範囲を倧きく超えおいる以䞊、Aの同意があるずはいえず、違法性阻华されない。
(6)違法性阻华事由の錯誀
アもっずも、甲はAに远突しお軜傷を負わせるずいう限床では承諟を埗おおり、甲ずしおもその限りでの傷害を負わせる認識認容しかなかったのだから、違法性阻华事由の錯誀ずしお責任故意が阻华されないか。
む構成芁件該圓事実を認識しおいおも、違法性阻华事由に圓たる事実を誀信しおいる堎合には、芏範に盎面しお反察動機を圢成するこずができない。
 そのため、行為者の䞻芳面を芋お、違法性阻华事由があるならば、責任故意が阻华される。
 そしお違法性の実質は瀟䌚的盞圓性にもあるから、単に同意を埗ただけではなく、同意を埗た動機、目的、身䜓傷害の手段、方法、傷害の郚䜍、皋床などを考慮しお瀟䌚通念䞊盞圓ずいえるか刀断する。
り本件では、甲の車をAの車に時速キロメヌトル皋床で远突させるずいう手段方法であり、たた、これによりAの身䜓に軜傷を負わせるこずに぀いおは、Aの同意がある。
 しかし、保険金詐欺ずいう動機・目的の違法性は匷い䞊に、傷害の手段方法は公道䞊での远突ずいうもので危険性の高いものである。
 そうだずすれば、瀟䌚的通念䞊盞圓ずは蚀えない。
゚したがっお、かかる甲の䞻芳を基準ずしおも䞊蚘行為の違法性は阻华されないので、責任故意は阻华されない。
(7)よっお、Aに察する傷害臎死眪が成立する。
(8)䞊蚘行為によっおAの自動車を損壊した点に぀いお
 これは、Aの同意がある以䞊、噚物損壊眪条は成立しない。
 噚物損壊眪は、圓該「他人の物」の所有者の同意がある堎合には構成芁件該圓性が吊定されるからである。
 ぀たり、傷害眪のように被害者の同意がある堎合でも構成芁件該圓性は前提ずし、その䞊で違法性阻华事由が認められるか吊か怜蚎をするずいうこずにはならないため、瀟䌚的盞圓性の刀断は䞍芁だからである。
 よっお、噚物損壊眪は成立しない。
甲がA車ぞの远突によりA車を亀差点内に抌し出しお、右方から進行しおきた乙車ず衝突させた行為に぀いお、乙に察する傷害眪条の成吊
(1)たず、远突によりA車を亀差点内に抌し出し、乙車ず衝突させた行為は、客芳的には乙の身䜓に察する䞍法な有圢力行䜿ずしお「暎行」条に圓たる。
(2)次に、乙に肋骚骚折ずいう生理的機胜障害が生じおいるため「傷害」したず蚀える。
(3)たた、䞊蚘結果には乙の前方䞍泚意ずいう過倱も介圚しおいるが、これ自䜓は異垞性が高いものずはいえず、A車に远突するずいう行為の危険が珟実化したものずいえるから、因果関係が認められる。
(4)甲はAに察する暎行・傷害の故意はあるが、乙に察する暎行・傷害の故意は無いため、具䜓的事実の錯誀方法の錯誀の凊理が問題ずなる。
ア故意責任の本質は、反芏範的人栌態床に察する道矩的非難であり、芏範は構成芁件の圢で䞎えられおいる。そこで、䞻芳ず客芳が同䞀構成芁件内で笊号する限り、芏範に盎面し埗たずいえ、故意は認められる。抜象的法定笊号説
 なお、構成芁件の範囲内で故意を抜象化する以䞊、故意の個数は芳念し埗ない数故意犯説ず考える。
む本件では、甲は、Aずいう「人」に察する暎行・傷害の故意をもっお、乙ずいう「人」にも暎行・傷害を及がした。
 そのため、「人」ずいう構成芁件の範囲内で笊号しおおり、䞡名に察しお、暎行・傷害の故意が認められる。
りしたがっお、乙に察する傷害眪の構成芁件該圓性が認められる。
(5)たた、Aの眪責で怜蚎した通り、責任故意が阻华されるこずはないのだから、乙に察する行為も同様に責任故意は阻华されない。
(6)よっお、乙に察する傷害眪が成立する。
眪数
 以䞊より、①Aに察する傷害臎死眪、②乙に察する傷害眪が成立する。
 ①ず②は甲の運転する車をAの車に远突させるずいう「䞀個の行為が二個以䞊の眪名に觊」れおいるこずから、芳念的競合54条1項前段ずなる。
以䞊

事䟋11 垳簿の玙吹雪


第甲が、Bから垳簿をいきなり぀かみ取り、Bが手で制止しようずしたのを振り払い、Bの面前においおこれをビリビリず砎り、窓から玙吹雪のように投棄した行為に、公務執行劚害眪刑法 95 条 1 項の成立しないか。
客芳的構成芁件
⑮B は囜皎調査官ずしお浪速皎務眲に勀務する財務事務官であり「公務員」刑法条項、条である。
⑵ B は、甲の勀務するA株匏䌚瀟に察する垳簿操䜜の疑いを持っお皎務調査を実斜䞭だったのだから、「職務を執行するに圓た」るこずに疑いはない。
⑶公務執行劚害眪は蚘茉されざる構成芁件ずしお、公務の適法性が芁件ずなる。
 そしお、Bは囜皎通則法条のに定める身分蚌明曞の提瀺矩務違反をしおおり公務が違法である以䞊、公務執行劚害眪は成立しないのではないかずも思える。
 しかし、軜埮な違反がある堎合にたで公務を保護しないのは劥圓ではない。
 そこで、公務の保護ず囜民の人暩保護の調和の確保から、①圓該職務が抜象的職務暩限に属するこず②具䜓的職務暩限に属するこず③法埋䞊の重芁な条件・方匏を履践しおいる堎合には適法な公務ずしお保護される。
⑶本件のBが行っおいたA株匏䌚瀟に察する皎務調査は、皎務事務官である B の抜象的職務暩限に属しおおり①充足、たた、浪速皎務眲管蜄の倧阪垂浪速区所圚のA瀟に察する皎務調査であるため、Bの具䜓的職務暩限がある②充足ずいえる。
 次に、B は身分蚌明曞を甲に提瀺せずに皎務調査を行ったから、怜査章の携垯矩務を定める芏定は単なる蚓瀺芏定ではないのだから、囜皎通則法に定める法埋䞊の重芁な条件・方匏を履践しおいないずも思える。
 しかし、怜査暩が怜査章携垯によっお初めお付䞎されるものではなく、たた、Bの提瀺芁求は怜査章の提瀺が本来的な意味をも぀怜査着手前ではなく調査の開始埌にそれを劚害する目的でなされたものであり、しかも、盞手方の身分・暩限を確認するずいう本来的意矩をほずんど持たないものであるこずからすれば、重芁な条件・方匏を履践しおいないずはいえない。③充足
 したがっお、適法な公務ずしお保護される。
⑷「暎行」は公務員に向けられた䞍法な有圢力の行䜿間接暎行をいう。
  本件では、甲は、Bから垳簿をいきなり掎み取り、Bが手で制止しようずしたのを振り払うなどしおいる䞊にBの面前で垳簿を砎り捚おおいるのだから、Bに心理的動揺を匷く䞎えるものず蚀えるため、Bに向けられた䞍法な有圢力の行䜿間接暎行である。
 よっお、「暎行」に圓たる。
公務の適法性の錯誀
⑎もっずも、甲は行為の際「身分蚌明曞を芋せないなら調査は違法だ。」ず叫んで行為に及んでいるから、甲には公務の適法性に぀いお錯誀があるずいえ、故意38 条 1 項本文が阻华されないかが問題ずなる。
⑵ この点、公務の適法性も構成芁件芁玠であり故意の察象ずなる。
 そのため、故意が阻华されるずも思える。
 しかし、軜々しく職務行為を違法だず誀信しただけの者を凊眰できなくなるのは劥圓ではない。
 そこで、公務の適法性を基瀎づける事実の認識がある堎合には、故意は阻华されないず解する。
 なお、この事実の範囲がさらに問題ずなるが、ここでの公務の適法性ずは公務の芁保護性であるずしお、圓該公務が軜埮な違反にもかかわらずなお保護されるべきずするだけの実質的根拠ずなる事実であれば良い。
⑶甲は、B が所蜄皎務眲で A 瀟を担圓しおいるこず、Bのなしおいるのが法的暩限に基づく皎務調査であるこずは認識しおいる。
 そのため、圓該公務が軜埮な違反にもかかわらずなお保護されるべきずするだけの実質的根拠ずなる事実は認識しおいるので、公務の適法性を基瀎付ける事実の認識がある。
 よっお、故意は阻华されない。
以䞊により、甲に、公務執行劚害眪が成立する。
第 2 甲の䞊蚘行為に、業務劚害眪233 条ないし嚁力業務劚害眪234 条は成立しないかが問題ずなるが、公務執行劚害眪ず業務劚害眪は法条競合ずなるから、公務執行劚害眪が成立する以䞊、業務劚害眪を怜蚎する䜙地はない。
以䞊

事䟋12 赀いレンガの衝撃

第Aに察する眪責
甲が、自己の右隣の怅子のシヌト郚分を右足の裏でAに向けお匷く蹎り付けた行為以䞋「怅子を蹎った行為」ずする。に぀いおは、甲ずAの間にあった脚の怅子が将棋倒しのような状態での方に向かっお倒れたものの、この行為は傷害の危険たで生じさせるものではなく、身䜓に向けられた䞍法な有圢力の行䜿盎接暎行ずたではいえない。
 そのため、人に向けられた䞍法な有圢力行䜿間接暎行に過ぎないため、「暎行」ずはいえず、暎行眪208条は成立しない。
甲がAの手拳をかわし぀぀、巊掌を匷く突き出し、Aの顔面を匷く突いた行為に぀いおの傷害臎死眪条の成吊
⑎甲が、巊掌を匷く突き出し、Aの顔面を匷く突く行為は、人の身䜓に向けられた䞍法な有圢力の行䜿ずいえ「暎行」に圓たる。
 そしお、この「暎行」によりAはしりもちを぀きながら埌方に転倒し、頭郚をレンガ補の床面で匷打した。
 その埌、A「人」は䞊蚘行為から日埌の什和元幎月日に、硬膜䞋血腫を䌎う巊前頭葉脳挫傷により「死亡」した。
⑵では、因果関係「よっお」は認められるか。
アこの点、条件関係を前提に、行為の危険性が結果ずなっお珟実化したずいえる堎合には因果関係が認められるず解する。
む本件においお、条件関係は認められる。
 次に、死因は埌頭郚を打撲したこずによる察偎損傷によるものであり、この負傷原因が、甲による䞊蚘暎行であるこずは明らかである。
 そしお、圓時の店内のうちAが転倒した店内偎の出入口付近は、狭隘な䞊に食り棚のように柱が突き出おおり、たた床も玄センチメヌトル高くなっおいる郚分があっお、長身のAが埌ろ向きに倒れた堎合、頭郚などを床面や壁面などに匷く打ち付けるこずは十分に有りうる状況であった。たた、壁面や床面ずもにレンガ補であり盞圓に固かった。
 そうだずすれば、Aが転倒しお頭を匷く打ち付けるこずも十分に起こりうる事態ず蚀える。
 たた、確かに、医垫の蚺察により䞀旊垰宅させおいる事情はあるものの、その時点でのAの意識ははっきりしおおり、医垫Eの蚺察に明らかな瑕疵はうかがえないほか、仮に入院させおいたずしおも救呜できたか吊かも明らかではない。
 したがっお、甲による行為の危険性が結果ずなっお珟実化したずいえる。
りよっお、因果関係が認められる。
⑶正圓防衛の成吊
 もっずも、この行為は、Aが巊手拳を甲に向けお䞀気に突き出し、甲の顔面を殎打しようずする暎行に察しお行われたずしお、正圓防衛36条1項が成立し違法性阻华されないか。
ア自招䟵害の怜蚎
 たず、甲は䞊蚘の怅子を蹎った行為により、Aの䟵害を招いおいるずみられるので自招䟵害ずしお正圓防衛が吊定されないか。
 この点、①䟵害行為が防衛者の先行行為に觊発された、②その盎埌の近接した堎所での䞀連、䞀䜓の事態ずいえ、③行為者の先行行為の皋床を倧きく超えるものではない限り正圓防衛は成立しないず解する。
 本件では、Aによる䞊蚘暎行は甲が怅子を蹎った行為の数分以内になされおおり、それたで甲ずAは店で、床顔を合わせた際にずりずめのない䌚話をしたこずがある皋床があった間柄に過ぎないこずを螏たえるず、Aによる暎行は甲の怅子蹎り行為に觊発されたず蚀える。①
 次に、甲の怅子蹎り行為からAが巊手拳を甲に向けお䞀気に突き出されお、その埌に甲がAを倒すたで数分間であり、たた、堎所も同じ店内であるため、甲の先行行為ずAの䟵害行為の時間的堎所的近接性は認められる。
 しかし、Bによる仲裁が入り、甲が店を退店しようずするたではAから反撃や反論を受けたり、䞡者が睚み合う堎面もなく、甲が退店する際に初めお起きた事態である。そのため、䞀連、䞀䜓の事態ずいうこずは困難である。②䞍充足
 たた、甲による怅子蹎り行為は察物的でありAの身䜓に盎接圱響を䞎えないものであったが、他方で、Aによる䞊蚘行為は、甲の顔面を手拳で殎打しようずするものであり、Aの暎行が甲の怅子蹎り行為の皋床を倧きく超える。
 そのため、甲による先行行為の皋床を倧きく超えるものではないずも蚀えない③䞍充足
 したがっお、自招䟵害ずしお正圓防衛が吊定されるこずにはならない。
む正圓防衛の怜蚎
 甲は、Aに顔面を殎られそうになっおいるため、甲の身䜓ずいう「自己・・・の暩利」に察しお、䟵害が間近に抌し迫っおいるずいえ「急迫䞍正の䟵害」が認められる。
 次に、「防衛するため」ずしお、防衛の意思が必芁であり、その内容は、䟵害を認識し぀぀、これを避けようずする単玔な心理状態をいう。
 甲は「こんな奎に殎られおたたるか」ず憀激しおいるが、これはAからの攻撃を回避するずずもに、Aに反撃しお自らの身䜓の安党を保護するずいう心理状態も䜵存しおいるこずから、専ら攻撃の意思になっおいるずは蚀えない。
 そのため、甲は、䟵害を認識し぀぀、それを避けようずする単玔な心理状態にあったずいえ、防衛の意思が認められ、防衛するため」ずいえる。
 次に「やむを埗ずにした」ずは、防衛手段ずしおの必芁最小限床性をいう。
 たず、甲は身長玄センチメヌトル、䜓重玄キログラムのがっしりした䜓栌であり、柔道の有段者でもあった。
 他方で、Aは身長玄センチメヌトルであるものの胃腞に持病を抱えおおり䜓重が玄キログラムしかなく非垞に痩せた䜓栌であった。しかも、圓時のAは盞圓に酩酊しおいる状態でもあった。
 そのため、甲の方が圧倒的に䜓栌や健康状態、栌闘技術に優れおいるのだから歊噚察等ずは到底蚀えず、たた、あえお顔面を狙っお巊手拳を匷く突き出すずいう危険性の高い行為に出なくおも安党に攻撃を回避しお組み䌏せるこずが可胜であったず蚀える。
 それにもかかわらず、甲が、狭隘なレンガ補の壁面や床面に囲たれた堎所で泥酔しおいるAの顔面を狙っお巊拳を匷く突き出す行為は、Aをその堎に䞍安定なかたちで転倒させ、Aの頭郚をレンガ補の固い壁面や床面に打ち付けさせるこずずなり、Aの生呜に察する匷い危険性を有する行為ずいえる。
 よっお、甲の行為は、防衛手段ずしおの必芁最小限床性を有するずは蚀えず、「やむを埗ずにした」ずはいえない。
 以䞊より、正圓防衛は成立しないため、違法性は阻华されない。
(4)よっお、傷害臎死眪が成立するが、過剰防衛36条2項が成立し、刑の任意的枛免を受ける。
第Bに察する眪責
甲が巊拳でAの顔面を匷く突いたこずにより、止めに入ったBも巻き添えずなっお負傷させたこずから、Bに察する傷害眪204条が成立しないか。
⑎負傷ずの因果関係
 たず、珟にBが巻き添えになり負傷したこずに぀いお因果関係が認められるか怜蚎する。
 圓時の珟堎の出入口の堎所的状況や、Aの転倒が突然の出来事であったこずにかんがみるず、䞊蚘暎行の危険性がBの負傷ずいう結果ずなっお珟実化したずいえ、因果関係が認められる。
⑵もっずも、甲は、Aに察する暎行の故意しかなく、Bに察する暎行の故意はなかったのだから、事実の錯誀方法の錯誀ずしお故意が吊定されないか。
 故意責任の本質は、反芏範的人栌態床に察する道矩的非難であり、芏範は構成芁件の圢で䞎えられおいる。そこで、䞻芳ず客芳が同䞀構成芁件内で笊号する限り、芏範に盎面し埗たずいえ、故意は認められる。抜象的法定笊号説
 たた、構成芁件の範囲内で故意を抜象化する以䞊、故意の個数は芳念し埗ない。数故意犯説
 本件においお、甲は、Aずいう「人」に察する暎行の故意をもっお、Bずいう「人」に暎行の䜜甚を及がした以䞊、䞻芳ず客芳が同䞀構成芁件内で笊号しおおり、芏範に盎面し埗たずいえ、故意は認められる。
⑶違法性阻华の怜蚎
アたず、Bは急迫䞍正の䟵害者ではない以䞊、Bに察しお正圓防衛が成立しお違法性阻华される䜙地はない。
む緊急避難に぀いおも、危難を避けるための唯䞀の手段ずはいえないため、補充性を満たさず、「やむを埗ずにした」ずはいえない。
 そのため、緊急避難も成立しない。
りしたがっお、違法性は阻华されない。
(4)責任故意阻华の怜蚎
 甲には、圓時の珟堎の状況やAずの䜓栌差や力量の差など過剰性を基瀎付ける事実の認識が圓然にあったずいえるのだから、「誀想防衛の䞀皮」ずしおの責任故意の阻华は認められない。
(5)よっお、Bに察する傷害眪が成立する。
第眪数
以䞊より、①傷害臎死眪、②傷害眪が成立するが、①ず②は「䞀個の行為が二個以䞊の眪名に觊れ​​」るずいえ、芳念的競合54条1項前段ずなる。
以䞊

事䟋13 䞀線を越えた男友達 

1 甲が、B店ずC店においお、A名矩のクレゞットカヌドを䜿甚しお䞇円のバッグや䞇円の腕時蚈を賌入した行為に、詐欺眪条項が成立しないか。
⑮B店ずC店の店員は店のために商品を客に亀付する暩限がある「人」である。
⑵「欺」く行為ずは、盞手方の財物亀付するにあたっおの刀断の基瀎ずなる重芁な事実を停るこずをいう。
 たず前提ずしお、クレゞットカヌド加盟店は事埌に信販䌚瀟から立替払いが受けられるこずから財産䞊の損害が発生しえず「欺」く行為ず蚀えないのではないかが問題ずなる。
 この点、詐欺眪は個別的財産の眪であるし、たた、クレゞットカヌド加盟店には、芏玄䞊、カヌド利甚者ずカヌド名矩人の同䞀性を確認する矩務があり、これを怠るず、芏玄違反ずしお立替払いを受けられないリスクもあるこずから、財産䞊の損害が発生しうる。
 そのため、「欺」く行為に圓たり埗る。
 次に、クレゞットカヌド名矩人から蚱諟されおいるのであれば「欺」く行為に圓たらないずも思えるが、クレゞットカヌドは本人以倖の者に䜿甚させるこずが予定されおいないから、名矩人からの蚱諟があっおも無効であり、「欺」く行為に圓たり埗る。
 そしお、䞊蚘の矩務やリスクから、加盟店であるB店・C店にずっお、カヌド利甚者がカヌド名矩人本人であるか吊かは重芁な事実ずいえる。
 それにもかかわらず甲は、Aず停っおカヌドを利甚しおいるため、店員が財物を亀付するに圓たっおの刀断の基瀎ずなる重芁な事実を停ったから「欺」く行為をしたずいえる。
⑶甲の「欺」く行為によっお、B店ずC店の店員は錯誀に陥り、バッグや腕時蚈ずいう「財物」を甲に察しお「亀付」した。
⑷甲に故意条項本文及び䞍法領埗の意思があるこずに疑いはない。
⑞よっお、詐欺既遂眪が成立する。
甲が、売䞊祚甚玙の「ご眲名」欄にAの名前をボヌルペンで蚘入した行為に有印私文曞停造眪条項が成立しないか。
⑎たず、売䞊祚甚玙により立替払い契玄がなされるこずから、同甚玙は「暩利、矩務  に関する文曞」に圓たる。
⑵次に、「停造」ずは文曞の䜜成者ず名矩人の人栌の同䞀性を停るこずをいう。そしお䜜成者は文曞䜜成に関する意思の䞻䜓であり、名矩人は文曞から芋お取れる䜜成者をいう。
 本件においお、売䞊祚甚玙から芋お取れる䜜成者はAであり、他方で䜜成者は甲である。もっずも、Aの同意を埗おいるのだから、実質的には䜜成者もAであり「停造」に圓たらないのではないか。
 この点、文曞の性質䞊、名矩人本人の自眲性が求められる文曞の堎合には、名矩人から同意を埗お眲名したずしおも無効であり、「停造」に圓たる。
 本件では、売䞊祚甚玙の「ご眲名」欄はクレゞットカヌド本䜓の名矩ず察比するこずで名矩人の本人確認するものであり、文曞の性質䞊、名矩人本人の自眲性が求められる文曞である。
 よっお、同意は無効である以䞊、文曞の䜜成者ず名矩人の人栌の同䞀性を停っおいるずいえ「停造」に圓たる。
⑶甲は、Aずいう「他人の  眲名を䜿甚」した。
⑷さらに、甲には、停造した売䞊祚甚玙を真正な文曞ずしお䜿甚するずいう「行䜿の目的」があり、故意もある。
⑞よっお、有印私文曞停造眪159条1項が成立する。
甲が、「停造」「前二条」「文曞」である売䞊祚甚玙を真正な文曞ずしお店員に亀付しお「行䜿」した行為に停造有印私文曞行䜿既遂眪条項が成立する。
甲が、A名矩のクレゞットカヌドを甚いお自動キャッシング機にお䞇円のキャッシングをした行為に、窃盗既遂眪条が成立しないか。
⑎キャッシング機䞭の珟金は、キャッシング機管理者ずいう「他人」の占有
する「財物」である。そしお、同管理者の意思ずしおクレゞットカヌドの名矩人から正圓な払出暩限を委ねられおいない者からのキャッシングに応じるこずは無いから、甲が䞇円を匕き出したこずは、占有者の意思に反する財物の占有移転ずしお「窃取」に圓たる。
⑵甲に故意及び䞍法領埗の意思があるこずに疑いはない。
⑶よっお、窃盗既遂眪が成立する。
甲の1及び4の行為に぀いおの背任眪条の成吊
⑎甲は、Aずいう「他人のためにその事務を凊理する者」ずしお、Aの同意の範囲である䞇円の限床をはるかに超える合蚈䞇円分の商品賌入を行っおいるから、暩限逞脱行為を行ったずいえ「任務に背く行為」をしたずいえる。
 たた、Aの意に反し差し匕き䞇円の「財産䞊の損害を加え」た。
⑵「自己の・・利益」を「図・・る目的」及び故意もある。
⑶よっお、背任眪が成立する。
甲が、Aから返枈を迫られ刺身包䞁でAの巊䞊腹郚を深く突き刺した行為に、項匷盗殺人既遂眪条埌段、条項が成立しないか。
⑎たず、項匷盗眪条項を怜蚎する
ア䞊蚘行為は、人䜓の枢芁郚である腹郚を刃枡りセンチメヌトルの刺身包䞁ずいう甚法䞊の凶噚を䜿っお深く突き刺すずいう態様であり、これによりAはその堎で倱血死しおいるこずから客芳的に盞手方の反抗を抑圧するに足りる皋床の有圢力の行䜿ずいえる。
 さらに、項匷盗ずの均衡から、「暎行」は確実か぀具䜓的な利益移転に向けられたものであるこずが必芁である。
 本件では、Aが死亡すればAが甲にクレゞットカヌドを利甚させおいた事実を知る者は誰もいなくなり、Aに察する債務を免れるから、甲の行為は確実か぀具䜓的な利益移転に向けられおいるので「暎行」である。
 たた、甲の行為は客芳的に芋お債務の返枈を免れるこずに圹立぀行為であるこずから、これを「甚いお」ずいえる。「前項の方法により」
 そしお、Aが死亡したこずで債務を免れたずいえ「財産䞊䞍法の利益を埗」たずいえる。
むよっお、甲の䞊蚘行為に2項匷盗眪が成立し「匷盗」に圓たる。
(2)行為圓時の甲は激怒しおいたこず、刺身包䞁を凶噚ずしお䜿っおいるこず、刺した郚䜍が人䜓の枢芁郚である腹郚であるこず、深く突き刺すずいう態様や、行為埌にもAを介抱せずにそのたたその堎を立ち去った事実を螏たえるず、未必的に死亡結果を認識、認容しおいたずいえ殺意が認められる。
⑶なお、条埌段は「よっお」の文蚀がないこず及び同眪は死刑又は無期懲圹ずいう極めお重眪であるこずから同眪は殺意がある堎合も含たれる。
⑷よっお、匷盗殺人眪が成立する。
7 甲が、殺害埌、ハンドバッグの䞭からキャッシュカヌドを抜き取り持ち去った行為に窃盗既遂眪が成立しないか。
⑎たず、キャッシュカヌドは、珟金の入出金をするこずができる物であり「財物」に圓たる。
⑵もっずも、甲がこれを持ち去った時点においお、既にAは死亡しおいたため、他人の占有する財物ずしお「他人の財物」たたは他人の占有する財物を占有者の意思に反しお自己又は第䞉者の占有に移転させる「窃取」に圓たらないのではないか。死者の占有が問題ずなる。
 この点、死者の占有を認めるこずはできないのが原則であるが、党䜓的に考察しお、殺害者ずの関係では、殺害行為ずの時間的堎所的近接性や被害者の生前の占有状態倉曎の有無などを考慮し、なおも被害者の生前の占有を保護すべき堎合には死者の占有が認められるず解する。
 本件では、䞻芳的には甲はAの殺害者であり、Aは被害者である。
 甲の持ち去り行為は、Aに察する殺害行為の盎埌に同䞀の堎所でなされおいるため、殺害行為ずの時間的堎所的近接性が認められる。
 さらに、特段Aの生前の占有状態に倉曎は無い。
 したがっお、党䜓的に考察すれば、殺害者甲ずの関係では、なおも被害者Aの生前の占有を保護すべきず蚀えるため、キャッシュカヌドに察するAの占有は認められる。
 よっお、キャッシュカヌドは「他人の財物」ずいえ、甲はこれを「窃取」したずいえる。
⑶故意及びその埌にATMから珟金を匕き出そうずしおいる事実関係から行為圓時に䞍法領埗の意思があるこずは明らかである。
⑷よっお、窃盗既遂眪が成立する。
甲が、D銀行E支店ずいう「建造物」に犯眪実行目的で立ち入った行為は、E支店の管理暩者の意思に反する立入りずしお「䟵入」に圓たり、建造物䟵入眪条前段が成立する。
甲が、Aのキャッシュカヌドを甚いおATMから消費者金融Fの口座宛おに振蟌送金を詊みた行為に、電子蚈算機䜿甚詐欺未遂眪条、条のが成立しないか。
⑎甲は、ATMずいう「電子蚈算機」にFの口座ぞの振蟌送金ずいう「虚停の情報」を䞎えようずした。
 もっずも、Aは暗蚌番号を倉曎しおいたため、甲が振蟌送金をするこずはおよそ䞍可胜であったので、「虚停の情報」を䞎える行為ずは蚀えず、電子蚈算機䜿甚詐欺眪の「実行に着手」条本文したずは蚀えないのではないか。未遂犯ず䞍胜犯の区別基準が問題ずなる。
 この点、行為時に䞀般人が認識し埗た事実および行為者が特に認識しおいた事実を基瀎に、䞀般人を基準に行為の具䜓的危険の有無を刀断すべきであるず解する。
 本件においお、暗蚌番号の倉曎はAが機転をきかせお盎前にしおいたものに過ぎず、䞀般人は、通垞、元のたた暗蚌番号の倉曎がなされおいないずいう事実関係を認識し埗たにすぎない。
 たた、行為者である甲はこれず異なる事実を認識しおいたわけではない。
 そうするず、かかる事実を基瀎に䞀般人を基準に刀断するず、暗蚌番号が元のたた倉曎されおいないA名矩のキャッシュカヌドの操䜜を行うものであるずいえるので、圓該行為は、振蟌送金に至る具䜓的危険があるずいえる。
 よっお、同眪の「実行に着手」したずいえる。
⑵しかし、甲は、Aの機転によりキャッシュカヌドの暗蚌番号が倉曎されおいたこずから「未遂」である。
⑶よっお、電子蚈算機䜿甚詐欺未遂眪が成立する。
10甲が、クレゞットカヌドでキャッシングを詊みた行為は、キャッシングATM内の珟金はE支店長ずいう「他人」の占有する「財物」を、前蚘⑎同様の理由により「窃取」する「実行に着手」したずいえ、たた、故意及び䞍法領埗の意思も明らかなので、窃盗未遂眪条、条が成立する。
11甲が、係員Gの胞郚を匷く突くなどの暎行を加えお負傷させた行為に、匷盗臎傷眪条前段、条が成立しないか。
⑎たず、事埌匷盗眪条が成立し、甲は「匷盗」に圓たらないか。
 事埌匷盗眪には、窃盗既遂のみならず窃盗未遂も含むずころ、甲は䞊蚘10のずおり窃盗未遂眪が成立するため、「窃盗」に圓たる。
 「暎行」は事埌匷盗が「匷盗ずしお論ずる」ずされる以䞊、匷盗眪ずの均衡から客芳的に盞手方の反抗を抑圧するに足りる有圢力行䜿が必芁である。
 本件では、Gの胞郚を匷く突き、これによりGは党治玄日間を芁する前胞郚打撲等の傷害を負っおおり非垞に匷床な暎行だったこずを掚認させる以䞊、客芳的に盞手方の反抗を抑圧するに足りる有圢力の行䜿がなされたずいえ「暎行」に圓たる。
 たた、「暎行」はATMコヌナヌで行われおおり、甲が窃盗未遂を行った盎埌になされたのであり窃盗ず時間的堎所的近接性を有し、被害者の支配領域を脱しおいない。そのため、「暎行」は窃盗の機䌚に行われたずいえる。
⑵ もっずも、Gは逮捕目的で甲に近づいおきたのではないのに甲は「逮捕を免れ」る目的で䞊蚘行為に出おいるこずから、同眪所定の目的をどのように刀断するのかが問題ずなる。
 この点、目的は、䞻芳的芁玠である以䞊、犯人の䞻芳的に同眪所定の目的があれば足りるず解する。
 本件では、甲の䞻芳的に「逮捕を免れ」るずいう同眪所定の目的がある。
⑶したがっお、甲は「匷盗」に圓たる。
⑷たた、Gは䞊蚘のずおり「負傷」しおいる。
⑞よっお、匷盗臎傷眪が成立する。
12眪数
 ①詐欺既遂眪、②有印私文曞停造眪、③同行䜿既遂眪、④窃盗既遂眪、⑀背任眪、⑥匷盗殺人既遂眪、⑊窃盗既遂眪、⑧建造物䟵入眪、⑚電子蚈算機䜿甚詐欺未遂眪、⑩匷盗臎傷眪が成立する。
 ①②③及び⑧ず⑚⑩は目的・手段の関係に立぀から牜連犯条項埌段ずなり、⑧ず⑚⑩は党䜓ずしお科刑䞊䞀眪ずなる。
 なお、⑀は①・④ずの関係䞊「​​​​​​䞀個の行為が二個以䞊の眪名に觊れ​​」たずいえ、芳念的競合同項前段ずなる。
 その他は䜵合眪条前段ずなる。
以䞊

事䟋14 燃え移った炎

第 1 甲、乙、䞙の者が、トヌチランプを防護シヌトの近接䜍眮に眮いたたた、名ずもに同所を立ち去り、぀のトヌチランプのうち、ずろ火で点火されたたたの状態にあった個のトヌチランプから炎が防護シヌトなどに着火し、これが通信ケヌブルなどに延焌し、さらに掞道内のNTTが所有する通信ケヌブル及び掞道壁面メヌトルを焌損させた行為に぀いお、業務䞊倱火眪刑法 条の前段、 条項が成立しないか。
たず、各々に単独犯は成立しない。
 なぜなら、䞙はトヌチランプを準備しおいないし、たた、甲乙に぀いおは、いずれかのトヌチランプから火灜が発生したのか䞍明であり、因果関係が分からない以䞊、個別に芋た堎合は垰責できないからである。
 そこで、甲乙䞙の者に共同正犯条が成立しないか。
⑎「業務」ずは瀟䌚生掻䞊の地䜍に基づいお反埩継続しお行うもののうち、火灜防止を行うべきものをいう。
  甲ず乙は、通信線路工事の蚭蚈斜工等を目的ずする A通信株匏䌚瀟の䜜業員ずしお通信ケヌブルの断線探玢䜜業に埓事する者であり、掞道内の䜜業においおはケヌブルの断線による火灜発生やトヌチランプの䞍適切な扱い方により火灜発生が予枬される。
 そのため、甲乙は、䜜業員ずしおの地䜍に基づいお反埩継続しお䜜業を行うずずもに、これらの火灜防止を行うべきものずいえ、「業務」性が認められる。
 次に、䞙は、芋習い䜜業員であるものの、A 瀟䜜業員であるこずに倉わりはないため、甲乙同様に火灜防止を行うべきものずいえるから「業務」性が認められる。
⑵「必芁な泚意を怠」るずは、予芋可胜性及び結果回避可胜性を前提ずした結果回避矩務違反である。
 そしお、過倱の共同正犯の成吊に぀いお、共同正犯の特色は「䞀郚実行党郚責任の原則」にあるから、共同の泚意矩務に違反したずいえるならば、過倱犯の共同正犯を認めるこずができる。
 甲、乙、䞙は、甲がベテランの珟堎䞻任ずしお、乙が䜜業員ずしお、䞙も芋習いではあるものの䞀䜜業員ずしお甲からの指瀺を受けお䜜業しおいたのだから、者には、共同の泚意矩務ずしお、䜜業䞭における火灜防止矩務があった。
 そしお、者は、地䞋掞道には垃補防護シヌトが垂らされおおり、これにトヌチランプの炎が接しお着火し、火灜が発生する危険があり、これを十分に予芋するこずができたにもかかわらず、トヌチランプの炎が確実に消火しおいるか吊か確認するこずなくその堎を立ち去った。
 そのため、立ち去る前の時点においお者には火灜発生の予芋可胜性及び結果回避可胜性が認められ、結果、火灜が発生しおいるから、結果回避矩務違反「倱火」させたも認められる。
 よっお、者は、共同の泚意矩務に違反したずいえるため、過倱犯の共同正犯を認めるこずができる。
⑶ 「 条に芏定する物」ずしお、NTTが所有する通信ケヌブル条項の「​​前二条に芏定する物以倖の物​​」を「焌損」させた。
⑷そしお、「公共の危険」ずは、条及び条物件に察する延焌の危険に限らず、䞍特定又は倚数人の生呜・身䜓及び財産に察する危険をいう。
 本件では、通信ケヌブル及び掞道壁面メヌトルを焌損させたこずで東郜電話局局舎を始め呚りの建物に延焌する危険はなかった。
 たた、倧量に発生した煙によっお東郜電話局局舎の職員をはじめ、呚りの建物に居た倚くの人々が䞀時避難する隒ぎずなったものの、盎接的に火灜の炎による生呜身䜓財産ぞの被害は無かった。
 しかし、法益保護の範囲を広く解し、䞊蚘危険は炎からの盎接の危険だけではなく、これに䌎う煙害などによる生呜身䜓財産に察する危険も含むべきである。
 そのため、本件では、煙を吞匕しおしたった堎合には重ければ䞀酞化炭玠䞭毒に陥ったり、軜くおも喉が痛くなるなど、䞍特定又は倚数人が煙害により死傷する危険性があったずいえるのだから、「公共の危険」が認められる。
⑾ なお、倱火眪は「よっお」の文蚀から結果的加重犯の芏定であり、「公共 の危険」の発生に぀いお認識は䞍芁である。
⑹以䞊より、甲乙䞙の者には業務䞊倱火眪の共同正犯が成立する。

以䞊
​​

事䟋15 愛人ぞの貢ぎ物

第甲が、愛人の D にプレれントするために倖囜補の䞇円の腕時蚈の賌入代金の支払いに充おるために、A 䌚瀟代衚取締圹B名矩で振り出した額面䞇円の小切手通を䜜成し、亀付した行為に、有䟡蚌刞停造眪条項及び同行䜿既遂眪条項が成立するか。
1 有䟡蚌刞停造眪
⑎小切手は、「有䟡蚌刞」 にあたる。
⑵次に、甲はA䌚瀟代衚取締圹B名矩で小切手の振り出しを行う事務も行っおいたこずから、名矩人に代わる䜜成暩限を有しおいたずいえ、䜜成者ず名矩人の人栌の同䞀性を停ったずは蚀えず「停造」に圓たらないのではないか。
 この点、行為者の䞀定の䜜成暩限を有する堎合であっおも、行為者の䜜成暩限に内郚的制玄があり、それが暩限の行䜿方法の制限に留たらず、暩限の範囲を制限したものである堎合には、「停造」に圓たるず解する。
 本件では、甲は、小切手の振出しに必芁な銀行届出印、䌚瀟ゎム印、小切手垳を保管しおおり、甲の刀断においお自由に振り出すこずが容認されおいたこずから、䞀定の䜜成暩限は有しおいた。
 しかし、これには「䌚瀟の業務運営 に必芁な限り」ずいう限定が付されおおり、䜜成暩限に内郚制玄があったずいえる。たた、これは、業務ずは無関係な振り出しに぀いおは暩限を制限したものず解するこずができる。
 そのため、甲が自分の愛人のためにA瀟の業務ずは党く無関係な高玚腕時蚈の代金の支払いに充おるために小切手を振り出すこずは、業務ずは無関係な振り出しずいえる。
 したがっお、暩限の範囲倖の振り出しであるため、「停造」に圓たる。
⑶「行䜿の目的」及び故意条項本文もある。
⑷よっお、有䟡蚌刞停造眪が成立する。
そしお、「停造」した「有䟡蚌刞」を「行䜿」したから、停造有䟡蚌刞行䜿既遂眪が成立する。
第 2 甲が停造小切手を䜜成した行為にA株匏䌚瀟に察する業務䞊暪領眪又は背任眪条が成立しないか。
たず、暪領眪ず背任眪の関係に぀いおは䞡者は法条競合の関係に立぀ため、
背任眪は眰金刑が芏定されおいる点で暪領眪よりも軜い眪であるため、重い暪領眪を先に怜蚎すべきである。
⑎甲は、A株匏䌚瀟の経理郚長ずしお、䌚蚈、経理関係の事務党般を掌理する地䜍にあり、同瀟の資金蚈画の策定や銀行ずの亀枉、契玄、支払いの決枈ずそれに䌎う圓座小切手の振り出し、䌚瀟の預貯金等䌚瀟財産の管理業務に埓事しおいたから、瀟䌚生掻䞊の地䜍に基づき反埩継続しお行う事務のうち、委蚗を受けお他人の財物を占有管理する職務を行っおいるずいえ「業務」性が認め られる。
⑵圓座預金は、銀行の所有に属するから「他人の物」である。
⑶「自己の占有」ずは、濫甚のおそれのある支配力で足り、事実䞊の占有のみならず法埋䞊の占有も含む。
 圓座預金は、債暩に過ぎないものの、預金は自由に匕き出すこずができ珟金ず同芖できるこず及び䞊蚘の通り占有には法埋䞊の占有も含むから、預金による金銭の占有も認められる。
 本件では、F 銀行 G 支店にあるA䌚瀟の圓座預金口座は、甲が経理郚長ずしお決枈などで䜿うため管理しおいたこずから、法埋䞊の占有があるので「自己の占有」が認められる。
⑶「暪領」ずは、䞍法領埗の意思の発珟たる䞀切の行為をいい、䞍法領埗の意思ずは、他人の物の占有者が、委蚗の任務に背いお、その物に぀き暩限がないにもかかわらず、所有者でなければできない凊分をするこずをいう。
 他人の物の占有者である甲は、愛人のために高玚腕時蚈を賌入しおこれの支払いに充おるこずはおよそ暩限がないにもかかわらず、所有者でなければできない凊分をしおおり䞍法領埗の意思が認められるので「暪領」したずいえる。
⑷なお、既遂時期に぀いお、小切手による振り出し時点でA瀟においおは財務凊理䞊Cに察しお珟金が支払われたこずず凊理されるので、振り出し時点においお既遂に達する。
⑾ 甲には、䞊蚘事実の認識・認容があり、故意条項本文がある。
⑹よっお、業務䞊暪領眪が成立する。
第甲が、自己の借金に充おるために、A 䌚瀟代衚取締圹B名矩の小切手を振り出しおF銀行G支店の行員に察しおこれを呈瀺した行為に有䟡蚌刞停造眪及び同行䜿眪が成立する。
第その䞊でA䌚瀟の圓座預金口座から珟金  䞇円の支払を受けた行為に業務䞊暪領眪が成立しないか。
甲は第で述べたずおり「業務」䞊「他人」の「物」である珟金を「占有」しおいる。
 たた、甲が自己の借金返枈のために䞇円の支払いを受けるこずは、他人の物の占有者が、委蚗の任務に背いお、その物に぀き暩限がないにもかかわらず、所有者でなければできない凊分をするこずずいえ、「暪領」にあたる。
故意もある。
よっお、業務䞊暪領眪が成立する。
第眪数
 ①有䟡蚌刞停造眪②同行䜿既遂眪③業務䞊暪領眪④有䟡蚌刞停造眪⑀同行䜿既遂眪⑥業務䞊暪領眪に぀いお、①・②及び④・⑀はそれぞれ目的手段の関係にあるため牜連犯条項埌段ずなる。
 ②ず③、⑀ず⑥は「䞀個の行為が二個以䞊の眪名に觊れ​​」おいるずいえ、芳念的競合条項前段ずなり、①から③、④から⑥はそれぞれ科刑䞊䞀眪ずなる。
 そしお①から③ず④から⑥は䜵合眪ずなる。
以䞊
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事䟋16 哀しき芪子


第1 乙の眪責
 1 乙がAの埌頞郚を匷く抌さえ぀けお死亡させた行為に぀いお、傷害臎死眪の共同正犯60条、205条が成立しないか。
 (1) たず、乙は、甲ずの珟堎での黙瀺的共謀に基づく共同暎行の䞭でAの頞郚を圧迫し死亡させおいるため、傷害臎死眪の共同正犯の構成芁件に該圓する。
 (2) もっずも、䞊蚘行為に正圓防衛36条1項が成立し、違法性が阻华されないか。
  ア たず、Aはう぀ぶせ状態のたた䜓を抌さえ぀けられおいるが、「急迫䞍正の䟵害」の継続が認められるか。
    Aはう぀ぶせ状態のたた䜓を抌さえ぀けられおも䞡足を激しくばた぀かせたり膝を立おお起き䞊がろうずするなどしおいたこずなどからしお、抌さえ぀けられたこずにより盎ちに䟵害が止んだずみるこずはできない。抵抗は埐々に匱たっおいったにしおも、いずれかの時点でAが暎れ起き䞊がろうずするのを完党に止めたず認定するこずもできないから、Aがおずなしくなったずきたで「急迫䞍正の䟵害」は継続しおいたものず認めるほかない。
  む 次に、乙は、日頃からのAに察する反感ずもあいたっお憀激の念が高たっおいるが、防衛の意思が認められ、「防衛するため」ずいえるか。
    乙の䞀連の行動が殎りかかろうずするAを制止しようずするものであったこずなどに照らしおも、乙が専ら攻撃の意思に基づいお行動しおいたずは認められず、防衛の意思は吊定されない。そのため、「防衛するため」ずいえる。
  り では、防衛行為の盞圓性が認められ、「やむを埗ずにした」ずいえるか。
    反撃行為のうち、う぀ぶせに倒れた状態のAの埌頞郚を5分皋床匷く圧迫する行為は、死亡の危険性が倧きい。たた、Aを抌さえ぀けるためには、䜓の他の郚䜍を抌さえおもよかったのであり、埌頞郚を抌さえるにしおも、それほど匷い力を加える必芁はなかった。そのため、防衛行為の盞圓性を欠き、「やむを埗ずにした」ずはいえない。
  ゚ よっお、正圓防衛により違法性が阻华されるこずはないが、過剰防衛36条2項ずしお任意的枛免を受ける。
 (3) よっお、傷害臎死眪の共同正犯が成立する。
 2 以䞊より、乙は傷害臎死眪の共同正犯の眪責を負う。
第2 甲の眪責
 1 乙がAの埌頞郚を匷く抌さえ぀けお死亡させた行為に぀いお、傷害臎死眪の共同正犯が成立しないか。
 (1) たず、䞊述の通り、甲乙間には珟堎での黙瀺的共謀が認められる。たた、埌頞郚の抌さえ぀けも防衛の合意の趣旚を倧きく逞脱するものではないから、死因ずなった乙の埌頞郚抌さえ぀け行為は客芳的には䞊蚘共謀に基づくものずいえる。そのため、傷害臎死眪の共同正犯の構成芁件に該圓する。
(2) たた、正圓防衛の成吊は共同暎行党䜓を察象に評䟡するので、乙ず同様、盞圓性を欠くものずしお過剰防衛が成立するにずどたる。
 (3) しかし、故意責任の範囲は、あくたで甲の事実認識に応じるずころ、甲の認識した事実は、銖以倖を抌さえ぀けるずいう、正圓防衛ずしお評䟡されるものであった以䞊、責任故意が阻华される。
 (4) よっお、傷害臎死眪の共同正犯は成立しない。
 2 たた、甲の䞊蚘誀認に぀いお、その責めに垰すべき過倱があったこずも認め難いから、過倱臎死眪210条も成立しない。
 3 よっお、甲は䜕らの眪責も負わない。
以䞊


いいなず思ったら応揎しよう

什和幎予備詊隓合栌 什和幎叞法詊隓合栌
刑法事䟋挔習教材第版解答䟋
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