拝啓 灰豚殿

法曹臣民でございます。

同業者による早朝アポなし自宅凸ピロピロなる珍行為は大変遺憾であり、深い羞恥と「そんな暇があるなら法律書を開いて勉強でもしておれ!」と叱り飛ばしたい気持ちでいっぱいでございます。

それはさておき、昨日拝見した王との記念写真および食事会の様子は誠に楽しそうで、非常にうらやましく存じます。三尊さんの動画や王のInstagramを拝見するに、おいしそうなお食事と、和やかな雰囲気の記念撮影が印象的でありました。当職も機会があればぜひご一緒したいものと切に願っております。

さて、財産開示手続及びそれに伴う刑事罰について、未だに一部の方々が妙なテンションで過剰な期待を寄せているようで困惑せざるをえません。しかし、間接強制金が約400万円になるとの主張は、草津事件でさえ慰謝料合計275万円だったことを考えれば、本訴において当該金額の認容可能性は極めて低いと考えられます。むしろ大幅に変動する蓋然性が高く、このような不確定な前提条件の下で財産開示を要求している点を踏まえれば、診断書により病気を理由とする出頭困難が一応疎明されている以上、逮捕に至るような事案であるとは到底考え難いものと思料いたします。

実務の話を申し上げます。私自身が銀行クライアントの依頼で担当した何十件もの財産開示手続の中で、債務者が実際に裁判所へ姿を現したケースは、数えるほどしかございませんでした。むしろ、裁判官と私が「債務者さん、やはりご欠席ですかねぇ…」「先生もお疲れ様です」と微笑み合い、ほのぼのとした雑談タイムが展開される牧歌的な現場の方が多かったことをご報告しておきます。

クライアントである銀行においても、財産開示手続は判決取得、強制執行を経て「もうこれ以上手がありません!」という形を整え、貸倒損失を経理処理するための、いわば「儀式的な手続」として用いられているのが実情でございます。

他方、一部の情報発信におきましては、この財産開示手続が隠匿財産を瞬く間にあぶり出す「特効薬」であるかのように取り上げられることがありますが、残念ながら現実はその真逆でございます。強制執行、23条照会といった手段をすべて試みても債務者の財産が把握できず行き詰まった際に、最後の補完的手段として実施するのが財産開示です。この段階でなお有益な情報が得られるというのは、正直申し上げて可能性が乏しい。「頼むから何か出てきてくれ…!」という神頼みに対し、債務者が突然自主的に財産を告白するなどという展開はドラマの世界だけの話です。

2019年の法改正で刑事罰規定が導入された後、「出頭しないとヤバいぞ」的脅しの効能は多少アップしましたが、肝心の財産開示の内容的改善は依然として遠い彼方の幻です。実務家の肌感覚として、本手続は「とりあえず法的にできることはやった」という形式的な記録を残すための最後の手段であるという印象が拭えません。

総じて、財産開示手続に対し、過度にキラキラと目を輝かせ期待を寄せるのは、残念ながら現実的とは言えません。他方、損切りのための最終措置としては有効ですので、その範囲で割り切ってご利用いただくのが得策かと存じます。以上、当職の見解としてご参考になれば幸いでございます。

敬具

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