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15 囮作戦

☆前回のあらすじ☆

殺してやるぞレリン

翌朝、シングルベッドが3つ並べられた狭い部屋、久しぶりになんの問題もなく起床することが出来た。


「なんか疲れがとれないんだよなぁ~」


アスペラとヴィスをたたき起こして作戦会議を始める。


「まず勇者さまに説明しますね。このクエストの依頼では3人の男が街娘を誘拐していると書かれていますが、どうやらその男たちが変みたいです」


「どう変なんだ?」


「攻撃が効かないんだ…いや攻撃は効くがどれだけ攻撃しても動きが止まらないらしい」


3人の男による誘拐事件を解決するための計画を練る。


「ウラトは広いですからね、どうします勇者さま?」


「何人かで変装して襲われたところをほかの人で追跡するのはどう?」


「人間、ウラトは広い、そんなピンポイントで私達が狙われるとは限らんだろ」


「アスさん、今までどんな女性が狙われたかわかる?」


「依頼書には若い女性とだけ書かれています」


「なら私とエルフでは無理だな」


「失礼ですね!私は若いですよ」


「お前、学校で転移者は今まで何人だと習った?」


「11人と習いました…」


「私よりババアじゃないか!」


「俺が72番目ってことは…」


「勇者さま、それ以上は嫌いになりますよ」


アスペラがそっぽ向いて落ち込んでしまった。


「二人とも人間の10代後半に見えるよ…」


それからしばらく考えたがやはり囮作戦以外思い付かなかった。


「仕方ない、私とエルフが変装する」


「それなら、レリンに手伝ってくれるか電話で聞いてみるよ」


アスペラとヴィスが変装用の服を買いに行ったのでレリンに電話してみる。


トゥルルルル トゥルルルル


「は~いレリンに何か用ですか~?」


相変わらず腹立つしゃべり方だ。


「クエストを手伝って欲しいんだが今夜空いてる?」


「クエストって何すればいいの~」


「ちょっと囮になってくれればいい」


「囮って…昨日のことまだ怒ってます?」


「もちろん」


「うへぇ~わかりました~」


次の用意に移る。ウラトの商店にやってきた。


「これください」


干し肉と小麦粉を会計する


「はいよ」


お釣りを数えている店員に噂を流す。


「知ってます?最近郵便局の近くで夜中にとてもかわいい人がマッチ売りをしているそうですよ」


「へぇ~知らないな」


また別の商店でマッチと包帯を買って噂を流す


「最近近くの靴屋の前で夜にとても美しい人が靴磨きしてくれるそうですよ」


「聞いたこと無いな…」


今度は靴屋で靴磨き用品を買って噂を流す


「最近夜中に銀行前に痴女が現れるそうなので気をつけてください」


「わかりました。注意喚起しておきます」


その日の午後カフェでアスペラとヴィスとレリンの3人と合流した。


「ということではいこれ」


街娘の格好をしたアスペラにマッチ箱の入ったカゴを、そしてヴィスに靴磨き用品を渡した。


「レリンは~?」


「君は昨日のビキニアーマーの上から薄手なコートを着ておいてほしい」


ウラトの地図を広げ説明を始める


「ここを見てほしい、この4階建の銀行の屋上からまっすぐ前を見ると郵便局、左方向に靴屋がある。アスペラは郵便局前、ヴィスは靴屋前で待機、レリンは銀行の真下にいてくれ」


「そこでマッチ売りや靴磨きに成り切ればいいんですね」


「ああ、噂は色々なところで流しておいた。俺は銀行の屋上にいるから」


「(あれ~?レリンはなにもしなくていいのかな?)」


その日の夜、アスペラが電灯が照らす持ち場で待機している。


「マッチは、いかが。マッチは、いかがですか。誰か、マッチを買ってください」


 でも、誰も立ち止まってくれません。


「お願い、一本でもいいんです。誰か、マッチを買ってください」


一方ヴィスは靴磨きを楽しんでいた。


「10.5インチ?」


「ああ、」


「ピカピカにしてやる」


「魔法をかけて」


そしてレリンは一人で突っ立っている


「レリン暇なんだけど!」


3人が見える銀行の屋上でじっと息を潜める。


「今のところ怪しい人はいないな…」


道の両脇には電灯ががありよく見える。しばらく見ていると突然奴らが現れた。


「キャッ!レリンになにするの!」


3人の男がレリンを気絶させ連れ去ろうとしている。


カチャッ バンッ カチャッ バンッ カチャッ バンッ


「ちっ…当たらない」


銃を3発撃ったがすべて外れてしまった。しかし、この発砲は合図でもあった。


「「銀行のほうか!」」


アスペラとヴィスが急いで走ってくる。


「勇者さますごいな…屋根の上を私達より速く走っている」


3人の男達は人目を気にせずに走り続ける。


「ちょっと!何してるんだ!グアッ…」


途中3人の男達を止めようとする人もいたがナイフで刺されてしまった。


「はぁ、はぁ、エルフ先に行け、この人は私が治す」


「わかりました!」


アスペラは男達を追ってどんどんウラトの中心部から離れていく。


「温もりの火」


ヴィスが刺された人を回復する。


「(どこまで逃げるつもり?)」


アスペラが追いかけていると男達は今は使われていない印刷所に入っていった。


「はぁ、はぁ、ここですね」


ドスッ


「そうみたいだな」


「勇者さま、飛び下りてこないでください」


いよいよ元凶との対面だ!

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豆知識

この世界では基本的にエルフやダークエルフよりも人間の方が足が速く持久力がある。なぜなら人間は平原で猿から進化している一方、エルフは森で生まれた妖精だからである。

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