「茨木さんは僕らの親のように戦争を体験した世代で、僕は戦争を知らない世代。そういう方々がいて、僕らは今、この時代に生きてるんです。だからこそ茨木さんの言葉で、僕らも戦争に出合い直している。茨木さんの詩に出合えて本当にありがたいですね」
「木枯し紋次郎」(フジテレビ系)の主題歌で上条恒彦の歌でヒットした「だれかが風の中で」は初のセルフカバーで収録した。
「(オファーを受けたので)ドラマを手がける市川崑監督にヒントをもらおうと思い、おうかがいしたら、〝音楽のことはもう任せるから、いいように作ってくれたまえ〟なんておっしゃられて。それでもバカラックの『雨にぬれても』がお好きだと。私も好きだったので、バカラック風に作ってみたんです」と振り返る。
書き下ろしの「銀座ヤマハのラブソング」は、銀座七丁目にあるヤマハの楽譜売り場で働く〝きみ〟に会いたいと歌うシンプルなラブソングだ。実はこれ、ご本人のエピソードなのだ。
「当時、フォークに夢中な連中が、よくそこで輸入されてきた楽譜をあさっていたんですよ。彼女はそこの担当で、まあなんというか、後に僕の妻になった人です」と少し照れ笑い。
小室さんは楽譜探しと彼女に会うのとどっちが楽しかったのだろう。