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chickii
君は優しい
君は平等を疑わない。
だから愛情を疑わない。
だから、そんな顔して私を説くんだね。
君の正論は私にはいつだって空論で、
私は君にとって極論で、
だけどそんなこと正しさの前ではまるで歯が立たない。
座らせられた私は架空を飛ぶ鳥を目で追うことしかできずにいる。
次第に君は熱くなって、私はさらに重くなって、
小さくなって丸くなって仕方なく笑えば、
いっそう君は熱くなる。
「ちゃんと考えろ」って君はいうけど、
考えてないなんてことがあると思う?
私が生きてく世界の話だよ、
考えてないなんてことを考えられる君の方が少しは思考を巡らせてみて欲しいよ。わかる?
あぁこんな無駄に煩いだけの夜なんていらないから、あの子の優しい笑顔に蹲って寝たい。
平穏だけで組み立てた不完全な夜をあの子と生きたい。
まだあの子の温もりにその余韻に浸っていたかったのに、もう少しだったのに、したり顔した正しさが全てをぶち壊してしまう。
君は優しい。
君は優しい。
わかっている。
君の正しさも優しさもなにも悪くないし、それらを否定するつもりもないし、怒ったりもしない。
君は心底優しくてきっと愛をしってて、そのほか何1つもわかっていない。
いやそれもこれも私の世界の話だね。
危うく君と同じ愚行を犯しそうになった。
そうやって何度言葉を飲み込んだだろう
いっそ殴ってやればよかった
でもなにもかも前提が違うから、
だから、
もう分かってるから、分かってあげるから、
分かった顔をしないでよ、お願い、
分からせようとしないでよ、お願い
君は私を知らないし、
私は君を知らない。
ほんとたったそれだけ
正論で救われるなら、
私だってとっくに正論を掬い取っている。
掬い取っていたい。
「心配してくれてありがとう」って私がいうと、
君は少し満足げに笑って、また正しさをくれた。


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