昭和歌謡の職人たち 伝説のヒットメーカー列伝

吉田拓郎(上)ブーイングも「おれはフォークじゃなくていい」が見事に開花 ストレートな男の心情を歌う新しいジャンル

ストレートな男の心情を歌う新しいジャンルのフォークが若者の心をとらえた。旧来の日本的な花鳥風月の世界から飛び出した文字数の多い歌詞を乗せた曲に胸が躍ったものだ。

三橋美智也ファンの私の父親が「こんなものは歌じゃない」と不愉快そうな顔をしていたのが忘れられない。拓郎の「おれはフォークじゃなくていい」が見事に花開いたのだ。

拓郎の長髪と甘いマスクと声質、つっぱり気味の話しぶりは多くの女性ファンにも支持された。意外性にしびれるのも若者の特性かもしれない。拓郎にならって若者は長髪になり、ギターを担ぎ街を闊歩(かっぽ)した。そんな拓郎に、多くの歌手が作品の依頼をしたのだ。

■吉田拓郎(よしだ・たくろう) 1946年4月5日生まれ、78歳。広島県出身。70年、「イメージの詩/マークⅡ」でデビューした。

■篠木雅博(しのき・まさひろ) 株式会社「パイプライン」顧問、日本ゴスペル音楽協会顧問。1950年生まれ。東芝EMI(現ユニバーサルミュージック)で制作ディレクターとして布施明、五木ひろしらを手がけ、椎名林檎らのデビューを仕掛けた。2010年に徳間ジャパンコミュニケーションズ代表取締役社長に就任し、Perfumeらを輩出。17年に退職し現職。

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