奥窪優木「列島エイリアンズ」

外免切替制度編(1)事故を起こしてトンズラした中国語を操る男 免許証は紛れもない本物、なのになぜ…運転免許制度に〝穴〟が

相手方の提示した運転免許証は紛れもない本物だった。だが、記載されていた住所は本人のものではなく、知人宅であり、その知人も本人と連絡が取れないのだという。

通常、免許の取得には住民票の提出が必要で、住所変更の際にも本人宛に届いた郵便物や本人名義の公共料金の領収書の提示などが求められる。

それではなぜ、知人宅の住所が事故を起こした相手方の運転免許証に記載されていたのか。

そこには外免切替という運転免許制度の穴があった。

=つづく

外国人材の受け入れ拡大や訪日旅行ブームにより、急速に多国籍化が進むニッポン。外国人犯罪が増加する一方で、排外的な言説の横行など種々の摩擦も起きている。「多文化共生」は聞くも白々しく、欧米の移民国家のように「人種のるつぼ」の形成に向かう様子もない。むしろ日本の中に出自ごとの「異邦」が無数に形成され、それぞれがその境界の中で生きているイメージだ。しかしそれは日本人も同じこと。境界の向こうでは、われわれもまた異邦人(エイリアンズ)なのだ。

■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県出身。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国で現地取材。2008年に帰国後、「国家の政策や国際的事象が、末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに取材活動。16年「週刊SPA!」で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論され、健康保険法等の改正につながった。著書に「ルポ 新型コロナ詐欺」(扶桑社)など。

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