完了しました
ネット視聴で受信契約結ぶ世帯「ほとんどない」
改正法が成立すれば、2025年春以降、テレビを持たない人による番組視聴、現状では「NHKプラス」を利用する際に受信契約義務が発生する。その場合の料金が現在の地上波料金の月額1100円となるかどうかは、まだ決まっていないが、実際に契約義務を負う「テレビを持たずに配信で番組を見る人」はかなり限られそうだ。
NHKの推計によると、22年度末時点で、日本の総世帯数は5730万件。ここから公的扶助受給者など免除世帯を除いた世帯は、5080万件で、これが受信契約の対象となる世帯の基礎数となる。このうち故障せずにきちんと映るテレビを持つ世帯(4651万件)が実際の契約対象世帯数で、その差である429万件が、今回の法改正で対象となる人々とみられる。
もちろんこれは現時点での最大値だが、今後増える可能性がある。とはいえ元々、番組に興味があればテレビを所有しているはずだし、受信料を支払いたくないからテレビを持たないという人も多い。このため、たとえ法改正しても、新たにネット経由の視聴で受信契約を結ぶ世帯は「ほとんどない」(幹部)との見方もある。
解約容易なら財源として不安定
さらにたとえ契約したとしても、テレビとスマホという端末の特性の違いも影響しそうだ。受信契約はテレビがあることが条件だから、テレビを廃棄すれば契約義務はなくなる。だが、テレビは民放の番組も映るため、NHKを見ないからといってすぐに捨てられるものでもない。
ところが、今回想定されるアプリは当然、NHK専用だし、その後、アプリのインストール後に必要とされる登録手続きなどもNHK視聴が目的だ。利用者からすれば、例えば好みの番組が終了したら、その時点でアプリの削除や解約手続きも抵抗なく行えるはずだ。
このあたりの具体的手続きは、改正法案自体がまだ成立していない今はまだ不透明だ。13日の記者会見で担当の根本拓也理事も「解約は受信機の設置がないことを確認して受け付けるという現在の手続きと同様だとは思っており、放送でもネットでも受信環境にないことを確認した上で解約になるが、具体的な方法はまさしく検討中」と述べるにとどめた。
しかし、一度契約を確保したとしても解約が容易なら、テレビの所有者に対するよりも、NHKにとって格段に不安定な状況となる。今回の法改正は、テレビはないがネットでNHKを見ようとする人に受信料の網をかける布石ともなるが、これまでのような確実な財源とは考えにくいだろう。