売春
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ヨーロッパ
スウェーデン
1999年、売り手である被買春女性を非犯罪化し、保護・支援の対象とし、他方で、買春者、ピンプ、業者などを処罰の対象にした。この法体系はノルウェー(2009年)、アイスランド(2010年)も続いたことにより、北欧モデルと呼ばれる[68]。
デンマーク
1999年の刑法改正により、18歳以上の売春は完全に合法化された。それ以前も事実上黙認されていたといわれる。いわゆる街娼は少ないとされ、多くはサロンやマッサージ店のような場所で売春が行われている。売春婦は約6000人おり、3割が外国人であるといわれている。
オランダ
2000年に16歳以上の売春が完全に合法化され、一般の企業と同様の活動が可能となった。アムステルダムなどの主要都市に売春宿(隠語で「飾り窓」と呼ばれる)や街娼(隠語で「立ちんぼ」と呼ばれる)が多数存在し、毎日朝から深夜まで料金等の交渉が行われている。詐欺や迫などにより売春を強要される女性がいると指摘されている[69]ことから、近年売春強制の罰則が強化されている。これに対し、移民は仕事を確保することが困難であり、自らの意思で売春に従事する人が多いといわれる[70]。
スイス
売買春は合法で、自治体と保健所に登録し定期検診を受けることで営業が可能となる[71]。EUの自由化により、外国人売春婦が増えているとされる[72]。売春合意年齢は16歳であることから、現在18歳未満であっても売春が可能である。ただ、18歳未満がブランド品を買うために体を売る「ブランドセックス」が問題視されており、売春合意年齢を18歳に引き上げるべきとの議論がなされている。なお、イタリアやフランスの売春合意年齢は18歳、ドイツは21歳であり、スイスは特に若いことが指摘されている[73]。アジアからの出稼ぎ売春婦もおり、スイス初の終身刑は2008年に起きたタイ人売春婦の殺人事件の犯人によるものだった[71]。
チューリヒは一部から「セックスの都」とも呼ばれているが、チューリヒ観光局はこの評判を否定している[71]。市街地から売買春の場を隔離する目的で、2013年に市郊外にスイス初の売春専用ドライブイン(警備付きの市営売春施設)を設けた[74]。施設は柵で囲われており、自動車でのみ入れる[74]。施設内には性産業従事者らが自分たちを売り込むための場所があり、そこで顧客と価格の交渉が行われ、合意に至れば、9つある通称「セックスボックス」に車を停めて性交渉を行う[74]。ドイツでの取り組みを参考にしたもので、これによりチューリヒ中心部での路上売春は禁止になった[75]。金融街であるチューリヒでは高収入のビジネスマンが多いため、これらを相手にする高級売春婦(エスコートガール)や専門の斡旋業者が存在する[71]。
ドイツ
2002年に売春が合法化された。売春合意年齢は21歳とされている。ベルリンだけでも700もの売春宿があり、売春婦の数はドイツ全土で40万人といわれる[76]。売春合法化したことにより、「セックス税」が得られるようになった。また、2006 FIFAワールドカップの時には大きな売り上げをあげた[77]。ただ、2000年代後半(リーマンショック以降)の経済不況の波はドイツの売春産業にも大きな影響を与えており、価格が低下しているといわれ、近年では多様化により、外国に支部を持つオーナーも多くいる[78]。2018年の統計によると、約32,800人の売春婦が登録され(上記のとおり総数は40万人程度と言われており9割以上は登録されていない)、そのうち8割以上に当たる約26,600人は外国籍である[79]。
2016年、売春婦の保護強化のため、コンドームの着用義務、前科ある売春宿経営者に対する調査、売春部屋で売春婦が生活することの禁止、売春婦とカウンセラーとの定期面談の義務などを盛り込んだ法案がまとめられた[80]。議会で承認されれば2017年7月に施行される。
オーストリア
売春は合法で、路上や店舗で活動するためには営業免許証が必要とされる。海外からの移住性労働者のための滞在ビザ、つまり売春ビザもある。売春ビザで働いている場合、売春以外の職種(ダンスショーなど)に従事することも裁判で認められた。
チェコ
売春・売春宿の経営は合法である。チェコのEU加盟により、従来最大で24時間近く待たされた国境通過が容易になったとされる。そのため、トラックドライバーを主な顧客とする、オーストリア国境地帯の売春宿の多くが廃業したといわれる。
ベルギー
ドイツ、オランダの合法化に伴いベルギーにおいても斡旋行為や売春宿の経営等も合法化された。それ以前は売春自体は合法だったが、斡旋行為等は違法とされていた。ベルギーでは一部の都市で売春宿経営は認められており、売春婦は個人労働者として登録することになっている[81]。
イタリア
1958年に売春防止法が施行された。ただ、売春の斡旋や売り込みなどは違法とされているが、売春行為自体は適法であり、売春合意年齢は18歳である。イタリア政府は政府公認の売春公認地域の設置や売春合法化を検討しており、8割の国民が賛成しているとの世論調査結果が出ている[82]。現在、イタリアの売春婦は7万人で、多くが外国人とされる。
イギリス
法的には、街娼、売春宿及び売春組織の形成は違法である。しかし売春すなわち「性的なサービスの代価に金銭を受け取る」こと自体は合法であるという判例がある。従って、個人が新聞やインターネットで広告を出し売春をすること (Independent Escort) は完全に合法である。これに対し、Escort を派遣するいわゆる Escort Agency や、日本のソープランドのようにマッサージと称して売春するマッサージパーラー(Massage Parlour)は、組織的なため違法ではないかとの指摘があるが黙認されている。[要出典]
フランス
2016年4月6日フランス国会元老院は買春行為に対して、1,500ユーロの罰金を科す法案を可決し、買春は違法となった。なお、それまでも、売春宿の経営や斡旋、公道での勧誘の禁止といった売春者側への規制は存在し、18歳に満たない者の買春は違法であった。
2008年、フランス在住のジャーナリストの鎌田聡江によると、女子大生が生活費を稼ぐために売春するケースが増えているとされ、その数は4万人に上るといわれる。彼女達の多くは貧しい家庭の出身であり、社会的な成功を夢見て勉学に励んでいるが、労働法令により労働者の解雇が困難なフランスでは、労務者の数を少なく抑えようとする傾向があり、アルバイトを探すことが困難となっているため、彼女達が勉学を続けながら収入を得ることは難しい上、パリでの生活費は一般的に高いといわれ、それがインターネットを利用した売春が、女子大生の間で流行している原因であるとされる[83]。
スペイン
売春は合法である。ただ、売春宿の経営については規制が設けられており、新規出店は難しいため、マッサージ店に偽装する店が多いとされる。多くは、貧しい移民達が生活費を稼ぐために売春に従事している。
ギリシャ
売春自体は合法であるが、街頭での客引き等の行為は違法で、規制も厳しいといわれる。売春宿を経営するためには、市の許可が必要となる。アテネ五輪の際に、五輪特需を見込んで、アテネ市が230件の売春宿の新規許可を出したことに対して、北欧諸国から五輪の精神に悖るとして非難が起きた[84]。
注釈
- ^ 「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童買春・児童ポルノ禁止法)」においては、公的に「買春」を「かいしゅん」と読んでいる[2]。
- ^ つまり、条件として、(避妊具の有無に関わらず)陰茎の女性器への挿入が(商業における行為として)ある場合が、日本の売春防止法における規制対象となる。
- ^ 武家方は参勤交代、町方は周辺各地から出稼ぎ労働者の集中によって、当時の江戸が異常な男性過多社会であり[10]、その不満を解消する意図もあったとされる。
- ^ その後も、GHQ指令に反して非合法に売春がなされていた地域を、青線という。
- ^ 自民党の小池百合子が、1985年4月11日毎日新聞夕刊で、当時留学生から名称変更の相談を受けていたことを認めている。
- ^ 人を自己の占有し、若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に居住させ、これに売春をさせることを業とした者は、十年以下の懲役及び三十万円以下の罰金に処する。(売春防止法12条)
出典
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