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古代殲滅記〜魔法がある古代の地球に学校ごと転移したので、千年帝国を目指します〜 作者:消耗品の集合体

第二章 列強へ

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ep.29 パナマ運河攻撃

「こちら偵察隊、パナマ運河上空に到達! 敵対空砲は沈黙している! ワレ奇襲ニ成功セリ!!」


「了解! 各機はそれぞれのタイミングで攻撃を開始せよ!」


「第四艦隊はこのまま対水上艦戦闘を行う。全艦、武装の点検はいいな?」


「第一戦隊、問題なし」


「第二戦隊も問題ありません」


「第三戦隊、戦意が高すぎます!」


「第四戦隊も戦意が高いです!」


「大いに結構! 全艦、絨毯爆撃の陣形に変更!! 英艦隊を蹴散らせ!!」


ーーーーーー

「はぁ、今日もノイズばっかりじゃないか...」


「マジでこのレーダーポンコツだよなぁ。爆撃機並の点が表示されたと思ったら小鳥だったりさ」


「本国の財務省が地方艦隊への支出を渋ってるせいで、全く装備が更新されんしなぁ」


「まぁ、モンゴルの飛行船相手なら旧式でも最新でも同じだろうけどな。アナログな戦いじゃ大して変わらん」


パナマ運河に固定砲台兼レーダーサイトとして係留してある旧式戦艦、フッドのレーダーが故障しているため、臨時で地上にある予備レーダーで索敵していた。


「なんかまたノイズが増えたぞ? カラスの編隊飛行か?」


「これ重爆撃機並の反応してるじゃないか。そろそろこのレーダーも寿命じゃ...」


ドゴォォォォン!!!!!


「なんだ!? 航空隊が事故ったか?」


「おい、索敵レーダーが吹き飛んでるぞ!」


「敵襲だ! 総員対空戦闘用意! 警報早く鳴らさんか!」


「スピーカーが動きません! おそらく故障かと!」


「なら鐘でいい! 急げ!」


ゴーン...ゴーン...


マイクやスピーカーをリバースエンジニアリングする前に使っていたアナログな鐘を必死に鳴らす。

しかし大半の兵たちには通じなかった。


「この鳴らし方はなんだっけ?」


「二年ぐらい前だから忘れちまった...」


「スピーカーが壊れたという想定での演習じゃないか? さっきなんか爆発音したから」


「なら当直じゃない俺たちには関係ないな」


「そうだな...って、おい、あれはなんだ!? あんな航空機見たことないぞ!」


「え...あ、あれは敵だ! 対空砲を出せ! あと兵を全員叩き起こせ!」


「軍曹! 倉庫に弾薬がありません! おそらく横流しされました!」


「なら重機関銃でいい! 少しでも弾幕を張れ!」


原住民による襲撃などに備えていくつか配置されている重機関銃や、歩兵の小銃が頼りない弾幕を張る。

しかし、待ってましたとばかりに...


「敵対空砲火を確認! クラスター爆弾で殲滅します!」


カチャ、という音とともにメッサーシュミット280から切り離された魔導クラスター爆弾は、20秒ほど落下した後、キッチンタイマーのような仕組みで炸裂用の爆弾が起動。

格納されたテニスボールサイズの爆弾を360度に撒き散らし、周辺を火の海に変えた。


こうして、パナマ運河警備隊はあっけなく壊滅。

一方その頃パナマ運河の順番待ちをしている艦隊も襲われていた。


五分ほど前

哨戒任務中の艦載機...


「おい、遠くになんかいないか?」


「どうせ空軍の連中が模擬戦でもしてるんじゃないか? あいつら暇だとすぐうちの航空隊と模擬戦やってるし」


水筒で紅茶を飲みながら雑談する。


「ん..? おい、あれ教皇国の飛行船だぞ! すぐに艦隊に知らせろ!」


「えーと...あれ? 無線が動かない...クソ、故障か!」


「ならば発光信号で伝えろ!」


「いや...それが...ライト持ってくるの忘れた...」


「はぁ!?」


「おい! あいつら魚雷投下しやがった!」


「クッソ! 早く気付け!!」


彼らの祈りも虚しく、低空飛行で突入したゼーアドラー級駆逐艦によって多数の魚雷が投下され、2隻の主力戦艦、1隻の正規空母、4隻の護衛空母、9隻の巡洋艦、21隻の駆逐艦が撃沈された。

これらは建造されたばかりの新鋭艦ばかりで、精鋭と共にパールハーバーへの補填にあてられる予定だった。


一方、ゼーアドラー級は何隻かが英戦闘機による攻撃を受けたが、接近した戦闘機はすべて速度差で振り切られるか備え付けられたバルカン砲で叩き落された。


「英艦隊、恐るるに足らず!」


教皇国兵たちは完全に英国を舐めていた。

この油断が後のマレー沖海戦での大敗北に繋がることになる。


ーーーーーー

大英帝国 参謀本部


「パナマ運河がやられたか」


「なんとか運河自体は死守できたが、艦隊の残骸が邪魔で半年は通行できんぞ」


「大丈夫だ、この前の作戦で厄介な政治屋どもを片付けられたし、戦時体制に移行するまでは耐えられる」


彼らは、特殊部隊を使って議会を襲撃することで、戦時体制に移行する上での障害を排除すると共に、極秘で鹵獲したモンゴル軍の魔導装備を使用して襲撃することで教皇国による攻撃だと国民に宣伝した。


結果、なんて卑劣な国なんだ! と国民は怒り狂い、徹底的な報復を叫んでいる。

怒り狂った民衆は、教皇国大使館にも軍から横流しされたロケットが撃ち込んだり、出てきた職員に石を投げつけたりしている。勿論、英国側の近衛兵によって大多数は阻止されているのだが。


「だが教皇国の情報が圧倒的に不足している。造船所の数とか兵員数どころか、GDPまで秘匿されていてはこっちも戦争計画に完全を期すことは不可能だ」


「いくら魔法技術が発展しているとはいえ、北海道に籠もっていては国力に限界があるだろう。せいぜい兵員も20万程度が限界といったところだろうし」


「だが奴らの空中艦隊は非常に厄介だぞ? ただのヘリウムガスの飛行船かと思っていたが、何やら反重力エンジンとやらを使っているらしいじゃないか」


「パール・ハーバーが攻撃された時は、戦列艦のように横っ腹から大量の火砲を突き出していたようだ。しかも数撃で戦艦を戦闘不能にできるような大口径のものを」


「だが戦闘態勢にある艦隊に図体がデカくて遅い空中艦が近づくのは不可能じゃないか? 海軍には開発されたばかりのVT信管も配備されているのだから」


「輪形陣を組んで多重防御を敷けば防げるだろうな。例え数で押し切って数隻がたどり着けたとしても、戦艦相手にはせいぜい大破させるのが限界だ」


「うむ、ならば計画に変更はなくていいか?」


「異議なし」


彼らもまた、教皇国の空中艦を舐め腐っていた。

だが、その勘違いによって教皇国に大ダメージを与えることになるのは歴史上の皮肉であろうか。

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