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VSナイトメア・ロードです!

第一章 始まりの物語
第31話

ちょうど作戦会議が終わったと同時に、地上では僕の鬼たちが隷属魔物の最後の1体を倒すところだった。


「よし、それじゃあ行くかっ!」


『うんっ』 「わかったのじゃっ!」


作戦を練った。準備もした。3人で穴がないか確認した。


今回も"綿密"過ぎる作戦は練っていない。そうした場合、想定外が起きた際に連携が滞ってしまう。だからこそ臨機応変に対応できる程度の作戦を練った。それでも僕と恭香と白夜が協力すれば、必ず成功するだろう。


僕たちは気合を入れて地上へと飛び出していくのだった。



☆☆☆



「『影分身』っ!!」


僕は全快した魔力の全てを使用して影分身を使用した。

その数42560体。魔力1に対して1体というのは魔力操作が上手くなってきた証拠でもあった。


やはりと言うか、ナイトメア・ロードもこんな魔法は見た事が無いのだろう。一瞬の硬直が見えた。まぁ、それだけあれば充分だろ?


僕の分身のうちの1人(・・)が、僕ですら目で追えないような速度でナイトメア・ロードに迫ってゆく。向こうも直前に気づいたようだが時既に遅し。分身の攻撃が相手の首に吸い込まれてゆき......相手の片腕を斬り飛ばした。


「ぬっ、直前に左腕でガードしおったか、流石に最初から王手は無理じゃったのぅ...」


僕の分身。いや、僕分身に変身していた白夜もあまり驚いてはいない。それもそうだろう。経験の差が圧倒的なのだ。


今回の作戦の鍵は『影魔法』『真祖』『時空間魔法』の3つだ。恭香曰く、これらは俗に言うチートであり、それだけ珍しい物なのだとか。長命であるナイトメア・ロードでも目にした事はまず無いことであった。真祖の変身スキルで僕の分身に紛れ込んだ白夜──スキルの使い方が分かってきたのかステータスは人型にもかかわらずほとんど下がっていないらしい──が隙を見て物理攻撃や時空間魔法にて相手を攻撃し、僕は影魔法をメインに攻撃しつつも"悪夢の世界"のために魔力を温存、というわけだ。今現在も白夜から採取させてもらった血液を飲んでMP回復中なのだ。


「よし、魔力も回復してきたし、僕も参戦するかねぇ」


今現在も白夜や分身たち、それに残った鬼たちが波状攻撃をしているようだが、それでももう既に油断のないナイトメア・ロードは魔法と鎌を器用に使ってそれらを回避している。いや、逆にこちらへ攻撃もしているな。何だかんだで1番厄介なのは器用さだったりして....


「それじゃ、恭香。アイツがユニークスキルを使う予兆か何かあったら教えてくれよ?」


『了解だよ、多分詠唱があると思うし、魔力の残滓を見ればわかると思うけれどねぇ』



そんな会話を皮切りに戦闘の中心地では更なる苛烈さを極めたのだった。



☆☆☆



それからというもの、僕まで戦闘に参加したためか、先程までとは打って変わって戦闘が激化した。


吹き荒れる炎と闇。


放たれる銀色の魔法。


徐々に侵食する影。


そんな中、ナイトメア・ロードは今回初めてのLv.4の魔法を唱えようとしていた。



『ダークエクスプロージョンッ!』


骸骨の喉から出た嗄れた声が闇属性Lv.4の魔法を唱えた。


闇魔法Lv.4

ダークエクスプロージョン。

膨大な闇の魔力を超圧縮し、手のひらサイズの球体にまで変化。それを放って魔力を爆発させるという魔法。一国の城壁すら簡単に破壊するとさえ言われているLv.4の魔法である。


それが僕の分身たちに向かって放たれた。そんな魔法を受けて無傷で済むわけもなく......


「うーむ、今ので軽く5000体はやられたかのぅ?」


「いや、そんな簡単に済ませられる威力じゃないでしょっ! 白夜でもくらったらかなりやばいんじゃないの?」


「ヤバイのぅ......」


『やっぱり、影魔法と時空間魔法が使えてなかったら勝ち目無かったね......』



コイツと戦闘するにあたって恭香から聞いた、ナイトメア・ロードの使える魔法をここで挙げるとしよう。


火魔法

Lv.1

ファイアボール

ファイア

Lv.2

ファイアランス

ファイアアロー

Lv.3

ファイアトルネード

ファイアウォール

Lv.4

エクスプロージョン

蒼炎



闇魔法

Lv.1

ダークボール

ダークホール

Lv.2

ダークアロー

メンタルアタック

Lv.3

ダークトルネード

Lv.4

ダークエクスプロージョン



と、以上となる。

闇魔法の方が種類は少ない分威力が高いらしい。かと言って4属性(火、水、風、土)で最高火力の火属性も侮れるわけでもなく。とにかくコイツの魔法は受けるな、絶対。という事だ。分かりやすくて何よりですね。


「それで主様よ、今までの攻撃であ奴はどれくらいダメージを負っているのじゃ?」


「うーん、ちょっと待ってね、『鑑定』!」



種族 ナイトメア・ロード(6982)

Lv. 999

HP 14620/18900

MP 36520/49600



「うっ、まだまだじゃのう...」


『いや! "悪夢の世界"の隔離と構築にはMP30000は必要なんだよ! 多分だけどこのまま行けば......』



──何とかなる。



恭香はそう言いたかったのだろうか。

だが、その言葉は、1体の骸骨から放たれた圧倒的な魔力によって打ち消された。



「こっ、これはっ!?」


『──ッッ!? 白夜ちゃん! 空間の隔離が始まったよっ! 早くここから離れてっ!』


「くっ、分かったのじゃっ! 主様っ、後は頼んだぞっ!」


白夜はそう言うとこの大部屋から全速力で出ていったのだった。この魔法は半径3キロを全て外界から隔離可能なのだ。白夜には隔離が始まると同時にドラゴンモードで逃げるように説得済みだった。



『マスター、相手の魔力は残り6520。量としては、Lv.4の魔法1発とLv.3以下の魔法数発分。Lv.4を用いた複合魔法ならば1発のみ、って言った感じだよ』


「に、対して僕の魔力は全快。Lv.4の影魔法も未だ未使用と来たか。確かに戦闘まで持ち込めれば勝機は充分にあるな」


だけど、問題はそこまで持ち込めるか、だろう。




先程まで恭香との念話で話していたことがある。


僕が幻覚を食らってからの僕の対処法だ。


世界が構築されて、僕は恐らく、『今まで生きてきた中で1番辛かったこと、きつかったこと』を幻覚で見せられるだろう、との事だった。しかも更にえげつなく改良してあるらしい。そんな感じで精神を壊してしまった相手を、その大鎌でバッサリとやってしまうとのこと。全くもって酷いやつだな。


ナイトメア・ロードは素晴らしいご趣味をなさっているらしく、精神が崩壊するまでは黙って見ている──本当に性格悪すぎだろ──らしい。つまりは、僕はゆっくりと脱出してくればいいと言うわけだ。何ともありがたいことである。


そして肝心の脱出方法。



それは。




『それが夢であると気づくこと』




いつの間にか魔法は完成していたそうで、

だんだんと僕の視界は白く染まって行くのだった。

次回、主人公の過去が明らかにっ!?

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