司法試験・予備試験におすすめの基本書32冊【7科目・目的別】
- 2020.12.18
世の中には法律の基本書があふれています。
「基本」書とはいえ、極めて専門的な記述が多く、司法試験対策としては難しいものも少なくありません。
そのため、基本書選びを間違えてしまうと、勉強が苦痛になり挫折しかねません。
そこでここでは、司法試験対策としておすすめの基本書を目的別・科目別に紹介していきたいと思います。
目次
動画で解説!【司法試験・予備試験】基本書の選び方と科目別のおすすめを徹底解説!
司法試験の基本書とは?
基本書とは、法律の学者が書いた法律の専門書です。
大学の講義で用いられている「教科書」の多くはこの基本書です。
基本書は学者の研究の成果として出版されるもので、司法試験対策として書かれたものではありません。
そのため、法律に対して正確な理解をすることができるという利点がある一方、司法試験との関係では難しすぎるものも少なくないので注意が必要です。
基本書の利用方法は、以下の2つが考えられます。
- 法律の全体像を理解するために通読する(通読用)
- 学習上躓いた特定のポイントを確認するために辞書的に利用する(辞書用)
そのため、科目ごとのおすすめの基本書を通読用・辞書用の目的別でみていきましょう。
【司法試験・予備試験】憲法のおすすめ基本書
基本憲法Ⅰ 基本的人権(通読用)
木下智史・伊藤建「基本憲法Ⅰ 基本的人権」(日本評論社)は、「憲法学」の学術的な記載と試験対策が、程よく調和した基本書です。
ケースメソッドが採用されていて、具体例をイメージしながら勉強をすすめることができ、すらすら読むことができます。
また、判例に対する批判も記載されており、判例を意識しつつ多角的な検討が要求される近年の司法試験にあった基本書といえるでしょう。
憲法Ⅰ・Ⅱ(辞書用)
野中俊彦・中村睦夫・高橋和之・高見勝利「憲法Ⅰ・憲法Ⅱ」(有斐閣)は、共著のため中立的な記載がされており、試験対策という面では非常に使いやすい基本書になっています。
丁寧に学説を比較しつつ解説がされており、網羅性も極めて高く、辞書として用いるのに最適であると考えられます。
【司法試験・予備試験】行政法のおすすめ基本書
基本行政法(通読用)
中原茂樹「基本行政法 」(日本評論社)は、ケースメソッドを採用。
判例を簡略化した設問と解答の道筋が示されています。
答案の書き方もある程度は身に着けることができる貴重な基本書であるといえます。
行政法(通読用)
橋本博之・櫻井敬子「行政法」(弘文堂)は、司法試験・予備試験・公務員試験で圧倒的なシェアを誇る基本書です。
概念や定義がわかりやすく明確に示されているので、初学者にも優しい基本書になっています。
行政法概説ⅠⅡⅢ(辞書用)
宇賀克也「行政法概説Ⅰ・行政法概説Ⅱ・行政法概説Ⅲ」(有斐閣)は、数少ない組織法までカバーするなど、極めて網羅性の高い基本書といえます。
もっとも量が多いため、通読には向きません。
辞書として使用するのが最適です。
【司法試験・予備試験】民法のおすすめ基本書
民法(全)(通読用)
潮見佳男「民法(全)」(有斐閣)は、民法のテキストとしては非常にコンパクトなため、短時間で民法の全分野を一周できます。
難解な表現もあるがまとまりがよく、比較的具体例が豊富。
そのため、読み進めやすい基本書となっています。
コアテキスト民法Ⅰ~Ⅵ(通読用)
平野裕之「コアテキスト民法Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ」(新世社)は、6冊に分かれているものの、それぞれは非常にコンパクトで読みやすくなっています。
それでいて情報量は多く、まさにかゆいところに手が届く基本書になっています
民法の基礎1 総則・民法の基礎2 物権(辞書用)
佐久間毅「民法の基礎1 総則」「民法の基礎2 物権」(有斐閣)は、法科大学院生に圧倒的なシェアを誇ります。
条文判例通説の解説が尽くされた後に有力説が解説される形です。
ケースも豊富に引用されているため、非常にわかりやすい基本書になっています
担保物権法(辞書用)
平野裕之「担保物権法」(日本評論社)は、黄色い装丁が鮮やかな基本書で、学説、判例共に極めて詳細な記述がされています。
辞書として使うのにぴったりの基本書です。
プラクティス民法債権総論(辞書用)
潮見佳男「プラクティス民法債権総論」(信山社)は、ケースや要件事実表を多用してまとめられています。
分厚いながらも理解しやすい基本書と言えるでしょう。
基本講義債権各論ⅠⅡ(辞書用)
潮見佳男「基本講義 債権各論Ⅰ 契約法・事務管理・不当利得」「基本講義 債権各論Ⅱ 不法行為法」(信山社)は、理由の記載が詳しいのが特徴です。
民法の論点で疑問に思ったことを高確率で解決してくれる基本書となっています。
家族法…民法を学ぶ(辞書用)
窪田充見「家族法…民法を学ぶ」(有斐閣)は、ジョークを交えた軽快な語り口で非常に読みやすい基本書です。
丁寧な条文・判例の解説がされているので辞書としての利用にピッタリでしょう。
【司法試験・予備試験】商法のおすすめ基本書
会社法(通読用)
高橋美加・笠原武朗・久保大作・久保田安彦「会社法」(弘文堂)は、いわゆる赤白本です。
条文に沿って丁寧に解説がされています。
複雑な条文でも条文ガイドという形で読み解いてくれるため、初学者にも優しい基本書になっています。
会社法(辞書用)
田中亘「会社法」(東京大学出版会)は、基礎の事情から会社法の全体像まで詳しい解説がされています。
条文に重きを置いた解説になっているので、辞書として最適であると考えられます。
【司法試験・予備試験】民事訴訟法のおすすめ基本書
基礎からわかる民事訴訟法(通読用)
和田吉弘「基礎からわかる民事訴訟法」(商事法務)は、図や例を多用しており非常にわかりやすい基本書です。
語り口も軽快で読みやすさも予備校本に勝るとも劣りません。
学者本の正確性と予備校本のわかりやすさを兼ね備えた基本書といえます。
民事訴訟法 LEGAL QUEST(辞書用)
三木浩一・笠井正俊・垣内秀介・菱田雄郷「民事訴訟法 LEGAL QUEST」(有斐閣)は、判例通説を中心に丁寧な記載がされています。
※一部、一般的ではない用語法が用いられていますが、しっかりとその点に断りを入れたうえで使用してくれています。
索引も充実しているので、辞書としての使用には最適でしょう。
【司法試験・予備試験】刑法のおすすめ基本書
基本刑法Ⅰ 総論・Ⅱ 各論(通読用)
大塚裕史・十河太朗・塩谷毅・豊田兼彦「基本刑法Ⅰ 総論」「基本刑法Ⅱ 各論」(日本評論社)は、ケースメソッドを採用しており、判例を簡略化した設例で解答の手筋を示してくれます。
学説に関する記述も多すぎず少なすぎずといった絶妙なラインをついており、司法試験対策には最適だと考えます。
また、コラムとして答案の書き方にも言及してくれているため非常に参考になります。
刑法総論・刑法各論(辞書用)
高橋則夫「刑法総論・刑法各論」(成文堂)は、行為無価値をベースに、判例通説自説を丁寧に解説。
判例も非常に豊富に引用されていて索引も使いやすいため、辞書としての使用には最適でしょう。
もっとも高橋先生の自説の解説については難解な部分が多く、使用には注意が必要です。
【司法試験・予備試験】刑事訴訟法のおすすめ基本書
刑事訴訟法 LEGAL QUEST(通読用)
宇藤崇・松田岳士・堀江慎司「刑事訴訟法 LEGAL QUEST」(有斐閣)は、主要判例の判旨が丁寧に引用されているため、具体的な事案を想起しやすい構成になっています。
また、この基本書は堀江先生の執筆部分の伝聞法則の評判が非常によく、伝聞法則に苦手意識を持っている方はぜひ一読してほしい内容になっています。
刑事訴訟法(辞書用)
酒巻匡「刑事訴訟法」(有斐閣)は、刑事訴訟法の重要部分について極めて丁寧に解説されており、近年の学説対立を問うてくる司法試験対策としては最適な一冊となっています。
まとめ
司法試験・予備試験におすすめの基本書32冊
- 基本憲法Ⅰ 基本的人権(通読用)
- 憲法Ⅰ・Ⅱ (辞書用)
- 基本行政法 (通読用)
- 行政法 (通読用)
- 行政法概説ⅠⅡⅢ(辞書用)
- 民法(全) (通読用)
- コアテキスト民法Ⅰ~Ⅵ(通読用)
- 民法の基礎1 総則・民法の基礎2 物権(辞書用)
- 担保物権法(辞書用)
- プラクティス民法債権総論(辞書用)
- 基本講義債権各論ⅠⅡ(辞書用)
- 家族法…民法を学ぶ(辞書用)
- 会社法(通読用)
- 会社法(辞書用)
- 基礎からわかる民事訴訟法(通読用)
- 民事訴訟法 LEGAL QUEST(辞書用)
- 基本刑法Ⅰ 総論・Ⅱ 各論(通読用)
- 刑法総論・刑法各論(辞書用)
- 刑事訴訟法 LEGAL QUEST(通読用)
- 刑事訴訟法(辞書用)
基本書以外にも司法試験の勉強に使える書籍を紹介しています。
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