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35周年を迎える「ナイキ エア フォース 1」。スポーツにはじまり、音楽、カルチャーシーンに至るまで、その真っ白なキャンバスにはさまざまなストーリーが刻まれてきた。今回、現代において"ゆとり" "ミレニアル" "ジェネレーションZ"などと社会からカテゴライズされながらも誰の色にも染まることなく、強烈な個性を放ち続ける3人の若き表現者にフォーカス。【踊・音・芸】のフィールドで活躍する3人のこれまで辿ってきた道のりと、今の彼女たちを「突き動かすもの」を探る。連載第2弾はDJのLicaxxx。
好きな音楽を多くの人に伝える
ー音楽への興味はいつから?
小さい頃といえばピアノを習いに行くくらいだったので、普通の女の子でしたね。中学生くらいからラジオのJ-WAVEをよく聴くようになって、今まで聴いたことがないような音楽に触れて興味を持つようになりました。気になった曲を借りたりインターネットで探したりしていくうちに、自分の好きな音楽のテイストが積み上がっていったんだと思います。
ー当時はどんな音楽を聴いていたんですか?
中学の時はひたすらUKロックを聴いていましたね。カサビアンとかアークティック・モンキーズ、ブロック・パーティとか。UKロックの次世代バンドがたくさん出てきた時期で、それがラジオでパワープッシュされていたり、フェスで来日したりしていたので。
中高はバンドを組んだりもしていたんですが、作ったり奏でるということよりも、すでに完成された自分の好きな音楽を多くの人に伝えるということに魅力を感じたんです。
ジャイルス・ピーターソンというイギリスの有名なディスクジョッキーがいて、彼がJ-WAVEで担当していた15分間の番組がきっかけで"音楽を紹介する"というDJに興味を持ち始めました。その番組は放送時間内にたくさんの音楽をかけて、その合間に喋ったりインタビューしたりといういわゆる海外のラジオのスタイルなんですけど、彼のフィルターを通して流れてくる色々なジャンルの曲が全てかっこ良くて。ジャイルスの番組を聴いて、DJに憧れを持つようになりました。
ーDJを仕事として意識したのはいつですか?
DJは大学に入ってから始めたんですが、当初は仕事にしようとは思っていなかったんです。でもやっているうちにいろいろなところに呼んでいただくようになって。初めは経験も積みたかったし、勿論ノーギャラでDJさせてもらっていたんですが、次第に沢山の現場に呼んでいただけるようになり、出演料をいただかないとスケジュールなどもやりくりができなくなってきたので、少しずつお金をもらうようになりました。お金をいただいている分それまで以上にちゃんとやらなきゃいけないっていう責任感も、当然ですが芽生えてきましたね。
もともと私はやりたいことしかやらない性格で(笑)。なので今となっては「DJ=仕事」と言われればそうなのですが、あくまでも自分のやりたいことの延長線としてやらせてもらっています。
マイノリティを逆手に
ーDJだけではない顔も持ち合わせていますね。
DJだけで生計を立てていこう思ったら、内容関係なくありとあらゆるパーティーに出ていればいくらでも稼げるかもしれない。でもそれだと私の好きな音楽を紹介する以前に"若い女の子のDJ"として消費されて終わってしまうと思ったので、稼ぐことに重きをおいてDJはしたくないと思いました。なのでまず大学卒業時に会社に入社し、今はその中で「シグマファット」というWEBメディアを立ち上げて、編集の仕事もやっています。
アプローチは違いますが、全て「音楽を伝えたい」というところにつながってくる。DJを軸にいろいろな視点を持ち続けていたいんです。
外から見ると順風満帆に見えているかもしれないです。そう見せようとしてきた自分もいるので...(笑)。でも実際のところ、DJの世界って女性というだけでまだまだマイノリティなんですよね。数年前は同じフィールドで評価してもらえないことで、悔しい思いをしたり、逆に女性だからとか外見とか、表面的な理由でキャスティングされることもありました。しかし結局プレイで魅せるしかない。卑屈になっても前には進まないので、逆手にとって「やってやろう」というマインドに切り替えたんです。
DJはアーティストでありながら音楽を広める広告塔という面もあると私は考えます。最近では、純粋な音楽以外の部分もフォーカスされるテレビや雑誌に出させていただくことも増えました。自分の中での葛藤もありますが、結局のところ私が軸としてやっている音楽にブレはない。なのでクラブDJだけをやっていても呼ばれないところに出ていくことも、むしろ今の自分の役目だと思いました。周りからは「あいつはオーバーグラウンドな人間だ」みたいな印象を持たれているのかもしれないけど、でもどんなきっかけでもいいから私のことを知ってもらって、ラジオやDJのプレイを聴くことに繋がり、誰かの新しい音楽の扉を開く第一歩になれればいいなと思って活動しています。
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