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08月11日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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東日本大震災【3.11から未来へ】

大槌の神楽 鎌倉で披露

写真:復興工事の続く市街地で披露された吉里吉里大神楽=8月、岩手県大槌町吉里吉里 拡大復興工事の続く市街地で披露された吉里吉里大神楽=8月、岩手県大槌町吉里吉里

■吉里吉里の中高生が感謝の舞 建長寺21・22日

 東日本大震災で人口の1割近くが犠牲になった岩手県大槌町で江戸時代から続く「吉里吉里(き・り・き・り)大神楽」が21、22の両日、鎌倉市の建長寺で行われる「岩手郷土芸能祭」で披露される。舞い手は中学、高校生。支援に感謝し、震災で失った獅子頭の制作費や運営費への寄付を募る。

 神楽は、同町吉里吉里の幼児から91歳の男性まで50人ほどが会員。津波で家を流され、親族が犠牲になった会員もいる。保存会長の平野栄紀(えい・き)さん(61)も母の愛子さん(当時83)を亡くした。「はんてんの繕いをして、毎年祭りを楽しみにしていた」

 人口1万2千人の大槌町には20を超す郷土芸能団体があり、特に吉里吉里は中学校で必修になっているほど盛ん。町内の大半の団体が被災し、吉里吉里大神楽は江戸時代から伝わる獅子頭や太鼓などの道具が、稽古場ごと津波で流された。

 震災直後は「自粛しては」との声もあったが、「町を元気にしたい」と、がれきの中から見つけたはんてんを洗い、無事だった会員宅にあった道具を集め、8月の夏祭りに出た。

 その後、支援団体からの援助で山車や用具をそろえたが、譲り受けた倉庫の移築費や山車費用の不足分など600万円ほどの借金を抱える。獅子頭を買うお金がなく、個人の所有物を持ち寄ってしのいでいる。

 その事情を盛岡市の支援団体「SAVE IWATE」(寺井良夫代表)が人づてに知り、NPO法人「ピースロード鎌倉」などの協力で過去2回建長寺で開いている岩手郷土芸能祭に招待した。

 曽祖父の代から神楽に参加している大槌高1年倉本忍さん(16)と弟の大槌中1年岳(がく)さん(13)は、震災で家を失い、4キロほど西の地区外に移住したが、神楽は続けている。忍さんは「落ち込んだ時もあったが、神楽が元気にしてくれた。道具をそろえてくれた大人たちや支援を受けた方々に感謝して一生懸命舞いたい」と話す。

 芸能祭には、花巻市の胡四王(こ・し・おう)神楽も出演する。21日は午後5時、22日は午前10時開演。前売り券は中学生以上3300円(拝観料込み)、当日券3500円(拝観料300円別)。境内で三陸産ワカメやサケなど特産品も直売する。問い合わせは実行委員会(電話080・9896・4589。ファクス0467・46・5325。メールはiwate.kyoudogeinou.15@gmail.com)。

 (東野真和)

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