富樫! とがしッ!!!!
ガッカリだよ富樫ィィッ!!!!
ちなみに『メイドさんまでイッテQ』時代の園崎さんは「メガネ美人姉妹メイド」の妹としてそこそこ人気でした。(余談ですが「クレアちゃん」という源氏名だったそうです)
つまり、ハニーちゃんが殺された夜、涼太くんは『園崎さんをクリスちゃんと見間違えた』ということですね。
まだまだ『アルカナの解答編』は始まったばかり!
いつも応援やコメント、本当にありがとうございます!(。>﹏<。)
マデューの首吊り死体が発見された翌日。
天野はミルクちゃんの病室を訪れた。
天野勇二
ミルクよ。
具合はどうだ……
……ほう?
随分と賑やかだな。
病室にはミルクちゃんと
ピンクちゃんを始めとしたメイドたち。
そしてなぜか、前島の芸能事務所のマネージャーである、
園崎里葎子
天野さん!?
ど、どうしてここに!?
天野勇二
それは俺のセリフだ。
なぜお前がここにいる。
天野は病室にクリスちゃんがいるのを見て、納得したように頷いた。
天野勇二
……ああ、そうか。
やはりお前はクリスの妹なのか。
園崎里葎子
ええっ!?
天野さん、お姉ちゃんのこと知ってるんですか!?
天野勇二
俺様はメイド喫茶の上客だからな。
よく顔が似てると思っていたんだ。
クリスちゃんが驚いたように言った。
クリスちゃん(園崎美郷)
ねぇ
天野様とお知り合いだったの?
もしかして、最近グチってた
『野蛮で口が悪くてありえないほどムカつくSPがいる』
って、天野様のことじゃ……。
園崎里葎子
うわあああっ!
お姉ちゃんダメ!
それ言わないでぇ!
園崎が青ざめながら姉であるクリスちゃんの口を塞ぐ。
天野はニヤニヤと悪い笑みを浮かべた。
天野勇二
やかましい小娘だ。
もしかすると、園崎も君の店で働いていたのか?
オーナーであるピンクちゃんに尋ねる。
ピンクちゃん
はい……。
昔、ちょっとだけ……。
あの、でもこのことは、どうかご内密に……。
天野勇二
わかってるよ。
なかなかハレンチな店だからな。
勤め先に知られたくはないだろう。
ピンクちゃん
すみません……。
ピンクちゃんの顔は真っ白。
心労によりやつれきっている。
天野は「それも当然だろうな」と思いながら言った。
天野勇二
ニュースを観たよ。
かなり騒ぎになってるようだな。
ピンクちゃん
はい……。
ピンクちゃんは頷くのがやっとだ。
何せ店内で
営業はしばらく中止。
ニュースでは『メイドにフラれた客が店内で自殺した』と報じられている。
そして当然ながら、『メイドさんまでイッテQ』の営業内容が問題になっていた。
元から金を搾り取るための高額なメニューが並び、風営法に引っかかるようなボッタクリの店だ。
マデューの首吊りよりも、そちらのほうが話題になり、とてつもなく炎上していた。
天野勇二
ミルクよ。
どうだ?
頭痛は治まったか?
ミルクちゃんはベッドの上で弱々しく頷いた。
ミルクちゃん
はい……。
皆様に御迷惑かけて申し訳ないです……。
もう大分治まりました……。
ミルクちゃんの手を富樫が優しく握りしめている。
富樫和親
ミルクちゃん。
僕がついてるから安心してね。
ミルクちゃん
富樫様……。
本当に富樫様がいてくれて良かったです……。
どうか、これからもずっと傍にいてください。
富樫和親
もちろんだよ。
僕が必ずミルクちゃんを守るよ。
天野はその様子を横目に見ながら、ピンクちゃんに尋ねた。
天野勇二
店はどうなりそうだ?
やはり潰れるのか?
ピンクちゃんは悲しげに頷いた。
ピンクちゃん
こんなに大きなニュースになってしまって……。
あの場所でやっていくのは無理です。
もう閉めるしかありません……。
メイドたちに向き直り、深々と頭を下げる。
ピンクちゃん
みんな、ごめんね。
お店はしばらく再開できそうにない。
昨日までのお給料は大目に払うから、それでどうにかしのいでほしいの。
メイドたちは肩を落としながらも、「まぁ、それもしょうがないか」と納得していた。
元々『ボッタクリ気味』であることは承知で働いている。
むしろその点は何も問題ないのだが、ハニーちゃんが死んでしまい、ミルクちゃんが負傷し、客が首を吊り、店の実情も世間に露呈してしまった。
店を再開しても客足は遠のくだろう。
クリスちゃん
ピンクさん、気にしないで。
しょうがないわよ。
クリスちゃんが励ますように言った。
他のメイドたちも「また別の土地でやり直しましょ!」と声をかけている。
ピンクちゃん
みんな……。
ありがとう。
でも、しばらくメイド喫茶はお休みにしたいな……。
ピンクちゃんが肩を落とすと、ミルクちゃんも同調するように呟いた。
ミルクちゃん
私も……ちょっとメイド喫茶は、怖いです……。
この2人はハニーちゃんがマデューに拉致された現場を目撃している。
怯えたような表情を浮かべるミルクちゃんの手を、富樫が優しく握りしめた。
富樫和親
ねぇミルクちゃん。
仕事はしばらく休みにしてさ、どこかリフレッシュしに行こうよ。
これからは僕が一緒だから。
励ますように言うと、天野が冷たい声をあげた。
天野勇二
残念だが、それはできないな。
富樫和親
……え?
ど、どうしてですか?
天野勇二
それは俺様のセリフだよ。
天野はいきなり鬼の形相を浮かべた。
それだけではない。
懐からチラリとメスを覗かせて、今にも「切り刻んで食ってやる」といった、飢えた肉食獣のような瞳を浮かべている。
天野勇二
富樫よ。
訊きたいことがある。
貴様はなぜ……。
マデューの依頼金額が『1億円』だと知っていた?
富樫の顔が真っ青になった。
富樫和親
し、し、知りませんよ……。
な、なんのこと、ですか……?
天野勇二
とぼけるんじゃねぇ。
お前は昨日、失言をした。
5000万を『半額』だと抜かしやがった。
いったいなんの半額だ?
それはマデューの1億円という依頼金額しかない。
天野は懐から一枚のタロットカードを取り出した。
天野勇二
そしてマデューは死ぬ間際、俺様への『ダイイング・メッセージ』を残した。
この『女帝』のアルカナだ。
警察のバカ共は知らないが、こいつがマデューの身体に隠されていたのさ。
富樫よ、このことも知らないとは言わせないぞ。
富樫は首を横に振った。
富樫和親
な、なんのことですか!
僕は知りませんよ!
天野勇二
しらばっくれるんじゃねぇ。
マデューと
動画が添付された『アルカナの予告』だ。
撮影したのは貴様だろう?
富樫和親
し、知らないですよ!
さっきから何を言ってるんですか!?
天野は舌打ちしながら『女帝』のアルカナを握り潰した。
これは雑貨店で購入した安物のタロットカードだ。
簡単に潰れる。
天野勇二
貴様は動画の撮影後、マデューが演じていた『首吊りの演技』を本当のものにした。
方法は実に単純だ。
撮影直後に、マデューが乗っていたスツールを倒すだけ。
それでマデューは本当に首を吊ってしまった。
右手にメスを持ち、富樫に突きつける。
天野勇二
つまり……。
貴様は『アルカナの協力者』であり『アルカナの黒幕』だったんだ。
動機のひとつは『金』だろう?
俺の言いつけを守らず、単独でマデューに
そこで金を積まれて協力するよう誘われたのだろう?
富樫の顔がどんどん白くなっていく。
口から声にならない悲鳴が漏れた。
富樫和親
……ち、違います!
僕は確かに、マデューと接触しました!
でもそれは、情報を得るためです!
天野勇二
ほう?
やはりお前は切れ者だな。
俺様がウソを見破ることを知っている。
即座に会ったことにしたな。
富樫和親
ち、違います!
僕は協力者じゃありません!
天野はゆっくりと富樫に近づいた。
園崎とメイドたちが怯えて2人から遠ざかる。
天野勇二
残念だが、そのウソは見破った。
お前が協力者であれば『ハニーの殺害』も納得できる。
お前は俺と二手に別れた後、すぐさま歩道橋に戻り、ハニーに追加のドラッグを飲ませたんだ。
富樫は必死に首を横に振った。
富樫和親
そ、そんなことありません!
僕は天野さんと一緒に、マデューを追いかけたじゃないですか!
天野勇二
違うな。
ずっと一緒ではなかった。
別行動になる時間があった。
富樫和親
いやいや!
僕は歩道橋の反対方向を探してましたよ!
東のガード下へ走ったじゃないですか!?
天野勇二
残念だが、その姿を俺は見ていない。
お前は「ガードの向こうに行く」と叫び、歩道橋に舞い戻ったんだ。
そして歩道橋に戻ったお前は、即座にミルクを殴り倒した。
恐らく特殊警棒でも隠し持っていたんだろう?
ミルクちゃんが驚愕の表情を浮かべて富樫を見る。
富樫は立ち上がって叫んだ。
富樫和親
そんなことしませんよ!
僕はミルクちゃんが好きなんですよ!?
天野勇二
そう、それだ。
その『感情』があるから納得できるんだ。
右手のメスを輝かせながら言葉を続ける。
天野勇二
ハニーは追加のドラッグを飲ませて確実に殺したのに、ミルクは殺されていない。
これは明らかに不自然だ。
本来であればミルクを絶対に殺すべき場面じゃないか。
つまり、目的は『殺すこと』ではなく『傷つけること』だった。
女ってのは、傷ついた時が一番弱い。
ミルクが弱っている状態ならば、簡単になびくと考えたのだろう?
もしくはマデューにそう吹き込まれた。
富樫和親
ち、違います!
そんなのデタラメです!
僕はそんなことしません!
天野勇二
したんだよ。
お前が犯人であり『アルカナの黒幕』なんだ。
天野は再びくしゃくしゃに丸めた『女帝』のカードを取り出した。
天野勇二
マデューが残した『最後のアルカナ』もお前を示している。
『女帝』の意味は自然的な実り。
つまりは『
お前は『
『
『女帝』の意味とピッタリ一致するんだよ。
富樫の身体はわなわなと震えている。
涙目で首を横に振った。
富樫和親
そ、そんなカードが、僕を示すんですか!?
『女帝』が……!?
ぼ、僕なんですか!?
天野勇二
そうだ。
マデューにとっても、お前の『裏切り』は想定外の出来事だった。
スツールは倒れ、首吊りの状態。
目の前に死が迫っている。
最後の力を振り絞り、タロットカードを1枚取り出した。
それがお前を示す『女帝』だ。
これをビリビリに破き、他のタロットと共に床へばら撒いた。
富樫は頭を抱えて叫んだ。
富樫和親
何を言ってるのかわかりませんよ!
そんなこと知りません!
僕は知らない!
天野勇二
ならば尋ねよう。
お前、マデューに何を言われた?
どんな誘いを受けたんだ?
言えるものならば言ってみやがれ。
富樫は苦しげに俯いた。
チラリとミルクちゃんを見るが、ミルクちゃんはただ呆然と富樫を見つめるだけ。
富樫は震える口を開いた。
富樫和親
……マ、マデューは、僕に『取引』を持ちかけたんです……。
天野さんと前島さんをハメる取引です……。
指定の場所に、天野さんを呼び出してほしい……。
従えば、お金を渡す……。
それに、ミルクちゃんとの仲を、取り持つって……。
園崎とメイドたちは声にならない悲鳴をあげた。
天野が楽しそうに高笑いをあげる。
天野勇二
アーーーーッハッハッハッハッ!
それでハニーを殺したのか!
しかも最終的にはマデューを裏切った!
俺様に尻尾を振りながらマデューに従い、それを裏切ってみせた!
ダブルスパイを演じきったのか!?
実に見事じゃないか。
マデューを殺したことは褒めてやるよ。
富樫は涙目で訴えた。
富樫和親
ち、違います!
僕はマデューの取引に応じなかったんです!
断りました!
天野勇二
それはウソだな。
お前は俺にマデューと『接触したこと』も、マデューの『依頼金額が1億であること』も、そしてそれ以上の情報も流そうとしなかった。
お前の心がマデューに傾いていたからだろう?
富樫和親
本当に違うんです!
マデューが言ったんです!
僕が、取引のことを、天野さんに喋れば、喋れば……。
天野勇二
喋れば、なんだ?
富樫はミルクちゃんを見て、苦しそうに息を吐いた。
富樫和親
ミルクちゃんのことを……。
殺すって……!
ミルクちゃんの瞳からぽろりと涙が落ちる。
青い顔で呟いた。
ミルクちゃん
と、富樫様……。
そ、そんな……。
本当に、マデューの……?
富樫和親
ち、違うんだよ!
僕はミルクちゃんを守ろうとしたんだ!
本当だよ!
僕はマデューの味方なんかじゃない!
僕はミルクちゃんの……!
ミルクちゃんだけの味方なんだ!
富樫は何かを決意したように頷くと、懐に手を伸ばした。
取り出したのは大きなスタンガン。
園崎とメイドたちが小さな悲鳴をあげる。
天野はどこか楽しげに呟いた。
天野勇二
それがお前の本音か。
だからあの夜、歩道橋で「話が違う」と叫んでいたワケか……。
上等だぜ。
この俺様に牙を
地獄で後悔させてやるよ。
天野はメスを構え、富樫に突きつけた。
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富樫! とがしッ!!!!
ガッカリだよ富樫ィィッ!!!!
ちなみに『メイドさんまでイッテQ』時代の園崎さんは「メガネ美人姉妹メイド」の妹としてそこそこ人気でした。(余談ですが「クレアちゃん」という源氏名だったそうです)
つまり、ハニーちゃんが殺された夜、涼太くんは『園崎さんをクリスちゃんと見間違えた』ということですね。
まだまだ『アルカナの解答編』は始まったばかり!
いつも応援やコメント、本当にありがとうございます!(。>﹏<。)
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