本学の注目研究を毎月1つずつ紹介します。
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私たちの研究グループ(ソフトフェア工学研究室)では、データマイニング技術と機械学習技術を用いてソフトウェアの様々な側面を分析し、ソフトウェア開発における品質・生産性の向上を目指しています。具体的には、ソフトウェア開発の履歴や不具合の修正記録を格納するソフトウェアリポジトリから、品質や生産性に関わる特徴量を抽出し、機械学習モデルによって不具合の予測などを行う手法の提案をしています。また、IoT技術やサイバーフィジカルシステムの分析にも力を入れています。
本研究では、ソースコードをテキストベクトルとして扱い、不具合の混入していたコードと混入していないコードでの違いを畳み込みニューラルネットワーク(CNN)に学習させることで、不具合の予測が可能なモデルを作成しました。予測の単位はソフトウェアリポジトリの「コミット」としたため、リポジトリにコミットを登録する時点で自動的にこの手法を実行して不具合の予測精度を提示することが可能になります。従来の予測手法との比較実験の結果、優れた不具合混入コミットの特定が可能となることを示しました。
近年、ブロックチェーンの1つであるEthereumに注目が集まっています。最大の特徴はスマートコントラクトという、ブロックチェーンを利用して実装されたプログラムです。このスマートコントラクトは便利な反面、品質の維持が必要であり、低品質なスマートコントラクトはセキュリティ上の問題を発生させる可能性があります。この研究では、ソフトウェア工学の観点から、スマートコントラクトのコードの品質を分析しています。
本研究では、ソフトウェア工学研究室において稼働しているサイバーフィジカル水槽管理システム「あくあたん」を例に、サイバーフィジカルシステムにおける異常状態の自動検出を試みました。サイバーフィジカルシステムが常時出力しているログを教師無しモデルにより解析し、外れ値を検出しました。外れ値を検出した時点の周辺での実際の異常状態と紐付けることにより、外れ値検出が異常状態に関連することを確認しました。
本研究では新たなJavaテストコード自動生成技術の開発に向け、その第一歩として、あるテストメソッドを実行可能性を保ちつつ自動的に移植する手法およびそれが可能となる条件を定義しました。また、オープンソースのJava プロジェクトを調査し、テストコードの再利用元として使用できるリポジトリが1,862 件存在することや、大半のテストメソッドはテスト対象コードに高々2つの依存を持つこと、そうした依存関係を保つ移植によって本来必要なテストメソッドの平均83%を生成できる可能性を実証的に示しました。
本研究では、どのニューラルネットワークやソースコード表現の組み合わせが高精度なソースコード分類の実現に有効かを調査しました。具体的には、3種類のニューラルネットワークと、トークン列、抽象構文木の2種類のソースコード表現を組み合わせ、6種類のソースコード分類手法を作成し、分類精度を比較しました。その結果、LSTM (Long short-term memory)とトークン列の組み合わせが、最も高い精度のソースコード分類を実現できることがわかりました。また、深層学習を用いないソースコード分類手法の中で代表的な手法よりLSTMにトークン列を学習させる手法の精度が高いことがわかりました。
2021年10月
環境に優しいプラスチック
原料を微生物で作る
(繊維学系 麻生祐司 教授)
2021年9月
境界空間としての建築
(デザイン・建築学系
武井誠 特任教授)
2021年8月
機能創製を志向した
有機ヒ素化学の開拓
(分子化学系 中建介 教授)
2021年7月
橋梁等の鋼構造物に吸着した
状態で点検作業が可能なドローンの開発
(機械工学系 東善之 助教)
2021年6月
顔画像からの人物の表情認識
と表情強度推定
(情報工学・人間科学系
野宮浩揮 准教授)
2021年5月
脳の血液循環系インターフェイス
における恒常性制御
(応用生物学系 宮田清司 教授)
2021年4月
高分子ソフトマテリアルの
力学物性と刺激応答特性の研究
(材料化学系 浦山健治 教授)
2021年3月
建築を荘厳する絵画をめぐる
受容美学的研究
―「国境」を越えた一つの
花鳥画に関する国際共同研究
の報告を兼ねて―
(デザイン・建築学系
井戸美里 准教授)
2021年2月
汎用プラスチックの超極細
繊維膜で圧力センシング
(繊維学系 石井佑弥 助教)
2021年1月
機能融合に基づく新規な
含フッ素機能分子の創製
(分子化学系 山田重之 准教授)
2020年11・12月
流体工学ワクチン-
流体力学に基づく感染対策-
(機械工学系 山川勝史 准教授)
2020年10月
機械学習技術の社会実装−運送業
における医療情報を基にした重症
化発症モデルの構築に関する研究
(情報工学・人間科学系 岡夏樹 教授
荒木雅弘 准教授、田中一晶 助教)
2020年9月
さまざまな植物における
光合成の応答戦略−原始的
なコケ植物から製紙原料
のユーカリまで-(応用
生物学系 半塲祐子 教授)
2020年8月
有機発光材料の創製と機能
開発(分子化学系 清水正毅
教授)
2020年7月
パワーGaN HEMTとゲート
ドライバの単一集積化
(電気電子工学系 小林和淑
教授、古田潤 助教)
2020年6月
前川國男と村野藤吾の建築
思想をめぐる歴史的研究―
私の研究室の活動について
(デザイン・建築学系
松隈洋教授)
2020年5月
高速度3次元動画像計測ならび
に超高速動画像記録技術
(電気電子工学系 粟辻安浩
教授)
2020年4月
ミストCVD法による半導体
形成技術~パワーデバイス
応用からナノ構造形成まで~
(電気電子工学系 西中浩之
准教授)
2020年3月
うごきとことば:身体科学
と認知言語学(基盤科学系
来田宣幸 教授、深田智 教授、
野村照夫 教授)
2020年2月
室温で液体のように流動する
金属ナノ材料の開拓と高分子
・繊維材料への応用研究
(材料化学系 中西英行
准教授)
2020年1月
GPUスパコンによる凝固・
粒成長の大規模phase-field
シミュレーション
(機械工学系 高木知弘 教授)
2019年12月
超音波散乱法で拓く微粒子
分散系の革新的技術開発と
その応用研究(材料化学系
則末智久 教授)