お酒と不安との関係についてはよく語られていますが、つい昨年も、正しいお酒とのかかわり方を発信するイギリスの情報サイト<Drinkaware>の調査によって、イギリス人の34%が不安や落ち込みを紛らわすためにお酒を飲むことがある、ということが判明したのだとか。
飲んだ翌日に「二日酔いによる不安感に襲われる」という経験談も多いことから、お酒はやはり、不安感を悪化させると考えられるよう。
そこでコスモポリタン イギリス版が専門家2人に聞いた、お酒がストレスや不安にあたえる短期的・長期的な影響と、夜の飲み過ぎを防いで不安感を悪化させない方法をご紹介。いつもついつい飲みすぎてしまうという人は、ぜひ今後の参考にしてみて。
【INDEX】
- 初めは落着く――でも長くは続かない
- 脳内のセロトニンが激減
- 不安を紛らわすために酒量が増えていく
- 「二日酔いによる不安感」も襲って来る
- 記憶力が低下する可能性も
- アルコール依存症につながるリスクが
- 眠りのリズムが乱される
1. 初めは落着く――でも長くは続かない
ちょっとお酒を飲むといつもより自信が出ておしゃべりになったり、おおらかになる、という人は多いはず。お酒が一時的に「社交不安」を抑えてくれるのは本当なのだとか。
「アルコールが鎮静剤としてはたらくので、短時間ならリラックスさせてくれます」と話すのは、<Drinkaware>で医療アドバイザーをしているサラ・ジャーヴィス博士。
でも残念ながら、この気分は長続きしないみたい。
「お酒を飲むと脳内の化学物質のバランスがくずれ、処理も乱れます。最初の1杯を飲んだときにリラックスした感じがするのは、頭の中で化学的な変化が起きたから。アルコールは脳の中で抑制に関係する部分の働きを鈍くするんです。でもこの効果はすぐに消えるので、楽しい気分もすぐしぼんでしまいます」
2. 脳内のセロトニンが激減
アルコールが持つ抑制作用で、幸福ホルモンとよばれるセロトニンのレベルが下がるそう。
「短い期間だったとしても、お酒はいろいろな理由でメンタルヘルスに悪い影響をあたえます」と解説するのは、催眠術療法士で不安症の専門家であり、『The Anxiety Solution(不安の解消法:原題訳)』の著者でもあるクロエ・ブラザーリッジさん。
「お酒は脳内のセロトニンの量を減らしてしまいます。セロトニンは気持ちを落ち着かせ、明るくしてくれる神経伝達物質。だからそのレベルが低いと不安感が増すんです」
3. 不安を紛らわすために酒量が増えていく
やっかいなことに、人間の体はアルコールに慣れて、耐性を高めていくそう。つまり、気分を楽にする効果が減ってしまうというわけ。
「もし不安感を減らしたくてお酒を飲んでいるのなら、悪循環におちいってしまうかもしれません。耐性が上がれば、同じ効果を得るためにもっと飲まなければいけなくなるので」とジャーヴィス博士は警告します。「アルコールが抜けると不安感がもどってきて、さらに飲んでしまう。長期的に見ると、この飲酒パターンはメンタルの健康に影響してしまいます」
4. 「二日酔いによる不安感」も襲って来る
布団にくるまって動けない。何かとても恐ろしいことが起こりそうな暗い予感がする…。いわゆる頭痛やムカムカはなくても、この「二日酔いによる不安感」も大問題。これはなぜ起きてしまうのでしょう?
「二日酔いで動悸やめまい、震えや汗などが出て、それが不安をよび覚ますことがあります。理由は、こうした症状が不安そのものと、とても似ているからです」とブラザーリッジさん。「それに、体の健康面の不安が引き起こされることもあります。この頭痛はただの頭痛じゃないのでは、もっと悪い病気なんじゃないか、と心配になったりするわけです。脳内のセロトニンが減るのと脱水症状で、体調の悪さも加わります」
5. 記憶力が低下する可能性も
飲み会で自分がしたことをすっかり忘れる、やらかしてしまうという経験はありませんか? これが元から不安感をかかえがちな人だと、さらにひどい状況に陥りかねないそう。ジャーヴィス博士はこう言っています。
「お酒を飲んで抑制が甘くなる人は多いですね。普通の状態だったら恥ずかしくてできないようなことをしてしまいます。その上アルコールは短期記憶に悪影響があるので、多くの人がお酒を飲んだ後で、前の晩何をしたのか覚えていないんです。そして、自分が何を言ったのか、したのか、心配して悩むことで不安感がさらに増してしまいます」
6. アルコール依存症につながるリスクが
「アメリカで行われたある研究では、社交不安をかかえている人の20%がアルコール問題をかかえていることが判りました。対人関係の不安を解消するためにお酒を飲んで、その後もっと不安になり、その気分をよくしようとさらに飲む、という悪循環におちいる危険性があります」とブラザーリッジさん。
「仕事のあとで一息つくにはワインボトルを半分は開けなくちゃとか、職場の飲み会では何杯か飲まないと緊張がほぐれない、と思う人も多いかもしれません。前述のように、体の中で耐性が増していくと、同じ効果を得るのにより多くのお酒を必要とすることになる。それが体に悪いんです」
7. 眠りのリズムが乱される
「アルコールはさらに睡眠のリズムを乱して、これが気分や活力に影響を与えることがあります」とジャーヴィス博士。「その結果、不安な感情を感じやすくなって、日常生活がつらくなる。これでいつも疲れ果てて、イライラするようになってしまう可能性があるんです」。
さらに、眠るためにお酒の力を借りることは、睡眠周期を直撃してしまうよう。2014年に行われたミズーリ大学コロンビア校の研究によると、眠ろうとしてお酒を飲むことで、睡眠のホメオスタシスが乱れる――つまり睡眠のリズムの調整ができなくなってしまうことが判明したのだとか。
お酒でメンタルを悪化させない方法3つ
1. しばらく飲まない期間をつくろう
「これは飲み方のリセットにとてもいいんです。飲まずに6週間すごしたら、お酒なしでものごとに対処することを覚えて、リラックスしたり人と交際したりするときに、別の方法を見つけないといけなくなりますからね」
2. シャンパンより、ウォッカのソーダ割りなど、あまり「美味しくない」お酒にする
「あまり美味しくないお酒にすれば、飲む量が減ります。あと、よく言われるのがお酒を飲む合間にちょこちょこ水を飲むというもの。これでいわゆる二日酔いのリスクが減らせるはずです」
3. お酒抜きで人づき合いする方法を考える
「人と会うのはディナーではなくブランチにする、あるいはエクササイズのクラスに出たり、野外活動をしてみる、などです。結果として今までの夜遊び友達とすごす時間が減ることになるかもしれません。でもその分、しらふでいるのが好きな人たちとの付き合いが増える可能性もあります。もしそれで自分の不安が減って幸せな気分になるなら、いいことじゃないですか」
飲み方や人づき合いをちょっと工夫するだけで、お酒の量は減らせそう。お酒に頼りすぎることなく、不安と向き合う方法を探していきたいですね。
※この翻訳は、抄訳です。
Translation: Noriko Sasaki (Office Miyazaki Inc.)
COSMOPOLITAN UK
