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パワハラ会議で追放された召喚士、旧友とパーティを組んで最強を目指す~今更戻って来いと言ってももう遅い。えっ、召喚獣だけでも貸してくれ? 悪いが、それもお断りだ~ 作者:月島 秀一
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第十一話:魔術の極致

 偶像(ぐうぞう)召喚――。

 人々の信仰から生まれた偶像を魔力によって構築し、この世界に実体として生み出す召喚魔術だ。


 半神(はんしん)半鳥(はんちょう)の偶像――比翼神(ひよくしん)アゴラの右ストレートを食らったレグルスは、凄まじい速度で吹き飛び、遥か後方の壁に全身を打ち付けて、ゆっくりとズリ落ちた。


「……君、何者……?」


 口元の血を(ぬぐ)いながら、奴はゆっくりと立ち上がる。


「アルト・レイス、ただのD級冒険者ですよ(『結界術』という緩衝材(かんしょうざい)があったとはいえ、アゴラの一撃を食らって、すぐに立ち上がってくるのか……見た目よりも、かなり頑丈だな)」


「あはは、バレバレの嘘はやめてくださいよ。さすがにその魔力で、『D級』はあり得ない。リスト(・・・)に載っていなかったことから判断して……『未登録の特級冒険者』、ですかね?」


 レグルスがわけのわからないことを言っている間にも、アゴラへ大量の魔力を供給する。


「アゴラ――破城(はじょう)翼撃(よくげき)


「ガゥル!」


 膨大な魔力を身に纏ったアゴラが、音速を越えてレグルスのもとへ突き進む。


「うわぁ、とんでもない魔力の(こも)った一撃ですね。ただ――神螺(しんら)転生(てんせい)


 アゴラの翼とレグルスの右手が激突したその瞬間、


「アグ、ォ……ガ!?」


 アゴラの体が急激に膨張し、まるで風船のように(はじ)け飛んだ。


「この程度じゃ、復魔十使(ふくまじゅうし)は倒せませんよ?」


「……やりますね」


 まさかあの比翼神(ひよくしん)アゴラが、一撃でやられてしまうなんて……。


神螺転生(しんらてんせい)――『命をいじる能力』、か。今のはおそらく、アゴラの生命力を体内で暴走させ、自爆させたんだろう。そして……破城(はじょう)翼撃(よくげき)をわざわざ右手で受けたことからみて、術式の有効範囲は掌のみ。右手だけじゃなく、左手でも同じ力を使えると考えるのが自然だな)


 敵の術式を分析していると、


「――アルトくんって、召喚士なんでしょう? 接近戦、大丈夫ですか?」


 レグルスが、一足で間合いを詰めてきた。


(速い!?)


 目と鼻の先、触れれば即死の魔手(ましゅ)が迫る。


「――武装召喚・双雷刃(そうらいじん)ゼノ!」


 迅雷(じんらい)を帯びた双剣を召喚。


 眼前(がんぜん)の魔手を斬り上げ――そのままの勢いで、レグルスの胴体に太刀傷を刻む。


「~~ッ!?」


 けたたましい放電(スパーク)の音が鳴り響き、奴の体に強烈な(いかづち)が駆け抜ける。


「――神螺(しんら)転生(てんせい)! ぷはぁ……いやぁ、いい魔具(もの)をお持ちですねぇ!」


「……高速再生か」


 神螺転生(しんらてんせい)をもって、自身の魔力を生命力へ変換したのだろう。

 つまりこいつを倒すには、魔力を全て削り切るか、一撃で仕留める必要があるということだ。


(……厄介だな)


 やはりレグルスは、『特級』クラスの強敵だ。


「しかし、驚かされました。近・中・遠、『オールレンジタイプ』の召喚士なんて本当に珍しい。……なんだか私、胸がドキドキしてきちゃいましたよ。――神螺転生!」


 レグルスが足元の絨毯(じゅうたん)に触れた直後――命を(さず)かった幾千幾万もの赤い繊維が、途轍(とてつ)もない速度で殺到してくる。


(攻撃範囲がデタラメに広い……っ)


 普通の召喚じゃ、(さば)き切ることは難しそうだ。


「――現象(げんしょう)召喚・麒麟(きりん)息吹(いぶき)


 麒麟の息吹は、雲雷山(うんらいざん)の頂上で、百年に一度だけ発生する『大嵐』。


 俺はその天災を小さく圧縮し、レグルスに向けて解き放つ。


「こ、これは強烈……ッ」


 吹き(すさ)ぶ烈風は、全ての赤い繊維を蹴散らし、その先にある奴の体を切り刻む。


 だがしかし――レグルスはすぐにその特異な術式を発動させ、コンマ数秒のうちに全快(ぜんかい)


「うーん……真っ向勝負じゃ、ちょっとばかし分が悪そうですね。少し趣向を変えて、こういうのはどうでしょう?」


 奴はモンスター化した冒険者の体を鷲掴(わしづか)みにすると、それを槍状に変化させたうえ、勢いよくこちらへ投擲(とうてき)してきた。


(くそ、なんてことをするんだ……っ)


 このまま召喚獣で迎撃すれば、槍にされた冒険者を殺してしまう。


 俺はすぐさま召喚魔術をキャンセル、強引に体を()じって、迫り来る槍をなんとか回避。


 しかし次の瞬間、


「――その優しさは、アルトくんの弱点ですねぇ?」


 レグルスの満面の笑みが、視界を埋め尽くす。


神螺(しんら)転生(てんせい)!」


『即死の魔手』が、容赦なく伸ばされる。


「――簡易召喚・スライム!」


 限界ギリギリまで引き延ばした状態のスライムを、自分の背中と後方の扉に接着(せっちゃく)


「縮め!」


「ぴゅぃいいいいいいいい……!」


 スライムの伸縮性を利用して、なんとかその場から緊急脱出を図る。


「おっと、逃がしませんよォ! ――神螺(しんら)転生(てんせい)!」


 レグルスは壁の煉瓦(れんが)に命を吹き込み、生きたナイフへ変換。

 それをそのまま、一気にこちらへ解き放つ。


(かみなり)の型・四の太刀――紫電(しでん)!」


 双雷刃(そうらいじん)ゼノを振るい、迫り来るナイフを斬り払っていくが……。


()……っ」


 空中での完璧な迎撃は難しく、右肩と左足に食らってしまった。


「アルト……!?」


「大丈夫、軽く(かす)めただけだ」


 心配してくれたステラを安心させ、すぐに戦線へ戻る。


「いやぁ、今のはさすがに決まったと思ったんですが……。まったく、召喚士は本当にやりにくい。特にアルトくんクラスの術師となると、まるで奇術師とやっているみたいだ。でも……召喚魔術というのは、普通の魔術に比べて、膨大な魔力を消費する。どうです? そろそろ疲れてきたんじゃないですか?」


「いいえ、まだまだこれからですよ」


「それはそれは、素晴らしい魔力量をお持ちだ(偶像・武装・現象召喚……既にかなりの魔力を使っているはずですが……ブラフを言っているようには見えない。残存魔力にまだかなりの余裕があるのは、おそらく本当なのでしょうね。……魔力切れを狙うのは、あまり現実的ではないかもしれません。少し、削り方(・・・)を変えてみましょうか)」


 レグルスはしばしの沈黙の後、両手を大きく広げた。


「さぁさぁ、みなさんお(たち)()い! この私レグルス・ロッドが夜なべをしつつ、精魂込めて作り上げた『意欲作』を……一挙大公開! ――神螺転生(しんらてんせい)!」


 玉座の間の床がゆっくりと持ち上がり、ぽっかりと空いた空洞から四足歩行の――『例のモンスター』が姿を見せた。


「モイ゛……!」


「ウ゛タ」


「イ゛イ゛」


「ヤヨ」


『真実』を知った今、その姿はあまりにも痛ましく……。


「「「……っ」」」


 俺たちはみんな、思わず目を背けてしまいそうになる。


(だけど、これはいったいどういうことだ……?)


 驚くべきことに、モンスターの総数は軽く百を超えていた。


「ラインハルトさん。第七地区には、あんなにも大勢の冒険者がいたんですか……?」


 俺の問い掛けに対し、彼は悔しそうに下唇を噛む。


「いや、そうじゃない。彼らは……第一地区から第六地区の守護を任せたB級冒険者たちだ……ッ」


 やはり第一~第六地区の拠点は、レグルスによって潰されてしまったようだ。


 すると――ティルトさんが突然、その場でペタンと座り込む。


「どうした、ティルト!?」


「あ、あのブローチ……。マシュの誕生日に、あたしがあげたやつだ……。こんなの……嘘だよね……? みんな、ちゃんと助かるよ、ね……?」


 彼女の視線の先には四足歩行のモンスターがおり、よくよくその首元を注視すれば、確かに緋色(ひいろ)のブローチが確認できた。


「おや、お知り合いでもいましたか? お望みであれば、近くまで呼んで差し上げますよ?」


 無邪気な顔・無神経な発言・無遠慮な姿勢――レグルスの全てが、こちらの神経を逆撫(さかな)でしてくる。


「――みんな、よく聞いてくれ! 王都の優秀な回復術師であれば、モンスター化した仲間たちも、きっと元の姿に戻せるはずだ! だから、絶対に殺すな! 適度なダメージを与えて、四肢(しし)を拘束するんだ!」


 ラインハルトさんの指示に対し、レグルスは茶化(ちゃか)したような拍手を送る。


嗚呼(ああ)、こんな醜い状態になっても、まだ仲間と言えるだなんて……あなたたちは、本当にお優しいんですね! 人間と人間の美しい絆……私、涙を(こら)え切れません……っ」


 奴はわざとらしく「およよよ」と涙を拭った後、会心の笑みを浮かべた。


「ですが残念。この子たちは、もう二度と元の体に戻りません。たとえどれだけ高位の回復魔術を使ったとしても、ね。私の神螺転生(しんらてんせい)は、『命のカタチ』を破壊する。これは『絶対不可逆の変化』なんです」


 みんなの希望を叩き折る非情な言葉が、朗々(ろうろう)(つむ)がれる。


「レグルス、お前……!」


「あはは。アルトさん、そんな顔をされたら怖いですよ?(ふふっ、いい感じだ。この子は自分よりも、仲間を傷付けられたときに激怒する。――感情が揺らげば、魔力が揺らぎ、魔力が揺らげば術式が揺らぐ。この調子で、どんどん削りを入れていきましょうか!)」


 レグルスはニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら、パンパンと手を打ち鳴らした。


「クレアちゃん、ハムストンくん! あなたたちも、お仕事ですよー!」


 今までずっと部屋の奥で控えていた二足歩行のモンスターが、ユラリとこちらへ歩き出す。


(これは……マズいぞ)


 A級冒険者を(もと)にしたこの二人は、他とは比べ物にならないぐらいスペックが高い。


(モンスター化したA級冒険者二人にB級冒険者約百人。そのうえ、『即死攻撃』を持つレグルス……っ)


 この状況は、かなりヤバイ。


「さぁさぁそれでは、第二ラウンドの始まりで――」


「――愚か者め、無駄に時間を掛け過ぎだ! 傀儡(かいらい)人術(じんじゅつ)(ばく)ッ!」


 ドワイトさんが右手を床に下ろした瞬間、複雑な術式が玉座の間に広がり、


「「「ア、グ……!?」」」


 モンスターと化した冒険者たちが、全員ピタリと足を止めた。


「……これは……?」


「レグルス。貴様の神螺転生の術式を解析し、その『操作能力』に制限を加える『反転術式』を即興(そっきょう)で作らせてもらった。腐っても、『元A級のドワイト・ダンベル』! 同じ操作系統の術者に、(おく)れは取らぬぞ……!」


「即興で反転術式を……それはまた、器用なことをしますねぇ(この冒険者、ちょっと面倒くさいかもですね……。だだまぁ、一番厄介なのは間違いなく――アルトくんだ)」


「伝承召喚・絶海(ぜっかい)大瀑布(だいばくふ)!」


「~~ッ。(この子一人だけ、完全に出力が桁違いなんですよねぇ……っ。一撃一撃が、尋常じゃなく重い……ッ)」


偶像(ぐうぞう)召喚・幻神(げんしん)アグノム!」


「これまた強烈……ッ(単純な魔力量だけなら、既に特級冒険者の中でも上位クラス。そのうえ、まったく底を見せてくれない……。アルト・レイス、この子はいずれ大魔王様に届き()るかもしれない……ッ)」


「武装召喚・大断剣(だいだんけん)!」


「容赦がないですねぇ……ッ(しかし、現在はまだ十代の未成熟者(こども)! 成長し切っていない今の彼ならば、私でも十分に殺れる……!)」


 三連続の大きな召喚魔術を食らったせいか、レグルスの回復にわずかな遅れ(・・)が見えた。


 敵の能力は、ほとんど割れた。

 対処に困るモンスター化した冒険者たちは、ドワイトさんが止めてくれている。


 今が、千載一遇の好機(チャンス)……!


「みなさん、これから一気に畳み掛けます! 俺の(・・)召喚に(・・・)合わせて(・・・・)ください(・・・・)……!」


『霊』の手印を結び、いつもより多量の魔力を練り込んで――召喚魔術を展開。


「力を貸してくれ、セイレーン……!」


「オォオオオオオオオオ……!」


 清浄な魔力を纏った深海の精霊は、どこまで透き通るような声で歌う。


「これは……なるほど、そういう(・・・・)召喚獣か(・・・・)……!」


 いち早くラインハルトさんが頷き、他のみんなもすぐに納得の表情を浮かべる。


 さすがは歴戦の冒険者たちというべきか。

 セイレーンの能力をすぐに理解した彼らは、レグルスを目指して一直線に突き進む。


「おや……まだわかりませんかねぇ? あなたたち如きの出力では、私の結界術は破れな……待て、この魔力は……!?」


「今更気付いても、もう遅い……!」


 レグルスの展開した結界は、断魔剣(だんまけん)ゴウラによって、いとも容易く斬り裂かれた。


「よくもやってくれましたね、アルト・レイス……ッ」


 深海の精霊セイレーンに、直接的な戦闘能力はない。

 ただ、彼女の奏でる歌には、特殊な術式が込められており……その美声を耳にした味方の能力は、全て極大強化されるのだ。


「ちょ、っと……これは、マズいですよ……ッ!?」


 レグルスは苦し紛れに二重の結界術を展開。

 なんとかこの窮地(きゅうち)(しの)ごうとしたが……無駄だ。


 セイレーンのバフで強化されたみんなの攻撃が、容赦なく奴の身を斬り裂いていく。


「……が、は……ッ」


 レグルスは床に身を投げ出し、荒々しい息を吐く。


(今だ! 神螺転生で再生される前に、ここで仕留める……!)


 俺が『()』の手印を結んだ次の瞬間――血濡れのレグルスが、見たことのない手印を組んだ。


「あーぁ……。これはとても疲れるので、あまり使いたくはなかったんですが……。ここまで追い詰められては、仕方ありませんよねぇ……?」


 背筋の凍るような殺気と異常なまでの大魔力が吹き荒れる。


「この感覚は、まさか……!? みんな、この場を離れ――」


 ラインハルトさんの忠告が響く直前、


「――幻想(げんそう)神域(しんいき)命々流転郷(めいめいるてんきょう)!」


 (あか)彼岸花(ひがんばな)が、世界を埋め尽くしていく。


「――冒険者のみなさん。無駄な努力、ご苦労さまでした」


 レグルスは余裕に満ちた表情で、勝ち名乗りをあげる。


(しまった……最悪だ……っ)


 幻想神域――。

 自らの『根源術式』を現実世界に投影し、浮世(うきよ)(ことわり)を歪める『魔術の極致』。

 そこは術者の根源術式によって構築された単一世界であり、根源術式を除く全ての魔術は、その効果を失ってしまう。


命々流転郷(めいめいるてんきょう)の内部では、俺の召喚術はもちろん、みんなの魔術なども全て封じられ……。レグルスの神螺転生のみが、正しく効果を発揮する……っ)


 幻想神域には、幻想神域で対抗するしかない。

 これを使われた時点で、俺たちに勝ちの目はなかった。


 ただしそれは――レグルスの幻想神域が、きちんと完成した場合の話だ。


「……何故、神域が閉じないのです……?」


 現実世界と幻想神域の狭間――俺はそこで、ありったけの魔力を燃やしてやった。


「まだ、だ……!」


 莫大な魔力を燃焼させ、なんの魔術的要素も持たない『仮想神域』を無理矢理構築――幻想神域の完成を強引に食い止めたのだ。


「こ、の、化物め……っ。ただの魔力だけで、幻想神域に張り合うつもりですか……!?」


 レグルスは驚愕に目を見開いた。


(はぁはぁ……。さすがにこの状態は……かなりキツイな……ッ。だけど、俺がここで落ちたら、ステラやラインハルトさん……冒険者のみんなが、皆殺しにされてしまう……っ。とにかく今は絞り出せ。魔力を……限界を超えて……!)


 俺が死ぬ気で魔力を放出し続けていると、ラインハルトさんが横に並んだ。


「感謝するぞ、アルトくん。君のおかげで、なんとか首の皮一枚繋がった。後は我々が、逆転の一手を考え――」


「――『逆転の布石』なら、もう打ってあります……っ」


「ほ、本当か!?」


「えぇ、(くさび)、は……第七地区に突き立てておいた『王鍵(おうけん)』。はぁはぁ……触媒(しょくばい)は、この部屋の四隅に飛ばした俺の血。下準備は、既に完成しているんです……ッ」


「……さすがだ(アルト・レイス、この子はいったい何手先まで考えているんだ……!?)」


「ですから……五秒、いえ、三秒だけで構いません。なんとかして、レグルスの集中を妨害し、『幻想神域の拡張』を止めてください。三秒あれば、アレ(・・)を召喚できる……反撃の目途(めど)が、立つ……!」


「あぁ、任せてくれ……!」


 ラインハルトさんは力強く頷き、耳をつんざく大声を張り上げた。


「総員、全魔力を解放し、レグルスに突撃せよ! 出し惜しみは一切不要! 『後』のことなど考えるな! この攻撃が、生涯最期の魔術だと思え……!」


「「「うぉおおおおおおおお……!」」」


 地鳴りのような雄叫びが鳴り響き、最終攻撃が始まった。


魔炎(まえん)覇弾(はだん)……!」


(だん)の型・(おう)の太刀――神閃(しんせん)ッ!」


人狼(じんろう)剛術(ごうじゅつ)――激甚(げきじん)灰堰(はいせき)(しょう)!」


 ステラ・ラインハルトさん・ウルフィンさん・冒険者全員が一丸となって、持てる全ての魔力を込めた総攻撃を敢行(かんこう)する。


「ちょこざい、な……ッ。――神螺転生(しんらてんせい)!」


 苛烈な猛攻を受けたレグルスは、たまらず術式を発動させた。


 その瞬間、幻想神域の拡張がピタリと止まる。


(来た……! 正真正銘、これが最後のチャンス……!)


 一秒……。


 王鍵(おうけん)との接続を確立。

 玉座の間に(えが)いた召喚術式へ魔力を充填(じゅんてん)


 二秒……。


 召喚獣との経路(パス)を構築。

 後は、手印さえ結べれば……!


 三――。


「――残念でしたァ!」


 次の瞬間、紅い彼岸花が満開に咲き誇り、世界が閉じられてしまった。


「ぷっ、くくく……っ! あーっはっはっはっ! いったい何をするつもりだったのかは知りませんが……全て、徒労に終わりましたねぇ! 幻想神域さえ完成すれば、もうこちらのもの……! 私の勝利は揺るぎません……!」


 レグルスの耳障りな笑い声が、閉じられた世界に響き渡る。


「そん、な……間に合わなかった……っ」


 ステラが膝を突き、


「ここまで、か……」


 ラインハルトさんが目をつむり、


「糞ったれが……ッ」


 ウルフィンさんが奥歯を噛み締める。


 みんなが絶望のどん底に沈む中、


「……え、は……? ぐっ、がぁああああああああ!?」


 幻想神域の天蓋(てんがい)が無理矢理に引き()がされ、レグルスの右腕が肩口から引き千切られた。


「そん、な……っ。こんな馬鹿なことが、あり得ない……!?」


「――英霊(えいれい)召喚・大戦士ヘラクレス」


「グ゛ォオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛……!」


 神代の大英雄が、遥か悠久の時を越えて――今、再臨する。


「レグルス・ロッド。お前だけは、本気で叩き潰す……!」


 敵の切り札は、完全に潰した。

 ここから先は、俺のターンだ……!

※とても大事なおはなし


目標の日間1位まで、後たったの『52ポイント』……っ。

何とか今日中に1位を取りたいっ! が、ここからの伸びが本当に難しいんです……っ。


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初級職【アイテム師】を追放したS級パーティの評判が世間で地に落ちているようだ〜騎獣から王宮、鍛冶屋に商店、冒険者ギルドや冒険者まで怒っているらしいと噂で聞いたが、まさかアイテム腐らせてたりしないよな〜

初級職【アイテム師】として『三日月の爪』に所属していたガイウスは「S級にあがったパーティーでは庇って戦えない」という表向きの理由から(本当は5人パーティなのに2//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全21部分)
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  • 最終掲載日:2021/02/20 03:12
【連載版】俺は冒険者ギルドの悪徳ギルドマスター~無駄な人材を適材適所に追放してるだけなのに、なぜかめちゃくちゃ感謝されている件「なに?今更ギルドに戻ってきたいだと?まだ早い、君はそこで頑張れるはずだ」

主人公アクトには、人の持つ隠された才能を見抜き、育てる才能があった。 しかしそれに気づかない無知なギルドマスターによって追放されてしまう。 数年後、アクトは//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全75部分)
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  • 最終掲載日:2021/02/21 12:02
おっさんはうぜぇぇぇんだよ!ってギルドから追放したくせに、後から復帰要請を出されても遅い。最高の仲間と出会った俺はこっちで最強を目指す!

【書籍1巻、発売中】  小さい時から冒険者になりたかったラベルは努力を続けたが、戦闘系スキルを取得できなかった為冒険者に成れなかった。  仕方なく荷物持ち《ポー//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全105部分)
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  • 最終掲載日:2021/02/07 18:20
俺だけ選び放題、S級レアアイテムも壊れスキルも覚醒した【シュレディンガーの猫】で思うがまま! ~冒険者の俺はレベルも金も稼いで幸せなので、追放してきた連中も自力で頑張ってくれ~

少年は憧れていた。強くて自由な冒険者に。 なのに現実は非情だ。彼が授かったスキルは『シュレディンガーの猫』。袋の中の猫を出したり消したりするだけの外れスキルだ//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全41部分)
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  • 最終掲載日:2020/12/29 21:01
とんでもスキルで異世界放浪メシ

❖オーバーラップノベルス様より書籍9巻まで発売中! 本編コミックは6巻まで、外伝コミック「スイの大冒険」は4巻まで発売中です!❖ 異世界召喚に巻き込まれた俺、向//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全556部分)
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  • 最終掲載日:2021/02/15 22:19
虐げられ続けた無能力者だけど、俺だけドラゴンの言葉がわかるので、SSS級スキルもチートアイテムも選びたい放題。お金も名誉も手に入って幸せになるから、俺を虐げた奴らはどこかで野垂れ死んでてくれ

シリルは竜騎士ギルドを追放された。 理由はドラゴンと心とのふれあいを望んでいたけど、ギルドや世間はドラゴンを道具としてみているから、シリルは変人扱いされた。 追//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全81部分)
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  • 最終掲載日:2021/02/21 23:15
ダメスキル【自動機能】が覚醒しました〜あれ、ギルドのスカウトの皆さん、俺を「いらない」って言ってませんでした?

 親に先立たれ、義理の妹と暮らす冒険者のクラウスは、15歳の時に【自動機能(オートモード)】というユニークスキルを手に入れたが……。  当初は、希少なスキルと//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全58部分)
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  • 最終掲載日:2021/02/08 22:49
味方が弱すぎて補助魔法に徹していた宮廷魔法師、追放されて最強を目指す

「補助魔法しかロクに使えない能無しの魔法師はこのパーティには必要ない。お前はクビだ、アレク・ユグレット」 それはある日突然、王太子のダンジョン攻略の付き添いとし//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全52部分)
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  • 最終掲載日:2021/02/21 12:03
おい、外れスキルだと思われていた《チートコード操作》が化け物すぎるんだが。 〜実家を追放され、世間からも無能と蔑まれていたが、幼馴染の皇女からめちゃくちゃ溺愛されるうえにスローライフが楽しすぎる〜

※書籍が好評発売中です!  書籍はweb版をさらに面白くし、文章などもかなり読みやすくなっております!  18歳になると、誰もがスキルを与えられる。  剣聖//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全140部分)
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  • 最終掲載日:2021/02/13 13:29
片田舎のおっさん、剣聖になる ~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~

【一言で分かるあらすじ】 自身の強さに無自覚なおっさんが、元弟子たちになんやかんや持ち上げられて活躍しちゃってだんだんと名声と評価を得ていくお話。 【ちゃんと//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全43部分)
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  • 最終掲載日:2021/02/18 19:38
Sランク冒険者パーティーのサポート役をクビになった俺は、念願の錬金術師となりスローライフを送りたい

 王都セントラルシティを中心に活動するSランク冒険者パーティー『爆ぜる疾風』のサポート役を務めるスレイは、ヒーラー役の聖女エリアを巡ってパーティーメンバーの嫉妬//

  • ハイファンタジー〔ファンタジー〕
  • 連載(全90部分)
  • 2154 user
  • 最終掲載日:2020/11/16 23:59