Introductionみどころ

気鋭の映像ディレクター大根 仁が、18年の歳月を経て松尾スズキの愛憎劇と再び向き合う

松尾スズキ作品を松尾本人の指名で“今”話題のクリエイターたちが蘇らせるシリーズ。今回は1996年書き下ろしの『マシーン日記』を、映像ディレクターの大根仁の演出で上演します。小さな町工場を舞台に、2人の男と2人の女、たった4人で繰り広げる暴走の限りを尽くす愛憎劇は、初演から観客の心を鷲掴みにし、翌年・翌々年には再演、全国ツアーを敢行するという小劇場界の伝説的な作品となりました。大根はこの作品に劇場で出会い、2003年に『演技者。』(CX)にてドラマ化を果たしています。「ドラマを作っている最中に作品に飲まれてしまうような感覚に陥ることもありました。そんな過酷な解体と再構築を一度経験している『マシーン日記』なら、松尾さんの演出とは違う見せ方ができるのではと思いました」(大根)。その後、ドラマ『モテキ』『いだてん~東京オリムピック噺~』、映画『バクマン。』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』など多くの映像作品を手掛けてきた大根が、再びこの作品と向き合います。鋭いリアルさをはらみながらも躍動感溢れるエンターテインメントとして仕立てる大根流の新たな『マシーン日記』にご期待ください。

小さな町工場で繰り広げる松尾流“愛と暴力の寓話”に横山 裕ら4人の俳優が挑む

キャストは、ミチオ役に『上を下へのジレッタ』で主演し今回2度目のシアターコクーン登場となる関ジャニ∞の横山裕、その兄アキトシにナイロン100℃の看板俳優・大倉孝二、アキトシの妻サチコに映像作品やバラエティ番組で快進撃を続ける森川葵、そして松尾作品常連の秋山菜津子がパート従業員のケイコを演じます。夫婦、家族、支配と服従、そこに横たわる過去―人の皮一枚下にある欲望むき出しでぶつかり合う4人、それを演じる俳優たちの姿にもご注目ください。

文・沼田由佳

Storyあらすじ

小さな町工場・ツジヨシ兄弟電業を経営するアキトシ(大倉孝二)は、妻サチコ(森川葵)とともに自らの工場で働いていた。工場に隣接するプレハブ小屋に住む弟のミチオ(横山裕)は、壊れた機械を見ると直さずにはいられない電機修理工。ミチオは訳あってアキトシに監禁されており、小屋と右足を鎖でつながれていた。一方のサチコには、かつてミチオに強姦された過去があり、未だ不倫関係にあった。
そんな中、工場に新しいパート従業員としてサチコの中学時代の担任で体育教師であったケイコ(秋山菜津子)がやって来る。数学的思考でものごとを考え、極度の機械フェチでもあるケイコは、壊れた携帯電話を直してもらったことをきっかけにミチオと結ばれ、「あんたのマシーンになる」と服従を誓う。小さな町工場を舞台に、男女4人の情念渦巻く愛憎劇が始まる…。

©細野晋司

「マシーン日記」作/シアターコクーン芸術監督松尾スズキ

コメント

今回の『マシーン日記』は、演出をお願いした大根くんが「これがいい」と選んだ演目です。キャストが4人だし、わかりやすいからですかね。彼はこの作品をドラマ化してくれたことがあるので、この芝居に流れる狂気みたいなものは、身体に落とし込んであると期待しています。横山さんの色気、大倉さんのギャグセン、秋山さんの説得力!あとは、森川さんが舞台でのたうちまわる姿が楽しみです。出だしの部分は再演するたび変わるので、アレンジに頭を悩ませています。 ぜひ、演劇を、生の舞台を、楽しんでいただければと思います。

シアターコクーン芸術監督 松尾スズキ 特設ページ

プロフィール

Director演出

大根 仁

コメント

長く仕事を続けていて、いまだに肩の凝りが取れない仕事っていうのがあるんですが、『マシーン日記』のドラマ版はその筆頭というか。松尾さんの頭の中に入る作業は本当に過酷なことでした。今回お声がけいただいて、一度解体して再構築した経験のあるこの作品だったらできるんじゃないかと思いました。
ミチオ役に選んだ横山さんはドラマの仕事で初めて会ったのが16歳くらいの時で、最近のドラマを見ていて「芝居がいいな、仕事したいな」って引っかかっていたんです。ナイロン100℃での初舞台から見ていてすごく好きな大倉くん、絶対の安心材料である旧知の秋山さん、そして惹かれて目が離せなくなってしまうような佇まいの森川さんという4人。コクーンでやるには世界観が小さいかなとも思ったんですが、直感的にセンターステージでやったらすごく面白そうってなりました。難しい戯曲だとは思うんですが、なるべく噛み砕いて新しく作るつもりなので、楽しみにしていただきたいです。

プロフィール

Castキャスト

横山 裕

コメント

シアターコクーンにまた呼んでいただいたことが嬉しい半面、やっぱり怖さもあります。『マシーン日記』...すごいです。ぶっ飛んでる。松尾さんのこの作品から、人を惹きつけるエネルギーをとても感じています。数々の映像を手掛けられてきた大根さんが、演出家として 舞台でどう攻めるのか楽しみです。また、出演者4人だけの稽古は、濃密な時間になると思いますし、キャリアも年代も違う4人がそれを経ることで生まれるものにも期待しています。
僕は演劇畑の人間ではないですが、積み重ねてきた他の経験を強みにこの作品に挑みたいです。整然としたところに、異物が飛び込んできたとき、パニックのようになるのが面白かったりするじゃないですか?そんな予測不可能な感じになれたらと前向きに捉えています。 そして、この状況下で観に来てくださるお客様に「来てよかった」と思っていただけるように頑張ります。

プロフィール

大倉孝二

コメント

僕は松尾作品が今まで未経験で、この先もないと思っていたので、お声がけいただいてすごくありがたいです。名作ですし、4人芝居のこんなにエネルギーの高いものを…と、冷静になると急に怖くなってしまいますが、まだ深く考えないようにしています。全幅の信頼を寄せている秋山菜津子さん、はじめてご一緒する横山裕さんと森川葵さんと4人でどんな稽古場になるか楽しみです。演出の大根さんとは若い頃に何度か仕事をさせていただいていて、久しぶりで何も成長していないことがばれてしまうのが怖いですね(笑)。シアターコクーンでやらせてもらえるんだと考えると緊張します、やっぱり憧れの劇場ですから。

プロフィール

森川 葵

コメント

脚本を読んでいると、日常の何かが壊れてしまったようなハードな内容に、どんどん気持ちが沈んでいくようだったのが、映像で見たときにはすごく面白くて。笑えない内容なのに、人が動いて演じているのを見ると、なんでこんなに笑えるんだろう…。その不思議な感じを自分も体験してみたいと思って参加を決めました。自分が今までやってきた仕事とは比べ物にならないくらいの大きな分厚い壁だと思います。でも、挑戦することで何かこう自分の未来に対する希望が見えたら、すごく楽しいだろうなって。大根さんとキャストの皆さんと作り上げる、新しい『マシーン日記』がどんなものになるのか、楽しみにして観に来ていただけたらと思います。

プロフィール

秋山菜津子

コメント

松尾さんが片桐はいりさんのために書かれた『マシーン日記』が、年月を経て私のところに来るとは思いませんでした。私は松尾さんの女性の描き方がとても好きで。演じていて「もしかしたらこういうところ、自分の深い闇みたいなものを見られてるのかな」といったことを感じたりします。今回演出をされる大根さんは、舞台もやられていますが、映像が主体でやられている監督ですから、違う角度の作品ができそうな気がしています。今はお芝居をやるほうも観るほうも、どんな仕事もみんな大変な世の中ですが、コクーンでの時間を一緒に共有してもらえたら嬉しいです。演劇に限らず、芸術はこういう状況だからこそ、とても必要なことだと思います。無事に上演して皆様にお会いしたいですね。

プロフィール

このエントリーをはてなブックマークに追加

レストランのご案内