今、Go To トラベルキャンペーンにより消費者の意識が旅行へと向かいつつある。そこで、J.D. パワー ジャパンは新型コロナウイルスとホテル利用に関する意識調査の結果を発表した。
調査の結果、消費者の期待に応えるべくホテルが実施することは、徹底的な感染防止対策の実施と、旅行計画中の消費者がその内容が把握できるような情報伝達の仕組みが求められることが判明した。
新型コロナウイルスと旅行意向に関する調査
新型コロナウイルスの除去対策と3密回避のための対策を重要とする割合が8割強。対策は重要ではないと考える割合は1割を切る。
図1.ホテルが行う新型コロナウイルス感染拡大防止策として、次にあげるそれぞれの対策はどの程度重要だと思いますか。
現在、多くのホテルが新型コロナウイルス感染防止のための取り組みを行っているが、それぞれの取り組みについてどの程度重要と思うかを聞いた。
「重要+まあ重要」の割合が8割を超えたのは、「客室内への消毒液の設置」「レストラン・施設の収容人数の制限」「共用スペースの空間除菌」「チェックイン時のソーシャルディスタンスの導入」「フロントカウンターの飛沫飛散防止スクリーンの設置」といった、ウイルスの除去対策と3密回避のための対策だった。
中でも「重要」の割合が高いのは客室への消毒液の設置や空間除菌といったウイルス除去対策で、自身の感染に対する不安の高さの反映と考えられる。
それぞれの対策を「重要ではない」とする割合は全ての項目で1割を切り、ホテルが実施する感染防止対策への関心の高さがわかる。
ホテルの感染防止対策への協力
感染防止対策への協力にも高い意向を示す。一方、自身のプライバシーが関係してくる対策には協力意向が低い傾向に。
図2.旅行やホテルの宿泊に伴い、次にあげる新型コロナウイルスの感染症対策への協力を求められた際、あなたはどの程度協力したいと思いますか。
次に、宿泊者がホテルから求められる感染防止対策への協力意向について聞いたところ、概ね協力的な姿勢が見られた。特に「手の消毒」は80%以上が「進んで協力する」と回答した。もはや日常の風景に溶け込んだ手指の消毒ですが、ホテル利用時も例外ではない。
また、「体調を崩した際の宿泊の取りやめ」に対しても77%が進んで協力する意向を示し、周囲に迷惑が及びかねない旅行や宿泊は控える、という意識の広がりの表れと考えられる。
一方、消極的な協力姿勢が明らかになったのは、「ホテル宿泊前後の自分のスマートフォンへの行動履歴の記録」だった。
行動履歴の記録は、アプリや機能が広く知られていないため具体的なイメージがつきにくい部分があったことが想定される。
加えて、自身のスマートフォン上のデータを提供することで起きるプライバシー保護に対する危惧も協力への消極的な姿勢を招いていると考えられる。また、プライバシーにも関わりのある宿泊前後での「健康調査票への回答」も他の対策よりは協力率が低い傾向が見られた。
ホテルの施設・サービスの利用意向
大半が感染対策は不可欠とした上で、利用意向は「温泉・浴場施設」で82%、「ビュッフェ形式の朝食」70%、「朝食以外のビュッフェ」69%。新形態の「ホテルのレストランのテイクアウト」は78%が利用意向あり。
図3.次にあげるホテルが提供するサービス・施設について、利用したいと思いますか。
近年、宿泊特化型のホテルを中心として、温泉・浴場施設の導入や朝食ビュッフェのバリューアップに力を入れるホテルが増え、宿泊者にとっての魅力となってきた。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、大浴場の休止や朝食ビュッフェからセットメニューへの変更を余儀なくされるホテルが見られる。
調査ではこれらを含む施設やサービスを、消費者がどの程度利用したいと考えているかを聞いた。その結果、大半が感染症予防対策の実施を前提としつつ、「温泉・浴場施設」は82%、「ビュッフェ形式の朝食」「朝食以外のビュッフェ」は約7割の利用意向が見られた。
しかしホテルのレストランのビュッフェには依然として根強い人気がありながらも、4人に1人は「利用したくない」と考えていることもわかる。
また、これまでは業態としてはほとんど提供がなかった「ホテル内のレストランが提供するテイクアウトメニュー」の利用意向が78%となり、新たな需要が創出されていることがわかった。
外出自粛期間中、通常はイートインで利用するような飲食店のテイクアウトメニューを利用した人も多く、レストランのテイクアウトが新しい形態として根付いてきている様子がわかる。
今後のホテル選定時の重視点
「料金」(35%)「立地」(28%)「サービスの評判」(26%)に続き、「衛生に関する情報を明確に提供していること」(25%)が上位にあげられる。
図4. 次にホテルに宿泊するとしたら、ホテルを決める際に重視することを次の中から3つまで選んでください。
今後、ホテルを選択する際に何を重視するかを聞いた。
「客室料金の安さ」が35%でトップ、「場所の便利さ」が28%で続く。今回の調査で注目に値するのは「衛生に関する情報を明確に提供していること」が25%と、「サービスの評判のよさ」の26%、「利用したい宿泊プランがある」の25%という理由と並んで、上位の一角を占めるホテル選定時の理由となったことだ。
調査概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年6月5日~6月8日
回答者数 : 1,909名
対象者 :過去1年間にビジネス又はプライベート目的で1泊以上の旅行をしたことのある20~69歳の男女
構成/ino
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