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落ちこぼれの兄の方が実は最強〜史上最強の勇者、未来の世界へ転生する。優秀な弟に婚約者を寝取られ、家や学校からも無能と蔑まれてたが、前世の力を引き継ぎ気ままに生きてたらいつの間にか目立ってた 作者:茨木野

第3章

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35.勇者、不良たちを軽く撃退する



 武闘大会が終わり、休日を挟んで、登校日となった。


 学園の玄関前までやってきた、そのときだ。


「おらてめぇ! 金出せゴラぁ!」


「なんだ? 小さい子が、数人に絡まれてるな」


 人相の悪い生徒数名が、小柄な生徒を壁際に追い込んでいた。


「お金なんて、ないっすよぅ~……」


「あぁ!? 嘘つくなごらぁ!」

「貴族のボンボン様なら、持ってんだろ金ぇ~」


 一人が、小柄な子の胸ぐらを掴み、持ち上げる。


「だ、だれか助けてっすぅ〜……」


「へへっ! 助けなんて来るかよぉ。みんな見て見ぬふりしてやがるぜぇ。おれたちが怖いんだろうよ!」


「え、そんなことないぞ」


 パシッ!

 俺はチンピラAの腕を掴んで言う。


「なっ!? てめえ、カーライルんとこの!」


「事情は知らんが、こういうのよくないな」


「うっせーな! 魔力ゼロの出来損ないは黙ってろ!」


 ぐッ……!


 ゴキンッ……!


「なんだ! そんなちょびっとの力でおれの腕を……って、えええ!? 肩が脱臼してるぅううう!?」


 ぷらんぷらん、とチンピラAの右腕が、力をなくしたようにぶら下がる。


 小柄な子は解放されて、尻餅をつく。


「ケガ無いか?」


「は、はいっす……」


 目を丸くするその子をよそに、チンピラAが声を張り上げる。


「て、てめえ何しやがった!?」


「え、【経穴ツボ】をついただけだけど?」


 人の体には【経穴】という特殊な場所がある。


 刺激を与えることで、体の調子を整えたり、逆に悪くすることも可能。


 聖女からツボ押しによる治癒術も習っていたのだ。


「ツボついただけで肩の骨が外れるわけねぇだろ!」


「え、右腕の骨全部を外したつもりだけど? 今戻すな」


 チンピラAの右腕のツボを突く。


 ゴキンッ……!


「も、戻った。なんだこいつ、やべえぞ……!」


「そ、そうだ兄貴ぃ! こいつ、一昨日の試合でやべー活躍したやつっすよ!」


 チンピラBが、青い顔をして俺を指さす。


「あぁ!? 不良が試合なんて見てんじゃねーぞ! おいてめえら、こっちの貴族から金巻き上げるぞ!」


 チンピラ5人が、俺を取り囲んでくる。


「へへへっ! 5対1だぜぇ?」


「え? 1対1だろ?」


 ドサドサドサドサッ!


「なっ!? いつの間に4人をやりやがった!?」


「え、おまえの【経穴ツボ】をついたときのと同時にだけど?」


「ばかな!? あいつらに何かしたそぶり見せなかったじゃねえか! どうやった!」


闘気オーラを針状にして飛ばして、【眠りの経穴ツボ】をついただけだが……こんなの普通にできるよな?」


「でっ、できるか! バケモノかぁてめえっ!」


 額に大汗をかきながら、チンピラAが叫ぶ。


「どうする? お仲間が倒れてるけど」


「し、死ねゴラぁああああああ!」


 チンピラAが、実にとろくさい動きで、大ぶりのパンチをかまそうとする。


 俺は人差し指を立てて、チンピラAの額をつつく。


 トン……。


「なっ!? か、体が動かねえ!」


「筋肉硬直の【経穴ツボ】をついた。そこで少し反省してな」


「てめっ! このっ……! こんのぉ……!」


 チンピラAは顔を真っ赤にして動こうとする。


 だが石像のように硬直したままだ。


「やだぁ、なぁにあの変なポーズ。だっさぁい」


 通行人が、チンピラAを見てあざ笑う。

 確かに片足を上げて、腕を振り上げるという妙なポーズだ。


「て、てめえ覚えてろよぉ! 【オスカ】さんに言いつけてやるからなぁ!」 


「オスカ? まあ1時間もすれば動けるようになるからな。じゃ」


 俺はその場を離れようとしたそのときだ。


「おーぅい、【セルカ】、だいじょぶかぁ?」


「あ! ネルソン先輩!」


【風紀委員】の腕章をつけた、3年生の【ネルソン先輩】がやってきた。


「騒ぎを聞きつけて駆けつけてみれば……なんだ、ユリウス。おまえが片付けたのか?」


「え、なにを? 俺何かしたか?」


 先輩は目を丸くすると、苦笑する。


「この程度のピンチはピンチにならんか。さすがユリウス」


 上級生の先輩から、なんか知らないが感心された。


「うちの後輩を助けてくれてありがとな。こいつ風紀委員のくせに良く絡まれるんだよ」


「うう、めんぼくねーっす……」


 セルカと呼ばれた子は、ペコペコと頭を下げる。


「ユリウス、風紀委員やってみないか? 君みたいな凄腕の素晴らしい人材を私たちは欲してるんだ」


「せんぱいほどの強い人が居れば心強いっす! 一緒に学園の風紀を乱す輩を取り締まって欲しいっす!」


「え、まあ、別にいいけど」

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