ニュースレター 2019 2月
東洋医学は「気」の医学って言われますね。
「気」にはオカルトな、科学的でない響きがあると思いますが、いかがですか?
現代語訳すると、「気≒機能」…といえます。機能とは、つまり、働き。
西洋医学の基礎は「物質」。東洋医学の基礎は「働き」なんです。
物質は、手に取ってみることができる。写真に撮って見せることもできる。わかりやすい!
働きを、手にとって見せる、写真に撮って…それは無理なんです。だからわかりづらい。
東洋医学はそんな分かりづらいものを基礎にして、三千年もの間、理論を発展させてきたのですね。
気は機能(働き)・・・東洋医学の基礎。
物質・・・西洋医学の基礎。じつは、働きってすごくわかりにくいもの。
その端的な例は、脳と心です。脳はもちろん物質。心は・・・脳の働きですね。
働きというものの捉えにくさが、よく分かります。お父さんの似顔絵は描けても、お父さんの働きを示せと言われたら・・・子供は困るでしょうね。
物質は実体があります。それに対して機能は実用です。実用は、実体そのものではない。だから実体がなく抽象的だ、と言われがち。
もう一つ、分かりやすい例を出してみましょう。
砂糖と甘さの関係です。砂糖は実体(物質)、甘さは実用(機能)。砂糖は見ることも触ることもできる。だから、砂糖を知らない人に教えるなら、砂糖の写真を見せればよい。
甘さはそうはいかない。実際になめてみた人でないと分からない。だから伝えにくい。
機能(働き)の捉えにくさは分かりました。
でも、これを「捉えにくい」と言っていたのでは、病気は治せません。そのはずです、ほとんどの病気は、体の働きがおかしくなることが原因なんです。
しかし、残念ながら西洋医学では、この原因にあまり注目しません。むしろ「結果」であるところのモノに重点があります。
機能の異変は、物質(形体・モノ)の異変に帰着します。たとえば、胃にできた癌の塊。これは、体の「働き」がおかしくなったため、引き起こされた結果です。
その他、たとえば、真っ赤な皮膚の炎症。たとえば、気管の炎症。たとえば、関節の炎症。そこにたまった水。
これらは、すべて引き起こされた結果です。しかし、結果だけを改善しても、原因を改善しなければ、いずれ同じ結果になります。
西洋医学が最も得意とする病気、ご存知ですか?たとえばケガ・骨折。たとえば感染症。天然痘はこの世から完全に姿を消しました。
これは、西洋医学の権威を高めた事実の一つにちがいありません。
ここで注目!
感染症の場合、発熱などの「結果」よりもむしろ、病原体という「原因」を取り除いています。原因を解決することが、いかに有効かがよく分かります。
骨折も同じ。痛みと言う「結果」よりも、骨の異常と言う「原因」を取り除いています。
物理的に取り除くことができるものは、西洋医学に任せるべきです。取り除くことの可能なものが、その病気の「原因」なら、効果は絶大です。
その他・・・、たとえば、まだ全身に散らばっていない初期癌。手術で除去できます。これも、西洋医学の得意分野と言えるでしょう。
逆に、西洋医学が苦手なものは?物理的に取り除くことが困難なものすべて。
たとえば全身に転移し散らばった癌。たとえば喘息。たとえばリウマチ。たとえば疲労。たとえば胃弱。たとえば心臓・肝臓・腎臓などの機能不全。
たとえば肩こり。こんな身近なものでも・・・。
肩が凝るからと言って「肩を取り除きましょうか?」とは言えないですよね。
モノ(物質)を相手にしていたのでは、治らない病気がとても多いんです。機能(働き)を良くできなければ、治せない病気。
現代において、治りにくい病気は、すべてこれです。病院は、こうした病気で苦しむ人であふれかえっています。
ずっと同じ病気で治療を受ける、でも、治らない。その病気は、骨折や感染症など、西洋医学が得意とする病気ではありません。
そう・・・。手術できない。取り除けない。
れを治すことができるのは、機能を基礎に置き、機能を改善する医学です。それが東洋医学です。
機能を改善することが、東洋医学の得意分野なんです。
物質を基礎に置くことで治す医学。機能を基礎に置くことで治す医学。どちらも優れています。どちらも科学です。
どちらかが劣っているという考え方そのものが、それこそ劣った考え方です。
物質を基礎に置く西洋医学。機能を基礎に置く東洋医学。どちらも必要です。
ただし、物質は分かりやすく、機能は分かりづらい。西洋医学が繁栄する一方で、東洋医学が医学とすら位置づけされない大きな理由でしょう。
説明が分かりづらい。東洋医学で病気を説明しても、なにを言ってるのやら良く分からない。
ひどい場合、説明する先生自身が、自分で何を言いたいのか分からない。患者さんも、もちろん分からない。当たり前です。機能(働き)というものが、それだけ難しいからなんです。
そこで、東洋医学が、病気のメカニズムを説明するために使っている方法があります。
東洋医学が、病気のメカニズムを説明するために使っている方法があります。それは「たとえ」です。
たとえ話は来月号につづきます。
院 長