マーベロンは「第3世代」「1相性」のピルです。
避妊効果だけでなく、「月経困難症」「月経前症候群(PMS)」「子宮内膜症」などに効果を発揮します。
男性ホルモンの作用がピル中最も少なく、「大人ニキビ」の改善効果があります。
ジェネリックに「ファボワール」があります。
マーベロンとは?
「マーベロン」は、第3世代のピル(経口避妊薬)です。
ジェネリック(後発医薬品)に「ファボワール」があります。
大人ニキビの改善に効果が高く、他のピルでは対ニキビの効果が現れだすのは、飲み始めてから3ヶ月後くらいですが、マーベロンは1ヶ月で効果が見込めるそうです。
体内で生産されたり、ピルで補ったりする女性ホルモンには「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」があります。
ピルでは卵胞ホルモンに「エチニルエストラジオール」を使いますが、黄体ホルモンは世代ごとに使う成分が異なります。
第3世代のマーベロンでは黄体ホルモンに「デゾゲストレル」が使われています。
世代ごとの成分
| 世代 | 卵胞ホルモン | 黄体ホルモン |
|---|---|---|
| 第1世代 | エチニルエストラジオール | ノルエチステロン |
| 第2世代 | レボノルゲストレル | |
| 第3世代 | デゾゲストレル | |
| 第4世代 | ドロスピレノン |
第3世代である「マーベロン」とそのジェネリック「ファボワール」は、男性ホルモンの作用が最も少ないため、ニキビ改善に優れた効力を持つのが特長です。
もちろん避妊効果も万全で、正しく使えば99.9%の避妊効果が得られます。
マーベロンの避妊効果の仕組み
まず第一に、マーベロンを服用すると排卵が起きません。
低用量ピルで、少ない女性ホルモンを取り入れることによって、排卵後に似たようなホルモンバランスを作ると、身体が排卵を行わなくなります。
これがマーベロンはじめピルの避妊効果を支える作用の一つ目です。
第二に、「子宮内膜を着床しにくい状態にする」ことが挙げられます。
普通の状態では、卵胞ホルモンが子宮内膜を厚くし、次の段階として黄体ホルモンが柔らかい子宮内膜にします。
ピルを飲むと、最初に黄体ホルモンが作用するため、子宮内膜が十分育たず、万一受精卵が来ても着床しにくくなります。
三番目として、「精子の子宮への侵入を妨げる」という効果があります。
黄体ホルモンによって子宮頚管の粘性が高まり、精子が子宮に到達しにくくなります。
この3つの作用により、ピルは避妊効果が出ることになります。
マーベロン21・マーベロン28の飲み方
どちらも、28日間の1周期で1シートを使い切ることになります。
マーベロン21では、21日間連続服用して、7日間休薬期間を設けます(薬を飲みません)。
マーベロン28では、同じく21日間連続服用して、最後の7日間はプラセボ(偽薬)を飲みます。
これは毎日の服薬の習慣を続けることによって飲み忘れを無くそうという配慮です。
有効成分は何も入っていませんので、身体への影響としてはマーベロン21とまったく同じです。
飲むタイミング
毎日の服用は、必ず同じ時間帯にしてください。
同じ時間であれば何時に設定しても構いません。
夜寝る前が一番忘れにくいと思いますが、アルコールを過度に飲む方はマーベロンを飲むのを忘れてしまったり、吐いてしまったりということも考えられますので、それが想定される方は朝の方がよいかもしれません。
とくに吐いてしまった場合は問題で、マーベロン服用後2時間以内に嘔吐したり、激しい下痢をおこしたら、十分に成分が吸収されません。
その時は1錠追加して飲む必要があります。
なお、アルコール自体はマーベロンの効果に影響はありません。
マーベロンのシートを始めるのは、基本的に生理第1日目になります。
飲み忘れたときは?
24時間以内(翌日まで)に気づいた場合
24時間以内に気づいた場合、気づいてすぐに1錠を飲みます。
その次の錠剤は予定通りに飲みます。
1日2錠飲むことになりますが、問題ありません。
24時間以上経過している場合
残りのシートの服用を中止し、次の月経を待ちます。
月経初日から新しいシートで再開します。
再開するまでは避妊効果は得れませんので、コンドームなど他の避妊方法を使ってください。
最初の1錠の飲み忘れ
つまり、生理初日に飲めなかった場合です。
この場合、排卵が行われることがあるので、注意が必要です。
生理初日に服用した場合、その日から避妊効果が得られます。
ですが、初日に飲めなかったら、それからの1週間は避妊効果が得られません。
コンドームなど他の避妊法を併用してください。
マーベロンの副作用
マーベロンの飲み初めには「吐き気」「嘔吐」の副作用が10~25%の確率で起こります。
ホルモンバランスの変更に身体が慣れていないためこのような症状が出ます。
これは、ほとんどの場合、飲み続けていく上で解消されていきます。
だいたい2シート目に入るころには治まることが多いです。
不正出血を起こすこともあります。
不正出血とは、生理時(マーベロン服用中は消退出血時)以外に出血することを言います。
大量の出血があったり、おりものに血が混じっている場合なども不正出血です。
重大な病気が潜んでいることもあるのですが、マーベロンを初めての2~3周期に起こる分にはあまり気にしなくても大丈夫です。
4周期目を超えても不正出血が起こる場合は、3相性ピルである「トリキュラー」に変えてみるのもいいかもしれません。
抑うつ感を感じることも副作用としてあり得ます。
あまりにもつらい場合は抗うつ剤などを服用することもよいかもしれませんが、マーベロンに限らず、ピルとの併用が禁忌となっている抗うつ薬があります。
「三環系抗うつ薬」と呼ばれる系統の薬です。
ただ、抗うつ薬には他の系統の薬がいくつもありますので、マーベロンを飲んでいる旨医師に伝えてから処方してもらいましょう。
マーベロンを飲むと太る?
結論から言うと、ピルの直接の作用が太る原因になることはありません。
しかし、いくつかの要因でいくらか太りやすい状況はあるようです。
一つ目は「むくみ」です。
マーベロンに含まれるエストロゲンは、腎臓からの塩分排出を妨げる作用があります。
塩分が溜まると、それを薄めるため、水分を抱き込みます。
そのため、溜まった水分量だけ体重が挙がります。
二つ目は、エストロゲンは女性らしい体を作ります。
乳房や腰回り、太ももなど、女性的な脂肪をつける作用があります。
これを「太った」というべきなのかどうか難しいところですが、脂肪がつきやすくなるという傾向はあります。
三つめは、マーベロンの黄体ホルモン「デゾゲストレル」の影響で食欲が増えることがあります。
これは黄体ホルモンの持つアンドロゲン作用(男性化作用)によるものです。
ただ、マーベロンの採用している黄体ホルモン「デゾゲストレル」は他の世代の黄体ホルモンより男性化作用が弱いため、食欲増加は少ないと考えられます。
しかし、これら作用は服用開始から長くとも3ヶ月もすれば体が慣れて、むくみや体重増加は落ち着いてくる場合がほとんどです。
血栓症のリスクとタバコ
発生頻度は少ないですが、重篤な副作用として「血栓症」があります。
ピルの服用をスタートして最初の周期に起こる確率が高いと言われています。
血栓症とは、血管の中に血の塊ができ、血管が詰まってしまうことです。
血栓のできた部位が脳や肺の場合、最悪命にかかわることもあります。
血栓は足の血管にできることが多く、ふくらはぎの痛みやむくみがサインとなります。
肺に血栓ができた場合痛みや息苦しさを感じます。
血栓症はしかるべき処置を行えば完治する症状です。
「何かおかしいな…」と思ったら、すぐに医師に相談して検査を受けてみてください。
マーベロンとの飲み合わせが良くないもの
身近なものでは、風邪薬や鎮痛解熱剤の有効成分の一つである「アセトアミノフェン」は、マーベロンと同時期に飲んではいけません。
鎮痛解熱剤には他にもいろいろな選択肢があるので、それを使ってください(ロキソニン・イブプロフェン・アセチルサリチル酸など)。
精神系の薬では「三環系抗うつ薬」「フェノバルビタール」が挙げられます。
この系統以外の薬を使ってください。
ペニシリン系・テトラサイクリン系の抗生物質も併用禁忌。
抗生物質は他にも様々な系統がありますので、医師にマーベロンを服用していることを伝えておけば、しかるべき薬を処方してもらえます。
サプリメントでは気分障害に使われる「セントジョーンズワート」もマーベロンと同時には使えません。
ほかにも、「ステロイド」「血圧降下剤」「結核治療薬(リファンビシン)」「てんかん薬(ヒダントイン系製剤・トピラマート)」「HIV治療薬の一部」なども注意が必要です。
まとめ
マーベロンは第3世代1相性のピル(経口避妊薬)です。
避妊目的だけでなく、「月経困難症」「月経前症候群(PMS)」「子宮内膜症」などの治療にも大いに効果があります。そして、ニキビ治療に最適なピルとしても定評があります。
女性の性の悩みや、ピルについて詳しい。通称ピル先輩。
相談事には優しくのってくれ、時には厳しいことも言ってくれるため
周りの女性からの信頼が厚い。