家入レオ -大事だと思えたものを守りたいと願う、ただ純粋な気持ちがアルバム制作の原動力

家入レオ - 大事だと思えたものを守りたいと願う、ただ純粋な気持ちがアルバム制作の原動力

家入レオ

子供と大人の狭間で揺れ動く、微妙な心理状況を見事に指したネーミング・センスしかり、今現在の家入レオのこだわりが凝縮された2ndアルバム『a boy』。本作に込めた想いを語ってくれた。

INTERVIEW & TEXT BY 恒川めぐみ


きれいな歌ばかりを作って“大人になりました”って言うのは、すごく薄っぺらい気がした

──2作目のオリジナル・アルバム『a boy』が完成しましたね。もっとも成長できた部分を挙げるなら、どんなところでしたか?

家入レオ 前作の1stアルバム『LEO』からもう一歩、成長して大人になろうと思って作ったアルバムなので、その心構えという想いがいちばん違うんじゃないかなと思います。大人に対する葛藤を歌った『LEO』をリリースした後のライブ・ツアーを回ったとき、最初は怖くて……ライブってフィルターなしでダイレクトにお客さんからの反応が返ってくるので、自分をさらけ出して大丈夫なのかな? って。でも、ギュッと閉じていた目をそっと開けるとステージの向こう側に私の想いを受け止めてくださる人たちがたくさんいて。生まれて初めて心が震えた気がしましたね。“私、この景色を守っていきたい”って強く思いました。その大切にしたいものをしっかり抱きしめられる大人になろうと決意して、今回『a boy』というアルバムを作ったんです。

──溢れる感情をただ吐き出すのではなくて、客観的にじっくり自身と対峙して音楽に落とし込んでいる、という印象を受けました。

家入 「Free」「Kiss Me」という2曲は、このアルバムのなかでも特に感情的だと思うんですけど、私は大人になることってきれいなものばかりを受け入れることではないと思うんですよ。きれいな歌ばかりを作って“大人になりました”って言うのは、すごく薄っぺらい気がしたんですね。きれいな部分も汚い部分も両方あって大人だと思うので、何も包み隠さず、感情をストレートに吐き出した曲もアルバムに詰め込みたくて。

──優しくメッセージを投げかけることで、その気持ちを表現した曲も多く収録されていますよね?

家入 表題曲の「a boy」は特にそうですね。大人になろうと思った瞬間に、子供だった自分を客観的に見られるようになったんです。前までは“欲しい”と思ったものが与えられないときは、自分の努力が足りないからじゃなくて、全部周りのせいだって思っていたんですね。なのに、見放されるのが嫌だから、自分を壊すことの繰り返しで。本当にただの子供だったんですけど、その当時の自分がかけてほしかった言葉、本当は寄り添ってほしかったという気持ちを、自分と同じようにもがいている人、そして過去の自分に伝えられたらいいなと思って作った曲です。

今は孤独は神様からの最大限の愛なんだって思えるようになった

──このタイトルにしたのはなぜ?

家入 大人になろうと決意している今の状態は、もちろんまだ大人にはなりきれていないし、子供でもない。その中間の時間をなんて表現すればいいんだろう? と思ったんですね。アダルトでもチルドレンでもないし……(笑)。そのときに、声変わりの時期とリンクするなって気づいたんですよ。声変わりする前の男の子って、そのときがくるのは明日かもしれないし、1年後かもしれないし、5年後かもしれない。自分でそのタイミングを選ぶことはできないけれど、「いつ来てもいいですよ」ってドッシリ構えている横顔が、すごく切なくも凛々しく思えるんですね。私もまだ大人にはなりきれていないけど、いつ、その扉が目の前に来てもいいように待ち構えていますよ、という意思表明をこのタイトルに込めています。あと、私の声は「少年っぽいね」と言われることも多いので、それもあって(笑)。

──もしかして、『a boy』の“a”にも特別な想いが込められていたりしますか?

家入 はい。昔は、神様はどうして人間を孤独に創ったんだろう? って思っていたんです。だから、希望のある曲なんて歌えなかったんですけど、今は孤独は神様からの最大限の愛なんだって思えるようになったんです。もし、ひとつの体にふたつの命が宿るのが普通の世界だったら、何も努力しなくても隣にいてくれる人がいるから寂しさも感じないですよね。寂しさを感じないということは、愛も感じないということなので。私はひとり、人間はひとり=“a”だって逃げずに受け入れられたからこそ、いろいろなことに気づけたり、今も音楽を作れている気がします。

──「希望の地球(ほし)」という曲も生まれましたしね。見ている未来の距離が1stアルバムのとき以上にずっと先を見据えている気がしました。

家入 そうですね。今まで音楽という形にするのを恐れていた“希望”や“愛”というものに、私自身が希望を持ち始めているのもそうだし(笑)、表現したいことの世界観が広がったからかもしれません。以前はすぐ目の前のことしか見られないぐらい、自分のことで精いっぱいだったんですけど、狭い世界にいるのはもう嫌なので、今はもっとたくさんの人に出会いたいと思うようになれました。「Time after Time」という曲でも描いているんですけど、これからは私が皆さんから与えられるだけじゃなくて、少しでも与える側に立てたらいいなと思います。そして、誰かの側に落とし穴があったときに、その人に気づかれないようにその穴を埋めて、何も言わずに帰ってくる。そんな静かで強い大人になりたいです。

リリース情報

2014.02.19 ON SALE
ALBUM『a boy』
Colourful Records

J-140215-YS001[初回限定盤/CD+DVD]¥3,400+税 
J-140215-YS002

[通常盤/CD]¥2,900+税

  1. Lay it down
  2. 太陽の女神
  3. a boy
  4. Too many
  5. Message
  6. Time after Time
  7. チョコレート (Album ver.)
  8. Free
  9. イジワルな神様
  10. Kiss Me
  11. カーニバル
  12. 希望の地球
  13. Papa & Mama
  14. 君に届け 

【DVD】

  1. 君に届け(Music Video)
  2. a boy(Music Video)
  3. SELECTIONS from 2nd ワンマンTour~Kimi ni Todoke~(Second Dream / 太陽の女神 / サブリナ / ミスター / Message / キミだけ)

特典映像:「君に届け」Music Video(マルチアングル)

ライブ情報

家入レオ 3rd ワンマン Tour ~a boy~
03/01(土)神奈川・横浜ランドマークホール
03/02(日)静岡・SOUND SHOWER ark
03/08(土)宮城・仙台Rensa
03/09(日)新潟・新潟LOTS
03/15(土)北海道・札幌PENNY LANE 24
03/21(金)熊本・DRUM Be-9 V1
03/22(土)宮崎・宮崎WEATHER KING
03/29(土)香川・高松オリーブホール
03/30(日)広島・広島クラブクアトロ
04/05(土)埼玉・三郷市文化会館
04/13(日)大阪・オリックス劇場
04/19(土)福岡・福岡市民会館
04/20(日)愛知・愛知県芸術劇場大ホール
04/26(土)東京・NHKホール

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