映画『ラストレター』あらすじ・ネタバレ・感想。福山雅治vs松たか子vs岩井俊二が描く“死と再生”物語。“手紙”の錯綜が描くノスタルジー。

映画『ラストレター』あらすじ・ネタバレ・感想。福山雅治vs松たか子vs岩井俊二が描く“死と再生”物語。“手紙”の錯綜が描くノスタルジー。2020年公開

映画『ラストレター』のあらすじ・ネタバレ・解説・感想・評価から作品概要・キャスト、予告編動画も紹介し、物語のラストまで簡単に解説しています。

映画『ラストレター』公式サイトにて作品情報・キャスト・上映館・お時間もご確認ください。

YouTubeで予告映像もご覧ください。

映画『ラストレター』公式サイト
2020.1.17ROADSHOW. 『Love Letter』『スワロウテイル』『花とアリス』の岩井俊二監督最新作!出演:松たか子 広瀬すず 庵野秀明 森七菜 神木隆之介 福山雅治
映画『ラストレター』特報2【2020年1月17日(金)公開】

『ラストレター』(121分/G/日本/2020

【監督】
岩井俊二
【製作】
市川南
【出演】
松たか子
広瀬すず
森七菜
神木隆之介
福山雅治
豊川悦司
中山美穂
庵野秀明

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映画『ラストレター』のオススメ度は?

3.5

3つ半です

相変わらず岩井節が炸裂しています

福山さんのダメっぷりが良い

松たか子さんは絶品です

注目は森七菜さんです

そして圧巻は豊川悦司さんです

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映画『ラストレター』の作品概要

『ラストレター』は、2020117日に公開の日本映画。岩井俊二監督作品。主演は松たか子。福山雅治、広瀬すず、森七菜、豊川悦司、中山美穂らら共演。SNSが普及して手紙というやりとりが困難な時代にあえて、手紙を通じて人間関係と自身の成長を築いていく人間成長物語。死と再生のテーマ。

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映画『ラストレター』のあらすじ・ネタバレ

姉が死んだ。自殺。岸辺野裕里(松たか子)颯香(森七菜)と参列している。姉・未咲の娘の遠野鮎美(広瀬すず)は実家の両親が面倒をみることになった。 颯香は夏休みの間、鮎美と過ごすために残る。死んだ姉に同窓会の知らせが届く。裕里は同窓会へ行き、姉の死を伝えようとするが、姉に間違われて言い出せない。帰宅する裕里に声をかける男。高校時代の初恋の乙坂鏡史郎(福山雅治)だ。今は売れない小説家。裕里の心はざわつく。連絡先を交換するが、、、、。後日、二人は手紙を書くことで過去と対峙するようになる。一方、祖父母の家で暮らす鮎美と颯香の元にも手紙が届くようになる、、、。

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映画『ラストレター』の感想・評価・内容・結末

岩井俊二はやっぱり岩井俊二だった

岩井俊二監督最新作です。

最初はどうなるかと思って観ていましたが、最後はキチッとまとめてくれて良かったです。

個人的に過去に想いを巡らせて生きている人たちが嫌いなのです。

もちろん映画ですからそういう展開もありなのですが、あまりにも女々しくなってしまうのもどうかなあっと感じるのです。

まず同窓会に出席というのが良くあるパターンで、嫌な感じがしました。

でも、最後は納得の行くエンディングでした。さすが岩井監督です。

同窓会で再会という設定はイマイチだと感じる

同窓会ってロクなことがありません(私は絶対に行きません)

高校時代に好きだった人に会って焼けボックリは起きるし、過去の馬鹿話に花を咲かせるだけで、未来を語れない人たちばかりです。

それで自分を慰めるのは良いのですが、建設的な何かは得られないと思うのです。

逆に面倒なことを抱え込むのがオチです。

ですから本映画『ラストレター』のこの設定だけは今も違和感を覚えます。

ましてや田舎の高校を出て、すぐ近くに住んでいるのですから、姉が亡くなった事実はあっという間に伝わります。

そこが何とも言えないのです。

また姉の代わりに同窓会に出席しますが、それもバレるでしょう。

これは震災後の物語なのだと気が付いた

上記のようにツッコミを入れながらの鑑賞ですが、はたと気がついたのです。

岩井監督はこの数年、震災関連に一生懸命尽力してきました。

震災で多くの人が亡くなり、自分たちが戻る場所を失くした人を多く見てきたと思います。

震災で人々は引き裂かれ、故郷を離れなくてはいけない境遇の人もいると思うのです。

人との距離を希薄にしたのは人間ではなく震災だったのです。

そういったバックグラウンドを考慮しながら観ると実に説得力のある映画だと感じたのです。

同窓会を開きたくてもできない人たちがいます。

25年前の思い出話をできない人たちもいます。

岩井監督は映画でその悲劇をスッと挿入しているのだと感じました。

死をテーマにした重厚なラブストーリー

この映画は『ラストレター』はのテーマとても強いラブストーリーです。

一人しか死んでいません。

遠野未咲(広瀬すず)だけです。

冒頭から葬式の場面ですが、皆はあまり悲しそうな顔をしていません。

なぜか気になりました。

物語が進んでいくと未咲が亡くなった理由は精神的な原因から自死したことがわかります。

皆が悲しそうな顔をしていないのは覚悟もあったからだと思いますし、死因を周囲の人たちに隠す為でもあったからです。

終盤に鮎美がそのこと問います。

「母は自殺でしした。でも病死となっています」続けて「なぜ自殺したことを隠すのでしょうか、真実であるなら正直言えばいいと思う」です。

この言葉はズシと胸に響きました。

死は隠す必要がない

おそらくですが、岩井監督の周囲に起きた事実も入れ込んでいると思います。

そして震災関連で亡くなった人たちの中に自死した人も多くいるという事実を伝えているのではないかと想像しました。

と言いながら先に挙げた妹が同窓会へ出席した時に姉の死を伝えなかったために物語が紡がれると矛盾に合います。

もし正直に伝えていれば乙坂鏡史郎(福山雅治)も成長への糸口が見えなかったからです。

ですから映画は姉の死を伝える前と伝えた後の暗転の仕方が絶妙に感じました。

福山雅治さんは終始ジメッとした男を演じていた

この映画『ラストレター』は終始、ジメッとした空気感を出している乙坂鏡史郎(福山雅治)に苛立ちを覚えるのも事実です。

もうかれこれ25年前の初恋の女性をずっと思い続けている男です。

気持ち悪いです。

しかも彼女の小説を書いて出版しますが、以後、全く書けません。

「そりゃ、そうだよ」ってツッコミを入れてしまいます。

経験が浅いからです。

未咲だけしか知らない男の世界観なんてたかが知れています。

そのことを衝撃的に告げる男が現れます。

阿藤陽市(豊川悦司)です。

強烈なキャラクターです。

酒飲み、暴力、職業不詳、ヒモみたいな男です。そして彼は女に苦労していません。

豊川悦司演じる阿藤陽市って男は実際にいるようなキャラ

乙坂鏡史郎(福山雅治)が「あんたは何者ですか?(なぜあんたに未咲が惚れたのかわからない)」と問います。

阿藤は余裕しゃくしゃくで答えます。

「未咲の人生にお前など全く影響を与えていない。次に小説書くときは一人称で書くな!」です。

これは強烈です。

こういう男は人生を語れるのです。

だから未咲もサカエ(中山美穂)も惚れるのです。

鏡史郎はまったく癖もなく、男臭さもありません。

打ちのめされて帰路につく鏡史郎の後ろ姿が良かったです。

乙坂鏡史郎(福山雅治)は成長できたのか、、、

さて、映画『ラストレター』は一応はハッピーエンドで終わります。

母を亡くした鮎美にも暗さはありません。

初恋の人に再開した裕里もハツラツとしています。

娘の颯香も新学期を迎える覚悟をしています。

さて、鏡史郎は?となると微妙です。

思い出探しで写真を撮りためて手作りのアルバムを作り、裕里に渡しました。

でもその表情はやっぱり過去を引きずる男のままでした。

予告の中にあった「君にまだずっと恋してると言ったら信じますか?」そのままに生きる男だと思います。

*女々しいという言葉がありますが、女の人は過去をきっちり清算する人が多いと思いますので、これは男々しいと書いてめめしいと読んだ方が良い気がします。

*乙坂鏡史郎が未咲に恋する瞬間が絶妙でした。稲妻が心を突き抜けた感が出ていました。しかしその後、「ヒグラシ」が鳴いていますが、違和感を覚えました。ヒグラシは主に山あいの夕暮れから泣くことが多いです。場面は割と街中です。まだ明るかったし、、、。

*高校名が“仲多賀井”とバス停が“八乙女”の意味は?

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映画『ラストレター』のキャストについて

岸辺野裕里(松たか子)

元気でユーモアのある母親。夫も娘も大事にしている。図書館司書として働いているという設定です。松さんは本当に清潔感があって好感が持てる役者さんです。本作では姉を自殺で亡くした妹で、優しいお母さんを演じていますが、俗にいうおばちゃんモードがないのが良かったです。こういう母親像に憧れる人も多いのではないでしょうか。サバサバしていますし、でも少しだけ少女らしさを内包しているのですが、やっぱりあの声が素晴らしいのです。松さんの声を「聞かなければ!」って反応してしまうのです。

乙坂鏡史郎(福山雅治)

売れない作家。過去の初恋の女性に思いを寄せるちょっとキモい男を演じています。正直、福山さんのカッコ良さが邪魔して説得力がないんですよ。「こんなカッコいい男は羽ばたける」って勝手に思っちゃって。でも前作の『マチネの終わりに』よりは断然、良かったです。あれは酷かった。今回はジメッとしたというか、ネチャっとした男を演じていますが、ボーッと表情でうまく出していたと思います。ヒゲも少しは似合っていました。ただ最後に裕里と握手する場面で手のひらがアップになりますが、長い爪が気になりました。たぶん『マチネの終わりに』の撮影もあったからでしょうが、ちょっと不潔感があって。

遠野鮎美/遠野未咲(高校生時代)広瀬すず

母が自殺して祖父母に引き取られる可哀想な女子高生を演じています。この多感な時期に母が自殺すると深く傷ついて塞ぎ込んでしまうと思うのですが、逆に普通にしていることで同乗させてくれました。もう一つは母親の若かりし頃の役ですが、こちらは活発的で元気な少女をうまく演じていたと思います。広瀬さんの声はとても特徴があります。引きずるように聞こえてきます。低音で下から上がってくるというか。背中を撫でるように染み入ってきます。今回では特に鮎美の役の方で強く感じました。今後、謎めいた役柄に挑戦して欲しいです。

岸辺野颯香/遠野裕里(高校生時代)森七菜

裕里の娘と高校生時代を演じています。姉に恋しる片思いの少女です。明るいですね。この映画『ラストレター』で一番注目した女優さんです。とても素晴らしい。フワンフワンしています。宙に浮いているような感じです。嫌味感が全くないのです。存在感も素晴らしいです。喜怒哀楽の演技が抜群でした。特に乙坂鏡史郎に告白して振られる場面とかはこちらも胸が痛くなりました。その時は地に足をしっかりと付けてくるので尚更惹かれました。今後、期待したいです。

乙坂鏡史郎(高校生時代)神木隆之介

高校時代の乙坂鏡史郎を演じています。転勤族の息子で人とのコミュニケーションが苦手という設定でした。いじめとかあったのでしょうか。人との距離感の取り方がうまく出ていたと思います。純粋で朴訥な演技がのちの福山さんに繋がったと思います。ただ、まさか過去を引きずる男に成長するキャラになるとは思いませんでした。

阿藤陽市(豊川悦司)

鮎美が結婚した男。何をしているのかわからない素性です。酒飲みで粗暴も悪く、妻子に暴力を振るう男です。この映画『ラストレター』の中で最も重要な役だったと思います。豊川さんの演技は圧巻です。本当に迫力がありますし、説得力がある演技でした。出番は少ないですが、この映画『ラストレター』を支配してしまった一瞬でした。相対する福山さんの演技も良かったです。「俺は魅力のない男だ」という背中が印象的でした。でもそれを引き出したの豊川さんだと思います。

サカエ(中山美穂)

阿藤陽市の内縁の妻を演じています。男がいないとダメな飲み屋のママです。ちょっと疲れているというか、誰かに尽くしていないとダメな女感を見事に出していたと思います。 中山美穂さんの痛い痛い感が妙に現実味がありました。

岸辺野宗二郎(庵野秀明)

裕里の夫の漫画家です。ぶっきら棒な感じが良かったです。

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まとめ 映画『ラストレター』一言で言うと!

「行けば焼けボックリ同窓会」

モラルある行動を心がけましょう。数十年ぶりに再会したあの人はと期待しますが、大抵は幻滅するものです。自慢、ボヤキ、同情は禁物です。いま愛する人のことを頭に入れておきましょう。

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合わせて観たい映画

【福山雅治さん出演映画】

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確かにカッコいいギタリストですが、、

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映画『ラストレター』の作品情報

映画.comより一部引用
スタッフ・キャスト
監督
岩井俊二
原作
岩井俊二
脚本
岩井俊二
製作
市川南
共同製作
岩井俊二 千葉伸大 杉田成道 村松俊亮 宮崎伸夫 広田勝己 森田圭 舛田淳 長谷川晋一 永田勝美 吉川英作 林誠 石垣裕之 田中祐介
エグゼクティブプロデューサー
山内章弘
企画
川村元気
プロデュース
川村元気
プロデューサー
水野昌 臼井真之介
撮影監督
神戸千木
美術
都築雄二 倉本愛子
スタイリスト
申谷弘美
編集
岩井俊二
音楽
小林武史
主題歌
森七菜
主題歌(作詞)
岩井俊二
主題歌(作曲)
小林武史
キャスティング
田端利江
プロダクション統括
佐藤毅
岸辺野裕里(松たか子)
遠野鮎美/遠野未咲(高校生時代)広瀬すず
岸辺野宗二郎(庵野秀明)
岸辺野颯香/遠野裕里(高校生時代)森七菜
波戸場正三(小室等)
岸辺野昭子(水越けいこ)
遠野純子(木内みどり)
遠野幸吉(鈴木慶一)
阿藤陽市(豊川悦司)
サカエ(中山美穂)
岸辺野瑛斗(降谷凪 )
郵便局員(矢部太郎)
乙坂鏡史郎(高校生時代)神木隆之介
乙坂鏡史郎(福山雅治)
2020年製作/121分/G/日本
配給:東宝

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