「パブリッククラウドサービスのAmazon Web Services(AWS)を使っているITエンジニアが、オンプレミス環境でもAWSライクに開発・運用したいというニーズに応えられる」。AWSのオンプレミス版と位置づけられるアプライアンス製品「AWS Outposts」のメリットについて、アマゾン ウェブ サービス ジャパンの瀧澤与一 技術統括本部 レディネス&テックソリューション本部 本部長はこう話す。

 2019年12月に正式リリースとなったOutpostsは、米アマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services)が設計したハードウエアにAWSの一部サービスを実現するソフトを搭載し、顧客のオンプレミス環境に設置して用いる。ハードウエアやサービスの管理や監視、運用はAWSがリモートで行う。顧客企業のITエンジニアはAWSと同じAPIやツールでOutposts上の仮想マシンやコンテナ、ストレージなどを操作可能だ。

 IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)/PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)のシェアで首位を走るAWS。最終目標は「全てのシステムをAWS上で動かせるようにする」ことにある。言い換えれば、顧客企業のIT基盤を「総取り」する戦略である。その実現に向けて、新サービスの提供や機能改善をたゆまず続けてきた。

 ところが現状は総取りから程遠い。多くの顧客企業はオンプレミス環境からクラウドに全面移行するのではなく、オンプレミス環境を使い続けている。

 オンプレミス環境からクラウドへの移行状況を見ると、特に基幹系システムの移行の足取りが、AWSの想定以上に鈍い。だから、「AWSを使いたいが何らかの理由でAWSが使えない」ユーザーに向けたオンプレミス版AWSを投入する必要があった。

 Outpostsの登場はIT基盤の市場に大きな衝撃をもたらす。AWSがオンプレミス環境に踏み込み、総取り戦略のギアを上げてきたからだ。

AWS Outpostsの外観
(出所:アマゾン ウェブ サービス ジャパン)
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