東京・池袋で4月、乗用車が暴走し母子が死亡した事故で、警視庁は12日、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで、運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(88)を書類送検した。約7カ月に及ぶ捜査で車の機能に異常はなく、運転操作ミスが事故原因と判断した。
高齢者の自主的な運転免許返納が急増するなど社会問題化した事故は節目を迎えた。今後は東京地検が起訴に向けた詰めの捜査を続ける。
警視庁は飯塚元院長の認否について明らかにしていない。捜査関係者によると、飯塚元院長はこれまでの事情聴取に「ブレーキとアクセルを踏み間違えた可能性もある」などと説明していた。
事故は4月19日昼に発生。飯塚元院長の車が赤信号を無視して横断歩道に突っ込み、自転車に乗っていた松永真菜さん(31)と長女莉子ちゃん(3つ)が死亡し、8人が重軽傷を負った。飯塚元院長と同乗の妻もけがを負った。
飯塚元院長の車は時速90キロ台後半で、死亡した松永さんと莉子ちゃんをはねた横断歩道に突っ込んでいた。
松永さんの夫は記者会見で妻子の写真を公開して事故の悲惨さを訴え、再発防止を呼び掛けてきた。9月には飯塚元院長への厳罰を求める約39万人分の署名を東京地検に提出している。書類送検を受けて12日午後、改めて会見する予定。
東京都内では運転免許の自主返納が増え、事故翌日の4月20日から半年間で昨年同期比約1・8倍の3万6986人となった。今年の返納者は10月末までで5万3690人に上り、既に1年間の過去最多を更新。うち約8割は70歳以上という。