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モブから始まる探索英雄譚 作者:海翔
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第47話 エリアボス戦

『鉄壁の乙女』の効果範囲の内で瞬時に指示を出す。


「ルシェ、右側のオーガに『侵食の息吹』を頼む。」


そう言いながら俺はオーガに向かってボウガンを連射。


「ギャウワー!、グウギャワー!!」


矢はしっかり刺さっている。物理攻撃は有効のようだが、決定打とはまだなっていないようだ。

的が大きいので当てるのは容易だが、とにかくデカくて筋肉の塊のようだ。刺さっても奥まで突き抜けてはいない。


更に追撃で5連射。確実に効いている。


となりのオーガは「グギャー!! ウギュルエー、グゥワアー!?」


かなり怒り狂ったような声を上げている。『侵食の息吹』の効果があるにはあるようだが、こちらも、かなりレジストされているようで、本来の効果を発揮していない。

この時点で、もはやルシェは攻撃要員としては機能しない。

後、可能性があるのは俺自身とシルの 神槍ラジュネイト だ。

俺の物理攻撃が効いているので、おそらくシルの神槍なら倒せる。

しかし、シル1人でオーガ2匹は同時には相手に出来ないし、たとえ1匹だとしても発動まで俺が盾役をこなさなければならない。

それは、つまりどちらか1匹は俺が倒さないといけないという事だ。


考えを瞬時に整理して再度、ボウガンを連射して急所を狙う。

次々に矢は刺さっていき、かなりダメージを蓄積させたように見えるが


「まずいな・・・」


ボウガンの矢は普段20本持ち歩いているが既に15本まで射出してしまっている。

残り5本で確実に倒さなければならないと思い、オーガの頭を狙って連射する。

腕で防がれながらも


「グゥギャー!!!」


オーガの右目に命中した。


「やったか?」


相当ダメージがあるのは間違いない。

しかしまだ消失には至らない。


「やばい・・・」


ついに矢のストックが切れた。

この巨躯相手にタングステンロッドで肉弾戦はきつい。というより無理だろう。


となると、あとはウォーターボールしかない。

そもそも効果があるかはわからないが、俺のウォータボールは物理的に氷の玉をとばす。

単純な物理攻撃に近い。可能性はある。


現在の俺のMPは27 およそ6発分だ。

この6発に全てをかける。


『ウォーターボール』


オーガの頭を狙って放つ。


「ドガッ!」


俺が魔法を使うと思っていなかったのか、ボウガンとは違うスピードで向かってくる氷に反応が遅れ、頭に直撃して、オーガの頭がのけ反った。


「いける!」


あれほどの耐性をシルとルシェのスキルには発揮したが、俺のウォーターボールは、もろにダメージが通っている。

続けて2発を放つ。 「ウォーターボール」「ウォーターボール」


「ガンッ ドガッ!」


確実に効いてグロッキーだがまだ消失に至らない。

単純に威力が足りない。

あと3発・・・


「やるしかないっ!」


ウォーターボールの特訓を思い出せ。大きさは変えれなかったが、形は変えれた。

それならこの氷玉も元は水玉。

形を変えれるはずだ。

水の時は変えても意味はなかったが、氷になった今なら・・・

とっさに俺は


『ウォーターボール』を唱え


形をイメージする。

イメージするのは槍の穂先。

先端を極限まで鋭利に尖らせ放つ。


「グサッ」


見事にオーガの頭に刺さった。

間髪入れずに2発目を放つ。


「グサッ!!」


今度もうまく刺さった。

刺さったと同時にオーガがようやく消滅した。


やった!

やってやった!


ついに俺がオーガを倒した。

俺史上最高の偉業を達成してしまった。

喜びで飛び跳ねたくなる衝動を抑えてもう1体のオーガを見る。


「グヤyジュヤー ウgヤグrゥアー グゥアー」


先ほどよりも、精神錯乱は進んでいるようだが、寧ろ凶暴性が増しているようにも見える。

いずれにしてもこのままでは消失するよりも先に『鉄壁の乙女』の効果が切れる。

俺は疲労感をアドレナリンで消し、覚悟を決めて2匹目に向かっていった。

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