宮崎あおい結婚考
私は“女優”宮崎あおいのファンである。
女性としてはそんなに好きな顔ではないがファンである。
私の好みはご承知の通り、ヤグチみたいなちょっとキャバい顔だったりするのだが、そんなことはどうでもいい。
彼氏ができて以来たかやまひろふみ氏はどうでもよくなっている様子だが、彼が命名した(というかパクった)「選ばれし神の子」という宮崎あおいの代名詞があるが、私はいまだそれを超える適切な言葉は無いと思っている。選ばれし神の子・宮崎あおい。そういや、ペンクロフ氏もどうでもよくなってるみたいだ。お前らどうかしてるぞ。
選ばれし神の子・宮崎あおいの今回の結婚、私は大変好感が持てる。
数々の男どもと浮き名を流すわけでもなく、出来ちゃった婚でもなく、ものすごく話題性があるわけでない。ぶっちゃけ地味っちゃ地味なんですが、すごく自然体だと思う。
とっても彼女らしい。
これは以前も書いたことがあるが、選ばれし神の子・宮崎あおいの演技はとても自然なのだ。
私の好きな女優にカンちゃんこと菅野美穂がいるのだが、彼女の演技は大竹しのぶタイプ。時として周囲から浮くこともある「自分の演技」をやり倒す。いや、それはそれで楽しいんだけどね。『エコエコアザラク』(1995年)の時のカンちゃんが圧巻で、まるで『バットマン』のジョーカー並。カンちゃん18歳にしてジャック・ニコルソンになったわけですよ。日本のジャック・ニコルソン=菅野美穂。
この対極にあるのが選ばれし神の子・宮崎あおい。まったくもって自然で、どんな周囲でも浮くことは決して無い。例え「銭形愛」でも浮かない。それでいて観ていて楽しい。全然飽きない。それでいて、いつ観ても宮崎あおいなんですよ。
例えばキムタクってのは何を演じても同じで、原田芳雄は何を演じても原田芳雄なんですね(この両者は似ているが全く異なる)。
そして選ばれし神の子・宮崎あおいは、みんな違うんだけど宮崎あおいなの。ダメなドラマや映画でもダメにならない。これはちょっと驚異的なんですよ。
最近の若手女優で、これまた驚異的なのが上野樹里なんですが、彼女は全く別人になっちゃうのね。最初に彼女を見初めたのは『ジョゼと虎と魚たち』(2003年)なんですが、17歳にして大学4年生&社会人役をやったのですが、『スウィングガールズ』も「てるてる家族」も上野樹里が最も美しく撮れている『サマータイムマシン・ブルース』も、もちろん「のだめ」も全然別のキャラクター。もうね、デ・ニーロ。日本のロバート・デ・ニーロ=上野樹里。
どうやら上野樹里は「監督の求めるキャラになれているか」を重視しているようである。
もうひとり驚異的な若手女優に蒼井優先生がいる。
実は私が蒼井優先生を見初めたのは非常に遅く、『鉄コン筋クリート』のシロの声からである。去年かよ。それまでずっと観てたんだよ。『花とアリス』も「タイガー&ドラゴン」も『鉄人28号』だって観てるんだから。しかし何といってもシロの声が凄かったのだ。
彼女が幼い頃からバレエをやっていて、『花とアリス』では伝説の紙コップバレエを披露し、『フラガール』でもフラダンスと“踊り”のイメージが強いが、私が凄いと思うのは彼女の「声の出し方」だと思う。
『フラガール』の時に思ったのだが、不慣れな方言で自然に感情を表現できるって難しいと思う。違うイントネーションの中で語気を荒らげたりするのって大変だと思う。普通ドラマなんかで出来ているように見えて、実はあまり出来ていない。
それは「地元の人が聞いたら」とかいう次元ではなく、方言を強調するあまりかえって滑舌がよすぎてしまう傾向がある。だから芝居以前の問題になってしまうのだと思う。
ところが『フラガール』の蒼井優先生は土着民かっ!ってくらいナチュラルにモソモソしゃべるんですね。ましてや福島弁ですよ。彼女は福岡県民ですよ。まるで異国ですよ。
そんな蒼井優先生と選ばれし神の子・宮崎あおいが共演していた『害虫』は、今考えるととても幸せな映画なのかもしれない。いや、映画自体はかなりドス黒いんですが。ま、そのドス黒さが、同じ少女フェチでも塩田明彦と岩井俊二の違いなんでしょうけどね。
まあ、そんなこんなで、“宮崎あおい結婚考”と題しながら、実在する“北島マヤ”=宮崎あおい・上野樹里・蒼井優について語ってしまったわけですが、つーか、語りたかったんですが、こうした世間で言うところの「若手実力派女優」の彼女達は、若手実力派女優の中でもさらに1ステージ違う次元にいると思うのです。
そんな状況下で、宮崎あおいは正統派の“結婚”という別ステージに歩を進めた格好になったわけですよ。
こういう女優達、他にも前述したカンちゃんや池脇千鶴とかいい女優が大勢いるわけですよ。長澤まさみちゃんとか。彼女は正統派アイドル女優の中で次元の違う存在だから。
でね、こうした状況下では、ポッと出のアイドル崩れとかモデル上がりとかが気安く「女優に活路を見出す」なんてことは出来なくなってくるんですよ。いや、いますよ。篠原涼子みたいな名女優も。観る側の我々にはいいことですけど、当事者達にはやっぱり厳しいと思うんだ。だからね、奥菜恵や岡本綾やポール・ニューマンが引退する理由も分かる気がするんだ。あ、ポール・ニューマンは関係ねえや。
「風が吹けば桶屋が儲かる」
「宮崎あおいが結婚すればポール・ニューマンが引退する」