MGC優勝の喜びをかみ締めながらの金メダル宣言だった。女子を制した前田は「五輪の切符を取ったので、これからはしっかり切り替え、世界と戦えるよう、金メダルを目指して練習に取り組んでいきたいと思います」と力強く誓った。
18キロから前に抜け出した。「仕掛けたつもりはなかったです。いつの間にか後ろの選手がいなくなってしまって」。淡々と後続の選手を引き離し、以降は独走状態で圧倒的な強さを見せつけた。
ただ走ることが好きだった。陸上を始めた中学時代は、台風警報が出ても「ほかの子に抜かされちゃうから」と自主的に外を走った。大阪薫英女学院高時代は、メンバーの5人に入れず全国高校駅伝の舞台には立てなかった。それでも気持ちは折れず、「実業団でマラソンで五輪に出る」と大学進学を勧める両親に言い張った。
母・麻理さん(45)は「駅伝は短い距離しか走れないじゃないですか。マラソンだったらいけるんじゃないかっていう、変な確信があったんじゃないですかね」と回想する。
宣言通りに天満屋で才能を開花させ、夢舞台への切符をつかみ取った。日本女子マラソンの復権を懸け、五輪金メダルの夢もかなえてみせる。 (平野梓)
<前田穂南(まえだ・ほなみ)> 1996(平成8年)7月17日生まれ、兵庫県尼崎市の23歳。166センチ、46キロ。中学から本格的に陸上を始め、大阪薫英女学院高卒業後、2015年から天満屋所属。17年8月の北海道マラソンを制し、女子のMGC出場権獲得者第1号となった。