シンセサイザー3号機

2005年05月14日更新

シンセサイザー3号機の写真

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<豪華なアナログシンセサイザー組み立てキット>

 こんな素晴らしい組み立てキットがある時代に自分がいる事ができたのは、ラッキーでした。それまで組み立てたものの中で、間違いなく最大規模の作品です。これにめぐり合って、人生が変わったと感じます。購入したのは1982年冬、2ヶ月かけて組み立てました。

 パネルに"WAVE KIT"の翼竜のロゴマークがあります。WAVE KITについて自分はあまり良く知らないのですが、WEBで検索すると、同じパネルのシンセを紹介しているサイトがいくつかあります。

 当時、父親がアマチュア無線をやっていてCQ誌を購読しており、それによく広告が載っていました。当時購入した店は確か「秋葉原エレクトリックパーツ」だったと記憶しています。比較的大きな基板が1枚と、小基板(ダイオード・ラダー方式VCF/LFO)がセットになったタイプです。

 CQ誌の広告には、各ブロック毎に基板が分かれていてバラ売りしているタイプがあったかと思いますが、こちらはもしかしたら古いタイプなのかもしれません。またギターシンセのキットもあったようです。残念なことにWAVE KITは遥か昔に消滅しているようですし、最近このお店を覗いた限りでは、この手の商品は扱っていないようです。

<仕様>

 細かい仕様は忘れてしまいましたが、パネルを見て思い出した仕様・パラメータを挙げてみました。

VCO 1 [三角波、のこぎり波、矩形波(PULSE WIDTH)]
Pitch
CVは1V/oct仕様
Freq Modulation (ADSR, AR, LFO, Keyboard)
Pulse Modulation (ADSR, AR, LFO)
VCO 2 [のこぎり波、矩形波(PULSE WIDTH)]
Pitch
CVは1V/oct仕様
Freq Modulation (ADSR, VCO 1, LFO, Keyboard)
Pulse Modulation (ADSR, VCO 1, LFO)
Noise Gen. White Noise, Pink Noise
VCF [ダイオード・ラダー方式VCF]
Cutoff Frequncy
CVは1V/oct仕様
Resonance
Mixer (VCO1, VCO2, Noise)
Freq Modulation (LFO, VCO1, ADSR, AR)
VCA Hold, Output
Input (VCF, VCO1, VCO2, NOISE)
Level Modulation (ADSR, LFO, VCO1)
EG (ADSR) Attack time, Decay time, Sustain level, Release time
Trigger (Keyboard, LFO)
EG (AR) Attack time, Release time
Trigger (Keyboard, LFO)
LFO Pitch
Portamento Lag time
S/H Keyboard

<組み立て>

 キットは比較的大きな本体基板と、ダイオード・ラダー方式VCF/LFOの小基板で構成されています。本体基板にもVCF回路のパターンがあるのですが、小基板のVCFの方が性能が良さそうなので、VCFは最初から小基板の回路を使っています。また本体基板の半田面に鍵盤のようなパターンがあり、テスター棒のようなもので触れると一応演奏できるようになっていますが、実用的ではないのでこのパターンは使用しませんでした。

 演奏するには鍵盤が必要で、これは学校にあったピアニカをもらって改造して作成しました。ミニ鍵盤ではありますが、他に代用できるものがないので、これで我慢することにしました。鍵盤の裏側に接点としてハトメを接着して抵抗を配線します。鍵盤を押すとハトメ接点の「カチッ」っと、いかにも硬いものがぶつかった様な感触があります。接触不良のせいか音程が安定せず、最初は使い物になりませんでしたが、ハトメ接点に金メッキ線を張ったり、S/Hの時定数を調整したりして、ようやく安定しました。

 部品の量は膨大でしたが、大きなトラブルもなく比較的すんなり動作し、調整作業に入りました。部品が結構余り、本体基板のVCF以外に何か組み立てを忘れているのではないかと心配になりましたが、予備パーツということでとりあえず気にしないことにしました。VCOはあまり安定度は良くないので、調整が欠かせません。

<使ってみた>

 猫の鳴き声のような音、風のような音、ヘリコプターのような音、爆弾投下のような音、Y.M.O.のLiveでおなじみの金物を叩いたようなシンセ・ドラムの音などいろいろ作りました。実は自分はこのシンセを組み立てるまで本物のシンセサイザーに触ったことが一度もなく、正直シンセサイザーがどのような物か、理解していませんでした。このシンセサイザーに触れて感じたことは、シンセサイザーは決して万能ではなく、本物と区別できない程に音を模倣することは難しいということです。しかしシンセサイザーに失望したわけではなく、自然界に存在しない新しい音がいくらでも造れるということも解りました。つまりシンセサイザーは物真似をする装置ではなく、もっと独創的で演奏者次第で可能性が開ける楽器だということが解りました。

 3号機は後に、4号機と連結してパラフォニック・シンセサイザーとして使用したり、リズムマシンと連動させてSE音源として使用したりしました。稼動期間も長く、思い出深いマシンとなりました。


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