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【大リーグ】

9月の「風物詩」も今季で見納め

2019年9月5日 紙面から

◇AKI猪瀬コラム「MLBへの扉」

 この時期になると、どの球場のダッグアウトも選手であふれ返ります。MLBでは9月1日からシーズン終了まで、ベンチ入りできるロースター(出場選手登録枠)が25人から最大40人に拡大されるからです。この枠拡大を「セプテンバー・コールアップ(9月昇格)」と呼びます。

 制度の利点を分かりやすく日本選手で説明すると、例えばヤンキース傘下マイナーでプレーしている加藤豪将内野手(24)のような若手。球団側は彼が来季以降、MLBに適応できるかどうかを実際にその舞台でプレーさせることで見極めます。また、レッズの田沢純一投手(33)のように実績あるベテランの場合、球団は来季以降も契約するかどうかの判断材料とします。つまり、9月昇格はMLB未経験の新人にとっても、経験豊富なベテランにとっても今後の野球人生を左右する大切な機会となるのです。

 しかし風物詩ともいえるこの制度も、今季が見納めになります。昨季オフのルール改正で、ロースターは来年から現行の25人から26人に変わり、9月昇格も最大40人から28人へと変更になります。よって各チームとも、来年からは9月1日以降も2増にしかならず、選手がごった返すこともなくなります。

 今改正が決まった直後、2002~12年の間、ブルワーズGMだったメルビンさんは「大賛成。あるチームは30人で戦い、あるチームは25人のまま戦うといった、シーズン中にベンチ入り人数が不均等になるスポーツは他にない。戦力均等が崩壊する9月昇格の廃止はGM就任時からの悲願だった」と語りました。

 ドジャースとフィリーズは昨季終盤を40人で戦い、緊縮財政のマーリンズは25人のままでした。事実、9回で15人の投手が起用されるなど時流の試合時間短縮からかけ離れた事態も多く、現在フィリーズのハーパーも「何回も選手交代があり、9回で5時間半もかかった試合もあった」とうんざりといった様子でした。

 時代の流れで仕方ないのですが、風物詩がなくなることに寂しさを覚えるのは私だけでしょうか。 (大リーグ・アナリスト)

 

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