昭和12(1937)年生まれ。両親を戦争で亡くし、兄妹と別れ、父の戦友・柴田剛男(たけお)に引き取られ、十勝に移り住む。剛男の義父・泰樹(たいじゅ)のもとで、牧場を手伝ううちに、持ち前の明るさを取り戻す。高校卒業後は上京し、草創期を迎えていたアニメーション業界に飛び込む。アニメーターとして、大自然の中で育まれたみずみずしい感性を発揮していく。東洋動画スタジオで出会った演出家の坂場一久と結婚。
演出家。絵が描けない分だけ、アニメーションへの思い入れは人一倍強く、企画力に優れ、思いもよらないストーリーを考えつく。その一方で頑固なところもあり、アニメーターたちを困らせる。初演出となった長編漫画映画の興行が振るわず、責任を取る形で東洋動画スタジオを退社。
歌とタップダンスが大好きな陽気な兄。両親を亡くしてからも、妹のなつと千遥(ちはる)の親がわりとなり、笑顔を絶やさず懸命に育てる。なつを柴田家に、千遥を親戚に預けた後、しばらく孤児院で過ごすが、家出して行方不明に。幼なじみ信哉の捜索によって、9年ぶりになつと新宿で再会し、一緒に暮らし始める。なつがアニメーターになったことをきっかけに、声優が所属する「風車プロダクション」を設立。
なつと咲太郎の妹。なつや咲太郎と別れて5歳で親戚に引き取られるが、親戚に冷たく当たられて、1年もたたずに咲太郎からの手紙を持って家を飛び出す。縁あって置屋の女将(おかみ)の養女となり、大事に育てられた。成長後、北海道の柴田家を訪れるが、なつや咲太郎が会いに来る前に姿を消してしまう。
「東洋動画」のアニメーターのリーダー。日本初の長編アニメーションの作画監督として活躍する。“漫画映画”に純真な思いを抱くなつを気に入り、アニメーションの世界に誘う。かわいいキャラクターデザインや繊細な表現を得意とし、穏やかな物腰で人望が厚く、みんなから師と仰がれる。
元警察官という異色の経歴を持つアニメーターで、仲や井戸原に次ぐ実力の持ち主。ひょうきんで明るい性格で、周りを楽しませるのが大好き。面倒見がよく、なつのことも何かと気にかける優しい先輩。ディズニーアニメを独自に分析して、新しい動画表現を研究するという努力家でもある。
抜群の画力をもつアニメーター。仕事に対して情熱的に取り組み、時に知的でウィットに富んだ言い回しで、周囲を和ます愛されキャラ。柔軟で大胆な発想を得意とし、アニメーション界に新しい風を吹かせていく。
絵を描くのが大好きな、おっとりとした女性。漫画映画をよく知らないまま「東洋動画」に就職するが、次第にそのおもしろさにひかれていく。なつと一緒に社内試験を受け、繊細な絵が評価されて、なつよりひと足先に合格し、アニメーターとなる。東洋動画が始めたテレビ漫画で、なつとともに活躍する。先輩アニメーターの下山克己と結婚。
「東洋動画」のアニメーターで、なつの先輩。芸術大学出身の秀才とあって技術には自信があるが、なつの絵を見て技術だけではだめだと気付く。
「東洋動画」でセル画の彩色を担当している、なつの親友。アニメーションのことは全く知らず、絵が好きというだけで東洋動画に就職したが、なつからアニメーションのおもしろさを教えられ、その魅力に目覚めていく。
弟・天陽と同様に、絵画の才能に恵まれ、貧しい農家の長男でありながらも一家の期待を背負い上京、奨学金を得て芸術大学で学ぶ。兄を探しに東京に出てきたなつに、漫画映画の世界を紹介する。なつと同じ東洋動画スタジオの美術課で背景画担当として働いている。
「東洋動画」の映画部長。仲とともに、なつたちアニメーターを牽引(けんいん)する。芸術家肌の仲とは対照的に、驚異的なスピードで上質な作画を仕上げる実務家肌。坂場とはぶつかることも多く、快く思っていない。
「東洋映画」所属のベテラン映画監督で、坂場の上司。日本初の長編アニメーションの監督に起用される。理屈っぽくこだわりの強い性格の坂場が周囲とトラブルを起こしがちだが、彼を信頼してあえてテレビ漫画の演出を経験させる。
「東洋動画」の親会社である「東洋映画」の会長。アニメーションに未来を感じ、東洋一のアニメスタジオを設立、日本初の長編アニメーション制作に取り組む。帯広の映画館で流された大杉のメッセージ動画が、なつの心を動かす。
「東洋動画」の社長。厳しいながらも、なつの漫画映画にかける情熱や才能を認め、成長を見守る。
美大を卒業後、「東洋動画」に入社したスゴ腕アニメーター。通称「マコ」。作画監督の仲をサポートし、現場をまとめる。クールに見えるが内面は熱く、誰に対してもものおじしない性格から、社内で孤立することも。なつに対して、最初は誤解から厳しく接するが、次第に心を開いていく。結婚を機に東洋動画スタジオを退社。
伝説の劇場・ムーランルージュ新宿座の人気ダンサーとして一世を風靡(ふうび)する。引退後は新宿の路地裏に、おでん店「風車」を開き、女将として店を切り盛りする。豪快で明るい人柄にひかれ、多くの常連客が店を訪れる。
新宿に戦前から続くベーカリー兼カフェ・川村屋のオーナー。その風貌や存在自体に神秘的な雰囲気が漂い、周囲からは“マダム”と呼ばれる。芸術への見識が深く、才能ある若者たちの応援もしている。とある縁で、上京したなつの世話をすることになる。
伝説の劇場・ムーランルージュ新宿座の歌い手。劇場が閉鎖してからは、クラブ「メランコリー」で流行歌を歌い続ける圧倒的な歌声の持ち主。亜矢美とは腐れ縁で、「風車」に通う。
先代のころから川村屋に勤めるギャルソン。若いマダムの後見役で、店の経営を取り仕切る。彼の言葉には常に皮肉とユーモアがあり、いつもニヤニヤと不吉な笑みを浮かべている。
新劇ブームの中で生まれた劇団のひとつ「赤い星座」の看板女優。咲太郎が付き人を務めている。美貌や演技のわりになぜか人気はぱっとせず、映画出演の機会にも恵まれない。あるとき、劇団の活動資金を稼ぐために、漫画映画に声で出演する仕事が巡ってきて、運命が変わる。
クラブ「メランコリー」の歌手・煙カスミの付き人。咲太郎とは「ムーラン・ルージュ」にいた頃からのつきあい。咲太郎が設立した「風車プロダクション」で声優としての才能を発揮する。
明治35(1902)年、18歳の時にひとりで十勝に入植。荒れ地を切り開き、稲作を試すが根付かず、酪農を始める。妻が病死した後、男手ひとつで、富士子を育てる。偏屈でガンコな性格ではあるが、深い愛をもった大樹(たいじゅ)のような男。なつに人生を生き抜く術(すべ)を教え込む。
父譲りの優しさとたくましさを持ち、芯の強い女性。泰樹に家族で唯一、対等にモノを言える。なつとの関係にとまどいつつも、わが子同然に育てる。明るい前向きな性格で、牛乳やバターを使ったお菓子や料理づくりが得意。なつが結婚するときには、自身の手料理のレシピノートを渡す。
婿(むこ)養子として柴田家に入る。戦友だったなつの父と交わした、どちらかが亡くなった時は互いの家族の面倒を見るという約束を果たし、なつを十勝に連れてくる。義理堅く優しい男だが、義父の泰樹には気を使い、いつも頭があがらない。今は音問別(おといべつ)農協で専務として働く。
父に似て、真面目で責任感の強い男の子。跡取りとして、祖父・泰樹や父から牛飼いの仕事を仕込まれるが、不器用で、なつにいつも先を越される。砂良と出会い、めでたく結婚。泰樹のもとで柴田牧場で働く、1児の父。
弥市郎のひとり娘。十勝に移り住み、父とふたりでひと気のない森の中で暮らし、自ら狩りや漁をして、朴訥(ぼくとつ)な父を支える働き者の美しい娘。やがて、なつの家族と交流し、なつの兄・照男と結婚。柴田牧場を支える1児の母。
柴田家の末っ子。なつのことを本当の姉のように慕っている。子どもの頃から家事をよく手伝い、家事をしない姉の夕見子とはしばしばぶつかることも。テレビの放送記者をしている信哉のような仕事に憧れている。
泰樹の右腕的存在。貧しい開拓農家に生まれ、15歳の時に豪農に奉公に出されるが、泰樹の酪農をたまたま手伝いに来た時に、彼の情熱にひかれ、そのまま居座る。穏やかで楽しい人物で、とても頼りになる男。
悠吉の息子。なつたちにとって、何でも気さくに話せる楽しい親戚のおじさんのような人。ユーモアある物言いで、柴田家のみんなをいつも和ませる。のちに照男の後見役となり、柴田牧場の発展に貢献する。
菓子職人の先代の元に嫁ぎ、わがままな夫に苦労するうちに強い性格になる。お年にもかかわらず、歯に衣を着せずとてもおしゃべりなバアさんで、常連客の泰樹にも毒舌を浴びせる。十勝のことなら何でも知っている、生き字引のような存在。
父の代から帯広に和菓子屋を構える。砂糖が統制品となる中、ビート(砂糖大根)を使ったアイデア商品をつくり、戦後の混乱を乗り切る。新しもの好きで次々とおいしいお菓子を開発、北海道有数の製菓メーカーへと発展させる。
旭川の菓子屋で働いていた時に、修業中の雪之助と知り合い、結婚。おっとりしているように見えるが、気の強い姑(しゅうとめ)・とよにもサラっと自分の意見をぶつける気が強い一面も。しかも最近、とよに似てきたと言われ…。富士子とは気が合い、いつも話が弾む。
なつの大親友。お調子者で目立ちたがり屋。農業高校時代はクラスメイトのなつを演劇部に誘いともに汗を流す。卒業後は、日本一の菓子職人になるべく修業のため、なつと一緒に上京する。一時は演劇の道に進むものの、「雪月」に戻ってふたたび菓子職人となり、新しいお菓子を開発。ひそかに思い続けていた夕見子にプロポーズし、結婚する。
柴田家の長女で、なつと同い年。初めはなつにわだかまりを感じるものの、一緒に暮らしていく中で、お互いに悩みを打ち明けられる、本当の姉妹のようになっていく。北海道大学に女性として初めて進学し、今は音問別(おといべつ)農協で働いている。雪次郎にプロポーズされ、結婚する。
戦争で家屋を失い、一家での北海道移住を決意する。政府にあてがわれた土地は荒れ地で、農業経験もほとんどなく、開墾は難航。郵便配達をして生活費を稼ぐ。その後、泰樹たちの助けがあり、人並みの生活を送れるようになる。
正治の妻。近隣の農家を手伝い、そのアルバイト収入で家計を支える。東京育ちでなかなか十勝暮らしになじめず、農業も苦手。同じく東京で育ったなつがお気に入りで、天陽を訪ねて遊びに来るとついつい話が弾んでしまう。
美術の才能があるものの、貧しく進学せずに農業を手伝う。農作業の合間に、べニヤ板に描く絵は繊細にして大胆、躍動感あふれる馬の絵が得意。アニメーターを目指すなつに絵心を教え、彼女の生涯に大きな影響を与える。なつの上京後は、青年団の演劇の手伝いをしていた農家の娘・靖枝と出会い、結婚。1児の父となる。
天陽と同じ、十勝の開拓農家の娘。青年団の演劇を手伝っていたときに、舞台美術を担当した天陽と知り合って結婚した。農家の嫁として畑仕事に精を出す一方、天陽が絵を描くことも大事に思っている。
なつの幼なじみ。戦争で家族を失い、なつたちと行動をともにしていたが、生き別れてしまう。その後、なつを探しに十勝をたずね9年ぶりに再会。大学卒業後は放送記者となり、北海道に転勤となる。そこで出会った女性アナウンサーと結婚する。
十勝の深い森に住み、木彫りの熊など民芸品をつくり、暮らしている。以前は東京に住んでいたが、空襲で妻を亡くし、娘と一緒に十勝に移住してきた。吹雪の中で倒れたなつを救い出したことがきっかけで、柴田家との交流が始まり、娘の砂良が照男と結婚。今は柴田家とは親戚関係。
十勝農業高校の演劇部の顧問。自ら脚本も書く、演劇にものすごい情熱を注ぐ熱い男。理屈っぽい難しい発言が多く、なつを悩ませることもしばしばだったが、その言葉がなつの問題解決のヒントとなる。
女子学生が少ない十勝農業高校において、なつと仲良しのクラスメイトだった。いつでものんびりしていて、しっかり者のなつとは対照的な性格。なつと演劇部に入部。高校卒業後は門倉と結婚し、2児の母となる。
十勝農業高校の卒業生で、なつの同級生。番長と呼ばれていた。なつ、雪次郎、良子とともに演劇部に所属していた。高校卒業後は良子と結婚し、2児の父となる。今は良子の家の牧場を継いでいる。
第19週
一久の母
第19週
一久の父
第19週
信哉の妻
第19週
十勝支庁長