飼育の日々
 今、私たちの目の前で、お姉様が解体されていきます。私と同じ姿をしたお姉様が、みるみるお肉の塊になっていきます。
 私はアユミ186号、S057-AYUMI-0186、少女畜産社のSクラス食用少女です。私たちは来年度出荷予定で、同世代のAYUMIタイプは24体飼育されています。今日は、飼育施設での特別研修プログラムとして、先輩食用少女の解体現場を見学しています。先輩が解体される所は、ビデオでは何回も見た事がありますが、生で見るのは初めてです。出荷を1年後にひかえた食用少女だけの特別プログラムなのです。今、大講義室にはいくつかのタイプの食用少女が、百人ほど集まっています。教壇には大きな調理台がしつらえられ、その上には一人の食用少女が裸で横たわっています。教壇の後ろには、解体の様子が後ろの子にもよく見えるように、大画面のディスプレーも用意されています。

 今日研修の教材になってくださるのは、S057-AYUMI-0173、アユミ173号、そう私と同じAYUMIタイプのお姉様です。研修の前には、特別にAYUMIタイプだけでお姉様とお別れをする事が許されました。私たちの世代を代表して、アユミ181号がお別れのあいさつをしました。そして私たちは口々にお別れとお礼を言いました。そうです。食用少女と生まれたからには、立派なお客様に買われて、素敵なお料理となって、おいしく召し上がっていただく事が生きる目的なのです。しかしお姉様は、後輩の私たちのために教材となり、出荷される事もなく施設内で解体され、その生を終えられるのです。その事を私たちがわびると、お姉様は、優しく「いいのよ。あなたたちが気にしなくても。あなたたちが立派な食用少女となって出荷されるためなら、私も満足だわ。私がお肉になる所をよく見て、しっかり勉強してね。」と言ってくださいました。

 さていよいよ解体が始まりました。助手たちがお姉様の手足を押さえます。お姉様は物静かに、にっこりと微笑んでおられます。解体実習の指導教官が、大きな包丁で、お姉様の胸からお腹へかけて一気に切り裂きました。お姉様は、笑顔を一瞬歪められましたが、すぐに平静を取り戻され、また微笑を浮かばれました。お姉さま、立派だわ。私もあんな風にできるかしら。できるわよね。同じAYUMIタイプだもの。そうこうするうちに、教官は、お姉様の内臓をテキパキと切り分け、説明しながら平たい容器に並べていきました。ディスプレーにはお姉様の内臓が大アップになります。素敵だわ。お姉様の内臓、とってもきれい。続いて教官は、お姉様の胸やお腹や背中のお肉を、ブロック状に切り分けていきました。もうお姉様は息をしておられません。さらに手足やお尻のお肉も切り取られ、お姉様は、首以外はほとんど骨だけになってしまわれました。その首も最後には切り落とされ、お肉のブロックと一緒に並べられました。こうしてお姉様の解体が終わりました。

 お姉様のお肉は、この後、私たちが調理実習でいろいろにお料理する事になっています。私たちがお料理を習うのは、食用少女に食用少女を料理させようという趣向のお客様もたまにいらっしゃるからです。出荷直前には、私たちが実際にAクラスの食用少女を解体調理する特別実習もあるそうです。少し楽しみです。今回、お姉様のお肉を使って私たちが作ったお料理は、指導教官や私たちの飼育係、その他のスタッフ、それに出入りの業者さんたちに味見をしてもらいます。私たち食用少女は、普段はお肉をほとんど食べません。自分のお肉の味を良くするためです。けれど、このときは先輩のお肉の味を少し味見する事になっています。お姉様のお肉を食べるのがとっても楽しみです。

(おわり)
飼育の日々1.5
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