| お料理コンテスト3 | |||
| さぁ時間が来ました。私たちの調理時間が始まります。佐藤先生も、さぁ、いっておいで、みんな普段通りやれば大丈夫だよ、稲崎さんもがんばってと、励まして下さいました。私たちは指定の調理エリアに向かいます。私は、羽織っていたジャージを脱いで再び裸になり、歩き出します。準備は万全です。待っている間に、もう一度シャワーも浴びて、お肌を磨きました。もうツルツルです。当然の事ですが、昨日から何も食べていないし、今朝はお母さんに浣腸もしてもらったので、お昼過ぎのこの時間には、もうお腹はペコペコです。けれどあと少しの辛抱です。顔を上げて堂々と歩きます。観客席のお母さんお父さん、見てくれてるよね。 あっ、ここはさっきKT府チームが使っていた場所です。あの美しい料理を思い出して、ちょっとプレッシャーを感じました。でも大丈夫、マキちゃんならきっと誰にも負けない包丁捌きで、私を料理してくれるでしょう。それにみんなもがんばって、私を綺麗に盛り付けてくれるでしょう。みんな信頼してるからね。 私は、大きなまな板の上にあおむけに横たわります。もちろん覚悟はしていますが、やはり心臓がドキドキします。するとマキちゃんが、わたしの耳元に顔を近付け、かおり、心配しないで、私に任せてと、優しくささやきました。私はこれから料理される事も忘れて、一瞬ポウッとなりました。マキちゃんが女の子にもてる理由がよくわかります。ふと気付いて横目でチラッと見ると、あかりちゃんがうらやましそうに見ています。大丈夫、あかりちゃんだって、いつかきっと、マキちゃんに料理してもらえるからね。 いよいよ調理タイムの始まりです。チームのみんなが配置に付きます。マキちゃんは、よく手入れされた包丁を持って、私の横に立ちました。じゃ、いくよ、そういってマキちゃんは、包丁の切っ先を、私のみぞおちに当てたかと思うと、プツッと突き刺し、そのまま、お股の割れ目の所まで、一気に包丁を引きおろしました。なんのためらいもない、自信に満ちた包丁捌きです。私の全身に電撃のような痛みが走りました。でも大丈夫。なんとか耐えられます。さゆりちゃんが、優しくわたしの汗と血を拭いてくれました。続いて、マキちゃんは、私のオッパイの少し下のあたりと、太腿の付根の少し上あたりを、横に切り開きます。切り終わると、心臓や肺、脊椎などを傷付けないように慎重に、それでいてテキパキと、わたしのお腹のお肉を剥がし、脇腹の所で切り離しました。とても痛いけど、マキちゃんの腕が良くて、作業もとても早いので、まだまだ意識を保つことができます。 切り離したお肉は、さゆりちゃんが受け取り、薄くスライスしてから、氷水で洗っていきます。マキちゃんに比べ地味なさゆりちゃんですが、料理の腕は確かです。あかりちゃんとちよこちゃんは、私の胃や腸、肝臓などを丁寧に取り外し、その後、空っぽになった私のお腹の中を綺麗に洗ってくれました。ちよこちゃんは、洗いながら、あんた、すごいよ。根性あるよと、言ってくれました。あかりちゃんは、私も負けないからと、言いました。何を負けないのかは、大体想像がつきます。その間、マキちゃんは、私の腕や腿のお肉をはずしにかかっています。たちまち白い骨が見え始めました。少し眠くなってきましたが、まだまだがんばらなければいけません。 盛り付けが始まりました。私の体は、大きな舟形の器に移されました。空っぽの私のお腹には、大根のけんや赤や緑の海藻、スライスした胡瓜などが敷かれ、その上に、スライスした私のお肉が綺麗に並べられていきます。むき出しになった腕と腿の骨の上には、カツラ剥きにした大根が敷かれ、その上にやはりお肉が並べられていきます。体の回りには色々な野菜や果物、花などが飾られ、さぁピチピチ少女の活け造りの完成です。 さすがに目の前が暗くなってきました。でも、もう一がんばりです。これから料理の審査です。審査員の人たちが近づいて来ました。綺麗に飾られた私を見て、みんなずいぶん感心しているようです。カメラマンの人が私の写真を撮っています。お願い、綺麗に撮ってね。審査員の一人が私の方へお箸を伸ばしてきました。試食です。とてもまぶたが重かったけれど、がんばってウィンクをしてみました。本当にウィンクになっていたかどうかは自信がなかったけれど、審査員の人たちは、オオッと声を上げてくれました。どうやら食材係の責任を果たせたようです。そして私は静かに目を閉じました。マキちゃんありがとう。さゆりちゃんありがとう。あかりちゃんもちよこちゃんもありがとう。佐藤先生ありがとうございました。お母さんお父さん今まで本当にありがとう。みんな私をおいしく食べてね。でも、できれば少し残しておいて、お母さんお父さんにも食べてほしいな。 (おわり) | |||
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