今日は「歯科予防処置論と歯科保健指導(前編)」です。
文章問題や、図、表から読み取る問題も多いです。
問題文をよく読んで答えるようにしましょう!
※出題形式の都合上、解答方法を変更している問題があります。ご了承ください。
解説はこの記事の、問題の下にありますので、解き終わったら復習に役立ててくださいね。
歯科予防処置論と歯科保健指導(前編)
ここでは、歯科予防処置論と、歯科保健指導として基礎知識、情報収集や口腔衛生管理について出題します。
解説
解答と解説です。
間違えたところだけではなく、悩んだところや正しかったところも見直しましょう。
歯周組織検査結果の一部を表に示す。
根面の露出が最も大きいのはどれか。
答え:第一小臼歯
アタッチメントレベルは、セメント-エナメル境(CEJ)からポケット底部の距離をさす。
プロービングデプス(プロービングポケットデプス)は、歯肉辺縁からポケット底部(付着上皮の最歯冠側端)までの距離をさす。
根面の露出はアタッチメントレベル値がプロービングデプス値より大きい場合に認められるため、その差が大きいほうが根面露出が大きいといえる。
今回の検査値はFDI方式で表示され、30番代は下顎左側を示し、「34」は下顎左側第一小臼歯、「35」は下顎左側第二小臼歯、「36」は下顎左側第一大臼歯、「37」は下顎左側第二大臼歯のことである。
したがって、「34」の頬側中央値のアタッチメントレベル値(6mm)とプロービングデプス値(3mm)の差が3mmのため根面露出が最も大きい。
(第27回 午前70)
歯周プローブを用いて評価するのはどれか、正しい組み合わせを選べ
a.GI
b.OHI
c.GB Count
d.PMA Index
答え:a,c
歯周プローブは、歯周ポケットの深さや形態、アタッチメントレベルの測定などのほか歯肉の質や形態など歯肉の診査や評価にも用いられる。
GI(Gingival Index)は、歯肉炎の広がりの程度と炎症の強さを同時に評価する。
判定基準は、
0:正常な歯肉、1:軽度の歯肉炎(わずかな色調の変化および組織の変調がある。プロービングで出血なし)
2:中程度の歯肉炎(発赤、浮腫、腫脹、光沢化、プロービングによる出血あり)
3:高度の歯肉炎(著明な発赤、腫脹がみられ自然出血傾向と明らかな炎症が認められる)
である。
GB Countは、歯肉の炎症と歯槽骨の吸収を評価する方法である。
Gingival Scoreは臨床的検査(視診)でミラーと歯科用エキスプローラーを用いて評価する。
Bone Scoreは、歯周プローブを用いた臨床所見と左右臼歯部の咬翼法エックス線所見から求める。
OHIは、歯面のプラーク(DI:Debris Index)と歯石(CI:Calculus Index)の付着・付着面積を観察し、口腔衛生状態を評価する。
PMA Indexは、歯肉炎の広がりを観察により評価する方法である。
(第27回 午後67)
45歳男性。口臭とブラッシング時の出血を主訴として来院した。
ペースメーカーを装着している。初診時の口腔内写真を示す。
この日に行う適切な検査順序はどれか。
①BOP
②歯の動揺度
③O’LearyのPCR
④プロービングデプス
答え:④→①→②→③
写真は45歳男性の初診時の上下顎前歯部正面観と下顎前歯部舌側面観を示す。
プラークの付着と歯石の沈着、ステインの沈着が認められる。
歯周組織検査の手順としては、視診により歯肉の形態や色調の診査の後、歯周ポケットの検査を行う。
歯周プローブを用いて、ウォーキングプロービングで根面の凹凸、歯肉縁下歯石の有無、上皮付着部位などを触知しながらプロービングデプスを測定する。
プローブがポケット内上皮に接触することによって生じるBOPの有無も同時に測定する。
歯周病により歯槽骨が吸収され歯の支持組織が減少すると、歯は動揺するため、次にピンセットを用いて歯の動揺度を診査する。
最後に歯周病の初発因子であるプラークの付着状態を診査するため染色剤を使用してプラークを染め出し、O’LearyのPCRで客観的に評価する。
(第27回 午後65)
エアスケーラーの特徴はどれか
答え:エアタービンの圧縮空気を利用する
エアスケーラーはエアタービンの圧縮空気を応用してチップを振動させ、注水下で歯石を除去する器具である。
特徴として、安価であること、超音波スケーラーに比べると振動数は少ないので過熱や刺激が少ないこと、また、圧縮空気を利用するためエアロゾル浮遊が懸念されるため口腔外バキュームの使用が望ましい。
キャビテーション効果は超音波スケーラーの原理で、歯周ポケット内に残った歯面から除去された歯石や沈着物を洗浄する。
(第27回 午前71)
8歳男児。定期歯科健康診査で来院した。
う蝕活動性試験を行い、次の結果を得た。
ミュータンスレンサ球菌の菌数レベルを示すのはどれか。
答え:②
う蝕活動性試験は、う蝕のリスク評価に用いられる。
ミュータンスレンサ球菌の菌数レベルを示すう蝕活動性試験はDentocult®-SM、サリバチェック®SM、オーラルテスターミュータンス®、ミューカウント®があり、いずれも唾液を検体とする。
RDテスト®は唾液を検体としてレサズリン還元性菌の活性を測定するものである。
Dentocult®-LBとHadley testは唾液を検体として乳酸菌の菌数レベルを測定するものである。
(第27回 午前74)
3歳児歯科健康診査でう蝕羅患型がO型と判定された幼児に対するう蝕予防法で適切なのはどれか、正しい組み合わせを選べ
a.フッ化物洗口
b.フッ化物歯面塗布
c.フッ化ジアンミン銀塗布
d.フッ化物配合歯磨剤の利用
答え:b,d
3歳児歯科健康診査は、母子保健法に基づき満3歳を超え満4歳に達しない幼児に対して行う。
う蝕羅患型判定区分としてO型、A型、B型、CI型・C2型に分類される。
O型はう蝕がないと判断され、その保健指導として、
(1)現在は良い状態にあるので現状を続けるように努力させる
(2)一般的指導事項を守るように指導する
があげられる。
O型のう蝕予防法は、定期的にフッ化物歯面塗布を行い、家庭ではフッ化物配合歯磨剤を使用することが推奨される。
フッ化物洗口は一般的にはうがいができるようになる4歳以降から開始される。
フッ化ジアンミン銀はう蝕の進行抑制のための薬剤であるため本症例では使用しない。
(第27回 午後63)
グラスアイオノマーセメントによる小窩裂溝塡塞の術式で誤っているのはどれか
答え:リン酸処理
セメント系のグラスアイオノマーセメントは酸処理を必要としない材料が多く、特に萌出途中の歯への塡塞が可能である。
セメント系小窩裂溝塡塞の術式は、
ラバーダム防湿→歯面清掃→歯面処理→水洗・乾燥→塡塞→光照射→ラバーダム防湿の除去→咬合調整
である。
リン酸による酸処理が必要になるのは
レジン系のBis-GMA小窩裂溝塡塞材である。
エナメル質を酸処理することにより塡塞材の保持を強くする。
(第27回 午後75)
53歳の女性。初診時の会話を示す。コミュニケーション技法で焦点化〈フォーカシング〉の部分はどれか。
答え:④
53歳の女性は、半年前から歯肉が時々痛みを感じていたが、昨日の夕食時の痛みをきっかけに来院した。
本人は歯に原因があるのではなく、忙しくて疲れた時に痛むため疲れが原因と考えている。
痛みの原因について、本人の解釈とは矛盾があるため、そのギャップを埋めるために、より焦点を当てて聞くことで患者の訴えたい部分を聞き出すことが必要となる。
コミュニケーション技法では、会話の流れを絞り込むために、クライアントの話したい内容に沿って会話を進め、本人が問題として扱いたいところに焦点を当てていく(「もう少し詳しくお話しいただけますか」)ことを焦点化〈フォーカシング〉という。
また、話の内容をまとめて相手に返す(フィードバック)ことで、話題が他にそれていきそうな時に、焦点に戻していくように促す言葉かけをすることなどもある。
①②は情報収集のための質問(オープンエンドの質問)で、③は解釈のための質問である。
(第27回 午前79)
口臭の原因を明らかにするために、口臭測定に加えて測定するのはどれか、正しい組み合わせを選べ
a.唾液分泌量
b.唾液緩衝能
c.プラーク中のpH
d.プロービングデプス
答え:a,d
口臭の主な要因は舌苔と歯周病である。
舌苔の付着は、唾液が減少すると口腔内の汚れや細菌が舌に溜まり舌苔になる。
歯周病の進行状態はプロービングデプスを測定することで把握できる。
口臭の原因は、唾液分泌量やプロービングデプスの測定からも明らかになる。
唾液緩衝能やプラーク中のpHの測定は、う蝕の発病に関与する。
(第26回 午後82)
73歳女性。食道癌の診断で術前化学療法を行うため、支持療法として周術期口腔衛生管理の依頼があった。
化学療法は2クール実施される予定である。化学療法後に起こりうる口腔内の有害事象はどれか。
正しい組み合わせを選べ。
a.舌の麻痺
b.味覚の変化
c.唾液分泌量の増加
d.口腔粘膜炎による疼痛
答え:b,d
73歳の女性は食道癌の術前化学療法を行うための支持療法として周術期口腔衛生管理を行うことになった。
支持療法とは、がんそのものに伴う症状や治療の副作用に対しての予防策、症状を軽減させるための治療のことで、周術期口腔衛生管理はがん治療に伴う口腔有害事象への対応として必要不可欠である。
化学療法に伴う口腔内の有害事象には、抗がん剤が口腔粘膜の細胞に直接作用して発症する口腔粘膜炎と味覚障害のほか、抗がん剤により免疫機能が低下して二次的に発症する歯性感染症やウイルス感染症等があげられる。
(第27回 午後85)