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【茨城】原子力機構、ポーランドと輸出協議 次世代の「高温ガス炉」
東海村に本部がある日本原子力研究開発機構が、原発の次世代炉の一つ「高温ガス炉」の輸出を目指してポーランドと協議している。まだ開発段階だが、ポーランドは技術獲得をもくろみ、原子力機構は東京電力福島第一原発事故後に国内で原子力不信が高まる中、国外での研究継続を狙う。ただ課題が積み残されており、曲折がありそうだ。 「二〇五〇年までに十~二十基の高温ガス炉を国内に導入したい」。八月に来日し原子力機構と会談したポーランドのエネルギー省諮問委員会のグルツェゴルツ・ブロフナ委員長は、共同通信の取材に、こう述べた。 二〇年代に一万キロワットの研究炉を建設し、三〇年代に十六万五千キロワットの商用炉を動かす計画だという。将来的には、自前の商用炉を開発して輸出品目に育てるという青写真を描く。 原子力機構によると、日本の商業原発で主流の「軽水炉」では原子炉冷却に水を使うが、高温ガス炉はヘリウムガスを使用。第一原発事故で発生した水素爆発は起きない特徴があるという。 原子力機構は〇四年、大洗町の高温ガス炉「高温工学試験研究炉」(HTTR)で九百五十度に加熱されたヘリウムガスを取り出すことに世界で初めて成功、熱源として利用する可能性を開いた。 委員長によると、ポーランドは石炭火力に依存。地球温暖化対策として二酸化炭素(CO2)の削減を進めるため、まず熱源として化学産業などで使われる古い石炭ボイラーを高温ガス炉に置き換えたい考えだ。
第一原発事故以降、軽水炉の安全対策費は大幅に増加し、国の原子力予算を多く割り振られていた高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)は廃炉に。こうした状況を背景に、高温ガス炉が注目され始めた。 研究を進めるため「実証炉」が必要だが、事故で原子力への不信が拡大、見通しは立たない。ある日本政府関係者は「ポーランドで技術を発展させ将来的に国内に導入する」と胸の内を語る。 開発段階なので日本では発電した実績がなく、コストを正確には把握できていないなどの課題が残る。また中国も高温ガス炉を研究中で実証炉を動かす計画があるとされ、成功すれば原子力機構とポーランドの協議に影響する可能性もありそうだ。 <高温ガス炉> 核分裂で生じた熱の冷却材にヘリウムガスを用いる原子炉で、炉心溶融や水素爆発が起きないとされる。日本原子力研究開発機構は、大洗町に高温ガス炉の研究炉にあたる高温工学試験研究炉(HTTR)を建設、98年初臨界。高温の熱を取り出して燃料電池車に使う水素をつくる研究が計画されている。東京電力福島第一原発事故時は定期検査中で停止していた。原子力規制委員会による新規制基準審査が続いている。
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