化けの皮を剥がされた中国・御用学者の胡鞍鋼

批判された中国の米国超え理論

2018年10月19日(金)

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でたらめな研究結果に対して批判の声があがった。

 日本の大学や企業の中国関連研究者に、現代中国の経済学者の名前を挙げて下さいと言うと、必ず名前が上がるのが“胡鞍鋼(こあんこう)”である。日本語に翻訳された彼の著作は多数あるが、最も新しいのは2018年9月21日に日本僑報社から発行された共著の『2050年の中国―習近平政権が描く超大国100年の設計図』である。

 日本僑報社が2017年11月15日に胡鞍鋼に関するプレスリリースを行った内容の要約文は次のようになっていた。

表題:習近平政権ブレーンの胡鞍鋼教授が来日、「十九大」での習主席の理念・政策を紹介

 日本僑報社の著者である清華大学国情研究センター主任、同大公共管理学院教授の胡鞍鋼氏が、11月7日午後3時から衆議院第二議員会館で「十九大」(中国共産党第十九回全国代表大会)で示された習近平国家主席の理念、政策などについて講演を行った。

 筆者も中国関連の講演会やセミナーで胡鞍鋼の講演を何度か聞いた記憶がある。彼は「習近平政権のブレーン」という触れ込みだが、それは腰巾着の御用学者ということで、かつて政治家、文学者、歴史学者と多才でありながら、中国共産党に迎合するために自己の研究成果を否定した“郭沫若”(1892年~1978年)のような風見鶏的な人物に思えた。日本の落語家で立川流家元の“立川談志”(1936年~2011年)という名人がいたが、彼は独善的な物言いで、毒舌を振るう一家言だったが、何とも言えない魅力があり、本職の落語も名人の域に達していた。あくまで個人的な見解だが、筆者には胡鞍鋼が「がらっぱち」で品の無い中国版の立川談志のように見えた。しかし、これは立川談志師匠に対して非常に失礼な話だろう。端的に言えば、胡鞍鋼という人物は、俺様はという自己顕示欲が強く、生意気で胡散臭い人物に筆者には思えたのだった。

 

 ところで、2018年8月2日に中国のネット上に“清華大学”の“校友(卒業生)”27人によって提起された清華大学“校長(学長)”宛ての声明書が書き込まれた。それは清華大学の“国情研究院”院長の胡鞍鋼を厳しく叱責したもので、胡鞍鋼は「顧みることなく常識を捨て、学術を無用と見なして」、『中国の綜合国力はすでに米国を超えた』というほら吹き論文を提出したが、それは「上は国家の政策決定を誤らせ、下は庶民を惑わせる」ものであると断言し、直ちに胡鞍鋼から清華大学国情研究院院長と教授の職位を剥奪するよう要求したのだった。この声明書には8月3日までに1000人以上の“校友”が賛同して連署したという。

コメント6件コメント/レビュー

学歴がすべてではないとは思いますが、御用学者といい、現指導部といい、このような人たちが世界最大の人口の国を動かしているのかとゾットしました。中国がおかしな動きをする背景の一つがわかりました。

日本のマスコミももう少し正確な報道をすべきだと思います。例えば、現在の米中の貿易摩擦もいかにも米国が悪いような言いざまですが、知的財産権はじめ不当は手段で国際貿易体制にただ乗りして、その富を国際ルールを無視して自国の覇権に振り向けている国を何とかしないと大変なことになります。(2018/10/19 10:20)

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「化けの皮を剥がされた中国・御用学者の胡鞍鋼」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

学歴がすべてではないとは思いますが、御用学者といい、現指導部といい、このような人たちが世界最大の人口の国を動かしているのかとゾットしました。中国がおかしな動きをする背景の一つがわかりました。

日本のマスコミももう少し正確な報道をすべきだと思います。例えば、現在の米中の貿易摩擦もいかにも米国が悪いような言いざまですが、知的財産権はじめ不当は手段で国際貿易体制にただ乗りして、その富を国際ルールを無視して自国の覇権に振り向けている国を何とかしないと大変なことになります。(2018/10/19 10:20)

<ラジオ・フランス・アンテルナショナル(Radio France Internationale、略称RFI)の中国語版は、... 中国共産党の最高指導部である中央委員会常務委員の7人に関する学歴を掲載した。それによれば、正式に大学本科に入学したのは国務院総理の李克強だけであり、総書記の習近平を含む他の6人の内訳は、工農兵から大学へ推薦入学:2人、夜間大学:1人、高等専門学校:1人、2年制の党学校:1人、大学入学の記録なし:1人であった。>
 感想:まず,こういうことに着目して報道したフランスメディアの質の高さに敬服.次に,China 7の学歴に驚き.もちろん,大学を卒業していれば優秀な政治家になるとは限らないが,件の御用学者の背景をもとに考えると,China 7の海千山千度合いが偲ばれる.驚嘆すべきは中国という国家と共産党という組織である.(2018/10/19 10:17)

入試の加点がどうのって言ってる日本が
いかに公平で平和な国であるのかと
思えてくる文章でした(2018/10/19 09:36)

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