「日本市場での需要は強く、積極的に投資している」。こう強調するのは、米グーグル(Google)のクラウド部門であるGoogle CloudのCEO(最高経営責任者)を務めるダイアン・グリーン氏だ。グリーン氏は2018年9月に開催したイベント「Google Cloud Next'18 in Tokyo(以下、Google Cloud Next)」に登壇し、日本市場への投資など、グーグルのクラウドサービスをアピールした。
グーグルのパブリッククラウドサービス「Google Cloud Platform(GCP)」は、AI(人工知能)やビッグデータ処理などに強みを持つ。だが現状のパブリッククラウド市場を見ると、先行するAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureに追いついてはいない。世界的に見ても先行する2社からは大きくシェアを離されており、追いかける立場だ。
日本市場においてもAWSが2011年3月、Azureが2014年2月に日本にリージョンを設置したのに対し、グーグルが初めての国内リージョンとなる「東京GCPリージョン」を開設したのは2016年11月。「東京でのリージョンの設置以降、日本市場での需要は高まっている」(グリーン氏)というが、先行する2社と比べて製造業や流通業といった一般企業での採用事例や、システム構築を得意とするパートナーの少なさが弱点と言われている。
こうした指摘を払拭するようにGoogle Cloud Nextでグリーン氏は、ファーストリテイリング(ファストリ)との協業を発表。さらにNECがパートナーになったことを明らかにするなど、日本市場でのシェア拡大に向けての取り組みが順調なことをアピールした。
AI導入の支援拠点、初の顧客はファストリ
グーグルの日本市場への新たな投資の1つとしてGoogle Cloud Nextで発表されたのが、AI(人工知能)の活用を支援する組織「Advanced Solutions Lab(ASL)東京」の設立だ。ASLはグーグルのエンジニアが顧客企業のAI活用を支援する組織で、米国の2カ所とアイルランドに続いて世界で4カ所めが東京となる。
ASL東京の初の顧客としてグーグルが発表したのが、「ユニクロ」や「GU」を運営するファストリだ。Google Cloud Nextではファストリの柳井正会長兼社長が登壇し、「当社が情報製造小売業として目指す姿を実現するために必要な最新の技術を、グーグルは提供している。一緒にイノベーションを起こせる」とグーグルを評価した。
ファストリは自らが進める改革の取り組み「有明プロジェクト」において、GCPのAI関連サービスや、グループウエアサービス「G Suite」などを活用する。柳井会長兼社長は「グーグルとはビジネスの基本的な考え方が合っている」として、「できるだけ早くデジタルの技術を、業務プロセスに入れ込んでいかないといけない。それを支える役割をグーグルに期待している」と強調した。
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