eSIMとは?新型iPhoneにも搭載の差し替え不要「次世代SIM」を解説!
eSIMとはいったい何なのか。iPhone XSやiPhone XS Max、iPhone XRに搭載されて注目を浴びるeSIMを徹底解説!eSIMを使うことで今後SIMカードの入れ替えがなくなる可能性があります。大注目です!
この記事の目次
新型iPhoneにも搭載されて注目を浴びる「eSIM」とはいったい何なのでしょうか。
リモートで通信事業者を選べる「eSIM」なら、無線通信によるSIMカードへの情報の書き換えができるようになります。今回は、今後普及が見込まれるeSIMについて詳細に見ていきましょう!
eSIMとは
「eSIM(Embedded Subscriber Identity Module)」とは、リモート操作で通信事業者の切り替えができる組み込み用SIMのことです。
スマートフォンなどの通信端末では、SIMカードを利用し契約者情報を特定しています。今までは、通信事業者の切り替えには手動のSIMカード交換が必要でしたが、eSIMによりリモート操作で切り替えることができます。
eSIMを利用する2つのメリット
eSIMの利用で得られる消費者のメリットは、2つ考えることができます。それぞれ見ていきましょう!
- リモート操作で通信事業者の切り替えが可能
- 1つ目は、リモート操作で通信事業者を切り替えられる点にあります。今まではSIMカード自体を直接SIMカードリーダーと呼ばれる機械に差し込み、情報を書き込む必要がありました。ところがeSIMがあれば、通信端末に差し込んだまま事業者との契約情報をダウンロードし、書き換えることが可能になります。
- 海外旅行に対応可能
- 2つ目は、海外旅行に簡単に対応できる点にあります。格安SIMは、大きく「データSIM」と「音声SIM」に分けられます。音声SIMは、海外での発着信やデータ通信ができる「ローミング」に対応していますが、データSIMは対応しておらず渡航前や渡航後にプリペイドSIMを購入しなければなりません。eSIMがあれば、渡航後に端末から通信事業者の変更が可能です。
eSIMが一般向けに普及?NTTドコモ(docomo)の発表
NTTドコモ(docomo)は2017年2月にコンシューマー向けのeSIM開発をアナウンスしました。2012年から法人向けのプラットフォームを提供してきたドコモは、eSIM対応端末を2017年中に販売することを発表し、dtab Compact d-01J、dtab d-01K、dtab Compact d-02Kの3つのeSIM対応端末を販売しています。
ドコモのeSIMに関するアナウンスを振り返ってみましょう。
「docomo M2Mプラットフォーム」の提供
第1弾は、2012年12月6日に提供開始された「docomo M2Mプラットフォーム」です。車両、建設機械、情報機器等に組み込んだ通信モジュールのドコモ回線と海外通信事業者回線の一元管理が可能となりました。主に企業向けで、統一されたWEB上の管理画面から200以上の国・地域の回線監視や通信トラブル診断の一元化を目的としていました。
M2M機器向けeSIMの提供
第2弾は、2014年6月30日に提供開始された「M2M向けのeSIM」です。通信機器を搭載する車両や建設機械等のM2M機器に搭載するeSIMを法人向けに提供しました。一般にはあまり認知されていませんが、実は3年ほど前から存在していたものなのですね。
M2M機器を製造する企業が海外通信事業者の回線を利用する場合、製造時に各国のSIMを製品に組み込む必要がありました。あらかじめeSIMを組み込んでおけば、海外通信事業者の電話番号を都度書き込むことができ、製造コストを下げることができます。
コンシューマ機器向け「eSIMプラットフォーム」の開発
第3段は、2017年2月23日の「eSIMプラットフォーム」開発のアナウンスです。法人向けのM2M機器に対するプラットフォームやeSIMの提供が従来の発表でしたが、コンシューマー(消費者)向けでeSIM普及の予感を加速させました。
もしも、ドコモだけでなくドコモ回線の格安SIMでもeSIMの利用が可能になれば、SIMカードの発行が必要なくなり、SIMカードを差し替えずに格安SIMの契約情報だけを無線通信で変更できるようになります。
新型iPhoneでもeSIMを搭載
2018年9月に発表されたiPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRは、デュアルSIM端末となっており、1つはnanoSIM、そしてもう1つはeSIMとなっています。
eSIMは年内中行われるiOS 12へのソフトウェアアップデートにより利用できるようになる予定で、対応する通信事業者との契約が必要となります。
iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRのeSIM対応の通信事業者はAppleにより発表されています。まだ日本の通信事業者の名前はありませんが、販売開始のタイミングでdocomoやau、SoftBankは掲載されると予想されます。
参照:Find wireless carriers that support eSIM
eSIMは通信事業者から送られてくるQRコードをiPhoneで読み取ったり、通信事業者が提供するアプリを利用することでアクティベートを行います。複数の通信事業者のプランを登録することもできますが、1度に使えるプランは1つだけです。iPhone上の操作で切り替えることができます。
MVNOではIIJがeSIM活用に積極的
個人向けの格安SIMサービスとしてIIJmio(みおふぉん)を提供するIIJ(インターネットイニシアチブ)は、eSIMの活用に積極的なMVNOといえるでしょう。
MVNOはdocomoなどの大手通信キャリアが持つ基地局などの設備を借りて格安SIMのサービスを提供しています。多くのMVNOではSIMカードの識別情報や契約情報、位置情報を管理する「HLR/HSS」と呼ばれる加入者管理機能も大手キャリアのものを使用しています。加入者管理機能を持たないMVNOでは独自のSIMカードが発行できず、大手キャリアから借りたSIMカードをそのまま提供しています。eSIMの書き換えにも同様に加入者管理機能が必要です。
IIJは主要な格安SIMのなかでいち早くdocomoの加入者管理機能と連携、自社で加入者の管理をすることにより「フルMVNO」としてのサービスを2018年3月に開始しました。フルMVNOとなったことで独自のSIMカードを発行したり、SIMカードに電話番号などの情報を書き込めるようになりました。
IIJはフルMVNOとしてのサービス開始当初より検討中の項目として「eSIMによるサービス提供」をあげていました。その後、7月にはeSIM搭載端末の動作検証の開始とeSIMプラットフォームの正式なサービス化を2019年春に予定していることを発表。同月開催のMVNO・携帯電話網についてのトークイベント「IIJmio meeting 20」ではマイクロソフト製のeSIM内蔵PC「Surface Pro LTE Advanced」でのデモも公開しました。
公開されたデモはQRコードでURLにアクセス、Surface内のeSIMに通信に必要なプロファイルをダウンロードして書き込み、IIJの提供するサービスで通信ができるようになるまでの流れ。画面の指示に従ってタップして進んでいくだけで難しい操作もなく、eSIMによる接続先の切り替えは誰でも簡単にできそう。ダウンロードしたプロファイルは複数eSIMに保存でき、必要に応じて切り替えて利用できるようになるそうです。
IIJのフルMVNO化やeSIMサービスについて、詳しくは以下の記事で説明しています。
eSIM普及でSIM差し替え不要が今後の主流?
格安SIMが流行し、SIMカードの差し替えが当たり前になってきました。しかし、このSIMカードの差し替えは、サイズの違いやキャリアの違いにより使えないこともあって、SIMカードを変える場合、SIMロックや、使える電波、SIMカードのサイズを調べないといけないのがデメリットでした。
しかし、eSIMが一般的になるとこれらの煩わしさから解放されます。スマホ等の使える電波はスマホメーカーがグローバル化しないといけませんが、少なくともSIMカードのサイズ合わせ等は必要なくなると思います。
しかし、デメリットも発生するかもしれません。eSIMが採用されるとSIMカード自体、取り出す必要がなくなる可能性もあり、スマホの内臓パーツの一部となることもあるかもしれません。そうなると0 SIMのような無料のSIMカードをとりあえず持っておきたい場合、スマホかタブレットも必要になってしまうということも考えられます。
この辺はドコモがどのあたりまでの柔軟性を考えてシステムを構築するのかによるものと思います。
「ROM書き」の過去
今のようなSIMカードに情報を書き込み差し替える以前はROM書きという呼ばれる方法が主流でした。携帯電話自体に情報を保存する機能があり、パソコンから直接USBで携帯電話へ情報を書き込んでいました。
今ではほとんど見なくなりましたが、一部のモバイルルーターではこの方式を採用しているものもあります。
OTAとの違い
今ではSIMカードに直接情報を書き込みする方法に変わりましたが、その場合OTA(Over The Air)と呼ばれる方法が取られるようになりました。
携帯センターで携帯電話の製造番号とSIMカードの番号を登録すると通信によって遠隔でSIMカードに情報が書き込まれます。eSIMと同じような機能なのですが、今までのOTAの場合は一度書き込んだ情報を消すことができません。書き込んだ情報を消す場合は特別なカードリーダーにSIMカードを入れる必要があります。
eSIMの場合は遠隔操作でSIMカード内の情報を書き込み、消去することも可能ですから、自由度は高くなっています。
eSIMに対応したスマホやタブレットなどのスマート機器
日本ではドコモ(Docomo)が先陣を切った形ですが、すでにeSIMに対応した端末も出てきています。日本では未発売のものも含めて紹介します。
iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR
出典:iPhone – モデルを比較する – Apple(日本)
2018年9月に発表されたiPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRは、nanoSIMとeSIMのデュアルSIM端末になっています。
予約注文は2018年9月14日から、発売は9月21日からとなっています。eSIM搭載の最新のiPhoneを購入したい方は、各キャリアの公式サイトをチェックしておきましょう。
dtab Compact d-01J
「dtab Compact d-01J」はdocomoが販売するeSIM内蔵のタブレットです。製造メーカーはHuawei Technologies Co., Ltd.となっています。
dtab Compact d-01JのeSIMは、nanoSIM型のeSIMが取り付けられており、取り外しも可能です。そのため、端末組み込み型のeSIMとはやや異なり、ユーザーとしては通常のSIMと同様のSIMに見えるのが特徴です。
公式サイト:docomo
NUU X5
出典:NUU mobile
NUU mobileの「NUU X5」は、eSIMを内蔵したスマートフォンです。「CES 2017」で発表されたこの端末は、Android7.0、3GBのRAM、1.5 GHz オクタコアを搭載し申し分ない性能を誇ります。日本では未発売です。
Gear S2 Classic 3G with GSMA
出典:Samsung
Samsungの「Gear S2 Classic 3G with GSMA」は、eSIMに対応したスマートウォッチです。残念ながら日本では未発売。
Apple SIM
Appleでは「eSIMのような技術」を以前から取り入れており、Apple SIMを発売しています。Apple SIMは世界中のどの通信事業者でも契約できるSIMカードで、1枚SIMカードをタブレットに入れておけば、自由にどの回線でも契約できるようになります。
ただ、Apple SIMが使えるのは特定のiPadだけとなっていて、音声通話契約まではできません。また日本ではauだけプリペイドタイプのプランが契約できるようになっています。
AppleのiPadは世界中の電波を利用できるように作られているため、どの回線でも通信できるのでApple SIMのようなことが可能なのですが、アンドロイド系のデバイスの場合、地域に特化した電波しか使えない場合もあるため、Apple SIMのような技術を取り入れても実際は使えない地域もあります。
eSIMの今後の動きに注目!
eSIMは次世代SIMカードで、SIMカードへの情報書き込みや上書きが簡単にできるようになる技術です。格安SIMで利用できた場合、例えばDMMモバイルからネット手続きだけですぐにLINEモバイルに切り替えできるようになるかもしれません。eSIMの今後の動きには注目しておきましょう。
格安SIMに切り替えると
どのくらいおトクなの?
8,000円だとしたら
をもとに算出(2018年5月23日現在)
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