救いたい人を救うだけ。俺ならできるからやっただけだ。
結局俺たちはあの三匹のゴブリン以外のゴブリンに遭遇しなかった。あの三匹は
それよりもシャーロンさんが走る方でゴブリンの叫び声や炸裂音がとめどなく聞こえる。そこにサラさんがいるのは確定だ。俺はクニャラを担いでその音のする方へと急いだ。
小高い丘に上がると今まさにサラさんがゴブリン達に襲われる直前だった。
「レオナ、アローレインだ!」
「アローレイン!」
レオナが剣を上空に掲げると、剣から無数の光の矢が放たれた。それらはすべてのゴブリンを直撃し光の粒へと変えた。
うあ、これはえげつない。まあこれでもエルダートレインの
そんなことよりもサラさんだ。体を朱色に染めているかなりの大ケガだ。俺は大丈夫だとサムズアップでサインをしてサラさんを安心させる。
サラさんの怪我は右肩をえぐり、血がドクドクととめどなく流れていた。
「サラさんこれを飲んで」
「私は……」
「良いから飲むんだ!」
俺は彼女の口に回復薬(大)の瓶をつけ無理矢理飲ませた。傷はみるみる治り顔色も艶のある朱色へと変わった。
「みんなごめん」
傷が治ったサラさんは俺たちに頭を下げる。
「なんで謝るんだ?」
「私はみんなを裏切った、家族だって言ってくれたのに自分の思いだけで裏切った」
「でも、後悔はしてないんだろ?」
「うん、わたしはシーファを助けたい。だからそれは後悔はしてない」
「なら気にするな、俺たちはバカな家族のサラさんを助けに来ただけだから」
俺はボサボサになっているサラさんの頭をなで慰める。
「ケンタは甘すぎです」
クニャラがそう言うとポカッとサラさんの頭を杖で叩く「じゃあ私もケンタさんの代わりに」
レオナもグーでサラさんのお腹を殴る。
「お姉さま、みんなお姉さまが好きなんですよ?」
シャーロンさんはサラさんの頬を平手打ちする。
叩かれた先程よりも晴れやかな顔をしている。俺はそんな彼女を抱き締めた。「間に合ってよかった、次からはちゃんと相談してくれ。家族を失うなんて耐えられない」
「うん、ごめんなさい」
ミシミシッ俺の背骨が悲鳴をあげる、さば折りかな?いやサラさん痛いよこれ。折れちゃうよ?おれの背骨折れちゃうよ?
「さらさんくるしぃ。ぐっ」
そんな俺の鬼気迫る言葉を聞いて、みんながサラさんを止めるが泣いていて手がつけられない。
ああ、これ死ぬかもしれない。まさか胸上死がリアルで起こるとはな。しかしサラさんの胸の弾力ヤバイな、死ぬ前にさわっとこ。
俺はサラさんの胸を横から鷲掴みにして揉みしだいた。
「きゃっ!」
サラさんはまるで乙女のような声をあげ後ろに飛び退く。た、助かった。さすがファッションビッチ。エロ攻撃に弱いとはビッチを名乗るには3年早いぜ? 俺はゴホゴホと咳き込みながらなんとか回復薬を飲んで事なきを得た。
「ごめんケンタ、嬉しくて力の加減がつかなかった」
「ゴメスはバカです」
「自重してくださいゴメスさん」
「お姉さま……」
みんなから散々な言われようのゴメスさんの腕を取り、俺は彼女の指に指輪をはめた。
「これは?」
「俺たち家族の証だよ」
俺とクニャラとレオナは自分の指についた指輪を見せる。それは太陽の光を吸収し、まるで赤い糸が繋がっているように光っていた。
「ありがとう」
そう言うとサラさんは、また俺に抱きつこうとする。当然三人は殺らせねえよと言わんばかりにブロックする。
「それよりもシーファさんを助けにいこう」
「……うん、そうだね」
「それならあちらです。あちらからシー姉様の気が感じられます」
エルフである。シャーロンさんは生物の探知に優れている。それで先程のゴブリンの敵襲も気がついたのだ。渓谷にはいくつも洞窟があり、その一つの中にシーファさんがとらわれていると指を指す。
シャーロンさんが指を指した洞窟に入ると、まるで養豚場や養鶏場のような臭いが充満していた。中を明かりで照らすと一つの生き物がいた。腕や足はなくお腹がいくつにも別れ膨らんでいた。それはまるでブドウのような
「シーファ……」
サラさんが剣を抜きシーファさんのなれの果てに近づく。
「さ、サラ?」
「私がわかるの?」
「ああ……シャーロンまでいるじゃない。よかったあなたち生きて残れたのね」
「あなたのお陰で、みんな元気よ」
「良くやったわサラ、私の意図を組んであのときすぐに逃げたからみんな助かったのよ。自分を誇りなさい」
サラさんはもう動けないシーファさんを抱き締める。
「わたし、汚いよ」
「汚いもんですか、あなたは世界一美人よ忘れたの?」
「ふふ、じゃあ世界一はあなたに譲るわ、そろそろ殺してくれると嬉しいかな」
「わかった、あなたは最高の親友で最高のリーダーだったわ」
「サラ、あなたは私の人生でこれ以上はないって位の親友だったわよ」
「「また、いつか会いましょう」」
二人の声がハモるとサラが剣を叩き下ろす。俺はそれをツルハシで弾く。俺の突然の行動にサラさんは驚く。
「ケンタなにするの」
「俺もシーファさんを救いたいんだ、少し時間をくれ」
「た、助けられるの?」
「わからない、ただシーファさんの気持ちを聞きたい」
俺は彼女に対峙して一つの質問をした。
「シーファさん元の体に戻れるなら生きたいか?」
その質問がどんな意味かは理解できないだろう。だが彼女は言った「戻れるなら生きたい」と。
「分かった、なら俺は全力でシーファさんを救うよ」
俺はまず回復薬(大)を飲ませた切られた腕や足が生え自殺防止のために折られた歯が生え揃った。たがブドウのような体は元に戻らなかった。
「戻らない……」
シーファさんはそう呟いたが、俺には失敗することがわかっていた。この体は太ってるのと同じ状態なのだ、だから回復薬では治らない。
俺は女神からもらった木の棒を錬金術の人工子宮へと変えた。
「シーファさん今から一度死んでもらう。ただ絶対に復活させるから怖がらないで欲しい」
「……はい、私の命はすでに無いものと同じです。あなたにすべて任せます」
俺は人工子宮をドラゴンの精液で満たしマンドレイクやドラゴンの骨髄、数種の秘薬を投入しサイドのタンクにドラゴンの血をセットした。
「サラさん、シーファさんの首と四肢を切ってください」
助けると言った俺の言葉とは真逆の命令にサラさんは戸惑う。
「ケンタ、シーファを助けるって……」
「シーファさんは必ず助けます。俺を信じてください」
俺の強い言葉にサラさんはコクンと頷く
「わかった、ケンタを信じる」
「サラできるだけ痛くないようにお願いね」
冗談を言うようにニコリと笑う彼女は相当な精神力の持ち主であることがうかがえる。
「大丈夫よ腕は鈍ってないわ」
サラさんはその言葉が終わる前に一瞬でシーファさんの首と四肢を切断した。俺はすぐさまそれを拾うと人工子宮へ投入しシステムを起動した。
血が精液と混じりピンク色の液体になる。血の循環で人工子宮内は精液がカクハンされているシーファさんお四肢が溶かされ顔も無くなる。しばらくすると子宮の中に影ができる。それは人の形を形成していく。精液が無色透明になり人の姿がはっきりとわかるようになる。
「シーファ!」
サラさんが喜びの声をあげる。それと同時にブザーが鳴り透明な液体が排出される蓋を開けるとシーファさんが目を開ける。自分の体や手を見て顔をさわる。
「ちゃんと私になってる?」
「うん、あの時のあなたよ」
サラさんがそう言うやいなやシーファさんを抱き上げる。失敗した。元に戻すって言ったのに子供にしてしまった。
「ごめん、失敗した子供になるとは思わなかった」
「なに言ってるんですか大成功ですよ。これがシーファの本当の姿ですよ、この子は天才で子供S級冒険者なんですから」
なにそれどこの店長よ。
下ろされたシーファさんは俺の側に来て頬にキスをする。
「ケンタさんありがとうございます。わたしの名前はシーファと言います。このご恩は生涯忘れることはないでしょう」
「いいえ、あなたを救ったのはサラさんとシャーロンさんですよ。それに救いたい人を救うだけで俺ならできるからやっただけですから」
俺がそう言うとシーファさんはクスリと天使の微笑を浮かべる。
「謙虚なんですね、そう言う方は好きですよ」
ふむ、これはシーファさんも俺の娘になるフラグかな? 良いでしょう、良いでしょうそんなに俺の娘になりたいなら娘として迎え入れましょうぞ。
その時ふとサラさんの足にまだゴブリンの花嫁の呪印が見えた。あれ、なんでださっきゴブリンキングは倒したろ? なんで呪いが解けてないんだ。
「え、嘘!」
シャーロンさんが驚きの声をあげる。
「どうしたんですかシャーロンさん」
「1万、3万、え……10万、いいえ30万……なんで……」
愕然とするシャーロンさんにシーファが歩みより何があったのか聞き出す。
「みなさん50万のゴブリンの軍勢に囲まれました」
シャーロンさんが絶望の表情で俺たちを見て言った。
終わりの時はすぐそこです。
悔い改めてブクマを入れなさい。
さすればすべての人は救われることでしょう。
50万のゴブリン軍団はたしてケンタ達は生き残ることができるのか?
次回2章最終話
勇者召喚に巻き込まれた主人公は召喚失敗で何処かの異世界へ。 異世界?魔法?よくわからないが。 色々な仲間が増えているけど喋れる相手がいないって‥小さい仲間も作っ//
忍宮一樹は女神によって異世界に来訪し、そこでチート能力を選択できることになった。 だが異世界に来てチート能力を貰おうと戦闘しなくてはいけないわけではない。 //
地球の運命神と異世界ガルダルディアの主神が、ある日、賭け事をした。 運命神は賭けに負け、十の凡庸な魂を見繕い、異世界ガルダルディアの主神へ渡した。 その凡庸な魂//
鑑定士であるロランは所属していたギルド『金色の鷹』を追放されてしまう。 ギルド長、ルキウスからの一方的な嫉妬によるものだった。 突然の解雇宣言に傷つき、打ちひし//
【お知らせ】書籍化決定しました! オーバーラップノベルス様より好評発売中です。また幻冬舎様よりコミカライズ企画が進行中です! しがない会社員の主人公は突如、異//
●書籍1~4巻、ホビージャパン様のHJノベルスより発売中です。 ●コミカライズ、スクウェア・エニックス様のマンガUP!、ガンガンONLINEにて連載中。コミック//
【アース・スターノベルさんより書籍化されます】 女神から祝福を受けて〝職業〟を与えられたアレル。 しかしそれは《無職》という何のスキルも習得できない最低の職業だ//
異世界へと召喚され世界を平和に導いた勇者「ソータ=コノエ」当時中学三年生。 だが魔王を討伐した瞬間彼は送還魔法をかけられ、何もわからず地球へと戻されてしまった//
主人公リック・エルロードは、勇者パーティーのメンバーで錬金術師をやっていた。 ダンジョン攻略に行く二日前、リックはアトリエで調合をしていたのだが、突然尋ねてきた//
空気モブとして生きてきた高校生――三森灯河。 修学旅行中に灯河はクラスメイトたちと異世界へ召喚されてしまう。 召喚した女神によると最高ランクのS級や//
――この世界ではスキルが将来を左右する。 そんな中主人公のヨータに発現したスキルは、超絶不人気である支援系統のスキル1つだけだった。 ただでさえレベルが上がり//
とある世界に魔法戦闘を極め、『賢者』とまで呼ばれた者がいた。 彼は最強の戦術を求め、世界に存在するあらゆる魔法、戦術を研究し尽くした。 そうして導き出された//
ゲームだと思っていたら異世界に飛び込んでしまった男の物語。迷宮のあるゲーム的な世界でチートな設定を使ってがんばります。そこは、身分差があり、奴隷もいる社会。とな//
◆カドカワBOOKSより、書籍版13巻+EX巻、コミカライズ版6巻発売中! アニメBDは3巻まで発売中。 【【【アニメ版の感想は活動報告の方にお願いします!】】//
※タイトルが変更になります。 「とんでもスキルが本当にとんでもない威力を発揮した件について」→「とんでもスキルで異世界放浪メシ」 異世界召喚に巻き込まれた俺、向//
【GAノベルより1巻発売中。コミカライズ決定しました!】 かつては最強の魔術師として伝説になっていたダグラス。 しかしおっさんと言われる年になったいま、体は衰え//
コミカライズ連載中!(ニコニコ漫画・水曜日のシリウス内) ブラック企業で過労死した佐藤亮太は異世界に転移して、レベルが1に固定される不遇を背負わされてしまう。//
おっさん冒険者ルイスは、自分に最強の力が備わっていることに気づいていなかった。 どんなに魔獣を倒してもレベルが上がらない。 どんなに修行しても強くなら//
*書籍化決まりました。ダッシュエックス文庫より7月25日に1巻発売予定です! *他サイトでも連載中です。 生まれ持った眼の色によって能力が決められる世界//
■2018/4/27より、無料ウェブコミック、デンシバーズ様にてコミカライズが掲載中です。書籍も制作中です。 スーパーから出るとそこは荒野だった。おそらくチー//
柳瀬蓮人は営業を生業とする平凡な社会人である。趣味は、もう5年以上続けているオンラインVRゲーム『エインヘリアル』。自由度の高いこのゲーム内で蓮人は黙々と自らの//
柊誠一は、不細工・気持ち悪い・汚い・臭い・デブといった、罵倒する言葉が次々と浮かんでくるほどの容姿の持ち主だった。そんな誠一が何時も通りに学校で虐められ、何とか//
【カドカワBOOKSから書籍版の刊行が決定しました!3巻は8月10日発売予定です。】 【コミカライズが連載中です!「ComicWalker」内の「異世界コミック//
おっさん冒険者ケインは、いつもの薬草採取の途中で幸運にも、超レアアイテム『蘇生の実』を手に入れる。 一度は売って金に変えようと思ったケインだったが、仲間の命//
◆◇3巻 5月15日より好評発売中です◇◆ 通り魔から幼馴染の妹をかばうために刺され死んでしまった主人公、椎名和也はカイン・フォン・シルフォードという貴族の三男//
俺、一之丞は就職100連敗、さらに記録更新中の無職だった。 面接に向かう途中、トラック事故に巻き込まれ、あえなく死亡。 そして、女神から常人よりも400倍//
冒険者をクビになった! やけくそで生産ギルドに転職したら、なんかスゲー錬金術師になっちまったよ! 開拓村で新たな生き様を刻むのだ! ポーション? //
4/28 Mノベルス様から書籍化されました。コミカライズも決定! 中年冒険者ユーヤは努力家だが才能がなく、報われない日々を送っていた。 ある日、彼は社畜だった前//
◇◇◇書籍化のお知らせ◇◇◇ いつもありがとうございます。 MFブックス様にて書籍化することになりました。発売日は9月25日になります。 イラストレーターはハル//
VRRPG『ソード・アンド・ソーサリス』をプレイしていた大迫聡は、そのゲーム内に封印されていた邪神を倒してしまい、呪詛を受けて死亡する。 そんな彼が目覚めた//
●KADOKAWA/エンターブレイン様より書籍化されました。 【一巻 2017/10/30 発売中!】 【二巻 2018/03/05 発売中!】 【三巻 //
現代日本で、どこに出しても恥ずかしくない立派な社畜の渥目雄馬は今日も一人、会社に残り残業していた。 そんな時、渥目は自身のデスクの上に謎の契約書を見つける。その//
勇者の加護を持つ少女と魔王が戦うファンタジー世界。その世界で、初期レベルだけが高い『導き手』の加護を持つレッドは、妹である勇者の初期パーティーとして戦ってきた//
ブラック企業に酷使された男が転生したのは、ステータスやスキルのある世界。 その世界で彼は、冒険者になることさえ難しい不遇職『テイマー』になってしまう。 //
放課後の学校に残っていた人がまとめて異世界に転移することになった。 呼び出されたのは王宮で、魔王を倒してほしいと言われる。転移の際に1人1つギフトを貰い勇者//
クラスごと異世界に召喚され、他のクラスメイトがチートなスペックと“天職”を有する中、一人平凡を地で行く主人公南雲ハジメ。彼の“天職”は“錬成師”、言い換えればた//