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25トンの重さに耐えつつ携帯電話の電波を通す材質のフタとするため、安藤担当課長らは複数の素材で試作を繰り返した。一般的な鉄製のフタで穴を開けたものや排水溝のようにグレーチング(格子状)としたもの、繊維強化プラスチック(FRP)や炭素繊維などを試した。
その結果、鉄や炭素繊維では電波が十分に透過しなかったが、FRPでは「厚さ5センチメートルでも減衰しないことを確認できた」(安藤担当課長)。併せて同社は北海道にマンホール基地局を設置し、直上に圧縮状態の雪が45センチメートル積もった状態でも電波の透過性に影響がないことを確認した。
マンホール基地局で都心部・観光地のエリア差別化
出力とアンテナの配置を巡っては、人体に影響を及ぼさない目安として総務省の電波防護指針を順守した。アンテナは無指向性のものを2本使い、マンホール内でのアンテナの傾きを試行錯誤して人体への影響とエリアの広さを検証。その結果、2本のアンテナを地表から10センチメートル離してまっすぐ立てて設置すると遠方まで電波が到達し、かつフタの直上に人が立っても影響が小さかった。
また、2本のアンテナが近すぎると電波が相互に干渉してしまうため、マンホールの直径を60センチメートルとして内部で2本のアンテナを離して設置できるようにした。FRP製でフタの直径を60センチメートル、厚さを5センチメートルとした場合、重さは27キログラム。電波の出力は具体的には明かしていないが「スモールセルと呼ぶ基地局の水準」(安藤担当課長)といい、おおむね半径50~150メートルをカバーできるとする。
マンホール基地局を新設するには穴を掘削して電源やバックホール回線を引き込む必要があり、設置コストは1000万円弱と通常の基地局の数倍かかる。それでも「ロケーションや景観などの問題でどうしても一般的な基地局の設置が難しい都心部や観光地などであれば、戦略投資としてマンホール基地局を設置し通信品質で他社に勝つという意味で効果が期待できる」と安藤担当課長は語る。
同社は2018年度に北海道のほか、ユーザー数の多い東京都内と高温多湿で雨も多い沖縄県内でマンホール基地局の実証実験を進め、2018年度中に本格展開を始める方針だ。