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楽天、設備活用狙う電力各社とWin-Winの設備活用

 子会社の楽天モバイルネットワークを通じ、自営での携帯電話サービスに参入する楽天。総務省に提出した開設計画では、2026年3月末までに全国で2万7397局、人口カバー率で96%の基地局を整備する方針を示している。内訳はビルの屋上が約5000局のほか、コンクリート柱が約2万局、鉄塔が約2000局。これらの設置場所について、他の通信事業者がアンテナを設置済みのビルやコンビニ、道路脇の空き地などのほか「電力会社が保有する既存電柱等の設置場所を確保」する方針だ。

 楽天は2019年10月のサービス開始に向け急ピッチでエリア整備を進めるべく、2018年3月から東京電力、中部電力、関西電力、九州電力の電力大手各社と相次いで提携。各社が保有する設備の貸出を受ける方針を示した。

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携帯電話のアンテナが取り付けられた東京電力パワーグリッドの送電鉄塔(左)とその拡大部(右)
(写真提供:東京電力パワーグリッド)

 楽天が電力各社の設備を借りることは、電力各社にとっても渡りに船だ。「電力自由化以来、小売事業者から得る託送料以外でも収入を得られるよう新規事業を模索している。保有する設備をできるだけ活用して収入を確保するため、設備の有効利用も2年ほど前から積極的に取り組んでいた」。東京電力パワーグリッド(東電PG) 事業開発室の松田憲俊チームリーダーはそう明かす。楽天と電力各社でWin-Winの関係を築けているわけだ。

 東電PGの場合、これまでも通信各社やCATV(ケーブルテレビ)、自治体の防災無線、町内会の防犯カメラなどに自社設備を貸し出しており、送電鉄塔は首都圏4万5000本のうち400本、電柱は600万本のうち1万本、電力用保安通信の無線鉄塔は300基のうち100基程度に、基地局のアンテナなどを取り付けている。楽天への具体的な貸出場所などはこれから詰めるが、「規模としては桁違いになるだろう」(松田チームリーダー)と期待を寄せる。

 貸出費用は増強工事などにかかる初期費用と月々の賃貸料から成る。「貸し出す設備の種類と場所、増強の有無、設置するアンテナの本数などにより異なるため一律の料金メニューはない」(東京電力パワーグリッド 事業開発室の車谷幸二氏)が、月々の賃貸料は電柱の場合で数万円~10万円程度が多いという。

 東電PGではこれまで、例えば送電鉄塔は送電部門、電柱は配電部門、通信鉄塔は通信部門など貸出の申請窓口が分かれていたが、2018年度内に申請窓口を一本化。通信会社が利用しやすい体制を整えていく方針だ。「当社自身も、道路管理者や自治体などの理解のもと、電柱や鉄塔のロケーションを借りて面的にネットワークを設置している立場だ。それを通信設備にも活用できることで地元の人たちに還元していきたい」(松田チームリーダー)としている。