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┗135634.擬似的戦争:Leal Pait+ ー 狂戦術師が染める第一世界 ー

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1:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
03/20 00:02

     君達には今から
 『擬似的に戦争』を始めてもらうよ。
  大丈夫、ただのゲームと一緒さ。

   君と今すぐEngaugeしたい!
     ミバネオ内リンク

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Ⅲ日目 竜狩る術は状況をみる鋭き刃 >>180-279
Ⅳ日目 >>280-
Ⅴ日目 Ⅵ日目


  プレイヤー+αまとめ >>218

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293:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/04 14:11

「…乃亜ちゃん、」

「そうだ、朝ごは…」

すっとぼけ続けた後、
話題を変えに走ろうとする
乃亜の腕を咄嗟に掴む。

「…何…?」

驚いて顔を合わせたタイミングを見計らい
自身の元へ引き寄せた。

乃亜と距離を詰めると、
一気に口角が上げられる。

「 …い? 」

「…えっ?」

目も徐々に細まり、三日月となって行く。
それは乃亜を嘲笑っている様にも見える。


みんな殺しちゃおうよ…
 わたしたちでさ



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294:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/04 19:53



「ごく… ごく…」

先程から口にするのは、飲み水ばかり。
メインとなるパンには一切触れない処か、
それを『敵視』している。

「…えっと、璃音…」

他人の口すら、挟ませる気のない程
熱心に、水を口内に注いで行く…

「ここに来てずっと水しか飲んでないけど
 …冷えない?」

フードサイドにあった、パン屋。
お馴染みのパンから、
よく分からないパンや創作パンまで、
幅広いバリエーションがある。

温かみを感じる木製の家具に囲まれ、
二人は朝食を取っている最中なのだ。

「冷える… 身体がか?」

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295:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/04 20:04

「…身体と言うか、お腹…」

『冷たい水を一気に飲むと、
何かの菌が死んで腹を痛める』…

と、肝心な部分を覚えてないのだが、
母が言っていた気がする。

「何を言っている?」

やっとコップを手から離し、
眼前の大智に瞳を合わせた。

「人間の体内はほとんどが水だ。
 花の成長にも、水は必須だ。
 水がなければ、我等を包むサイクルが
 廻らなくなるのだ…
 そう!

『ドンッ!』

勢いよく、両手でテーブルが叩かれる。

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296:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/04 20:48


「我が『ヘリオトロープ』となり
 咲き誇る事が出来るのは、
 全人の王が生み出した太陽の『熱』が
 あるからこそ。
 それに、全能の魔術師が望んだ夢…
『理想』を掲げるのだ。

 さぁ汝。汝は廻る陽を信ずるか?
 否、廻る陽と成るか?

 信ずるならば、我近寄る事を許し、
 陽に成るならば、我再臨す!

 全人の王と全能の魔術師の血を引く、
 紫の狂戦術師・天露 璃音が!


「…」

すっかりスイッチが入り、
ペラペラと自分の世界を語り出していた。

深緑の目を輝かせ、
コップ片手に熱弁する彼の世界を、
遠い存在の様に見ている大智がいる。

「…ごめん、さっぱり分からないや…」

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297:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/04 22:14

「なっ…」

「…そもそも、
 ヘリオトロープって何?」

ずっと思っていた事・その… 三位。

いざズバリと訊かれると、
少年は溜め息を付いて
前のめりだった身体をテーブルに戻す。

「『ヘリオトロープ』とは…
 花なんだ」

「花… どんな…?」

思い出されるのは鎌の色だ。
菫に近い薄紫色の花、なのだろうか。

「紫色や白色の小さな花が、
 何十、何百と集い、生まれる花の名。
 人はそれを『ヘリオトロープ』と呼び、
『太陽を向く花』と表すのだ」

(『太陽』って言うのはそう言う事か…)

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298:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/05 09:19

『廻る陽』もそこから来ているのだろう。

(何か意味があるのかな…)

さすがに考え過ぎだろうか。

天使を演じる者に、
「どうして天使を演じてるんですか」
と訊いても、答えは見える物だ。

「そうだ、我はこれから
 ハウダ達の武器屋へ向かうのだが…
 どうだ?」

「そうだなぁ… 俺も付いて行くよ」

「そうとなれば、その糧を得よ!」

とにかく行動を速める為に、
取って来たパンを口へ放り込む。

すると当然喉を詰まらせ、
結果的に時間を食ってしまった事は
言わないでおこう。

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299:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/05 09:34

「な… 何、言ってるの?
 殺す…? 『ロスト』って事?」

彼女が作っていた笑顔に、
冷や汗が浮かぶ。

「どうせ、そうしなきゃ
 終わらないと思うよ?」

「…ど、どうして?
 この前は… みんなと、
 楽しそうにしてたじゃん…」

『この前』と言っても初日の話だ。

それ位の時間があれば、
人の心を変えられる…
変えてしまえる事。

乃亜はそれを一番知っている。

「だからだと思うよ~」

「…だから?」

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300:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/05 09:51

「そう…


 みんなをまもるの♪ 」


「…!?」

この場にそぐわないであろう、
穏やかな笑顔が、明るいマイペースな声が
乃亜に襲いかかった。

ドクドク音を上げて鳴る鼓動が、
自身に危機を伝えて行く。

「…おかしい…」

『説得は無理だ』

脳内のシグナルを無視し、
本能が一人歩きを始める。

おかしいよ、そんなのっ!
 守る為になくす?
 矛盾だよ!
 失ってから気付くんじゃ遅いんだよ
 そんなの『守る』何て言わない!」

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301:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/05 15:06

「じゃあさ、乃亜ちゃんは
 そんな『きれいごと』で
 どうにかなるって思ってるの?」

「それとはまた違う話でしょっ!」

「…そうかな~…」

心は少し、呆れた意が籠った顔を見せ、
つまらなそうに目を細める。

「じゃあ…
 いいや。やめる。」

「えっ?」

ふらふらショッピングルートへ歩む心。

そのまま別れになるかと思いきや、

「この事、言ってもいいけど、
 わたしにはまだ『策』があるから」

一本の釘を刺し残した。

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302:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/05 15:16

(何だったの…)

背中を見送る乃亜であるが、
内心、ほっとしているんだろう。

(別にわたしは、
 守ろうとか思ってないし)

鼓動は鳴り止んだ。

プレイヤールームに戻ろうとし、
エスカレーターの先を眺めた。

「…!」

廃校舎を出て行く、二人の少年。

上からそれを見下ろしていた乃亜は
思わず、コトノバツーワの画面を
叩いていた。

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303:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/05 20:37

『ピピピッ…』

「…ん、電話だよ…
 骸君」

廃校舎を出、キワク街に訪れた所で
通話のサインが鳴ったのは、骸であった。

「あ、乃亜ちゃんからだ…
 通話は… これかな?」

緑色のボタンを押すと、
コトノバツーワから、声が流れて来る。

「…はい、もしもし…」

『骸君だよねっ。今… 暇かな?』

単刀直入を極めた一言は、

「乃亜さんだよね?」

『乃亜でいいよ~ 骸君!』

当然画面に書かれていた少女と
同じ名を語る。

「じゃあ、僕の事も骸でいいよ」

『うん、じゃあ…
 骸、って呼ばせてもらうね』

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304:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/06 00:00

「それで… どうして通話して来たのさ?
 君とは初日以来の付き合いだし、
 そんな関係性の薄い僕に
 わざわざ連絡を寄越す必要何て
 ゼロパーセントだと思うけど」

他人にもズバズバ言い、
自分が絡む事でも遠慮はない様だ。

『あー… うん、
 敢えて、骸… にね』

その分相手の事を
深く考えているのだろうが、
イマイチ『気遣い』として
考えてはなさそうだ。

「敢えて…
 まるで、二位と言いたげな言葉。
 君は僕と意見が合わないだろうと思」

『話始まらないよそれっ!』

延々と始まる推測を切られ、
骸は我に返った様に目を見開いた。

「そ、そうか…。
 ごめん。つい、癖で」

『癖…?それが?』

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305:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/06 00:23

「そう。変な癖なのは知ってる」

そこまで話すと、
隣にいた灯也に小さな声で言った。

「通話終わったら戻るよ」

「戻る、つまりここで待…」

待っていればいい。

聞く耳なく立ち去ってしまう骸に、
かけるべき言葉が、自然に溶ける。

「…どうしよう…」

(あの電話の相手は乃亜…
 立ち去るのは、
 聞かれたくない話をするから…)

文脈を捉えると、骸が
『自分の癖』について話すんだろう。

(話題は『自分の癖』で、
 聞かれたくない理由は…?)

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306:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/06 10:20

他人の言動を持論を用いて、推測する事。

それを彼が『癖』と言い、
理由を隠す・言いたくない理由が
あるとするならば…。

(過去に人の言動を見抜かなきゃいけない
 理由があった、とか…)

人質にされた、等の恐怖体験なら、
人と会う事すら拒むはずだ。

(…ま、いいや)

骸が歩んでいたキワク街の中心へ
進む道に目をやり、顎を引いた。

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307:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/06 10:49

足音が、騒々しい世界から聞こえる。

『人の言動を見て、
 その深意を考えるのは元々好きでね。
 最初はそれを許容していた皆だけど、
 気付けば嫌われてる訳さ』

灯也の推理よりも、軽い要因の様だ。

ペラペラと口にする骸の顔は
コトノバツーワからは分からないが、
声色は変わっていない。

『そりゃ長々と
 ありもしない事を捏造される。
 言う事・思う事は後々現実となるから、
 僕のしている事は
『イメージを捏造してる』んだよ』

「イメージを捏造?」

『分かりやすく言うなら、暗示だろうね…
 誰かにそれを言われると、
 その気になるのと一緒だよ』

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308:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/06 13:36

「…わたしは、嫌いじゃないかな」

それを呟くと同時に、
突然今までとは違う音が、
波となって寄せる。

『…ごめん、用って何?』

「あ、えっと… 暇なら、
 コーディネートを見てほしいなって…
 ほら、客観的に見てくれそうだしっ!」

『うん、いいよ。
 少し待っててくれるなら、ね』

(この騒がしさ…
 何か起きたに違いない。
『少し待つ』時間が出来た事で…)

寧ろ好都合である。

「うんっ!ドレストック前でねっ」

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309:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/06 16:03

『ピッ…』

通話を終了すると、
声が集う先に目をやる。

「今度はこっちの店が…」
「あの女と言い、キワクも物騒ねぇ」

「…すみません、
 何かあったのですか?」

近くにいた渋い赤のドレスを来た
茶髪の女性に、骸は話しかけた。

「坊や、ここの子かい?」

骸の話しかけた女性は、四十代だろうか。
その割には若くも見える微笑みを、
骸に見せた。

「え… いえ…」

「そうかい。じゃあ、
 こちらの枠に入ってしまった少年
 なのかい?」

「こちらの… 枠?」


4日目午前 光から思う女性 終
                レディ

4日目午後 意地で流れる木枠
                  キワク
予告あり >>310-
予告なし >>311-

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310:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/06 17:11

4日目午後 意地で流れる木枠
           キワク
4日目午前 >>280-309
4日目深夜 >>


キワク街でのブラックルゥ騒動と共に、
もう一つの騒動が
プレイヤーの前に明るみとなる。
そして、第二世界の設定を知った骸は…。

約束事・隠し事で
がんじがらめとなった一日は、
今日も爪痕を残して流れてゆく。

内容は変更になる可能性があります。

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311:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/06 17:46

「そうか…
 坊やはここに来たばかりなのか」

骸が口を挟めず、
女性は話を進めていってしまう。

「えっと、そ…


「残念だけど、
 ここから帰る術はないよ」


 なんですか…」


既に四日ここにおり、
『来たばかりではない』と
言うつもりであった。

しかし、そんな言葉は自然に引っ込まれ、
別の言葉を信じられぬまま
飲み込んでしまうのである。

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