カルチャー
マイケル・ジャクソンもビートルズもぶった切る|クインシー・ジョーンズ大大大暴露【前編】
From New York Magazine(USA) ニューヨーク・マガジン(米国)
Text by David Marchese
グラミー賞28回受賞のレジェンド、クインシー・ジョーンズ
Photo: Stefanie Keenan / Getty Images for Mr Chow Enterprises
音楽界の重鎮、クインシー・ジョーンズ(85)が「ニューヨーク・マガジン」の独占インタビューで言いたい放題。
毒舌全開でマイケル・ジャクソンやビートルズらをこき下ろし、しまいにはケネディ暗殺の真犯人を知っているとまで言いだした!
世界中のメディアが争って引用したクインシー御大の超絶ぶっちゃけトーク、伏せ字なしの全訳を前後編でお届けします。
マイケルは欲深い泥棒だ
「私はいつだって真実だけを語ってきた。この世に怖いものなど何もないからな」
ロサンゼルスのセレブな住宅地ベルエアに建つ宮殿のような邸宅のソファーに身を沈めたジョーンズはそう豪語し、驚愕の暴露話を連発した。
その日、私を迎えたジョーンズはゆったりとしたセーターに粋なスカーフという出で立ち。実名を挙げて大物たちを、もち上げたりクソミソに言ったり、思い出話にふけったり……。
言葉は辛らつでも語り口はとびきりチャーミングで、たびたび身を乗り出しては私の膝をたたき、拳を突き合わせる。
そんな魅力あふれるレジェンドとの濃密な時間をどうぞ。
──あなたはマイケル・ジャクソンが親きょうだい以外で最も一緒に仕事をした人です。マイケルについて、世間の人が知らないことを教えていただけますか?
こんなこと公にしたくはないんだが、マイケルはかなりの曲を盗作した。「ビリー・ジーン」もドナ・サマーの「ステイト・オブ・インデペンデンス」をパクったものだ。
音符は嘘をつかないんだよ、わかるだろ。マイケルは目的のためには汚い手も使う、筋金入りの策士だった。
──と、おっしゃいますと?
欲が深いんだよ。強欲なんだ。
「今夜はドント・ストップ」だってそうだ。あれのCメロは(キーボード奏者の)グレッグ・フィリンゲインズが書いた。マイケルは著作権料の10%をグレッグに支払うべきだったのに、そうしなかった。
1994年グラミー賞授賞式でマイケル・ジャクソンと。ジョーンズはマイケルの大ヒットアルバムを何枚もプロデュースした
Photo: Chris Walter / WireImage
──音楽以外で、マイケルについて世間が誤解していることはありますか?
整形手術はやめておけと、口を酸っぱくして言ったんだがな。そのたびに、あいつは病気のせいだとか言いわけばかり。でたらめだよ。
──マイケルが抱えていた問題はどの程度、名声と関係しているんでしょう。
外見の話か? あいつが自分の容姿を受け入れられなかったのは、父親に醜いとさげすまれ、虐待されたからだ。ひどいもんだ。
──マイケルの音楽と人生を並べてみると、すごくいびつな感じがします。音楽はあれほど喜びに満ちているのに、人生は悲しく、年を経るにつれてどんどんおかしくなっていったようで。
たしかに。だがとどめを刺したのは麻酔薬のプロポフォールで、あれは誰の身に降りかかってもおかしくない災難だ。
製薬大手は鎮痛剤のオキシコンチンとかそういう劇薬を平気で売り出し、とんでもないことになっている。私はクリントン家と親しく、8年間、ホワイトハウスに出入りしていたからね。製薬大手の影響力は嫌というほど知ってるよ。まったくしゃれにならない。
ところで、君、星座は?
──魚座です。
私もだよ。最高の星座だ。
──クリントン家と親しかったようですが。なぜあの一家は世間に毛嫌いされるんでしょう。
ヒラリーには隠れた一面がある。秘密を抱えていると、ばれたときが大変だ。
──秘密ってどんな秘密ですか?
これも、公の場でしていい話じゃないな。
──さぞかし、多くの秘密をご存じなんでしょうね。
私はいろんなことを知りすぎたよ。
──ほかに知らないほうがよかったと思うことはありますか?
(ジョン・F・)ケネディを殺した真犯人。
──誰なんです?
(シカゴ・マフィアのボス)サム・ジアンカーナだよ。シナトラとマフィアとケネディはつながっていたんだ。
(JFKの父親の)ジョー・ケネディは悪いやつだった。ジョーがシナトラにジアンカーナへの口利きを頼んで、票を集めさせたんだ。
──その説は聞いたことがあります。1960年の大統領選で、マフィアがイリノイ州の得票工作をしたという話ですね。
これも、いまここで話すのはまずい。
ビートルズは世界最悪のバンド
──初めてロックを聞いたときはどう思いました?
ロックなんてのは、R&Bの白人バージョンにすぎんよ。そうそう、私はポール・マッカートニーが21歳のときに会ってるんだ。
──ビートルズの第一印象は?
世界一へたくそなミュージシャンだったね。ポールみたいにへたなベースははじめて聞いた。リンゴ(・スター)は話にならんよ。
ある日、ジョージ・マーティンとリンゴと私の3人でスタジオに入っていたときのことだ。
リンゴはある曲の4小節をものにしようとしていたんだが、3時間たたいても終わらない。全然だめ。
だから「1時間半くらい休憩してこいよ」と外に出した。リンゴが出かけると、私とジョージはすぐさまジャズ・ドラマーのロニー・ヴァレルを呼んだ。
ロニーは15分でばっちり決めて帰っていった。そこへリンゴが戻ってきて言う。
「さっき録ったのを、もう一回聞かせてくれないか」
テープを再生すると、リンゴは言った。
「そんなに悪くないじゃねえか」
「そりゃそうさ、おまえのドラムじゃねえからな」と言い返してやったよ。いいやつだけど、ドラムの腕がな。
2009年グラミー賞授賞式の前日にポール・マッカートニーと
Photo: Kevin Mazur / WireImage
──お眼鏡にかなったロックミュージシャンはいました?
クラプトンのバンドはよかったな。なんていったっけ?
──クリーム。
うん、やつらはうまかった。だがジミ・ヘンドリクスみたいに歌って弾けるのは誰だか知ってるか?
ポール・アレンだ。
──ポール・アレンってマイクロソフトの共同創業者の?
そうだ。あいつのヨットでクルーズ旅行をしたんだが、一緒に招かれていたのがデイヴィッド・クロスビー、ジョー・ウォルシュにショーン・レノンとクレージーな連中でね。
そこにスティーヴィー・ワンダーがバンドを連れて合流し、ポールを巻き込んでセッションをやった。いやあ、あいつはただ者じゃない。
ハーヴェイ・ワインスタインはクソ野郎
──50年前と比べて、この国はよくなっていると思いますか?
思わんね。いまの米国はどん底だよ。でもだからこそ、人々は世直しをしようとがんばっている。
たとえばフェミニズム。もう我慢ならないと、女たちは立ち上がった。人種差別。これとも人々は戦っている。神は人間を強くするために、わざと苦難をお与えになる。
──エンターテインメント業界の最近のセクハラ暴露騒動は驚きですか?
いいや。女性は辛酸をなめながら、じっと耐えてきた。女性と黒人のブラザーたちは、どちらもガラスの天井に阻まれている。
──あなたのお友だちであるビル・コスビーの性的暴行疑惑はどう思います?
みんな訴えられた。ブレット・ラトナーもハーヴェイ・ワインスタインも訴えられた。
ワインスタイン、あいつは口先だけのクソ野郎だ。
──それで、コスビーの件は?
コスビーがどうした?
──ショックでした?
公の場でする話じゃないね。
コメディアンで友人のビル・コスビー(左)の話題は避けようとしたジョーンズ。1991年撮影
Photo: Ron Galella, Ltd. / WireImage
──話があちこち飛んですみませんが……。
魚座らしくやってくれ。アドリブで。
※イヴァンカ・トランプとの親密な関係までぶちまけた後編は明日19時に公開します。