津波浸水想定区域 風評懸念、標識撤去 地元要望で静岡市
(2018/3/28 07:30)-
静岡市は27日、同市駿河区の中島学区自治会連合会の地域内にある「津波浸水想定区域」の標識を撤去した。市が、海岸付近に設置した38枚のうちの5枚で、同区中島地区の国道150号中島交差点南側や大浜街道の大浜橋交差点付近などに掲げられていた。同自治会連合会が今年2月、「人口減少などの風評被害につながる恐れが強い」として、撤去の要望書を市に提出したことを受けた措置。
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標識は「これより先 津波浸水想定区域」などと記され、外国人向けに英語表記も添えられていた。38枚の標識は2017年3月、津波避難の目安とするため市内海岸付近に設置した。一部住民からは標識撤去に疑問の声も上がっているが、同市危機管理総室の担当者は「正式な書面で住民の要望があり、撤去はやむを得ない。さまざまな方法で周知を進め、表示方法なども検討していく」と説明した。
撤去工事が行われた同日、住民が現場を訪れ、作業を見守った。大浜街道沿いに暮らす無職男性(73)は「不安をあおるような標識はいい気がしなかった。中島学区以外にも危ない場所はあるし、全部に設置していたらきりがない」と話し、工事現場を見つめた。
一方で、大浜街道沿いに数年前に引っ越してきたという無職女性(77)は「なぜ撤去したのか分からない。この辺りは地盤も低いし津波が来れば危ない。新しい住民などのためにも必要だと思う」と首をかしげた。
撤去の発端になった要望書は、住民から撤去を求める声が多くあったことを受け作成。中島学区の全自治会・町内会、部農会が連名で市長宛てに提出した。「中島地区は日頃から防災訓練に多くの住民が参加し、自助・共助の考え方が浸透している」とし、「標識が住民の不安や事業所の転出など風評被害につながる恐れが強い」と記した。
■自治体が判断
防災・減災行動の情報マネジメントに詳しい静岡大情報学部の井ノ口宗成講師(情報学)の話 住民の気持ちも理解できる。平時の安定を取るか、災害時の危機の縮小を取るかは自治体の判断だが、危険性を示さないのはどうか。看板の大きさや設置場所について検討の余地はあるが、完全撤去は不適切な対応と考える。
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