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アーカイブストップ » みのがし なつかし: 特集記事から探す » なつかしの番組 連続テレビ小説編: 連続テレビ小説『ふたりっ子』

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連続テレビ小説『ふたりっ子』

大阪・通天閣に近い天下茶屋の商店街に生まれた双子の姉妹。優等生と落ちこぼれ、性格も目指すものも違う対照的なふたりの幸せ探しと波乱万丈の人生を描いた。

Wヒロインの幸せ探し

 対照的な性格のヒロイン2人、二卵性双生児の麗子と香子のWヒロインで描いた『ふたりっ子』。少女時代を演じた三倉茉奈さんと佳奈さんの双子の姉妹“マナカナ”は、そのかわいさで一躍人気者となり、後半には麗子の子どもとして再登場している。

 そして、18歳から30代半ばまで約20年間を変化をつけながら演じたのが麗子役の菊池麻衣子さん、香子役の岩崎ひろみさんだ。夢と現実、挫折と成功、二転三転する恋物語など一筋縄ではいかない成長物語が繰り広げられたが、その中で双子の姉妹2人が同時に挙式するという結婚式シーンは見応えがあった。麗子はウェディングドレス、香子は佐賀錦の色打ち掛け姿で華やかさを競い合った。

 クランクイン当時、菊池さんは「ちょっと麗子ってスカーレット・オハラのようですよね。カッコいい“悪(ワル)”で一見わがままっぽいけど、誰もが心の中に持っている人間くささを感じる麗子はやればやるほど、読めば読むほど好きになっています」。岩崎ひろみさんも「香子のような生き方というのが、かんたんなようですごく難しい。一直線に人の目を気にせず自分が思ったとおりに動けることはすごいなぁと思うし、見習うべき事がたくさん。そんな人物を半年間、演じられるのは嬉しいですね」と、それぞれ役への思いを語っていた。その波乱万丈な人生、スピーディーな展開を見事に演じきった2人、終わってみれば平均視聴率29%という大人気ドラマとなっていた。

  • 少女時代の香子(三倉佳奈さん)
  • 麗子(三倉茉奈さん)
  • 香子(岩崎ひろみさん)
  • 麗子(菊池麻衣子さん)
  • 双子揃って結婚式のシーン

劇中歌が大ヒット!

 対照的な姉妹の幸せ探しとともに、注目を集めたのが通天閣の歌姫・オーロラ輝子だ。劇中で輝子が歌った『夫婦みち』はすさまじい反響を呼び、1997年の「紅白歌合戦」にはオーロラ輝子として出場まで果たしている。当時、こうした反響にもっとも驚いていたのが輝子役の河合美智子さんだった。役が決まってから輝子のモデルとなる本物の通天閣の歌姫・叶麗子さんのショーを見たとき「ステージの迫力はもちろんのこと、叶さんが歌う姿を見つめるお客さんの目がみんなハートで、え、私にはこんな引き付ける力はないです」と、大変なプレッシャーを感じたそうだ。「とてもいい曲なので、こぶしのまわせない私より、本当はもっとうまい人に歌ってもらえればよかったのですが…」と恐縮しきりだったが、河合さんの熱演がオーロラ輝子人気に火を付けたことは間違いない。劇中歌『夫婦みち』と輝子の新曲として発表された『まごころの橋』の2曲が入ったCDは85万枚を超えるヒットとなるなど、勢いはとどまるところを知らなかった。ちなみにモデルとなった叶麗子さんは、“ダイナマイト玲子”という歌手役でドラマに出演、自身の持ち歌『通天閣情話』を披露した。

  • オーロラ輝子役が大反響 河合美智子さん

本物の“通天閣の歌姫”叶麗子さん

有名な棋士の出演も話題に

 プロ棋士となる夢をかなえていく香子。ドラマには将棋界の重鎮・内藤國雄九段、谷川浩司竜王(当時)など、数多くのプロ棋士が出演して話題になったが、終盤には羽生善治名人(当時)が登場。最終回を含む2話に登場して香子と対局するというシーンが描かれた。この撮影が行われたのは羽生名人の「王将戦」の真っ只中だったが、「盤の前に座るのはいつもと同じですが、女性と対局することはないので厳しい顔をするのが難しいですね」と終始ニコニコ顔で、ドラマ初出演とは思えない落ち着きぶりを見せていた。むしろ、撮影に慣れているはずの岩崎ひろみさんのほうが緊張してしまったそうだ。

 球界きっての将棋通として知られるヤクルトスワローズの古田敦也さんが棋士役で登場したことも話題になった。こちらは「ドラマは初めて、久々に緊張した」とのことだったが、なんとNGなしの一発OK。これには岩崎さんも「とても野球選手とは思えません。本物の棋士のようでした」と感心。もっとも古田さんの将棋の腕前はプロ級で、日本将棋連盟から「名誉初段」の称号までもらったほど。羽生名人と飛車角落ちで対戦した際にも勝利を収めているのだ。ヤクルトのチーム内で行われる将棋大会でも「名人位」と「王将位」の二冠王。棋士ぶりが板に付いていたのも納得だ。

  • 古田敦也さん 実は将棋もプロ級の腕前…

  • 香子が羽生善治名人(当時)と対局するラストシーン

戦国武将のような名前が…

 羽生名人、古田選手などが登場したのは物語の終盤。時は近未来の2001年、香子は上位8人に入るA級八段、森山史郎(内野聖陽)は飛竜戦を三期防衛して九段になっている。2人が活躍する将棋界は7つのタイトルを7人の棋士が分散する“群雄割拠の戦国時代”という設定。そこで、ツワモノ揃いの棋士たちの中には戦国武将を模した役名も登場した。古田敦也さんは毛利元就ならぬ棋将・毛利元彦役。岸部一徳さんが演じたのは飛将・織田信雄。上杉謙信を思わせる王棋・上杉康治役は桂小米朝さん。そして、茂山宗彦さんは五段・羽柴秀明役と、遊び心満載だった。

  • 上杉王棋役 桂小米朝さん
  • 織田飛将役 岸部一徳さん
  • 毛利棋将役 古田敦也さん
  • 羽生善治さんは本人役

ヒットドラマ誕生まで

 脚本を担当した大石静さんは、「(朝ドラは)保守的な枠だと言われていたけれど、終わってみればやりたいことをやらせてもらった気がします」と話している。ヒロインの離婚、近未来の21世紀を描くなど、大石静ワールド全開だった『ふたりっ子』。これは、演出を担当した長沖渉チーフ・ディレクター(当時)との徹底した話し合いの中で生まれたという。企画の打ち合わせ段階から連日10時間近く議論を重ね、「たまには、けんかもしました(笑)」というほど。しかし、それが「これほど自分を出した作品はない」という出来上がりになった。

 長沖ディレクターからの「大阪の空気を吸って大阪を愛してください」という強力なアプローチに、大石さんが大阪に滞在して執筆したこともあり、「大阪の街が大好きになって、第二の故郷みたいになってしまいました」とのこと。1週目の台本は標準語だったが、2週目からは関西弁になり後半になるとほとんど直しがないほどの練達ぶり。これには長沖ディレクターも「言葉自体が生き生きとしていた」と脱帽していた。

  • 脚本 大石静さん
  • ヒロイン達の未来を描いた“21世紀編”

ステラNHK名作座 コラム

こってり大阪風味の双子物語

 大阪・天下茶屋の豆腐店に生まれた麗子(菊池麻衣子)と香子(岩崎ひろみ)は、まったく性格が違う双子の姉妹。秀才の麗子は京都大学からビジネスの道へ、おてんばな香子は将棋のプロを目指す。やがて双子はそれぞれ恋しい相手とすったもんだの末にゴールイン。ところが、麗子のビジネスは破綻、初の女性プロ棋士となった香子はプロ棋士の夫(内野聖陽)に「私の夫やない。私の敵なんや、別れてください」と言い放つ!

 毎度なんでこうなるの?と思う出来事の連続で、悲しいはずなのに笑っちゃう。こってり大阪風味の空気を大石静の脚本と “マナカナ”こと子役の三倉茉奈・佳奈、河島英五、宮川大助・花子、桂枝雀ら関西人キャストがイキイキと表現する。そんな中、抜群の存在感を見せたのが銀じい(中村嘉葎雄)。賭け将棋に生きる銀じいは将棋センターについていこうとする小学生の香子に「こどもが来るとこやない。ここは通天閣の地獄」と。着物姿の銀じいはまるで昭和の任侠映画の人物。人情ドラマを勝負の厳しさが引き締める。予想不能の面白さに満ちた異色のドラマだ。

文/ペリー荻野

  • 連続テレビ小説 『ふたりっ子』 【1996年~1997年放送】 優等生で美人の姉・麗子と、落ちこぼれだが将棋の才能抜群の妹・香子。通天閣を仰ぎ見る大阪・天下茶屋に生まれた対照的な双子の波乱万丈の人生を描く。

    作:大石静 音楽:梅林茂、NOKKO 語り:上田早苗

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