近年、北朝鮮問題、尖閣諸島の問題、竹島の問題等がクローズアップされている。先日も、尖閣諸島周辺の領海に、中国海警局の船3隻が相次いで侵入した事件があったばかりだ。こういった問題に対し、日本も毅然とした対応を取れる体制を整備すべきだという意見が強まっている。つまり、改憲だ。
それも一理ある。しかし、僕は戦争を知る最後の世代として、戦争に繋がる可能性は少しでも排除したいと考えている。高坂理論のように、憲法と自衛隊は矛盾しつつも保持すべきだという意見に賛成だ。
さらに言えば、日本は、中国や米国という二大国と強固な友好関係を築くべきだと思う。日本国内では特に反中感情が強いが、中国とは敵対すべきではない。
ところが、安倍首相の周囲にいる自民党幹部たちの多くは、中国脅威論を支持している。その中で、少数派である親中派が二階俊博幹事長だ。日本の政治家の中で、習近平国家主席とのパイプを持つのは、二階さんだけだと言っていい。僕は、彼の意見に賛成である。日本は、中国と米国の両国と強い友好関係を保つことができれば安全なのだ。
改憲論然り、中国脅威論然り、日本の世論は今、危険な方向に進んでいるように思えてならない。先日、あるウエブニュースの編集長と話す機会があった。彼が、「日本を肯定する記事、あるいは中韓を批判する記事は読まれやすい」と話していたのが印象的だ。
これと同時に、社会全体が、自分と異なる意見を受け入れる余裕が失われつつあるとも感じる。日本は長期のデフレに陥り、実質賃金が減少し、非正規社員の占める割合は40%近くに達している。
格差社会は、人々から寛容な気持ちを奪いつつある。すると、民衆はより過激な意見に流されやすくなる。
こういった傾向は、日本だけではない。米国でトランプ大統領が誕生したことも、典型的な出来事の一つだろう。
繰り返すが、僕は戦争を知る最後の世代として、日本が戦争に巻き込まれることは絶対にあってはならないと考えている。しかし、世の中を取り巻く状況がどんどん変わってきてしまった。そこに強い不安を感じるが、だからこそ、僕はこれからも戦争を回避すべく主張を述べていかなければならないのである。
祖父母(明治生まれ)や両親(戦中生まれ)の話を聞いて
明治生まれは戦争を経験した
大正生まれは戦場を経験した
昭和生まれは戦後を経験した
と確信する。
さらに昭和生まれの人間(私自身は40台後半)としては、
インターネットを通じて大量の情報に囲まれている
平成の子供たちが各個々人の尊厳をもって、
さまざまな背景を持った他人と対等な関係で
人生を歩んでいけるようにするには
自身が属するグループの歴史、世界をとりまく現在の状況、
将来起こるであろう予測を含めた良質な情報こそが最重要と考える。
人生の大先輩であることを差し引いても
昭和生まれの人間が戦争を知っているなどおこがましいし、
主義主張のために事実を捻じ曲げて流布するなど
平成、次の世代の人間に対して礼を失した態度が
朝日新聞がたたかれる理由であろう。(2018/03/02 15:52)