広告の展開がこんな有り様では、アメリカでの販売計画自体が水泡に帰すのは当然のこと。結局、この期間の売り上げは、当初の計画の半分にも満たなかったという。これを機に同社の資金繰りは急速に悪化。結果、SOHOの旗艦店の閉鎖をはじめ、数々のリストラを余儀なくされたのだった。
「高岡会長は憤りを隠しませんでした。これは電通サイドにもしっかりと原因を分析してもらい、場合によってはビジネス的な補償もしてもらわなければならない、という姿勢でいました」(高岡会長を知る人物)
この高岡会長の怒りを解こうと送られたのが、冒頭の電通の「謝罪文」なのである。
ところが、これではことは済まなかった。「被害」に関する認識があまりに違っていたのだ。
まず、電通の「謝罪文」にはこう書かれてある。
「本件における契約当事者が弊社グループ米国会社であることに起因する、税制を始めとする各種制約を鑑み、現地での処理として進めさせていただかざるを得ませんことを、ご了承頂けますようお願い致します。
つきましては、最大限示せる誠意としては、弊社グループ米国会社の受注金1.68mio.USD(編集部註:約1億8600万円)のうち、現在未払未了となっている約0.73mio.USD(同然・約8100万円)の範囲内となることにつき、ご理解を賜えれば幸いです」
ごく簡潔に言うなら、PR・広告宣伝の面で不手際があったことについては認めたうえで、「まだエアウィーヴが支払っていない代金のうち、8000万円は払わなくて結構です。それで収めてください」ということだ。
一方のエアウィーヴ側は、この提示に納得していないという。関係者が明かす。
「アメリカに投じた30億円のうち、少なくとも電通サイドには6億円から8億円の支払いがあった。ホームページが動かないなど、まったく満足のいく仕事をしてくれなかったのに、わずか1億ですべてをチャラにしようというのは、あまりに虫が良すぎではないか、ということでした」